実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第749回】DVD第4巻:Act.16の巻(7)

 前回コメント欄の続き(笑)。ビッグニュース(当社比)がたて続けに放り込まれた。いろいろたいへんだ。とにかく百日紅さんからいただいた情報を整理してみよう。



 まず安座間美優が映画『めぐみへの誓い』に出演するという話題。これは劇団夜想会の舞台「拉致問題啓発舞台劇 めぐみへの誓い ―奪還―」を映画化した作品で、昨年、クラウドファンディングによる出資者募集の告知があった。



 プロデューサーは「北朝鮮に拉致された日本人を救出する秋田の会(救う会秋田)」代表の松村讓裕。脚本・監督は、原作である舞台版を手がけた劇団夜想会の主宰者、野伏翔。なんとセーラームーンミュージカルの初代演出家である。なので、舞台版と映画版の両方で横田めぐみさんのお母さんを演じる石村とも子(劇団夜想会)は、いちばん最初のバンダイ版セラミュでルナを演じている。





 M14さんによると野伏翔監督は多岐川華子主演映画も手がけておられるという。


多岐川華子主演、ツルゲーネフ原作『はつ恋 夏の記憶』(2009年)


仁科克基のお母さん主演、ツルゲーネフ原作『はつ恋』(1975年)


 で、舞台では上島尚子さんが演じていた田口八重子の役を安座間美優がゲットしたそうだ。田口八重子さんは、1978年に東京で行方不明になった拉致被害者だが、北朝鮮に連れ去られてからは、工作員に日本語会話を教える教師をやらされていたらしい。有名なのが1987年の大韓航空機爆破事件だ。ソウルオリンピックを妨害する目的で大韓航空機に強力な爆薬を仕掛け、飛行中だった乗員乗客計115名の命を瞬時に奪った実行犯は、日本人旅行者親子になりすました一組の男女だった。バーレーンで身柄を拘束されたとき、「父親」のほうは即座に毒のカプセルで自殺したが、「娘」は服毒に失敗し身柄を確保された。生き残った北朝鮮工作員「蜂谷真由美」ことキム・ヒョンヒ(金賢姫)は取り調べのなかで、リ・ウネ(李恩恵)という女性から日本語の指導を受けたと語った。そのリ・ウネが実は田口八重子さんだったのである。そういうわけで、当時日本では(信じられない話だが)田口八重子さんを、北朝鮮の大量殺人テロに協力した共犯者のように見なすマスコミもあって、ご家族はいわれなき非難を浴びたりもした。強制された拉致被害者なのにね。





 いや話が横道にそれたが、そんな田口八重子さん役を、安座間美優が演じるのだという。大丈夫かな。以前、橋下徹の番組だったかで、安座間さんは沖縄の基地問題について是か非かのコメントを求められ、自分も沖縄出身者だけれども、沖縄にもいろんな立場や意見の人があって、そう一概にどっちとは言えない、というようなことを答えていた。言っていることはしごくまっとうな内容だったが、むしろ分かってないひとからバカにされたり攻撃されたりしそうで、ちょっとヒヤっとしたものです。安座間さんの人徳で結局なにもなく収まったけど。



 で、もうひとつの話題。これはナタリーの記事をお読みいただければ十分だろう。楽しそうだぞ。



 武内直子「美少女戦士セーラームーン」を題材としたアイスショー「美少女戦士セーラームーン Prism On Ice」のプレス発表会が、本日2月13日に東京・麻布十番の「美少女戦士セーラームーン -SHINING MOON TOKYO-」にて行われた。
プレス発表会では、本イベントが6月5日から7日にかけて神奈川・KOSE新横浜スケートセンターで開催されることに加え、出演者、スタッフ陣を発表。さらにセーラームーン/月野うさぎ役のエフゲニア・メドベージェワによる会見も行われた。



 本日の会見が行われた場所は、オリジナルのステージショーを鑑賞しながら、「美少女戦士セーラームーン」をイメージしたフードやドリンクを楽しめるショーレストラン。実際にショーを鑑賞したというメドベージェワは、「とても感動しました。レーザーや火を使った表現が素晴らしかったです。ファンになりました」と笑顔を浮かべる。また演じるうさぎと似ている点はどこかと聞かれると「気持ちがコロコロと変わるところ(笑)。(うさぎが)戦っている最中にドジで転ぶのも、私がスケートで転ぶのと一緒」と、楽しそうに答えていた。



 さらに本日も着用したセーラームーンの衣装については「プリティ!ウイッグが気に入ってます。こんなに髪を長くしたことがないので、いつものようにスピンなどができるか心配でしたが、練習をして大丈夫だなと思いました」とコメント。そしてアイスショーに向けて「私にとってはほかの出演者さんたちと一緒に演じることのほうが難しい。チャレンジになると思います。そしてスケートも大事ですが、表情も大事。本物のセーラームーンに近づけるようがんばって練習したいと思います」と思いを語った。(『コミックナタリー』2020年2月13日


 メドベージェワ選手がセーラームーンに扮して我々を楽しませてくれたのは2017年4月、代々木で行われた世界国別対抗戦、試合後のエキジビジョンであった。なにしろ冒頭が、寝坊したうさぎがめざまし時計で起きる場面で、ちゃんと氷上に寝ていた。で、家を飛び出して通学路でルナと出会い、初めてセーラームーンに変身する、という皆さんおなじみ第1話のエピソードをがっつり演じてヲタぶりを見せつけた。





 日本でセーラームーンをやったら受けるわよ、と彼女に吹き込んだのは浅田真央だという噂もあって真偽不明だが、何にせよあの作り込んだステージがあって初めて今回のアイスショーの企画が可能になった、つまりメドベージェワありきで出てきた話しなんじゃないだろうか。しかしこの子、あの後『まどか☆マギカ』のスマートフォンゲームのCMにも出ていたし、本物の世界トップクラスのフィギュアスケート選手のくせに『ユーリ!!! on ICE』もお気に入りだという、かなりガチな腐女子である。
 以上、マクラが長くなっちまったがそろそろ本編、Act.16の締めくくりに進もう。



 エナジーファーム事件が解決して、場面はたぶんその翌朝(2004年1月27日火曜日かな)の十番中学に移る。台本のシーン22、調理実習室にて、クッキー作りの授業、二人一組のパートナー選び。



 これも名場面だ。今回のエピソード前半の亜美は、「大阪さんと争いたくない」「でもうさぎちゃんを困らせたくない」という二点を優先させて「うさぎちゃんを大阪さんに譲りたくない、独り占めしたい」という嫉妬心を抑えた。でもその結果、うさぎから「亜美ちゃんってすごいね」と言われて自己嫌悪に陥った。だったら今度はどうするか。レイからのアドバイスは「満点を狙い過ぎ」。嫉妬もしてしまう自分に正直になろう。
 ふつうなら、吹っ切れた亜美が、今度はうさぎと組みたいと主張して、なると対立する。うさぎがオロオロするけど、最後は破顔一笑、三人で組む、というあたりが落とし所ではないか。でも小林靖子は違うんだな。



菊池先生「はい、じゃあこれからクッキー作りますから、適当に二人組になってください」



うさぎ「え、また?」



うさぎ(どうしよう……。なるちゃんと亜美ちゃんが……)



亜 美「大阪さん」
うさぎ「あれ?!」



な る「何これ? 優等生のやり方?」



亜 美「ケンカはしたくないけど、でも、うさぎちゃんと組むのは譲りたくないし……」



亜 美「そんなに優しくないの、私。だから」






な る「へぇ……ま、それなら私も同じかな」



な る「じゃ、やりますか」



亜 美「うん」




うさぎ「亜美ちゃん」



うさぎ「……ってじゃあ私一人?!」
菊池先生「月野さん、先生と組みましょう」



うさぎ「え、はい……」


 菊池先生役の松井涼子さんは、最近お見かけしませんね。
 ということはともかく、亜美はただ、なるに嫉妬しているだけではない。あんなふうに自分に正直に、うさぎと(誰とでも)接することができればいいな、という、あこがれの気持ちもある。そこから、大阪さんと組んで大阪さんと仲良くなりたい、というアイデアが出てくる。でもそうするとうさぎの相手がいなくなって、うさぎが困ってしまうわけで、もちろん亜美がそこまで考えていないはずはない。でも、今まで亜美は一生懸命うさぎのために努力してきたのに、うさぎはそのお返しに「そういうの、一番友達っぽくないと思う」とか「亜美ちゃんってほんと優しいんだよ」とか、悪気はないにせよ、亜美を追いつめるようなことばかり言ってきた。だったらここで少しぐらい仕返ししてやれ。というのが、これまで「満点を狙い過ぎ」だった亜美の結論でした。



 以上でAct.14から続いた亜美となるの確執はひとまず決着を見る。ここから後は第2クールのメインテーマ「うさぎと衛の恋の行方、その前に立ちこめる暗雲」に本格突入である。




な る「うさぎは彼だよねー」
うさぎ「やだ、違うよ」




うさぎ(お礼だもんね。この間のただのお礼)



な る「あ、これ余ったのちょうだい」



うさぎ「ダメ!」
な る「何で? いいじゃんちょうだいよ」
うさぎ「じゃあ私が食べる」



な る「うさぎはダメ~。一緒に食べよ」
亜 美「うん!」



うさぎ「えぇ〜ひどぉい」



 なるの「あ、これ余ったのちょうだい」以降は台本にない。亜美となるがすっかり打ち解けたことをもう少し強調しようと思って現場で付け加えられたセリフかと思うが、必要だったのかなという気もちょっとする。
 そんなふうにワチャワチャやっている教室の窓の外では、恋するうさぎの今後を象徴するように雷鳴がとどろき、窓の外で空が一瞬スパークする。



 クンツァイトのエナジーファーム計画は戦士たちの活躍によって潰えたが、その時点で、すでに相当量のエナジーが集められていたようだ。それはダーク・キングダムに送り込まれ、クイン・メタリア復活に向けての原動力となっていた。



ベリル「これは……」



クンツァイト「おわかりにならないか? 復活の兆しですよ。大いなる悪、クイン・メタリアの!」



大きく建物が揺れ、エネルギーが弾ける。



ネフライト「ベリル様!」





ベリル「クイン……メタリア……!」




安置されている二つの石のうち、ジェダイトが転がり落ちる。





 メタリア復活のエネルギーの余波でジェダイト復活。不吉な稲妻がなおもスパークする空の下を、うさぎは衛の家を訪ねる。Act.15で、なるが衛とのデートをセッティングして、しかも「はいこれ。地場くんの携帯と住所と、誕生日、それから血液型」と古幡元基から得た情報を何枚かのメモに記して渡していた。




 なるもなるなら、簡単に個人情報を洩らす元基もどうかと思ったが、あのときのアドレスメモがこういうかたちで活かされるのですね。でも衛のマンションの前で、衛が陽菜と仲良く出てくる現場を目撃して、うさぎは激しいショックをうける。まあ婚約者だから仕方がないんだけど。



うさぎ「ここか」



うさぎ「すご……」



うさぎ「お坊ちゃまなのかな」




うさぎのM「何でドキドキしてんのよ。こんなの意味はないんだから。私が好きなのはタキシード仮面……」



うさぎ「あ」






うさぎ「え……」






陽 菜「どうかしたの? 衛」



 衛 「いや……」



うさぎ(そっか、彼女いたんだ。別に……関係ないけど……)




うさぎ(溜息)



 メタリアの胎動と陽菜の登場がシンクロしているところに注目したい。陽菜は前世をもたない。衛のフィアンセに対して失礼な言い方だが、安全弁のようなもので、彼女がうさぎと衛の間に立ちふさがっている間は、前世の悲劇は繰り返されない。ところがうさぎは衛に会いに行き、衛はやってきたうさぎを見て狼狽する。エンディミオンとプリンセスの悲劇の再来だ。空には不吉な稲妻がスパークしている。まるで目覚めかけたメタリアが、前世の月のカタストロフを招き寄せているようでもある。



 以上でAct.16本編終了。あとは予告編とBGMリスト、そしてこれでDVDの4巻が終わったので特典映像の対談も見ておかなくちゃね。泉里香の深夜ドラマも始まるな。



 というところで今回はこれまで。最後に、なんか恒例になってきた(恒例にした)今週の浜辺美波『アリバイ崩し承ります』の入浴シーン。第3話「美人姉妹のアリバイ」(2020年2月15日)より。今回は入浴中に成田凌から電話がかかってきて、ただいまお風呂で電話に出ていると聞いた成田凌は興奮して鼻血を出す。





 鼻血、出るかな。浜辺さんの入浴で。若いな。おぢさんは出ないよ。出ないからこれからも毎回入浴しておくれ。



 マッサージもあります。マッサージされながらうたた寝する姿がシャレにならない。では、次回はたぶん、安座間さんご出演の『庶務行員多加賀主水4』レビューだな。今夜オンエア。



おまけ】さらにおまけ。陽菜こと松下萌子さん(Moeco)の近作、チョークアートによるフェルメール。「アートフェア東京2020」でお目にかかれるそうです。