実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第759回】世界の終わりに百合の花の巻(『隕石家族』第2話)


 アマゾンプライムで芳根京子のドラマ初主演作『表参道高校合唱部!』(2015年7月〜9月、TBS、金曜夜10時)を観ている。当時は『探偵の探偵』(2015年7月~9月、フジ、木曜夜10時)のライバルだと思ってスルーしたまま忘れていたけど(でも芳根京子は『探偵の探偵』にも北川景子の妹役で出ていた)最近M14さんがブログで取り上げていたのをみて思い出した。



 両親の都合で香川から上京した少女が、「歌はすべてを救う」という信念で突き進み、悩みを抱えるクラスメートや先生や家族を癒やして、廃部寸前だった合唱部を復活させるお話。以上80字でほぼ説明しきったと思う。ベタだけど、逆に言えば雑味のないストレートな脚本で俳優の持ち味を引き出すのに成功している。



 毎回起こるどんな困難も、最後に合唱部が歌えば奇跡が起こって万事うまく行くなんて、スーパー戦隊みたいなファンタジーだが、主演の芳根京子とナンバーツーの森川葵はじめ、高校生を演じる役者がしっかりしているのと、「合唱」という部分のリアリティを担保するものとして、顧問役に城田優、副顧問役に神田沙也加を配したところなど、キャスティングが気持ちよいです。



 さて、それから3年後に制作された芳根京子主演の『海月姫』(2018年1月~3月、フジテレビ)と、城田優・森川葵主演の『文学処女』(2018年9月~10月、MBSドラマイズム)で、どちらも表参道高校メンバーの恋敵(的な役)を演じたのが泉里香。




 その泉里香の出ている、東海テレビ製作ドラマ『隕石家族』スペシャルインタビューが、『中日新聞』(2020年4月10日)に掲載された。記事はネットにも出ているので、くわしくはそちらでお読みいただきたい(ここ)。一部だけ抜粋しておこう。



泉さんが演じる「門倉美咲」はどんな人物ですか。
里 香「美咲はとてもクールで何事にも動じない強さをもっています。半年後に隕石が落ちてくるという状況でも、冷静な人です。そして、本当によく食べる女性(笑)。<中略>実は美咲は家族も知らない秘密をもっていて、ドラマが進む中で徐々に明かされていきます。そんな美咲の表情や心の変化にもぜひ注目してほしいです」



現実に地球滅亡まであと半年となったら、泉さんはどのように過ごしますか。
里 香「門倉家を見ていて、家族の大切さを実感したので、あと半年といわれたら仕事を辞めて、実家に戻り、家族と一緒に過ごすと思います。そして、好きなことをして、食べたいものを食べて、会いたい人に会って、楽しい思い出をたくさん作りたいです」



中日新聞の読者にメッセージをお願いします!
里 香「 名古屋は数回しか訪れたことがないのですが、おいしい食べ物がいっぱいあるイメージです。今度ゆっくり遊びに行って、名古屋の街を満喫したいです」


 名古屋の街も、今はねぇ……。私は最近、公共交通機関を避けて自転車通勤しているが、とにかく道路が空いていて。昨夜も、ふだんは人の行き交う名鉄百貨店前のあたりが、週末なのにガラガラだった。



 ともかく『隕石家族』の場合は、撮影はもう終わっているそうである。その後の編集作業などどうなっているかはよく分からないが、なんとか予定どおりのスケジュールで全8話が放送されそうで、ほっとしている。これでしばらくドラマで戦士たちは観られそうにないね。北川さんは、おめでただから、もう年内は休んでいただきたいですね。そういうことなので、うちの方ものんびりやる。沢井美優のウェブ配信のショートドラマ『アクアガールズ』は、『隕石家族』が終わってから取り上げます。しばし待たれよ。



 ちょっとだけ触れておくと、これはワールドという会社のアクアガールというアパレルブランドにあこがれて入社した主人公(井桁弘恵)が、念願の商品開発部門への配属が決まり、プロジェクトに参加して、いろいろ経験しながら成長していく、という春にふさわしい企業タイアップ(というか広告)ドラマである。で、沢井美優は主人公の上司役なのだ。これまで、主人公が会社勤めだと、沢井さんにはだいたいその同僚役が振られていたものだが、30代に入って、主人公の奮闘を厳しくも温かく見守り、ときにアドバイスをする上司の役が回ってきた。



 なるほど、上司なら同僚役よりセリフも多いし目立つ。沢井美優のあらたな方向性として積極的に応援したい。



 さて『隕石家族』第2話「ルールは守りましょう」(2020年4月18日、原作・脚本:小松江里子/照明:生嶋航/撮影:布川潤一/監督:竹村謙太郎)。今回のメインはお祖母ちゃんの松原智恵子さんの秘密なんだが、そっちは省略。お祖母ちゃんは少女時代、親友を裏切って傷つけてしまい、そのことを今も深く後悔している。その後、二度とその幼なじみとは会えていない。生きているなら一目会いたい。という願いを羽田美智子が叶えてあげる。しかしこれは「半年後に隕石が落ちてくる」という設定がなくても成立してしまう話ですよね。



 一方の泉里香は、第1話では何の仕事をしているのかさえはっきりしなかったが、学校の先生であることが判明した。



美 咲「二人で暮らしたい?」



男 子「僕たち、もう結婚できる年齢にはなれないから、二人で暮らしたいんです。でも親に話したら反対されて……」
女 子「先生から親を説得してもらえませんか?」





美 咲「聞かなかったことにするから。そういうの先生とは関係ないことだから」



男 子「……行こ」
女 子「うん」



 なんか今「ステイホーム」で、うちなんか夫婦でずっと過ごしても何もないが(当たり前だ)恋人同士や若い夫婦がこのままの生活を余儀なくされれば、来年あたりベビーブームが起こるという予測もあるそうだ。どうなんだろうか。生物としての種の保存本能みたいなものもあるかもしれない。そして北川さんが出産ブームの先駆けになるのか。



 という話はともかく、泉里香先生は、生徒たちの願いを冷たく突っぱねる。まあ、でもほかにどう言えるだろうか。で、画面上では語られないが、そのあと先輩教師で、たぶん学年主任かなんかの森山先生(遼河はるひ)に「もっと生徒の心に寄り添えない?」的な感じで叱られたようだ。



 そしてその夜遅くなって、自分から森山先生に電話をかけてみる。



美 咲「もしもし」
森 山「門倉先生? ごめんね。さっきは少し、厳しいこと言ったなって。もっと生徒の気持ちに寄りそえだなんて」



美 咲「いえ」



森 山「あなたは人の気持ちが分かりすぎているのよね。だからいつも、距離を置こうとする」



森 山「その生徒たちのことは、明日また学校で、ご両親を交えていっしょに話し合いましょう」



美 咲「はい」



美 咲「先生、あの時もそう言ってくれましたよね」



森 山「え?」



美 咲「中学の時も、今と同じことを言ってくれて……先生、私……」



森 山「もう遅いから、学校で」



森 山「おやすみなさい」



美 咲(……先生……)





 つまり遼河はるひの森山先生は、泉里香の中学生時代の先生だったのだ。そして、この電話の雰囲気から考えて、泉里香は中学生のころから、遼河はるひ先生にあこがれていて、あこがれていたから同じ教師になって同僚になった。
 そのあこがれというのは明らかに恋愛感情で、それを察しているから遼河はるひも、泉里香が「先生、私……」と告白しそうになったら、慌てて「もう遅いから」と言って切っちゃったのだ。
 でもあと半年で隕石が落ちてくる。さっきの生徒たちだって、もう後がないから一緒に暮らしたいと言っていた。泉里香は、地球が壊れるまえに、中学生のころから好きだった先生に、自分の気持ちをはっきり打ち明けたいのだ。
 ま、私の予想だから、前回の天野ひろゆきと中村俊介の件と同様に、まったくの的外れかもな。





 前回も、羽田美智子の夫の天野ひろゆきと、浮気相手の中村俊介が初めて顔合わせする場面で(二人はお互いがそういう関係であることを知らず、ネットで知り合った鉄道模型マニアとして偶然に出会った)、天野くんが一瞬すごい表情になったので、私は「実は天野ひろゆきは、目の前の中村俊介が妻の浮気相手であることを知っているな」と予想した。そしたら大外れで、相手が何者かぜんぜん分かっていなかった。でも、じゃあ天野ひろゆきの、あの視線の意味は? と考えると「中村俊介に惚れた」ぐらいしか理由が思いつかない。こっちはこっちでおっさんずラブか。



 そうだとするとこれは、一人の男を夫婦が取り合う関係になるのか? あるいはひょっとして「人類は滅亡に直面すると、種の保存本能から解放されて、同性も異性も等しく恋愛対象に見えてくる」ということがドラマ全体のテーマなのか? よく分からないので予告編へ。



森 山「ごめんなさい」



森 山「もう決めたの」


 ショックを隠せない泉里香。どうした。遼河はるひにはパートナーがいたのか? しかし泉里香166cm、遼河はるひ173cm(ウィキペディア調べ)。どうですこの身長差。似合いのカップルではないか。
 てなあたりで次回へ続く。



 でもさ、『表参道高校合唱部!』も良いけれど、それなら『咲 -Saki-』もGWに配信してくれないかな。今のところ劇場版だけがアマゾンプライムビデオで無料視聴できるんだけど、どうせならドラマ版も無料にして欲しい。30分番組のドラマが4話+特別編、それに103分の劇場版なので、トータルでも視聴時間は『表参道高校合唱部!』全10話の半分ぐらいである。お手軽だしテンポが良いんだけどね。
 まそんなことで。