実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第693回】テレビ史上最もひどい番宣の巻(北川景子『全力!脱力タイムズ』)

 

 

 キャンディーズはなかなかオリコンのトップに立つことができなくて、ラストシングル『微笑みがえし』のときは、最後に夢を実現させてあげようと親衛隊が働きかけて、複数枚購入するファンがいて、最初で最後のオリコン首位を獲得できたんだけど、それはフェアではないんじゃないか、とかメディアで騒がれた。実は私も2枚買ったが、これは不当なチャート工作ではないか、と心ひそかに悩んだりもした。AKB商法が当たり前の今となってはのどかな話である。
 当時のアイドルは、新曲が出ると歌番組だけでなく、バラエティの類いにも出演して歌っていた。でも萩本欽一などは、そういう告知や宣伝目的のゲストを嫌って、自分の番組には出させなかったという。しかし欽ちゃんに拒まれなくても、そもそも映画や人気ドラマの主演俳優は、昔は番宣のためにバラエティに出てくるなんてそんなになかった。でも今では番宣の目的もないのに出てくるゲストを探す方が難しくなった。昔の欽ちゃんみたいなことを言っていたら、たぶんバラエティは成立しないだろう。1970年代も、そろそろ半世紀も過去のことになろうとしている。

 

 

 北川景子の怒濤の番宣バラエティ出演のなか、私が特に『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ、2018年11月9日)だけは録画してまで観たのは、『フェイクニュース』というドラマ(観てないんだけど)に出演した北川景子が、フェイクニュース番組に出る、という面白さからだった。でも観てみたらこれ、純然たるフェイクニュース番組ではなかったんですね。
 『全力!脱力タイムズ』は、ギャル曽根の夫のテレビディレクター、名城ラリータが総合演出を手がけるニュースバラエティである。くりいむしちゅーの有田哲平がメインキャスター、フジテレビの小澤陽子アナウンサーが進行役で、いちおうメインの話題にはホンモノのニュースを取り上げる。

 

 

 たとえば今回のテーマは「ボランティア」。よく知らないが、2020オリンピック・パラリンピック開催を控えて、東京都がボランティアスタッフの募集を開始したが、有償であるべきか無償であるべきか、いろいろもめているらしい。個人的には、そんなもん一律有償にしちゃえばいいのに、と思う。どうせ無理やりボランティアスタッフに駆り出される関連企業の方とかいるんでしょう。タダ働きでは可哀想だよね。だいたいボランティアに「無償」という意味はない。無償だったらチャリティーだ。と思ったけど、日本ではチャリティー番組の『24時間テレビ』にギャラが発生するらしい。何がなんだか。
 それはどうでもいいや。そういう「ボランティアは有償か無償か、どっち?」みたいなテーマで、資料映像を挟みながらディスカッションする。レギュラー解説員として出ているのが、元経済産業省官僚の岸博幸、犯罪心理学者の出口保行、そして昆虫学者の五箇広一。
 一応ホンモノである。そしてゲストコメンテーターとして毎回、俳優一人とお笑い芸人が招かれる。今回は女優の北川景子とバイきんぐの小峠英二。北川景子はこの番組の大ファンだという。

 


有 田「こんばんは」
小 澤「こんばんは。『全力!脱力タイムズ』です」


有 田「先生方、今日もよろしくお願いします」


小 澤「さあそして 本日もすてきなコメンテーターご紹介いたします」


小 澤「まずは お笑い芸人バイきんぐの 小峠さんです」
小 峠「よろしくお願いします」


小 澤「さあそして女優の北川景子さんです」
北 川「よろしくお願いいたします」


有 田「あらためてまあ、北川さんはこの番組のことがお好きだという」


北 川「そうなんです。もう大ファンで、もう他局の番組でも好きだ好きだと言ってしまうほどのファンでして」


北 川「毎週欠かさず観てますので、ホントに今日、楽しみでした。ありがとうございます」


有 田「これ ホントに言っていただいていたみたいで、これ嬉しいですね 岸先生」


 岸 「ホント、嬉しいですね」
有 田「出口先生も嬉しいじゃないですか」


出 口「嬉しいを通り越してますよねもう、出演者冥利に尽きるとしか言いようがない」


有 田「さすがに 五箇先生これは 嬉しいでしょ?」


五 箇「嬉しいですね」
有 田「日頃笑わない五箇先生ですら笑っていますからね」
北 川「すいません、あの……」
有 田「はい?」


北 川「あのぉ、こちらの方々っていうのは、どちら様?」


有 田「どちら様って……あの、観ていただいていると分かると思うんですけど、解説員の先生ですけども」


北 川「あれっ? この番組って、たとえば私の地元の友人とかの写真が、ちょっとこのへんに出る番組ですよねえ」


有 田「ああそれ… すいません。 ちょっとボタン 間違えてません? チャンネルを」


北 川「あっ! 分かっ…ごめんなさい。 間違えてました。あれですね、あの〜」


北 川「どこかしらの海外に行って、いい感じのことをしゃべるやつ?」


有 田「違います違います。 もうちょっと奥の方に行っちゃいました。こっちから1段階、2段階行っちゃいましたね」


北 川「えっ? え、え、ごめんなさい、あの」


有 田「いや観てんのか観てないのか全然分かりませんね」

 


 という感じ。つまり司会、解説者、ゲスト俳優は台本にのっとってボケまくる。ただし毎回のお笑い芸人ゲスト(今回ならバイきんぐ小峠)だけは、その台本内容を知らされていない(推定)。だから小峠は隣にいる北川さんのボケにアドリブでツッコまなくてはいけない。でも司会の有田を含め全員がそれをスルーしてまた違うボケをかます。そういう流れである。けっこう芸人さんの腕試しみたいな番組だ。
 先ほど言ったように今回のテーマは「徹底解説!! 疑問だらけのボランティア」行方不明の子どもを、ものの30分でみごとに探し当て、ヒーローになったボランティアおじさん、そして東京オリンピック・パラリンピックのボランティアスタッフ募集、というような前フリがあって、ではそもそもボランティアってなんだろう、今夜はボランティアの疑問を徹底解説します、という感じで、ごく穏当に番組は始まる。

 


有 田「改めて、いま注目されているボランティアですけれども、ボランティアに関わってる人間ですけど、どれぐらいでしょうか?はい」


有 田「740万人、いやすごい数ですね」


有 田「実はですね この番組 今回ボランティア特集をするということで、学生ボランティアスタッフの方々に今回ご協力を求めましたところですね、たくさんのボランティアスタッフが手伝って……どちらにいらっしゃるんですか?」


小 峠「いやいや、もうメチャクチャ前にいます。視力がどうかしてますよ、あれ入んないんだったら」
有 田「呼んできて、どこ?」


小 峠「いやいやいや異常にいますからあそこに。異常な存在感でいますから」
有 田「あなたたち ボランティアの方ですか?」
小 峠「どう見てもそうでしょうよ」


有 田「そうですか!すみません」
小 峠「そんなユニフォーム揃えて見学しないでしょ」


有 田「こちらの方々がですね 実は 今回ボランティアという形で初めて 番組、テレビ局の 例えばこういうパネルであったりとか、置物の、こういうセットとか、全部そういうのをやっていただいた」
小 峠「へぇすごい」
有 田「ボランティアの皆さんで今回は成り立ってると。ねえ北川さん」


北 川「いやもう素晴らしいと思います。ホント感動しました。やってみていかがでしたか?」


ボランティア「毎週観ている番組に関われて嬉しかったです」


ボランティア「将来は番組作りをこのメンバーでやりたいと思います」
北 川「すばらしい!」


 岸 「日本の若者は意外といいですね」

 


 もちろん、この番組ボランティアスタッフとかはフェイクである。だから次のコーナーで有田に怒鳴りつけられる。テーマを隠していたシールをはがそうとしたら、素人の作業なので、端までべったり貼りつけて、取れにくくしてしまっていたのだ。キレる有田。

 

f:

有 田「ダメだよ君たち、ちゃんとほら、開きやすくしとかないと!」


小 峠「いやいや、まあまあボランティアの方ですから」


有 田「こうやって ほら、こうやっとかないとできねえだろうが」


小 峠「いや厳しいですよもう」


有 田「こうね。わかったかテメェら!」
小 峠「テメェら。 なかなか 今聞かないですよ 。テメェら」

 


 何とかシールをはがして、次のコーナーに進む。ボランティアに有償ボランティアと無償ボランティアがある、という話ですね。
 世界ではこれが常識だけれども、日本ではボランティアといえば無償と思われがち、というような話になって、ふたたび話題が、今回の番組制作ボランティアスタッフに及ぶ。

 


有 田「本日のボランティアの方は無償のボランティアということなんで、どうですかこれ、出口先生」


出 口「こういう無償ボランティアってこと自体が、いまここで成立しているっていう、この現場に立ち会えてるわけですよね」


出 口「やっぱり人間、最終的にはお金じゃなくて気持ちですよね」


有 田「まさにそのとおりですね。五箇先生いかがでしょうか?」


五 箇「やっぱ生物学的に、古来より人間というのはまさにヒューマニティー、助け合いというなかでこの地球上で生き残ってきた生きものですから、まあやっぱりお金じゃなくて気持ちですよね」


有 田「いやもう北川さん、いかがですかこれ?」


北 川「いや私も正直 あまり先生方のことは詳しく存じ上げなかったんですが……」
有 田「いやいや、観ていただいてるんですよね」


北 川「今のお話 聞いて大好きになりました。素晴らしいですね」


有 田「これどうしようか? あの話、しちゃう?」

 


 と、ここまでは比較的おだやかな進行ぶりだったが、ここから急に雲行きが怪しくなる。実は、と有田が切り出す。

 

 

 実は、本日集まった学生ボランティアには、けっこう遠方からの参加者もいるのに、交通費すら支給されていないのだという。完全なる無償だ。


有 田「ということで我々、今日いただくはずのギャラは、我々は受け取らないで、実はボランティアの方々の交通費にしていただこうかなぁ、なんて考えてたんですが。だから、先生方も良かったらどうですか?先生方の今日のギャラというのを、その、ボランティアの方々の交通費とか、まぁちょっとしたお弁当代にするというのは」


 岸 「……でも彼らは無償ボランティアの契約なんですよね」
有 田「まあ そうですね。 一応、今回そういうふうにはしていますけど」


有 田「すごく感動されてたみたいなので、今回のギャラだけはなんか、どうでしょう若い学生たちに」


五 箇「それって 今日は、ギャラなしってことですか?」


有 田「いやまあまあまあそうですね。あの、今週だけですけどね、もちろん」


五 箇「それでなくても安いんだからさあ」
小 峠「まあいいんじゃないですか?別にね」


有 田「いやさっきお金よりも心だっておっしゃってたじゃないですか」


 岸 「五箇先生どうします?」
五 箇「いやぁ、まあしょうがないっちゃしょうがない」


小 峠「何をモゴモゴモゴモゴ言っているんですか。明らかにテンション下がってるんじゃないですか? いいでしょ別にちょっとぐらい」


有 田「学生も見てます。さっき良いこと言ったじゃないですか、心だって。今日はそうしませんか?」


出 口「まあまあまあまあ、分かりました分かりました、ねっ」


小 峠「大人げないですねえ。ねっ、さっき めちゃくちゃ誉めてましたよ」


小 峠「三人揃って、お金よりも心っておっしゃってたじゃないですか」

 


しかし今週はノーギャラとなった解説員たちの、下がりきったテンションは回復しない。次のコーナー、平成25年度の意識調査によると「関心がある」(39.4%)と「関心をもつようになった」(18.9%)をあわせると、日本人の6割近くがボランティアに関心をもっているという話。

 


有 田「さあ岸先生いかがでしょうか」


 岸 「いや、別にいいことですね」


小 峠「目、死んでんじゃないかよ」
有 田「岸先生 いつも 冗舌にちゃんと語っていただけるじゃないですか」


小 峠「完全に魂 抜かれちゃってんじゃないすか」
有 田「嬉しいじゃないですか出口先生、ねえ」


出 口「そうですねえ……現状60%……」


小 峠「帰っていいですよもう!そんなんだったら」


出 口「……いるっていうんで、良いとは思うんですけど」


小 峠「予想屋ですかそんな、赤ペン耳にさして」


有 田「いつもみたいにちゃんと声張ってくださいね。ちっちゃいです声が」


有 田「嬉しいですね 五箇先生」
五 箇「うんまあ生物学的にはどっちでもいいです」


小 峠「まずアゴの手! アゴの手を外しなさいよ。何ちゅう姿勢で答えてんすか」


有 田「はいはい、まあでも北川さん、58.3%、これいい数字じゃないでしょうか?」


北 川「そうですね。『関心がある』と『関心を持つようになった』というのが併せて58.3%まで上るのは、とても素晴らしいことだと思っているんです」


北 川「けれども、やはり関心があるというだけでは良くありませんので、これからどういうふうに行動に移していくのかってことが肝心なのかなあと思いますので、まだまだ理解を深めていきたいところですね」



有 田「うーんなるほど。いやでも僕、女優さんとかって、どっか上から目線の方が多いのかなとかって 勝手に思っちゃってたんですけど、これは ホントに嬉しいですね。さあ 続いて 参りましょうか。『ボランティアに参加する理由』見ましょう」

 


 続くコーナーも、解説者たちは三人全員ほぼやる気なし。有田のフリにも、短いコメントを投げやりに返すだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 そこでとうとうアニキがキレて、机を叩いて立ち上がる。

 


有 田「ちょっと待ってねえねえ、先生方さっき、今日はノーギャラにするって言ったら、途端にそんな態度とってませんか?」


北 川「みなさん!」


北 川「さっきから 何なんですか!黙って聞いてたら」


北 川「あのね、皆さんさっき、お金よりも気持ちだって言ったじゃないですか。さっき言ったとこですよ。みっともないです」


北 川「ボランティアでギャラがもらえないと分かった瞬間に、皆さんやる気失って」


北 川「いいじゃないですか無償で。無償ボランティア、素晴らしいじゃないですか。人間の鑑ですよ!」


北 川「ほら 若者の皆さんも見てらっしゃるわけですから。しっかりしてください。お金よりも気持ちなんです。ね」


(学生ボランティアたちの拍手)


北 川「ごめんなさい」
有 田「まさに今、学生の人たちの心を代弁してくれたかのようでしたね。みっともないですよ本当に」


出 口「すいません」
北 川「大切なのはホント、お金より気持ちですからね。人類ってそんなもんですから」
小 峠「そうですそうです」


有 田「いやもう、今ので少し目が覚めて、北川さんに言ってもらって良かった。そうですよね。岸先生も」


 岸 「いや、すみませんでした。やる気出します」

 


 と、三人の解説員も反省して、でも当然ここまでは(30分番組の半分近くを使っているが)前フリなわけね。主役は北川景子だから。

 


北 川「すいませんちょっと」


有 田「でも 北川さんがこんなことを 思ってくれてるとは思いませんでした」


北 川「ちょっと熱くなり過ぎちゃって」
有 田「いや嬉しいです。ありがとうございました」


北 川「こちらこそホント、ありがとうございました」


有 田「どうしましょう、じゃあ北川さん、これ、こういうこと言うとアレかな? 北川さんの今日のなんかねぇ、ギャランティっていうんですか、ていうのも」


有 田「ねえ、みなさん、打ち上げ代とか、ちょっとしたお小遣いにしてくださいよ。ね、それどうでしょうか」


北 川「……ん?」


有 田「いやあの、北川さんの、今日出るあのギャラというか」


北 川「ええ、まあ出演料、当然、うん」
有 田「それを今日 われわれと同じように、どうですか?ボランティアの方にちょっと、交通費代がてら…」


北 川「ああ、はぁはぁ、今日のギャラは、なしってことですか? 完全になしってことですか?」
小 澤「解説員の方々と同様という」


有 田「そうです同じです」


北 川「ななななるほど」


小 峠「いやいや明らかに難色を示していますけどね。いいんじゃないですか? だってあのお三方も、それでOKしたんですから」


北 川「まあね、まあ皆さんは毎週やられているとは思いますけど」


北 川「初めて来てギャラなしってことですか?」


有 田「いやもちろんムチャクチャ失礼だとは思うんですが、すごく感動したので、そっちの方が学生たちも、励みになるかなって」


北 川「あ〜 そうですか。はい。 え〜…じゃあOKです」


小 峠「OKじゃない言い方の『OK』ですよ今の。明らかにちょっとトゲのある『OK』でしたけど」


北 川「全然です。全然です。お金よりやっぱりね、心です」


有 田「心ですもんね。しびれましたよ。さあ それでは 続けましょうか」

 


 ギャラなしと決まったとたん、緊張感が解けたように背もたれに身体を預け、手鏡を取り出したりする。

 


有 田「さあ それでは 続けましょうか。『日本人の ボランティアに対する満足度』というやつですね。こちらでございます」


有 田「ほぉほぉ、やや満足が60%で、満足が 17%なんですね。合計78.7%」


小 峠「北川さん、ちょっとまずいですよ。北川さん?」
有 田「小峠さんこれは どう お考えですか?」


小 峠「北川さんがちょっと何か急に、イスをずいぶん深く……急に背もたれを使い出して、なんかこう、鏡で」


有 田「何か目に入りました?」


北 川「いえ大丈夫です」
有 田「これどうですか? 小峠さん。80%の方が 満足はしてるという」


小 峠「ああ、いい、いいことですよね。 自ら 進んでそうやって 満足感も得られてるっていうのは素晴らしい数字だと思いますけどね」
有 田「さあ北川さんいかがでしょうか?」


北 川「うん、満足しているんだったらいいと思いまぁす」


小 峠「いやいやいや、あのオヤジたちと変わらないですよ」
北 川「いいと思いますよ」


小 峠「さっきと 全然 違うな。もうちょっとこう、ばっと、さっきみたいないい感じでやっていただかないと」
北 川「はあい、いいと思いまあす」


有 田「ただですね二割の方が不満だというふうになってるんですね。北川さんいかがでしょうか?」


有 田「北川さん?」


北 川「ん?」
有 田「いかがでしょうか」
北 川「んっ? 何ですか?」


小 澤「不満という意見が二割ですけれども」


北 川「まあ 何なんでしょうね?そのう、要はその、やってみたら思ってたよりもあまり充足感が得られなかった」
有 田「また声が ちっちゃいな」


小 峠「ヤバいですよ、損しますよその出方。いま北川さん損する出方してますよ」


有 田「なんかもう、やる気なくなってんですかノーギャラ?で」


北 川「いえいえとんでもない!」
小 峠「さっきからおかしいですよ」


有 田「先生方もそうですけど、見てるんですよ ボランティアの方」


北 川「いえいえ もう、素晴らしいと思います。はぁい」
有 田「はぁい、じゃないでしょ!」


北 川「思いまぁす」
有 田「何なんですか」


有 田「えーっと『お手軽ボランティア』例えば こんなのですね。フードドライブというもので、アメリカ生まれの ボランティアのひとつで、家庭にある缶詰やレトルト食品などの保存食品を募って、地域の福祉施設や団体に寄付する活動、ということですね」

有 田「北川さん どうでしょう?フードドライブ」


有 田「どうしました?何を パチクリしてんの?」


有 田「まあ いいです。 そして 他にもございますよ。 こちらですね、プチどら★にこにこプロジェクト」


有 田「これは赤ちゃんを連れた保護者が地域のグループホームを訪れて、お年寄りと赤ちゃんが交流するボランティアですね。さあ北川さん いかがでしょうか?」



有 田「北川……北川さん?」


小 峠「無視が 一番駄目ですよこれ。北川さん?」


有 田「北川さん?」


有 田「すいません。 北川さん?北川さん?」


有 田「北川さん?」
北 川「んっ? はい。あのちょっと今、練習してた」


有 田「練習っていうか、感謝祭のやつじゃないですか」
小 峠「ありましたよね」


北 川「今やったら4分超えられるのかなって」
小 峠「今やらないでください」
有 田「何で今やってるんですか?」


北 川「ごめんなさいちょっと 気になっちゃって。何でしたっけ?」


有 田「何でしたっけ?じゃなくて。プチどら★にこにこプロジェクト」


北 川「なるほど なるほど。 はい。なるほどです、はいはい」


有 田「いきます。 次! こちら。三つ目、おうち食堂」


有 田「保護者の病気や仕事を掛け持つ多忙さで子供の食事に困っている家庭に、ボランティアが出向いて食事を提供するというもの。小峠さんいかがですか?」


小 峠「そうですねこういう、おうち食堂ってこともやっぱ僕は全然知らなくて」


北 川「ごめん ごめん ごめん。もしもし? うん うん」


北 川「もしもし?うん。 はい はい はい」


北 川「ごめん ごめん。まずい今、収録中」


小 峠「じゃあ 出なかったらいい」
北 川「『脱力タイムズ』 やってんの」


北 川「あのね、あなたにだけは言うけど……」


北 川「いまさ、ホント収録のなかでノーギャラみたいなこと言われて、マジテンション下がっちゃってさあ」


有 田「コラコラ コラコラ!」
北 川「ありがとね電話」
小 峠「誰なんですか? 相手の主は」


北 川「うんうん、あ、はいはいはい、チーカマ、チーカマ、買って帰る。はあい」
小 峠「チーカマ? チーカマのリクエストがあったんですか?」


有 田「旦那さんですかね これはね」


北 川「言えないって、言えない、言えない」
有 田「旦那さんですねこれはね」


北 川「スタジオだもん、スタジオだよ、みんな見てんだもん」
小 峠「切りましょうよ、だからね。みんな見てるから切った方がいいです」


北 川「言えないって。なんで? 二人になってから言えばいいじゃん」


小 峠「『愛してる』か何かですか?」


北 川「何で、カメラに向かって?」


北 川「も〜う分かった。言えばいいんだよね、分かった」
有 田「何やってんだよ」


北 川「はい。私が出演してます映画 『スマホを落としただけなのに』が11月2日から公開されています」


小 峠「これはひどいな……これはひどい」


北 川「この映画はですね、私の恋人役の田中圭さんが、スマホを落としてしまったことでありとあらゆるデータが流出してしまう、という、その事件に私が巻き込まれてしまう、SNSミステリーとなってます。 皆さま劇場で覧になってください。よろしくお願いしまーす」


北 川「……いいのこれで?」
有 田(爆笑)


小 峠「ダメでしょ、ダメダメ。テレビ史上番宣で一番ひどいですよ今のが。一番ひどい。テレビ史上一番ひどい、今の番宣が」


北 川「バイビー、はあい、バイビー!」
小 峠「バイビー?」


有 田「北川さん!」
小 峠「北川さん、よくないですよさっきから」
有 田「やりたい放題ですよ、さっきから」


北 川「でも大事な方だったので」


小 峠「何すか? チーカマ 頼むやつって。北川さんにチーカマ頼むヤツって誰なんですか」


北 川「大好物なんで、監督です」
小 峠「監督さんから!? 監督ですか!?」
有 田「旦那さまじゃなかったんですね」


北 川「チーカマ食べて演出してるんで」

 


 後半はVTRで「大物芸能人のお忍びボランティアを直撃」というコーナー。といっても、もちろんホンモノではなくてモノマネ芸人だ。

 

 

 

 お台場でこっそり和田アキ子(Mr.しゃちほこ)が通学児童の「緑のおばさん」をやっているとか、ビートたけし(松村邦洋)が通りでゴミ拾いのボランティアをやっているとか、まあどっちもモノマネ芸人を見せるために無理やりつくったようなコーナーなんだけど。

 


有 田「さあ北川さん、いかがだったでしょうか?」


北 川「やはり芸能界の先輩方のように、私も人の役に立つこうどうというものを、自分から進んでやっていかなくてはならないと思いました」


北 川「私の今日の収録の態度はたいへん間違っておりました。本当に申しわけございませんでした」
有 田「ていうことはやはり、ちょっとあったんですね、そういう気持ちが。皆さんノーギャラでも気持ちで 動きましょう!」


有 田「そろそろね今日も お別れの時間ですが、ちなみに… そうですね。北川さんはご結婚されましたね」
北 川「はい そうですね」
有 田「ご主人のこと あんまりおしゃべりになられませんか?」


北 川「まあ一緒にテレビとかも、やはり結婚会見からは出ていないですね」


有 田「言われてみりゃ そうですね」
北 川「そうですね」


有 田「実は北川さんはこの番組の大ファンだ、ということをもとにですね、まあちょっと、こちらもそこにつけあがったといいますか、サプライズをひとつ用意させていただきました」
北 川「え、何ですか?」
有 田「ご主人との 初の、結婚後ツーショット」
北 川「えっ!? えっ、ここでですか?」


有 田「はい。ご主人も実は、一緒にこの番組をご覧になっていると」


北 川「いつも一緒に観ています、はい」


有 田「ご主人の方も『出たい 出たい』とおっしゃって、実現したらいかがですかと。だったらここでということで」


北 川「ええっ!ホントですか!?」


有 田「さあ それでは ご主人のDAIGOさん来ていただいております。どうぞ!」

 


 まあ当然のように、ここでいったんCMが入るわけですけどね。後半のモノマネ芸人のVTRからの流れで、ここはモノマネの人が登場、という場合もあるようだが、今回はダイゴはダイゴでも「千鳥」の大悟という分かりやすいオチである。

 



北 川「もーう! 家にいるって言ったじゃん」


大 悟「ごめん」
北 川「言ってよ〜!」


大 悟「怒ってるう?」
北 川「言ってよお。 何で? 今日は休みって言ってなかった?」


大 悟「景子がビックリすると思って」
北 川「うっそー。ビックリしちゃったあ」
小 峠「全然 似てねえな!似せる気がねえんだから!」


有 田「どうですか? 家で 毎日お会いしてるわけじゃないですか」


北 川「そうですね、公の場で会うことってやっぱりないから」
大 悟「恥ずかしいよね」


小 峠「しゃべり方ほとんどボビーだね」


北 川「めっちゃ恥ずかしいです」
有 田「まあこの状況はねえ、DAIGOさん、この状況を、ずばり例のDAI語で」
大 悟「えっ」
有 田「DAI語でお願いします」


大 悟「あ〜…… DAI語で?」
北 川「面白いですよね」
有 田「いつものね」


大 悟「今の… 今の状況。え〜……YMK!」
有 田「何でしょうか?」
北 川「何だろ?」


大 悟「嫁・マジ・キレイ」
北 川「ヤーダ! 毎日 見てるじゃん」


有 田「毎日ですからね。まあ 一番、メークアップもしてますからね」


大 悟「この距離で見るのなかなかないよね」

 


ま、今回はだいたいこんなところです。だいぶ時間をくってしまったな。じゃあ、あとはエンディングね。

 

有 田「逆に 直してほしいとこあります? DAIGOさんに。DAI語でお願いします」


北 川「DAI語で。 え〜……AS」
有 田「AS!? 何ですか?」


北 川「アルファベットの精度ですね」
有 田「確かにね! 今日は 何かいつものDAIGOさんと違うような使い方をされますもんね」


北 川「ちょっと 今日は、いつもはもうちょっと面白いんですけどね。今日は調子がでていないっていうか」


有 田「何か アルファベットにするとことかもおかしいですもんね」


小 澤「波があるんですかね」
北 川「ちょっと 緊張してしまってるのかもしれないですね」
有 田「さあ 最後に 北川さん今日の感想 お願いします」


北 川「そうですね、まさか主人と共演すると思いませんでしたので、もう」


北 川「なんて日だ‼」
小 峠「どのタイミングで言ってんすか。急にかましてきましたね。びっくりしましたね」


小 峠「天を見上げて 言いましたね 今」


╳    ╳    ╳


スタッフ「はい OKでーす!」


大 悟「すんません。 すんません」


大 悟「ちょっとで終わるはずやったのに。 台本(セリフ)1個しかなかったはずやのに」


有 田「自ら出てきたら もう終わりだよ」