実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第612回】DVD第4巻:Act.14の巻(9)

1. 剛力さんのはんなり芸妓女囚もの



ちょっと前の話題になるけど「三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』が実写とアニメでダブル映画化決定」(2017年2月)というニュースがあった。詳細はよく分からないが、2013年のフジテレビ版のキャストで劇場版を作る、ということではないらしい。
 原作の主人公は、透き通るような色白の肌に黒髪の長髪、近視でメガネをかけていて内向的で寡黙、小柄で細身だが胸の大きい26歳、ということなんだけど、ドラマ版ではそれを、ショートヘアで快活そうでスレンダーな剛力彩芽20歳が演じたので、原作ファンを中心に「全然イメージ違うのに、また事務所のゴリ押しで主役にキャスティングか」みたいな反撥があったのを憶えている。



 でも、私は当時、原作を読んでドラマを観て、無理してロングヘアのウィッグを付けたりしないまま、原作の栞子さんの寡黙でミステリアスな雰囲気をよく出していた剛力彩芽がすごく良いと思っていた。だから「剛力さんはすごくいいぞ」みたいなことを当時のブログにも書いた。たぶん無理だろうけど、彼女の栞子さんを映画版で観たいなぁ。剛力彩芽は現在24歳で、ようやく原作のヒロインの実年齢にちょっと近づいてきたところなのだ。



 2016年の剛力彩芽は、戦略的なのか結果的にそうなっちゃったのかわからないが、深夜枠のドラマを総ナメである。日テレ「木曜ドラマ」の『ドクターカー』(2016年4月)、テレ朝「金曜ナイトドラマ」の『グ・ラ・メ!〜総理の料理番〜』(2016年7月)、TBS「水ドラ!!」枠の『レンタルの恋』(2017年1月)という感じで、私はもう最近、ウイークデイは帰宅して食事して風呂入って寝る、という毎日で深夜ドラマも滅多に観ないが、このたびはテレ朝「金曜ナイトドラマ」の新作『女囚セブン』の第1話を拝見しました。



 とにかく「女囚○○○」というタイトルに梶芽衣子が出ていれば、疲れていようが眠かろうが観るのが国民としての義務である。このキャスティングだけで、制作者に対する好感度アップですね。







 剛力彩芽は京都の芸妓で、大物政治家っぽいご一行の遊びのお相手をしている間に、急に不自然に酔いが回って意識を失い、気がついたら血まみれのナイフを握って倒れて、傍らには同僚でライバルだった芸妓が死んでいた。



 それで逮捕されて、なぜか裁判では何も抗弁せず有罪判決を受ける。花園刑務所に収監され、6人の受刑者たちと相部屋で監獄生活を始める。これが「女囚セブン」ね。



 メンバーは、わざと無銭飲食をして捕まった凄腕の女スリ(安達祐実)と、育児疲れでDV夫を殺した元ヤンのシングルマザー(トリンドル玲奈)と、遺産目当てで結婚と夫殺しを繰り返した毒婦(平岩紙)と、不倫の末に患者を殺した全身整形ナース(橋本マナミ)と、介護疲れで夫を殺したおばさん(木野花)と、なんかよく分からないけど詐欺罪の政治秘書(山口紗弥加)。



 北川景子『黒い樹海』や米倉涼子『ドクターX』の内山聖子がゼネラルプロデューサーで、脚本は『ケイゾク』『SPEC』の西荻弓絵の書き下ろし。第1話はまあ、女囚ものの定番というか、先輩受刑者たちによる新人いびりと、それを涼しい顔して歯牙にも掛けず、いざとなればものすごく強い主人公、みたいな展開で、どういう話になるかはよく分からないが、しかしやっぱり剛力彩芽は、いい女優さんだと思うけどなぁ。みんなもうちょっと評価してくれないかな。




 第1話のクライマックスは、元女子プロレスラーの受刑者、山崎静代(南海キャンディーズ)とのタイマン。山崎静代は東京ドームの韓流スター引退公演をどうしても観たくて脱獄を敢行するが、成り行きで剛力彩芽に阻まれて失敗、懲罰室に叩き込まれてしまった。怒り心頭に発したしずちゃんは、懲罰室から出るなり、剛力におそいかかるが、これもあっさり返り討ちにあってしまうのだ。









 アクションシーンもクールに決まって良かったです。『ガッチャマン』より良いかも。
 で、梶芽衣子なんだけど、芸妓の剛力彩芽がお世話になっていた置屋の女将さんを演じています。



 涼 「あんた……ほんまはやっとらんのやろ」



刑務官「事件の話はしないように」



 涼 「なんで罪、認めたりしたん?」



琴 音「無実を、証明するためどす」



 涼 「そうか」



 涼 「けどあんたの選んだその道は、修羅の道やで」



 修羅の道だってさ。梶芽衣子さまの御言葉だけに重みがあります。
 というわけで、全然関係ない話を長々としてすまない。本編だ。

2. クンツァイトの記憶問題



 どこかの洞窟。ここがクンツァイトのアジトのようだ。岸壁から滲み出た水滴があちこちに水たまりを作っている。あとで水の戦士が反撃に出る伏線になってるんだけどね。横たわるうさぎは白いドレス姿。クンツァイトの笑顔がなんかエロい。





クンツァイト「ここまで抵抗するとは、さすがは戦士と言うべきか」



 クンツァイトの術に対抗して、なかなか妖魔化しないセーラームーン。その抵抗力の源は幻の銀水晶である。それで、ドレス姿になっちゃったんじゃないかな。ここでちょっとAct.25を先取りしてみよう。




クンツァイト「やはりそうか」




マーズ「私たちのプリンセスは」
ジュピター「プリンセスは……」



 セーラームーンは、幻の銀水晶の力を一気に解放するときプリンセスの姿に変わるのだ。



 ドレスが地味と思われるかも知れないが、特撮ファンタジーのプリンセスが着るドレスは地味=清楚という公式があるのかも知れない。


『スター・ウォーズ』の故キャリー・フィッシャーさん


『宇宙からのメッセージ』の志穂美悦子さん


 このAct.14では、うさぎは昏睡状態で、自分を支配しようとする妖魔と戦っている。そして無意識に幻の銀水晶の力を解放した。だから妖魔化せずに済んだのだけれど、その副作用でプリンセスみたいな格好になってしまった。というかプリンセスなのだが。でもクンツァイトはどうなんだろうか。黒い花びらに包み込んで洞窟までセーラームーンを連れ去ったら、白いドレス姿になっていた。




 前回、おとなしい人間の青年シンからクンツァイトに覚醒した時点で、たぶんかれは地場衛と自分との因縁を、少なくとも一部は想い出しているはずである。それはこのあと、この場面に駆けつけてくるタキシード仮面とのやり取りを聞けば分かる。偶然にも、シンとして衛とうさぎに出会ってしまったたことが、刺激というか呼び水になったのだろう、クンツァイトは前世の記憶を徐々に回復しつつある。そんな彼が、思わぬ抵抗力を示すうさぎに、彼女こそ本当のプリンセスではないかと疑いを抱くのも当然の成り行きだが、ここで彼女の白いドレス姿を見たことが、なによりのヒントになったのではなかろうか。

3. 泥まみれの戦い



 なんとかうさぎを支配しようと、クンツァイトがさらにパワーを加える。額のペンダントが輝き、それに呼応してうさぎの胸元に同じ紋様が光り出す。






 すると爪がにゅーっと伸びて妖魔化が進み、うさぎは苦悶する。そこへマーキュリー登場だ。



うさぎ「うっ、うっ」




マーキュリー「待ちなさい!」


 そのテンションの高さは、手の先がAct.2やAct.5の時と同じ「ペンギン」になっていることでよく分かる。



マーキュリー「うさぎちゃんを! うさぎちゃんを返して!」



クンツァイト「もちろん返す。妖魔になったセーラームーンをな」




マーキュリー「マーキュリー・アクア・ミスト!」




 クンツァイトの剣はマーキュリーの攻撃を吸収して、それをそのままお返しする。敏捷さを武器とする代わりに軽量級のマーキュリーは、軽々と吹っ飛ばされてしまう。


















 マーキュリーのコスチュームや白い手袋やほっぺたが、みるみる泥まみれになる。舞原監督はこれが描きたかったんだろうなあ。



クンツァイト「もう終わりか? 」



マーキュリー「ああっ、ううっ」




クンツァイト「ふっふっふっ」




(岩清水が雫になって落ちる音)





マーキュリー(水よ、お願い!)



クンツァイト「セーラー戦士とは、弱いものだな」





 岩清水を剣に替えて抵抗するマーキュリーだが、一撃で武器は崩れてしまう。





 それでも闘志を失わないマーキュリーに感心するクンツァイト。



マーキュリー「うさぎちゃんを、返してっ!」



クンツァイト「ほう」


 クンツァイトは最初、セーラームーンを妖魔に支配させ、操って他のセーラー戦士を潰そうと考えた。それを防ぎにやって来たマーキュリーが放ったアクアミストのエネルギーを剣で吸収し、そのままマーキュリーにお返しして倒した。相手の力を巧みに利用するのがクンツァイトの戦い方の流儀だ。その彼がここで、予想外のポテンシャルと闘志を秘めたマーキュリーに一目を置く。そして次は彼女を利用して対セーラー戦士のコマとしてゆくことだろう。ダークマーキュリー誕生の布石である。



 と、そこへ駆けつけるマーズとジュピター。



マーズ「はっ!」
ジュピター「はっ!」



ジュピター「亜美ちゃん!」
マーズ「大丈夫?」
マーキュリー「うん」




ジュピター「シュープリーム……」



マーズ「悪霊……」



ジュピター「サンダー!」
マーズ「退散!」


 クンツァイトは妖魔じゃないので「悪霊退散」です。さあ盛り上がって参りました、が、本日はタイムアップ。また次回。
 ところでテレティアで連絡を取り合った形跡もないのに、マーズとジュピターはどうしてこの洞窟に駆けつけてこられたんだろう。というかそもそも、マーキュリーはどうやってこの場所が分かったんだ?