実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第748回】DVD第4巻:Act.16の巻(6)

英勉監督『賭ケグルイ』(2019年、東宝)より浜辺美波・高杉真宙・森川葵


 ここって最近、浜辺美波のファンサイトみたいになっちゃって済まないけど(誰にあやまっているのか)『賭ケグルイ』の高杉真宙が主演した映画『前田建設ファンタジー営業部』が絶賛公開中である。何しろ浜辺さんゆかりの映画なので私も観たいけど、この週末は息子の希望で一緒に『カイジ』に行く予定です(笑)。
 『前田建設ファンタジー営業部』は実話をもとにした上田誠(劇団ヨーロッパ企画)の戯曲が原作である。上田誠の戯曲の映画化といえば、本広克行の『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)と『曲がれスプーン』(2009年)があって、特に後者については、舞台劇をうまく劇場映画にアレンジできていない感じがしてちょっとアレだった。しかし今回のは大家さんのブログでもだいぶ誉められていて、うまく仕上がっているみたい。
 で、今回の『前田建設ファンタジー営業部』に話を戻すと、監督が『賭ケグルイ』の英勉、主演が『賭ケグルイ』の高杉真宙ということで、『賭ケグルイ』の主演女優だった浜辺美波さんも映画館に足を運んだらしい。



 東京にお住まいのみなさん。浜辺美波さんの共演者や監督の映画を観に行くと、隣の席で浜辺さんがひとりで観ているときがあるかも知れないよ。さあ劇場へ急げ!(今からか?)



 さて本編。いよいよ大詰めである。前回も少しご紹介したように、本編ではここでコマーシャルが入るので、その間、結界を破った戦士たちは、エナジーファームのエントランスから奥の方へ妖魔を探しに進んでいるが、台本ではシーンの移動はなく、マーズがその場で「待って! 来るわ」と警告するやいなや妖魔が出現し、それからの展開も非常にスピーディーなものとなっている。そのあたりのニュアンスをご理解いただくために、今回は小林靖子の脚本をト書きも含めてご紹介したい。前回の紹介した終わりのあたりからだ。なお脚本の全文はこちら
 脚本と演出のおおきな違いはスピード感にある。このへんはどっちが良いとかいう問題でもないように思う。たとえば結界を破るために三人がエネルギーを放出するとき、脚本ではマーズが「じゃあいくわよ、1、2、3!」と号令をかけるが、演出では号令が3人にそれぞれ割りふられている。



マーズ「じゃあ、いくわよ」



マーズ「いち」



セーラームーン「に」



マーキュリー「さん!」



 ビジュアル的には戦士の顔のアップが均等に映されるから正解だが、戦士の実質上のリーダーであるマーズのかけ声のもと、さっとフォーメーションをとる感じになっている脚本のスピード感は失われる。先ほどの、結界突破から妖魔出現までのあいだに移動シーンを入れたのも、CMが入るタイミングでひと区切り入れるのは正しいけど、脚本のほうは、以下にご覧いただくように、マーキュリーが「妖魔を探さなきゃ」といったそのとき妖魔が出現、するとセーラームーンとマーズは「きゃあ」とか叫びながらも反射的に転がって待避、その間にマーキュリーは妖魔の死角に回り込み、余裕で「こっちよ」といいながらマーキュリーアクアミストを放つ、という流れで、ほぼ秒殺といってもいい短さで妖魔を撃退している。でも鈴村監督は、「いつの間にか背後に回り込んでいるマーキュリー」というト書きに対して、マーキュリーがジャンプして妖魔の頭を飛び越える演出にして、脚本のスピード感を落としつつ、全体的に分かりやすく再構築している。このへん、もしマーキュリーを演じていたのが山本千尋とか清野菜名だったらとんでもないことになっていたと思う。13年前の『M14の追憶』のこの記事もご参照ください。



セーラームーン「ホントだ! じゃあとどめの一発! 1、2、3!」
四人が放つエネルギー。



ついに壁が弾ける。
セーラームーン「やった!」



中へ入っていくセーラームーン達。



だがその時、またも人々のエナジーが奪われる。
倒れ伏す人々。



セーラームーン達が「!」と見る。
倒れた人達の中になるもいる。
セーラームーン「なるちゃん!」



マーキュリー「妖魔を探さなきゃ!」
マーズ「待って! 来るわ!」



突然、排気口を突き破って現れる妖魔。
セーラームーン「きゃぁ!」



セーラームーンとマーズが転がって避ける。
が、いつの間にか背後に回り込んでいるマーキュリー。





マーキュリー「こっちよ!」



妖魔(金)が振り向いた時には遅い。




マーキュリー「マーキュリーアクアミスト」



マーキュリーの攻撃に妖魔が消滅。



マーズ「やったわね」



笑顔のマーキュリー。


 この最後の部分も、台本と完成作品とでは印象がだいぶ異なる。完成作品ではマーズの「やったわね」の後で、台本にはない次のやり取りが追加されている。



マーズ「やったわね」
セーラームーン「やったね」
ジュピター「やったな」



ジュピター「くしゅん!」
セーラームーン「大丈夫、まこちゃん?」


ジュピター「ダメみたい」
セーラームーン「ごめんね~」


 葛藤するマーキュリーとそれを気遣うマーズのドラマがある一方で、セーラームーンは、結界を破るという使命のためにジュピターを呼びに行き、ジュピターも風邪を押して戦いに参加した。完成作品ではそういうふうに、戦士それぞれをフォローするセリフを均等に割り振って、大団円を演出している。
 でも小林靖子の書いた脚本の次のト書きには「だが、人々は倒れたまま」とある。脚本では、この戦いはエナジーファームのエントランスで行われてるので、なるちゃんを始め拉致された犠牲者たちは、そのへんにエナジーを吸い取られた状態でゴロゴロ転がっている。仲間同士で喜んでいる余裕なんてない。急いでヒーリングだ。



マーズ「やったわね」
笑顔のマーキュリー。



だが、人々は倒れたまま。



ル ナ「セーラームーン、この人達にパワーを!」



頷いたセーラームーンがスティックをかざす。




柔らかい光が放たれ、人々に降りそそぐ。




顔を上げる人達。



なるも起き上がって周囲を見る。



な る「ん?何でこんなとこに……」


セーラームーン達の姿はない。


 最後の「セーラームーン達の姿はない」というト書きが良いね。これについても14年前の『M14の追憶』のこの記事を併せてご参照ください。ヒーリングしたらしたで、なるちゃんたちが目覚める前にさっさと撤収。正義の味方は姿を見られるわけにはいかない。妖魔との戦いも、あくまで人に知られない。このあたりのニュアンスはアニメ版とはだいぶ違うよね。
 というあたりで今回はこれまで。今後もしばらく、記事は短め(他サイトで言うと普通の長さ)で行きます。と何度も宣言して、しばらくするとダラダラ長くなっているんだけど。
 16日にテレビ朝日「日曜プライム」で放送予定の『庶務行員 多加賀主水4』(2020年2月16日午後9時)の予告編が登場。安座間さんが映っているのではないかと思われるカットが幾つかみつかったので、これではないかというキャプチャ画像をあげておく(笑)。刮目して待て。








 あともうひとつオマケ。先日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』の収録中に浜辺美波さんが不覚にもうたた寝してしまったときのGIF画像と、昨夏のNHKドラマ『ピュア! 一日アイドル署長の事件簿』のときも、浜辺さんが撮影中にしょっちゅう居眠りしていたと東出昌大さんがバラしていた話をご紹介した。



 で、ほかにもこの類いの話があったような気がして、私の「浜辺さんフォルダ」を物色したら、ありました(笑)。2018年4月期の日テレ日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』の番宣で、中村倫也がスマートフォンで盗撮した、待機中にうたた寝してしまう浜辺さんの動画を紹介していた。



 やっぱり可愛いですね。そんな浜辺さん主演の土曜ナイトドラマ『アリバイ崩し承ります』(テレビ朝日)は、今夜2月9日23時15分から第2話である。エピソードとしては女医さんの話だそうだから、原作の第1話のようですね。ではまた。