実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第696回】孤立無援の巻(北川景子『指定弁護士』)


 こまったなあ。今年の春に義理の母を亡くしているので、実は喪中ハガキを出さなきゃいけないんだけど、まだぜんぜん書けてない。大家さんとか、もうちゃんと出されているしなあ(ていうか、12月も中旬に入ったのでそれが普通)。私はこんなブログを書いている場合だろうか。

 

 

 と悩むふりをしつつ、『今日から俺は!!』第8話にゲスト出演された浜辺美波さんに見とれています。1980年代が舞台のドラマなので聖子ちゃんカットで、可愛い。福田雄一作品への登場は、昨年の日テレ『スーパーサラリーマン左江内氏』第3話のわがままアイドル以来だ。こっちの方が似合っている。
 浜辺さんは『屍人荘の殺人』映画化にも出演が決まったようです。

 


 2017年の国内主要ミステリーランキング1位を獲得した今村昌弘氏のデビュー小説「屍人荘の殺人」(東京創元社刊)の実写映画化が決定。神木隆之介が主演を務め、共演に浜辺美波と中村倫也、ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」シリーズで知られる木村ひさしがメガホンをとり、「TRICK」「金田一少年の事件簿」シリーズといった“推理もの”を得意とする蒔田光治が脚本を担当することがわかった。(「映画.com ニュース」2018年12月6日)


 さて前回のコメント欄をご覧いただいた方はご存知のとおり、日テレの『獣になれない私たち』にネフライト松本博之が出演していたとの通報がyamabosiさんからあった。これはノーマークであった。

 

 

 第3話と第5話にそれぞれちょこっとだけ出てくる。松田龍平に金を渡して会社の粉飾決算を迫る謎の男。謎の男なので顔がハッキリ映らないようにカメラアングルが工夫されている。そもそも顔が出ても誰だか分かる人の少ない松本博之の顔を隠してどうする。

 

 

 このドラマは初めて観たが、会社内のパワハラみたいな場面がえんえん続いて非常に殺伐としている。だが、松田龍平と新垣結衣のツーショットはとにかく美しくて画になる。そこだけなんかすごく華麗な恋愛映画みたいな感じだ。

 

 

 松本博之の話に戻ると、さらに続報があって、同じく日テレ『ドロ刑』の第5話にも松本君が出ていたそうである。これもまったく知らなかった。

 

 

 松本博之ってそういう人だ(笑)。2013年の小松彩夏主演映画『Miss ZOMBIE』への出演も、ビデオソフトがリリースされて1年くらい経ってから気づいた。最後のクレジットに彼の名前があるので、「え?」と思って「どこに出てた?」と最初からよく観たら、回想シーンに出てきたゾンビになる前の小松彩夏の旦那の役だった。

 

 

 

 

 それより少し前、沢井美優が出演するというので、泉ピン子主演の月曜ゴールデン『警視庁心理捜査官・明日香』(TBS、2011年)を観ていたら、刑事の一人がなんと松本博之で、予想もしていなかったのでびっくりした、ということもある。小林靖子の『仮面ライダーOOO (オーズ)』でガメルやってた直後くらいだ。

 

 

 

 

 この『警視庁心理捜査官・明日香』はシリーズ化され、2011年から2016年まで、およそ年1作のペースで5作品が制作された。私は沢井美優がゲストで出た第1話しか観ていないが、松本博之は(Wikipediaによると)第2作にも出演している。同じ刑事の役であろうか。
 TBSの月曜午後9時からの2時間枠は「月曜ドラマスペシャル」(1989年〜2001年)→「月曜ミステリー劇場」(2001年〜2006年)→「月曜ゴールデン」(2006年〜2016年)→「月曜名作劇場」(2016年〜)と変遷をたどっているが、泉ピン子はず〜っとこの枠で年1作ペースの主演シリーズを持っている。『警視庁心理捜査官・明日香』は2016年の第5作で終了したようで、翌2017年8月には『オバチャン保険調査員 赤宮楓のマル秘事件簿』が放送される。これは小池里奈が出たので観た。泉ピン子のもとで働く新人保険調査員の役である。

 

 

 

 

 で、小池里奈はこの作品を最後に1年以上音沙汰がなくなり、引退したかと思ったらつい先だって復活した。その間この『オバチャン保険調査員』の2作目は放送されなかった。だからこれから2作目を作っても、小池里奈は何事もなかったかのようにレギュラーを続けられるはずである。そうなって欲しい。ていうかひょっとして泉ピン子は小池里奈を可愛がっていて、2作目以降も使いたくて、復帰を待っていたのではないだろうか。どうかそうでありますように。
 というわけで、私は『オバチャン保険調査員』で小池里奈が復帰するのを待っていたのだ。ところが、これまたコメント欄で、次週『科捜研の女』に沢井美優がゲスト出演するという情報を教えていただいて、『科捜研の女』方面を偵察しておりましたところ、なんと11月28日に放送されたシーズン18、第6話「狙われた天才昆虫学者」に小池里奈が出演していたのだという。しかもけっこう重要な役だったようで、これはウカツなことであった。番組サイトのスチール写真だとこんな感じ。

 

 

 私は一時期抜けていたHuluに再び入ったので日テレのドラマは見逃しても視聴できるが、テレ朝の『科捜研の女』やNHKの『西郷どん』の見逃し配信はU-NEXTだそうだ。非常にくやしい。
 代わりに(じゃないけど)チェックしたのが『東京らふストーリー 若者がイラっとする人SP』(テレビ朝日2018年11月30日)。これは以前取り上げたフジテレビの『痛快TVスカッとジャパン』同様、読者からの投稿を元にした再現ドラマ、いや再現ドラマというより投稿ネタをふくらませたショートコントを観て、芸人とゲストがああだこうだ感想を言う番組である。この日のお題は「イラッとする人とは?」。街頭インタビューで若い人たちに聞いたイラッとする人のネタを元に、全部で4本のコントが流れたが、うち3本に小池里奈が出ていた。最初のエピソードは「内輪で盛り上がる居酒屋の店員」という話。オーダーのかけ声とかやたらと威勢の良い居酒屋が舞台で、小池里奈は紅一点なんだけど、皿を落としたり失敗すると、バイト仲間のハブられ者(ネルソンの和田まんじゅう)に押しつけて知らんぷりするイヤな女を演じている。

 

 

 

 2話目は「打合せや会議で考えている振りをして実は何も考えていない人」というネタ。これはなぜか「下町ロケット」のパロディで、小さな町工場で新開発した接着剤のネーミングを考える会議、という設定。

 

 

 

 

 3話目は「学校でテスト返却されると、すぐに他人の点数をしつこく聞きたがる人」という話。これは一人の生徒をクラスの全員が取り囲んで点数を聞き出そうとする、というコント仕立てで、アイロンヘッドのなぽりを囲んで、みんなが筆箱やゴミ箱やカスタネットでリズムを取りながら「点数教えてよ」と迫る。意味はよく分からないが、小池里奈のセーラー服姿もそろそろ貴重である。

 

 

 

 まあこれも女優の仕事と言えなくもないが、しかしこんなのをしっかり保存しておいて『科捜研の女』を逃すとはとんだ失態である。どうも『科捜研の女』は、油断していると今後も関係者が出演しそうな気もする。あらかじめ全話録画して動画ファイル保存しておくくらいの態度で臨むべきだったかもしれない。ともかく次回は沢井美優さんの登場だ。

 

 

 すみませんダラダラ書いてしまいました。さて『指定弁護士』の続きです。田金代議士(石橋蓮司)の秘書、斎藤(伊東孝明)が投身自殺した件で、妻の里美(真飛聖)は驚くべき証言をしていた。
 

 


里 美「夫は、辰波の献金を記載する時『毒まんじゅうを食べる』と言ってました。日本を変えるために食べるんだって」


 唯 「どういう意味です?」

 


 この証言があれば、田金に勝てるかも知れない。先輩の京子(羽田美智子)も、このことを法廷で証言すると里美が確約すれば、自分も指定弁護士になって唯に全面協力するという。そこで改めて里美を尋ねた唯。ところが里美は手のひらを返したように証言を拒み出した。

 


里 美「私、裁判で証言できません」


 唯 「ありがとうございます。ではまず」


 唯 「えっ?」


里 美「すみません」


 唯 「いや、前に 私に話してくれた、ご主人は献金を『賄賂』と言ってたとか、『毒まんじゅうを食べる』と言ってたとか、そういうことを証言……」


里 美「そんなこと言ってません」


 唯 「はい? いや、言いましたよね?」
里 美「きっと気が動転して……夫に死なれて。だからそんなふうに言っただけです。すみません」


 唯 「誰かに何か言われたんですか、奥さん?」
里 美「私の夫は 悪いことはしてません。それが真実です」


 唯 「真実……」


里 美「昨日 岩沢さんにそう言われて、私……」


 唯 「岩沢さん? 岩沢さんって 確か 田金の」


里 美「私その言葉を信じたいんです。だって、死んだ夫の名誉を私が守らなかったら、いったい誰が守ってくれるんですか?」

 


 ちょうどその頃、岩沢は三塚法律事務所を訪ね、唯の夫である隆司(えなりかずき)に接触していた。

 


岩 沢「いいですか、検察が起訴を断念したように、これ以上田金の捜査はしないことです。そう、奥様にそれとなく、しかしはっきりとおっしゃって頂けますか、ご主人の口から。それが奥様のためなんですよ」


隆 司「いや何をおっしゃってるのか……」


岩 沢「それが日本のためにもなる、という事を申し上げているんです」

 


 里美に証言を拒まれ、途方に暮れて種智院大学、ではなく京都地方検察庁に戻った唯は、橘検事からも手を引くよう示唆される。唯が弱気になって指定弁護士を降りようとしたとき「俺たち検察官は必ず正義を味方する」ときっぱり言い切った橘の、裏切りとも言える言動に、唯は失望を隠せない。

 


 唯 「私、驚いちゃって、大事な証言がなくなろうとしてるのに、なんにもできなかった……」


 唯 「でも、どう考えてもあの奥さんの証言は必要。あれがないと絶対に勝てない」


 唯 「だから お願い。 あなたからもなんとか証言してもらえるよう、一緒に奥さんを説得して……」


 唯 「夫は何も悪いことをしてない、そう言ってた。田金の秘書にそう言われたらしい」
 橘 「そっか。 そうだよな」
 唯 「そうだよなって……まさか、ゆうべ推理段階だって言ってた謎が解けたとか?」


 唯 「何かわかったのね? なら話して」


 橘 「あんた……いや 一ツ木先生」


 唯 「いいわよ、あんたで。なによ急に」


 橘 「あんた、指定弁護士降りたほうがいいよ。あんたが降りてもどうせ 他の弁護士がやる」

 


 橘検事はもうすでに、安倍忠一の情報提供で、事態の核心部分をつかんでいた。生瀬勝久が演じるこの「チューイチさん」については、コメント欄でもちょっと話題になったけど、北村一輝の橘検事を補佐する事務次官であるが、京都地検のベテラン最古参でみんなから信頼されているという役どころだ。ということは番組紹介の資料に出てくるだけで、ドラマのなかで語られるわけではないが、別に説明されなくても、まあ分かる。とにかくスキルが高くて、橘検事の求めるものを先読みしているばかりか、すでに用意している。

 


 橘 「チューイチさん申し訳ない。実は チューイチさんにまた頼みたい事があるんだ」


安 倍「京都地裁の会計データが欲しいようですね」


 橘 「はあ……さすが 耳が早い。任意提出求めたら令状が必要だって言われたよ。だが、まだ俺の推理段階なんだ。令状取れるほどの証拠がない。チューイチさんなら地裁に事務官や書記官の知り合い、いるんでしょ?」
安 倍「いますよ。しかも 地裁の会計課に」

 


 法務大臣だった2010年代の前半、田金は毎年4千万円あまりの金を、自分が顧問を務める社会福祉法人を通じて内閣官房機密費から密かに引き出していた。そして橘検事は、その金と京都地裁との結びつきを確信した。そしてこれまで「俺たち検事は必ず正義につく」ときっぱり言い切っていた態度と裏腹に、急に尻込みをはじめる。いったい彼が辿り着いた真相とは何か。ということは措いて、さっきの会話の続き。結局は大きな力に屈しつつある橘検事に対して、唯はいささか失望と落胆を禁じえない。
 ここの場面、よく見ると強がり口調の北川景子はちょっと涙ぐんでいる。目がうるんで、わずかに充血している。

 


 唯 「それ……私の上司が最後に言ったセリフ」
 橘 「えっ?」
 唯 「元上司ね。それを聞いて私、事務所を辞めたの。辞めて指定弁護士でいる事を選んだ」


 橘 「なのにさっき、たった一人の証人に裏切られた」


 橘 「もしかして今あなたにも裏切られようとしてる?」



 唯 「あなた言ったよね、検察官は強制起訴から逃げられないって」


 唯 「でも今あなた逃げようとしてる! いったい何から逃げようとしてるの?」


 橘 「無理だよやめたほうがいい」


 唯 「いいわ、逃げなさい。でも私は逃げない。一人でも戦ってみせる」


 橘 「どうして? なぜ そこまでする?」



 唯 「真実」


 橘 「真実?」


 唯 「真実が知りたい。今になってやっと検察官の気持ちがわかった」

 


 こういう不屈のヒーローっぽい盛り上がりは、北川景子でないと出せないと思う。たとえば『リーガル・ハイ』の新垣結衣がこういうセリフを言ったとしても、ぜんぜん違うものね。

 

 

 ともあれ、こうして北川景子は、法廷で唯一、味方となる橘検事とも袂を分かち、夕暮れ空に雷鳴とどろく中を帰宅する。今日はおうちで晩ご飯。帰ってくるなり旦那に「ご飯、炊いてあるよね」ということは、手に下げたスーパーかコンビニに袋の中身は、よく見えないが、おかずにするお総菜である。なんてことまで解説しなくてもいいか。ともかく、待っていたのは夫のいたわりやねぎらいの言葉ではなかった。

 


 唯 「ただいま」


 唯 「ねえ、隆司。ご飯、炊いてあるよね?」


 唯 「ねえ 聞いて。今日、証人と検察官に裏切られた。どうもこの事件、なんかある。私どうしてもそれ……」


隆 司「ご飯なら炊いてある。あと、田金清造の弁護、三塚所長と箭内先生がすることになった」
 唯 「で?」


隆 司「僕はあっちにつくことになった。裁判が終わるまで出て行く」


 唯 「なんで……なんで?」
隆 司「敵同士が同じ屋根の下ってわけには いかないだろ?」
 唯 「……敵同士……」


隆 司「ねえ、君が田金を捜査して誰が得をするの?」


 唯 「真実を知りたがってる大勢の人よ」


隆 司「その大勢の人が望まぬ真実だったとしても?」


 唯 「隆司……あなた 何か知ってるの?」


隆 司(首を横に振って)「でも三塚所長は田金から何か聞いてる」


隆 司「そして きっと、君と組んでる検察官も何か知ってる。だから 裏切ったんだ」

 


 言わずもがなのことだけれど、えなりかずき演じる隆司は、妻に愛想を尽かして家を出て行くのではない。むしろとてもその身を案じている。できれば無理してでもこの一件から手を引かせたい。でも妻が、いざ自分の正しい道が決まったら、何があろうがとことん突き進む性格であることも熟知している。だから悩みに悩んだあげく、自分が家を出て行くという行動に出て、捨て身の説得を試みたのだ。もし妻の心が翻れば、という一縷の望みをかけて家を出るわけですね。本当は妻を一人残していくことがとても心配。「ご飯なら炊いてある」のセリフが泣けます。
 ともかく、こうして唯は正義をつらぬき孤立無援となった。それでも真実を知るために前進し続ける彼女に道は拓けるのか。まあ拓けるんだけどね。なんて、今回はこのくらいで。