実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第778回】DVD第5巻:Act.17の巻(4)

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おめでとうございます。


1. 十番中学の謎、ふたたび


 さあ今日は雑談なしだ(それを期待している方、すみません)。いろいろ用事があるので、てきぱき本題にはいって手短にまとめるぞ(まとまったためしはないが)。Act.17、家庭科の時間。前回はお菓子作りだったが、今回は被服のほうだ。家庭科の菊池先生を演じているのは松井涼子さん。auのCMとかに出ていらっしゃったけど、最近あまりお見かけしませんね。



先 生「はい、本日の授業はここまで。A班の課題は、今日やった基本を踏まえてマフラーを編むこと」
生 徒「はい!」



先 生「B班の人はワンピース。頑張って下さい」
生 徒「はい!」



先 生「提出は期末テストまで。せっかくだからワンピースは誰か着てくれる人。マフラーは誰かあげる人」



先 生「そういうのをイメージして編むと楽しいわよ。恋人とかね」



な る「うさぎは当然、地場くんだよね?」



うさぎ「えっ!」


 先生、中学校なのに「恋人とかね」なんて言って。いやまあ、先生も冗談で言ったのだろうけど。ただA班の子は「好きな男の子にマフラー編を編む」でいいと思うけど、B班の場合、ワンピースを着てくれる人に作るって、どんなんだろう(そもそもA班とB班でだいぶ課題の内容が違うね)。お母さんとかかな。
 ところで見てのとおり、画面に映った範囲では、このクラスには女子しかいない。私の年代では違和感はないが、女子差別撤廃条約に基づく学習指導要領の改訂で、中学校では1993年度から男子も家庭科が必修になっているはずである。なのにここには、山本ひこえもんはじめ、男子はひとりもいない。



 以前、Act.1に出てきた時間割表を再現してみたことがあったけど、それによればうさぎたち2年1組は、木曜日の5時間目が「技術/家庭」の時間だ。つまり技術と家庭は選択必修で、男子はみんな技術の方に行っちゃったことになる。十番中学はいちおう公立のはずだが、そういう解釈でいいのか。
 まあね、うさぎの通う十番中学は、実は謎だらけなのである。



 まずCBCの公式サイトによれば。十番中学は区立である。驚いたことに、すでに放送から15年以上経った2020年現在、まだCBCの実写版セーラームーン公式サイトは稼働しているので、ぜひ現物をご参照ください(ここ)。



「美少女日記」のコーナーも浜千咲の誕生日が「11月10日」となっていて、当日キャストやスタッフからお祝いをしてもらったという記事(2003年11月19日の日記)も残っている。当時われわれはこの年齢問題におおいに振り回された(「泉里香」になってからの誕生日は10月11日で、結局こちらが正しかった)。



 ともかく、このCBC公式サイトによれば、十番中学は間違いなく区立である。ところが正門にそのことが明記されていない。ただの「十番中学校」だ。しかも時間割が公立っぽくないという問題もある。このへん私は詳しくないが、当ブログの教務主任である こっちよ!研究員によれば、ここの時間割は指導要領の標準値からだいぶ外れていて、数学・英語が多くて理科が少なくて、また道徳や総合などがない。



 これは「私立大学文科系進学シフトを中学校段階から布いている中高一貫校」をイメージさせる時間割だという。こっちよ!研究員は、ぶっちゃけロケに使われた新宿の目白研心中学校(当時は目白学園中学校)の時間割をそのまま流用したものではないか、と推測されていた。なるほど。



 あと、Act.2の中間考査の成績発表をみると、成績優秀者リストには1組、2組、3組の生徒しかいない。ということはこの3クラスは成績優秀者の特進クラスということになるけど、じゃなんでうさぎは、木野まことが転校してきた6組じゃなくて1組にいるんだ、とか、考えれば考えるほど公立らしくないんですよね。
 しかし一方で、Act.33の亜美とママの会話を聞くと、ママ(筒井真理子)は亜美を私立に入れることを考えていたけれど、せめて中学までは公立で、と考えて十番中学に入れた、としか思えないのだ。



冴 子「ママも悪かったわ。やっぱり亜美には向いてなかったのね」



冴 子「前から考えてたんだけど、転校した方がいいと思うの」



亜 美「え?」



冴 子「中学までは普通の学校もいいんじゃないかと思ったけど、やっぱり……いろいろ影響されちゃうものね」



亜 美「えっ、違う!学校はぜんぜん関係なくて」



冴 子「じゃ、なあに?」



亜 美「それは……」


 ていうことは、十番中学はやっぱり公立か。でも、さらに言ってしまえば(そして「それを言っちゃあおしまい」ではあるのだが)、このまま春が来ても、うさぎたちのクラスはAct.29で黒木ミオが転入して、その代わりAct.30を最後に山本ひこえもんが姿を消したくらいで、ほかは担任もクラスメートも何の変化もない。進級もしていないようなのだ(!)、これはひょっとして9月入学のインターナショナルスクールみたいなもんか、という疑惑も生ずる。
まあ、当研究所はすでに【第87回】【第223回】【第224回】【第313回】などで、そういったことをいろいろ分析・考察しているが、もし関心をお持ちの向きがあれば(ないと思うけど)ご参照ください。「技術・家庭」問題についても、そういうわけで「よく分からない」というだけにしておくね。こっちよ!研究員、もし読んでいたらコメントください。

2. 亜美がうそをついた


 さあそして場面は代わってクラウン。亜美は真っ赤な毛糸を編んでいる。彼女はそれを授業の課題だと主張するのだが……。



まこと「へぇ~、1組の課題もマフラーなんだ?」
亜 美「ワンピース作りも選べたんだけど、私、マフラーなら得意だから……」



まこと「いい色。でも亜美ちゃんぽくなくない? だれ用?」
亜 美「お母さんの大好きな色なの。あげる人をイメージして、って言われたから」



まこと「ああ、先生そういえばそう言ってたね。私は誰にしようかなぁ」


 でもほんとうは、このとき亜美が真っ赤な毛糸で編んでいたのは、ママのマフラーじゃなくて、レイのミトンではないかな、と思うのだ。じゃあ課題のママのマフラーは、といえば、手の早い亜美はもう編んじゃっているんじゃないかと推測する。いくらなんでも早過ぎるか。
 でもまあ、亜美はこのAct.17ではさっき見たとおり赤い毛糸、Act.19ではピンク、Act.20では緑、Act.21で自分のブルーの毛糸玉を手に編み物をしていて、そのAct.21の最後にダーク・マーキュリーと化してクンツァイトと姿を消してしまう。


Act.19 ピンク


Act.20 緑


Act.21 ブルー


 そしてAct.22、亜美のいないクラウンに戻ってきた戦士たちは、彼女が編んでいたものが、戦士たちのお揃いの手袋であることを知る。




 というふうに考えると、やっぱりこのAct.17の赤はマーズの赤だと思う。「お母さんの大好きな色なの」なんて、サプライズのためとはいえ、亜美もけっこうウソつきだ。そしてそのウソつき亜美が、心の奥の暗黒面を解放して、ダーク・マーキュリーとなっていくわけだね。
 さて、話を戻して、まことはうさぎが浮かない顔でいることにも気づかず話しかける。




まこと「あ、うさぎ、うさぎは誰か決めてる?」



うさぎ「え?」



うさぎ「…私は……」




うさぎ(…私は……)



うさぎ「当然、タキシード仮面でしょ!」



まこと「は?」



亜 美「どうして?」



うさぎ「だって地場衛なわけないじゃん!私が好きなのはタキシード仮面なんだから!」



まこと「なに言ってんの?」
うさぎ「あっ、私も毛糸買いに行こうっと」



うさぎ「タキシード仮面のイメージで」




まこと「ちょっとうさぎ……」


「だって地場衛なわけないじゃん」は、さっき学校で「うさぎは当然、地場くんだよね?」となるに言われて「えっ!」と止まっちゃって、ここでようやく答えが出たわけだが、もうまことにも亜美にも意味がわかんない。そんなことはどうでも良くて、うさぎは荷物を取って飛び出して行く。



 少しずついろんなものが増えていくクラウンの秘密基地。この階段横の物入れというかロッカーは、今回初めて登場している。五つのボックスがあって、手前はハートマークで奥がオレンジというセーラーヴィーナス仕様なんだが、美奈子は結局これ一回も使わなかったんじゃないかな。切ないですね。



まこと「何かあった?」



亜 美「……わかんない……」



まこと「ちょっと行って来るから、レイに言っといて」



亜 美「あ、今日レイちゃん来ないって。お母さんの命日だから、教会に行くって」



まこと「教会?」


 うさぎの恋の悩みは、亜美にはまったくわからない世界だし、神社の娘がなんで教会へ行くのかまことにもわからない。分からない同志で、いよいよ次の場面は教会だ。ということで、今回はこれまで。