実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第735回】本当は怖いリカの巻(安座間美優『リカ』)


 今年は春に『白衣の戦士』で小松彩夏のナース姿を拝ませていただいたわけだが、そもそも小松彩夏は映画『感染列島』(2009年)で、すでにナースの役を演じているし、北川景子は映画『Dear Friends』(2007年)の最後の方でナースになっていた。




 沢井美優と安座間美優に至っては、セーラー戦士の変身アイテムを使っての完全なコスプレではあるが、実写版セーラームーンのAct.11でとっくにナース姿を披露済みである。



 だからもう、私の記憶違いでなければ、セーラー戦士でナース服バージンは泉里香だけだ。泉里香は昨年の『コードブルー 特別編』(2018年)で、精神分析医の役で白衣のドクターになったが、ナース役はまだだったと思う。



 と、ここまで煽っておいて何だが、私は別にナース服コスプレに特別な関心をもっているわけではありません。ただ、やっぱり安座間美優がナース役で、ドラマのタイトルが『リカ』となれば、やっぱり泉里香かなと、一応おさらいしておきたくなるよね。ならないかな。でもみなさまご承知のとおり、今回のリカは高岡早紀だ。



 小説『リカ』(2002年)は、第2回ホラーサスペンス大賞を受賞した五十嵐貴久の商業デビュー作である。妻子ある男性が、よせばいいのに下心で出会い系サイトに登録して、結局そこで出会った雨宮リカという自称28歳の看護師に執拗につきまとわれ身を滅ぼしてしまう、という話だ。2003年には土曜ワイド劇場でドラマ化され(リカ役は浅野ゆう子)、2009年にはウエストエンドスタジオで舞台化されたという(リカ役は三枝奈都紀)。好評だったため、10年後には続編『リターン』(2013年)が発表された。さらに前日譚として、リカというストーカー女が生まれたいきさつを明らかにした『リバース』(2016年)と、一作目の前に彼女がある病院で起こした事件を描いた『リハーサル』(2019年)が書かれた。これらはいずれも幻冬舎文庫で手に入る。



 その『リハーサル』と『リカ』の2作を、物語内の時系列に沿って(つまり発表順とは逆に)2部構成でドラマ化したのが、今回の『オトナの土ドラ リカ』である。原作の『リハーサル』にあたる第1部は、花山病院という病院の副院長、大矢(小池徹平)のもとに、真っ赤なバラのブリザードフラワーが届いたところから始まる(第1話、2019年10月12日放送、第2話、2019年10月19日放送、脚本:牟田桂子/撮影:白石利彦/照明:小池真之介/演出:[第1話]松木創・[第2話]菊川誠)。





 一ヶ月前、あるレストランで偶然、大矢を見たストーカー体質の看護師(どんな設定だよ)雨宮リカ(高岡早紀)は、ひとめ見るなり勝手に運命的な出会いを感じて、その時、彼が恋人のために持っていたバラを、彼に送り付けてきたのである。もうこの時点で異常なわけだが、病院のほうは、看護師長の小山内を演じてるのが池谷のぶえ、ナンバー2の藤鐘は安藤玉恵と、なかなか豪華キャストだ。



藤 鐘「大矢先生に お届け物です」
大 矢「うん?」



藤 鐘「差出人が なくて。お世話になった患者さんですかね。開けちゃっていいですか?」
大 矢「ああ」



藤 鐘「きれい……何でしょう?」



木 村「すてき! ハーバリウムですね」



大 矢「ハーバリウム?」



木 村「プリザーブドフラワーをオイルに漬けて作るんです」



木 村「この前カルチャーセンターで体験してきました」



大 矢「へぇ」



小山内「何ですか皆さん、ひと固まりになって」



木 村「師長!」



藤 鐘「大矢先生に お届け物が」



小山内「植物標本ですか?」



大 矢「患者さんが贈ってくださったみたいで」
小山内「そうですか」



小山内「例の看護師の面接ですが、予定どおり14時から 行います。少々診察のペースを上げていただかないと」



大 矢「はい」


 つまり花山病院はただいま看護師を募集中で、今日は面接日なのだ。そこへ大矢の勤務先を調べ上げていたリカが応募してくる。



 キャリアは十分だし日本医師会の前会長の推薦状も持っていたので採用決定。ただし正規雇用前に半年ほどのお試し期間がある。出勤初日、同時に採用された看護師の倉田(藤本沙紀)ともども仲間に紹介されるリカ。



小山内「今日から こちらで働く倉田さんと 雨宮さんです」



倉 田「初めまして、倉田博子です。前の病院では小児科を担当してました。子供の扱いなら 任してください!」



(拍 手)



リ カ「初めまして。雨宮リカ。 28歳です」



 リカには「女は 28歳までに結婚して家庭に入って愛する夫に 尽くすのがいちばん幸せ」という信念がある。だから未婚のあいだは永遠に28歳を名乗り続ける。というムリヤリな話ではあるが、ともかくみんなこの自己紹介に対して、突っ込むに突っ込めない。視聴者もどう対処していいかちょっと困る。確かに高岡早紀はまだまだぜんぜんキレイ、でもだからといって「28歳」なんて自己申告されてもなあ、という感じ。



 もちろんリカがこの病院にやってきた目的は「大矢先生と結ばれること」で、初日から、治療中の小池徹平の額の汗を拭いてあげたりとか、ぐいぐいアプローチをかける(小池徹平はそのへん鈍感)。師長の池谷のぶえは、そういうあからさまなリカの態度を見て、やはりこの人をうちにずっと置くわけにはいかないと考え、試用期間が終わったら、さっさと辞めてもらうつもりでいた。



 しかしそのことを知ったリカは先制攻撃を仕掛ける。池谷のぶえをニセのナースコールで呼び出し、階段を下りようとしたところを突き飛ばしたのだ。患者ファーストの池谷のぶえがエレベーターを使わず必ず階段で移動することも、その階段の手すりのネジがゆるんでいたことも承知で、手すりが外れて転げ落ちたと見せかけ、殺してしまおうとしたのである。




木 村「208号室の鈴木さんです」



小山内「鈴木さんなら私が」





╳    ╳    ╳



木 村「先生!」



木 村「すぐに来てください。師長が……」



大 矢「えっ?」


╳    ╳    ╳



大 矢「大丈夫ですか?」



刈 谷「息はあるが、呼び掛けても返事がない」



刈 谷「あそこから 転落したみたいだ」


╳    ╳    ╳





大 矢「手首と足首に複雑骨折。頸椎を圧迫骨折し脊髄損傷」



大 矢「頭部を強打したようで、脳挫傷の所見があります」



刈 谷「脊損に脳挫傷か……まずいな」



大 矢「緊急で開頭手術が必要だ。大至急、提携先のドクターに応援を頼んで」
藤 鐘「はい」




大 矢「……師長、どうしてこんなことに……」



木 村「オペ室の準備、整いました」



大 矢「行きましょう」


 しかしあれだね、『白衣の戦士』の雪乃(小松彩夏)なんか合コンのセッティングしかしていなかったが(そうでもないか)、安座間さんの木村看護師は、しっかり仕事して、大活躍だ。やるじゃん安座間美優。この後も、植物状態になってしまった小山内師長の後を引き継いで、208号室の鈴木さんを担当する。



木 村「よかった。お熱、下がりましたね」



鈴 木「ねえ? 小山内さんはどうしたの?」



木 村「……あ……」



藤 鐘「体調、崩しちゃって、お休みいただいてるんです」



鈴 木「あら大変。看護師さんでも 風邪を引くのね」



藤 鐘「季節の変わり目はね、どうしてもね」



木 村「あっ、そういえば……」



木 村「先日ナースコールで呼ばれましたよね?」



木 村「すいませんでした。すぐに 来られなくて」



鈴 木「ナースコール?」



木 村「はい。看護師が駆け付けたときは、もうお部屋にいらっしゃらなかったって」



鈴 木「してないわよ私、ナースコールなんて」



藤 鐘「えっ?」


 「ナースコールなんてしてない」という鈴木さんのことばにハッとした藤鐘看護師(安藤玉恵)は、花山病院のナンバーツーで、小山内看護師の不在を埋められるのはこの人しかいないと師長に任命された優秀で聰明な人だ。だからすぐ事の真相とリカの本性に気づき始めて、いろいろと調べ始める。そしてそのせいで、リカの次の標的となってしまうのだ。



 怖いですね。以上『オトナの土ドラ リカ』第1部のダイジェスト、前編でございました。後編に続く。しかしあれだね、M14さんが「夏菜は何のために出ているのか?」と書かれていたが、安座間美優ベースのレビューとはいえ、とうとう夏菜をチラリとも紹介できなかった。



 ちなみにテレビ朝日「日曜プライム」の『庶務行員 多加賀主水』シリーズの第3弾が11月17日にオンエアされるそうだ。夏菜はもちろん出演するが、テイラーの鮎子(安座間さん)はどうなんだろう。第七明和銀行の仲間だもん、出演するよね。高橋克典さん、夏菜さん、よろしく頼む。『ガチバカ!』以来の仲じゃないか。




 
 NHKワンセグで放送されたミニドラマ『高梨さん』第15話(2013年7月8日)より、ドラマ内の韓流ドラマ『愛のサムギョプサル』で焼肉を食べるヒロイン(沢井美優)と、DVDの画面に真剣に見入る小山内婦長、ではなく高梨さん(池谷のぶえ)とご近所の近藤さん(東幹久)。