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【第764回】泉里香『隕石家族』第7話の巻


 今年は実現しなかったメドヴェージェワのアイスショー。記念に貼っておく。来年はぜひ実現して欲しいですね。
 さて、もう1ヶ月も前の話になって済まないが、2020年5月5日付けのYahoo! ニュースに、辺真一さんが次のような記事を書かれていた。


 西村康稔経済再生相が昨日、「日本は人口10万人あたりの(新型コロナウイルス感染者の)死亡者の数は世界に比べて少ない」と発言していた。日本の感染対応が他の国に比べれば「うまくいっている」とでも言いたいのか、何の慰めにもならない。



 西村大臣はおそらく6万8587人の死亡者を出している米国を筆頭に数万人の死亡者を出してしまったスペイン、イタリア、英国、フランス、ドイツなど欧州諸国を含め1千人以上の死者が確認されているイランやトルコなど20数か国と比較して日本なりの「成果」を誇りたかったのかもしれないが、比較対象がそもそも間違っている。
 西村大臣の発言は、成績の悪い学生が自分よりも成績の悪い友達と比較して「俺はあいつよりはましだ」と言っているようなものだ。そうではないだろう。


(中略)


 日本は人口10万人あたりの死亡者の数が決して少ないとは言えない。そのことは累積で1万人以上の感染者を確認している同じアジアの国々と比較するとわかる。
 日本は人口1億2596万人に対して死亡者は549人だが、日本よりも2倍も人口の多いインドネシア(2億6189万人)の死亡者は845人である。また、2億人以上の人口を抱えるパキスタン(2億777万人)の死亡者は日本よりも92人少ない457人である。さらにインドは約13億5261万人と日本よりも約10倍も多いが、死亡者1391人で、日本の2.5倍程度だ。ちなみに約1 万8205人と日本よりも数千人も多く感染者が出ているシンガポールは18 人で、日本の30 分の1 程度だ。
 感染者が1 万人以上出てないので比較対象とはならないが、この他にすでに終息した台湾は6 人、ベトナム、カンボジア、マカオ、モンゴルに至っては死亡者はゼロである。
 そして、日本よりも一足早く終息に入りつつある韓国の死亡者は252人と日本の半分以下だ。実際には韓国の人口は約5100万人と日本の半分以下なので10万人あたりの死亡者数はほぼ同じだ。しかし、一日1人ないし2人しか死亡者が確認されてない韓国に比べて日本ではこの2週間、日々二桁の死亡者を出しているので10万人あたりの死亡者数が韓国を上回るのは時間の問題である。(辺真一「『人口10万人あたりの死亡者数は日本は少ない』は本当!?」Yahoo!ニュース 2020年5月5日)


 引用が長くなってしまったが、これを読んで私は「なんか違うな」と思った。その「なんか」の部分がバリバリの文系人間である私にはすっと出てこなくて、最近きちんと考えてみたわけです。本題とぜんぜん関係ないけどちょっとお付き合いください。
 『東洋経済オンライン』のスマホアプリ(使いやすい)で、我が国のコロナウィルス感染症による死亡者数の年齢別内訳をみると、20代の若者までに死者は1人も出ていない。30代で4名、40代で9名、50代で20名、60代で66名、70代で160名、80代以上で327名の死者となっている。これらを全部足しても600ぐらいしかいなくて、現在わが国の死亡者総数は886というから、最新のデータが反映されていないようだが、とにかく死亡者の8割ぐらいは60代以上の高齢者、という基本的な傾向は変わっていないようだ。



 それは日本だけの現象でもなくて、イギリス発の記事にもこんなふうに書かれていた。


 英国の研究チームは、COVID-19と確認された症例3600件以上と、流行発生地の中国・武漢から本国に送還された数百人のデータを分析した。
 分析の結果、感染症が重症化する主な決定要因に「年齢」が関係していることが分かった。入院が必要となる感染者の割合(入院率)は、30歳未満で約1%だったが、80歳以上では20%近くに上った。(AFP BB NEWS 2020年4月1日)


 いちいち古い記事ばかりですみません。検索の仕方が悪いのだと思う。でもまあとにかく、この新型コロナによる死亡者の数が高齢者に圧倒的に多い、という世界的傾向については、その後も特に訂正はないようだ。
 で「グローバルノート」というサイトの「世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国別ランキング・推移」(データ更新日:2019年12月13日)を見てみると、日本は当然ダントツの1位で、高齢化率(総人口に対する65歳以上人口の比率)は27.58%をマークしている。そうすると高齢者の数はだいたい3千400万人。
 で、さっきの辺真一さんの記事に「日本よりも2倍も人口の多いインドネシア(2億6189万人)の死亡者は845人である。また、2億人以上の人口を抱えるパキスタン(2億777万人)の死亡者は日本よりも92人少ない457人である」とあったけど、これを65歳以上の高齢者で比較すればどうか。インドネシアの高齢化比率は5.86%だから高齢者数は日本の半分以下の1千560万人、なのに死亡者数は日本と変わらない。パキスタンはさらに低くて高齢化比率4.31%なので、高齢者数は800万人と日本の4分の1以下。なのに死者数は日本の半分ぐらい。
 インドは確かに約13億5000万人(すげえな)と、人口は日本の10倍を超えるが、平均寿命は女性が70歳、男性が68歳で(日本は女性が87歳で男性が81歳)高齢化率は6.18%、高齢者人口はおよそ8千100万人で日本のおよそ2.4倍。先日の発表によると感染症による死者が4000人を越えた。日本の死者数の5倍近い。
 あとは韓国と中国。韓国の人口は約5100万人、高齢者人口比率は14.42%なので、高齢者数は714万人と日本の2割強。で最近の死亡者数は、日本の886人に対して韓国は269人と日本の3割。中国の人口は約14億人(これもすごいね)で、高齢化比率は10.92%なので、日本の4倍強にあたる1億4000万人が高齢者。一方、中国の国家衛生健康委員会が4月17日に掲載した声明によれば、中国の新型コロナ累計死者数は4632人。日本の5倍以上である。



 要するに、日本が世界に名だたる高齢社会であるとことを加味すれば、わが国の新型コロナウィルス感染症による死亡者の数は、アジア諸国と較べても驚異的な低さと言っていい、と私は考えているんですけど、みなさんどう思われます?
 それにしてもなぜなんだろう。自粛の呼びかけしかしていないのに。



 すまんすまん、よけいなおしゃべりが過ぎた。
 『隕石家族』第7話「アヒルの子」(2020年5月23日、原作・脚本:小松江里子/照明:生嶋航/撮影:布川潤一/監督:千葉行利)。今回演出を担当した千葉行利はプロデューサーである。そういや『悪夢ちゃん』も『カンナさーん!』も同じケイファクトリーの制作だよなと思ったら、どちらにも千葉行利プロデューサーの名前があった。



 泉里香とは『カンナさーん!』からの縁か。あれも、ドラマ自体の評判はイマイチだったけど(コメント欄でNakoさんが、母子家庭で家計のやりくりも苦労しているはずの渡辺直美がだんだん肥っていくのはおかしい、と言っていたのが笑えた)泉里香の役どころは良かった。ああいう、真面目なときの水野亜美みたいな役も、もう少し泉里香に振って欲しい。できる子なんだから。



 で、話はいよいよ最終回の一歩手前なんだけど、今回物語の中心となる人物は「キャプテン」こと片瀬(中村俊介)。このドラマのヒロインにして門倉家のママ、久美子(羽田美智子)の高校時代のあこがれの先輩で、浮気相手で、パパ(天野ひろゆき)とはネットで知りあった鉄道マニア仲間である。



 パパはもともと、キャプテンがママの浮気相手であることを知って接近したらしいのだが、キャプテンの人柄に惚れてしまい、おっさんずラブ状態。



 実はキャプテン、半年後に隕石が落ちて地球が終わると知ってから、すぐに仕事を辞め、家を売って、キャンピングカーで放浪の生活をしていた。そろそろお金も尽きるころになって、隕石が落ちないことになってしまい、どうしようもなくなってしまっていたのだ。そんなキャプテンを、パパは自分の家に引き取ってしまう。妻の浮気相手なのに。



 しかもそうやって転がり込んできたキャプテンを、やや認知症の入った「まだらぼけ」のお祖母ちゃん(松原智恵子)は、亡くなった自分の夫の和夫が帰ってきたと勘違いするので、余計わけがわからなくなってしまう。



 このキャプテン関係のエピソードは、基本的に泉里香が絡んでこないので、いままで取り上げて来なかった。なので今回も取り上げたいシーンはそんなにない。キャプテンが居候になったことで、いちばん参っているのは次女の結月(北香那)。



 まあね。前回、ほんとうはお金持ちのお坊ちゃまだった彼氏の翔太(中尾暢樹)から、一緒に火星に移住しようと誘われ、家族からも奨められた。でも意固地になってぜんぶ断わった。まだその気持ちの整理も十分につかないのに、門倉家に究極のストレンジャーが乗り込んできたのだから、気持ちは分からなくもない。



 そういうときに頼りにできるのって、憎らしいけどやっぱりお姉ちゃんしかいない。



結 月「いったん休戦しよ」



美 咲「まあいいけど」



美 咲(差し出された握手の手を無視)



美 咲「まずはキャプテンね」



結 月「実はお姉ちゃんに言ってなかったんだけどさ、ママとキャプテン、続いてんだよね」



美 咲「え、そうなの? 現在進行形で?」



結 月「そう。なのにパパがウチに連れてくるとか、もう訳わかんないよ」
美 咲「もしかすると、パパの作戦かもよ」
結 月「作戦?」



美 咲「一緒に生活するとね、ときめきも冷めるから」
結 月「え?」



美 咲「離れているから、相手を素敵に思えるものなの」



結 月「……じゃあわざと一緒に住まわせて、ママの気持ちを……、っていうこと?」



美 咲「私もね、森山先生と田舎暮らししたじゃない?」
結 月「うん」



美 咲「あれでちょっとね、距離おこうかなって思っちゃったんだよね」



結 月「最後の時、一緒に迎えたいくらい好きだったのにね(笑)」
美 咲「そういうもんなのよ」



結 月「まあ、でもパパがそこまで考えてるとは思えないけど」
美 咲「考えてないでしょ絶対」



結 月「あ〜、あと二ヶ月なのにぃ。面倒はもういいよ」



美 咲「とにかく、キャプテンには早く出ていってもらおう」
結 月「うん」


╳    ╳    ╳



片 瀬「ん!」



片 瀬「ほら、借りたよ、和夫さんの浴衣」




片 瀬「パジャマ姿可愛いね。似合ってる」



久美子「パパとはもう会っていないって言ってたのに」
片 瀬「いや、それは言わない方がいいかな、って。パノラマさんもその方が良いみたいだったし」
久美子「しかもうちに来るなんて……」



片 瀬「パノラマさ……きみのご主人が良いって言ってくれたんだ」
久美子「だからって……」



片 瀬「これで毎日きみと会える」


╳    ╳    ╳



結 月「あと二ヶ月でまた隕石が降ってくるかも知れないって時に、我が家はどうなってるんだろうね」



美 咲「そういう時だからこうなっちゃってるんじゃないの」
結 月「あっ!」



美 咲「常識とか世間体なんて、余命二ヶ月の今じゃなんの意味もないってこと」



美 咲「まあパパに関してだけ言うと、隕石様々じゃない?」



美 咲「まこの状況を喜んでいるような気がするな」
結 月「確かにね」


╳    ╳    ╳



和 彦「キャプテンもひとつ屋根の下か。みんな一緒だなぁ」


 妹の結月は、なんだかんだと家族のことを信頼しているし、やっぱり何かあるとお姉ちゃんを頼りにする。クールで誰とも距離をおくお姉ちゃんも、そんなふうになついている妹はやっぱり可愛い。だから、大好きな森山先生と疎開しているあいだ何があったのか、誰にも何も語らないくせに、妹にだけは「一緒に生活するとね、ときめきも冷めるから」と、ちらっと本音を漏らす。ケンカしながら何だかんだ姉妹だね、と思わせつつほんとうは実の姉妹じゃない、というのが今回のお話のオチである。



 結月(北香那)は、実はママの死んじゃったお姉さんの子で、だから美咲(泉里香)とは姉妹ではなく従妹である。……なんだイトコってけっこう近いな。姉妹とあまり変わらない。私はてっきり、北香那は20年前に落下した隕石のなかから出てきた火星の娘で、地球で見つけた婿をつれて火星に帰り、地球をはるかに凌駕する火星の超古代文明の兵器を使って隕石を破壊し平和を取り戻す話だと思っていたんだが。
 この第7話のタイトルは「アヒルの子」で、ふつうだとこれは北香那のことなんだろうけど、アヒルの子は最後は白鳥になるんだろうけど、……ええと、まあいいや。


松原智恵子 身長157cm スリーサイズ不詳
羽田美智子 身長161cm B80:W58:H85
泉  里香 身長166cm スリーサイズ不詳
北  香那 身長155cm B77:W57:H78


 で、キャプテンこと片瀬は居候の身分でもマイペースで、朝起きると庭で手作りベーコンと薫製卵なんか作っている。



 ママや結月は戸惑いっぱなしだが、いつもは(『家族ゲーム』の伊丹十三みたいに)目玉焼きの半熟の黄身をチューチューしていたパパや、美味しいものには目がない美咲は薫製卵をぱくつき、結月から叱られる。





 とりあえず今を楽しく、欲しいものは借金してでも手に入れ、美味しいものを食べて生きよう、というキャプテンの方針に感化されたのか、その日の晩、パパは、鯛とカニとステーキ肉をどっさり買い込んで帰ってくる。会社をリストラされて、退職金はまだもらっていないけど、一時金が出たというのである。






 とにかく泉里香ファンにとっての見どころは「食う泉里香」なわけだが、その最中に結月は、美咲と話していた例の計画を実行に移す。っていったって、お姉ちゃんまかせなんだけどね。



結 月「そいで、キャプテンさん、こんな時に言いにくいんですけど」
片 瀬「うん?」



結 月「お姉ちゃん」
美 咲「え? 私?」
結 月「そう」



美 咲「片瀬さん、この家出ていってもらえます?」



片 瀬「え?」
美 咲「うちのルールが乱れるんです」



和 彦「お前たち、手を組んだなお前、さては」


 でも片瀬キャプテンは、翌朝、美咲の要望どおりさらっと家を出ていく。しかもお世話になったお礼がわりに、家族みんなが次女の結月に言えなかった、結月の出生の秘密を伝える。



 悪意から告げ口したのではない。むしろ事実をちゃんと伝えても、結月が家族との深い絆を改めて実感する結果となるだろうと確信し、しかも、結月にだけは火星に脱出して生き延びて欲しい、という門倉ファミリーの想いを汲んだうえで、家族にはやりづらい役を買って出て、結月の背中を押してあげたのである。
 そして翌朝、誰にも気づかれないまま姿を消そうとするキャプテンだったが、久美子だけは気づいていた。




 でも久美子も、もうキャプテンについていこうとは思わない。こういう場面の羽田美智子は、やはりヒロインの風格。



 家族っていいなと思いつつ、家族を持てない自由人だからこそ、ママやパパの憧れであったキャプテン片瀬は、船に乗ってどこかに行ってしまいました。



 そして今回のエピソードは、結月と翔太君の乗った(はずの)宇宙船が打ち上げられる秒読み実況をラジオで聞いている門倉一家のもとに、二人が舞い戻ってくるところで終わる。



 結月が体力不足で宇宙船に搭乗できない事実が判明したので、二人して辞退して、帰って来ちゃったというのだ。



 で「これで家族全員で最後の日を迎えられるぞ」とけっこう喜んでいるパパだったが、そこに警察がやって来て、パパは有無も言わさず窃盗罪で逮捕されてしまう。




 リストラされた会社からマッサージチェアを持ち出して売りさばいたという容疑だ。天野ひろゆきの無実を信じる私と違い、門倉家の面々は不安と同時に「やっぱり……」みたいな表情で、パパを連行するパトカーを見守る(笑)。と、だいたいこのへんまでが第7話。




 以上、今回のエピソードは中村俊介メイン回なので、いつもよりはあっさり目で終わりにします。次回いよいよ最終回。まあ何となくここまでの流れからすると、もう隕石が落ちたか落ちなかったかをはっきり描くことはないんじゃないかなと思う。



 運命のXデーが来たその朝、いつもと変わらず出かける家族と、みんなが行ったあと洗濯物を干すママ、ぐらいなあたりでエンドマークが出るのかなあ、と予想しますが、ともかく、刮目して待て。ではまた。