実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第732回】DVD第4巻:Act.15の巻(9)


 私はアニメ版しか観たことないんだけど、2016年から『週刊少年ジャンプ』に連載中の人気ディストピア漫画『約束のネバーランド』(原作:白井カイ有/作画:出水ぽすか)がワーナー・ブラザーズで実写映画化されるという。


ノーマン(板垣李光人)・エマ(浜辺美波)・レイ(城桧吏)

 脚本と監督は『僕だけがいない街』の後藤法子と平川雄一朗監督のコンビ。映画『僕だけがいない街』はとにかく子役(中川翼とか鈴木梨央とか)がすごかったので、この『約束のネバーランド』も、芝居の達者な小学生を起用してやるのかと思っていたら、設定に手を入れてメインキャストの年齢を上げて、主演は浜辺美波だという。そ、そうですか。



 いろんなところで報道されているけど、どれもあらすじ紹介がモロにネタバレなのでここでは引用しない。『屍人荘の殺人』では、あれほど用心深くネタバレを避けたのに、どうしてこの作品はこんなにネタばらしをするんだろう。ちょっとぐらい伏せておいたって良いではないか。



 ま、そういうわけでいろいろ疑問もあるが、なにしろ「主演:浜辺美波」である。当サイトは、浜辺美波の主演であれば、たとえ『センセイ君主』でも(あれは竹内涼真とダブル主演あつかいだったが)ぜったい悪くは言わない覚悟でやってるんで、期待して待とう、とだけ書いておく。



 あ、それから渋江譲二が出演しているフジテレビのインターネット配信ドラマ『ブスの瞳に恋している 2019』第1話(FOD、2019年9月17日配信)と、松本博之が出演している日テレの『ボイス 110緊急司令室』第10話(2019年9月21日放送)の動画を手に入れました、まあ大して出演シーンはないんですが(失礼)そのうちレビューをやりますかね。



 さてAct.15、いよいよCパートです。台本のシーン26は「某屋内:妖魔(赤)を追って駆け込んでくるセーラームーン」というト書きから始まるが、実際の作品は、逃げていく妖魔の先に、すでにセーラームーンが待ちかまえている。






セーラームーン「そのカバンを返しなさい!」


 このときのセーラームーンのポーズは、実写版ではけっこうレアだと思う。



 アニメでは変身後のトメ画でお馴染みのやつだけど、このエピソードのこの場面以外にあったっけ?



セーラームーン「愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーン」



セーラームーン「月に代わっておしおきよ」


 以下、ブーメランを放つところは台本の指定通りだが、そもそも小林靖子の台本では、妖魔が武器を持っているとは明記されていない。なのでここから後のアクション展開は演出と、おそらくはコレオグラファーの彩木エリによる考案であろう。剣でブーメランを跳ね返され、逆に襲われたセーラームーン。いつもならここでタキシード仮面が助けに入ってくるのだが、地場衛は妖魔に倒されていて、現れるはずもない。しかしセーラームーンはムーンスティックで妖魔の剣を受けとめ、反撃する。このあたり、タキシード仮面や仲間の戦士が来ない状況でも、弱気になることなく妖魔に立ち向かう、セーラームーンの戦士としての成長ぶりを洗わしている。



 Act.7の冒頭、妖魔(納豆)との戦いや、Act.15のこの場面の力強さを観ていると、実写版セーラームーンの戦闘シーンが初期のヒラヒラから特撮アクション本来のスタイルに近い形態に進化した背景には、何よりも主演・沢井美優の身体能力の高さがあったことがよく分かる。ただしセーラームーンは変身後も顔出しのままなので、他の変身ヒーローたちよりも苦労は格段に多かったようである。



セーラームーン「ムーンティアラ」



セーラームーン「ブーメラン!」




セーラームーン「きゃぁ!」


















セーラームーン「ムーントワイライト」



セーラームーン「フラァァァッシュ!」






セーラームーン「幻の銀水晶じゃないよね」



セーラームーン「何で狙ったんだろう……」


 一方そのころ、宝石盗難事件の被害者である愛野美奈子は、正体がバレないよう帽子を目深に被り、胸元にアルテミスを抱え、新宿の街を足早に歩いていた。



アルテミス「窃盗団を利用して敵の目をそらす作戦、成功だね。これでしばらくは行方を知られずにすむ」



美奈子「でもセーラームーンが絡んでたのは計算外。うまく切り抜けてくれたから良かったけど」



アルテミス「ああ。彼女に何かあったら我々が時間を稼いでいる事も全くムダになる。難しいところだな」



美奈子「でも、あの子強いよ。きっと大丈夫」



アルテミス「ああ」


 たぶん美奈子はセーラーVとして、タキシード仮面の周辺に出没してその活動(泥棒だけど)を妨害しているうち、似たような連中の動きも把握したんだろう。その連中の思惑どおりにジュエリーを盗ませ、大切な宝石が盗まれたとメディアにリークすれば、「幻の銀水晶」ではないかとダーク・キングダムが動き出す。いわば窃盗団はオトリであったのだが、そこに飛び込んできたのがうさぎであった。そもそも美奈子がセーラーVになったのも、自分がプリンセスで、幻の銀水晶を持っているようなフリをしているのも、すべて敵の目をそらすための計画だったはずなんだが、むしろうさぎを危険にさらしてしまっている。「あの子強いよ、きっと大丈夫」なんてごまかしちゃっているけど、完全なる美奈子のポカである。



 という視聴者の不安や不満をよそに、うさぎは衛のところに戻って、腕の傷を応急処置する。Act.7にタキシード仮面の手に巻いてあげたのと、デザインはちょっと違うけど、同じようなピンクのハンカチである。






うさぎ「大丈夫?」



 衛 「ああ」





 衛 「送ってく。それ、警察に届けるんだろ」



うさぎ「うん」






 BGMは必殺、超音波ボイスの「オーバーレインボーツアー」。
 うさぎの気持ちは、もうストレートに衛に傾いている。衛も本当はそうなっているが、なにしろ婚約者の陽菜のことがあるのでちょっと辛そう。というあたりでこのエピソードは終わり。そしてラストは次回への引き。
 ルナが調べた、最近失踪者が続出しているというポイントにやってきた亜美、レイ、まこと。まことは風邪気味で気分も冴えず、今日はもう、調査を続けようという気力もない。亜美は、うさぎがなると二人でどこかへ遊びに行ってしまったことが気がかりで、また、そんなことを気がかりにする自分に対する自己嫌悪で憂い顔、そしてレイはそんな亜美のことが心配で、でもこれまでずっと守ってきた、他人からは干渉されず他人に干渉もしないポリシーがあるので、素直に声がかけられない。それぞれの思いはばらばらのようで、でもゆるやかにつながっている。そんな三人を見守るように、カメラは主観映像みたいな手持ちの状態で、背後でくしゃみをするまことから手前の亜美、そしてその亜美を心配そうに見守るレイを、カットを割らずにぐるりとワンショットで捉える。ちょっと舞原監督っぽい、この回は鈴村監督だけど。




まこと「はっくしょん!」



まこと「う~寒。何もないよ。帰ろう」



亜 美「うん……」



レ イ「亜美ちゃん、あんまりお節介なこと、したくないんだけど」



レ イ「うさぎのことで何かあった?」



亜 美「え……、ううん、別に」



レ イ「そう……」




 と、そのとき何かを察知するレイ。しかし、いつもだったら同じぐらい鋭敏に事態に対応する反射神経をもっているまことは、風邪のせいで反応が鈍っていたせいか、見えない敵のしかけたアリ地獄にとらわれそうになる。慌ててまことを救出しようとするレイと亜美だが、アリ地獄の底から現れた妖魔から触手が伸びてまことの足に絡みつき、引きずり込もうとする。



レ イ「気をつけて!」






まこと「うわ!」



亜 美「まこちゃん!」
レ イ「まこと!」











レ イ「変身よ!」



亜 美「うん!」



 アリ地獄に引きずり込まれるまことの運命やいかに!ってところで、Act.15はこれにて終了。でもまだ予告編があったか。
 小林靖子の台本には、さっきセーラームーンに倒された妖魔は「妖魔(火)」と書いてあり、ここで次に登場した妖魔は「妖魔(金)」と書いてある。どういうようなイメージかはちょっと分からない。実際に造形された妖魔(金)はベレー帽を被っていて、これも意味がちょっと分からない。


妖魔(火)


妖魔(金)


 双子ですかね。ま、とにかく今回はこんなところでお開きとします。ではまた次回。