3年前のセラミュ復活第1弾『ミュージカル 美少女戦士セーラームーン La Reconquista ─』(2013年)より、月の王国シルバー・ミレニアムの女王クイーンセレニティ(ジェイミー夏樹)。前世におけるうさぎの母親を生身の人間が演じたのは、バンダイ版セラミュ、実写版を通して初めてだと思う。雰囲気があってなかなか良かった。
このジェイミーさんが先日、沢井美優の事務所の後輩で『仮面ライダーディケイド』(2009年)の井上正大とご入籍されたそうである。しかもお腹の中には、すでにプリンセスの生命が宿っているという……。いや、女の子とは限らないか。何にせよ、おめでたい。
おめでたいといえば安座間美優さん御誕生日おめでとう。最近はウエディングドレス姿で『こまちウエディング』という結婚情報誌の表紙を飾っておられる。
上は新潟版2017年春号なんだけど、四国版もあって、なんと表紙の写真が微妙に違うのである。一体全国に何種類の『こまちウエディング』があるのか。ご存じの方は教えて下さい。
さあ2016年もいよいよ大詰めである。今年は元日企画が台本紹介だったので、最後も実写版台本紹介でしめてみるか。
というわけで、女優・北川景子の原点にして泉里香のチャーミングな魅力が炸裂、誕生日を迎える安座間さんの木野まことも良い味を出しているAct.34を御紹介したい。
でも、忘れちゃっている人も多いと思うから、ここで前編であるAct.33の内容を少しフォローしておく。
夜の町に妖魔が現れて、真面目なレイはただちに現場に直行して妖魔退散。
遅れて亜美も駆けつける。
が、そこへ巡回中のおまわりさんが登場。
補導されちゃって、それぞれの保護者に連絡が行く。
亜美のママ(筒井真理子)は離婚しているらしく、女手一つで亜美を育ててきた。といってもママは優秀なお医者さんで、日々病院勤務や出張で忙しく飛び回っていて、なかなか亜美に十分に目をかけられない。でも亜美はずっと良い子だった。ところが今回は、夜遅く外出して警察に補導されたという。そこでママは、亜美をもう少し管理の行き届いた進学校へ転校させようと思い立つ。
うさぎちゃんと別れるのがいやな亜美は、それでもママに自分の気持ちを素直に言い出せない。
一方、レイのママはレイが少女のころ病気で亡くなっている。
でも政治家のパパ(升毅)は、仕事が多忙でママの最後を看取ることもできず、葬儀を終えるとレイを火川神社(たぶんレイにとっては母方の祖父の家)にあずけてしまった。
呼び出すときも本人自らという機会は滅多になくて、いつも秘書の西崎がやって来る。でも今回、娘の補導を知らされたパパは、いまさらレイを引き取って一緒に暮らそうなどと言う。レイはますます反撥する。
というわけで、Act.33とAct.34の見どころは、まだホンモノの大人の役者と絡む機会がほとんどなかった浜千咲(泉里香)と北川景子が、筒井真理子や升毅といった巧者を相手にどういう演技を見せるか、というところにあった。
結果で言うと、うまく筒井真理子のふところに入った浜千咲と、ぶつかり稽古みたいに升毅に体当たりした北川景子という感じで、この北川さんの芝居に対する愚直で一途な姿勢が今も変わっていないことは、『ヒポクラテスの誓い』で柴田恭兵や古谷一行に対峙する北川景子を見れば一目瞭然である。先ほどこのエピソードを女優北川景子の「原点」と呼んだのはそういう理由だ。
あと、安座間さんのまことも重要である。まことはAct. 31で元基にデートに誘われ、一緒に映画「カメファイター」を見たりするが、その直後に自信のなさから元基を振ってしまう。それで「自分は戦士だから」という言い訳に逃げ込むのである。
だから元基と顔合わせづらくて、できればクラウンに来たくはないのだが、でも仲間の戦士のためなら、彼女たちのための弁当持参でクラウンに詰めちゃう。そんな繊細さやぶっきらぼうな優しさが、安座間美優のハードボイルドなセリフ回しや省エネ演技の中に、意外とよく表現されていることに気づいた。
まあだいたいそんな感じかな、さ、あとは一緒に台本を読んでみましょう。ちなみに舞原監督なので、脚本の魅力を活かしながらも、台本には随所で手を入れている。アバン・タイトルからして、台本どおりなのはルナのナレーションだけで、選ばれた前回からのシーンはこの台本に指定されている場面とは9割方違う。できればビデオと観較べながらお読みください。
なお当サイトでは過去に計12本の実写版台本を扱っています。(Act.ZERO、Act.1、Act.5、Act.8、Act.12、Act.13、Act.15、Act.16、Act. 28、Act.40、Act.48、Final Act)それぞれ、ひろみんみんむしさん、こっちよ!さん、M14さんといった方々から頂戴したものです。今回のAct.34台本は、M14さんから提供された資料によるものです。
毎回言っていることですが、これは実写版セーラームーンマニアのための研究資料として提供するものです。閲覧されるみなさまは、その点をよろしくご了承のうえ、扱いにはくれぐれもご注意ください。
1. 街(夜)(ルナのNのみ同一)
ひたすら戦うマーズ。
マーズ「……」
レ イ「絶対イヤ。ママだってそう言うわ。パパなんかと結婚して、あんな風に死んじゃったママがかわいそう!みじめよ!」
隆司がレイの頬を叩く。
レ イ「!」
隆 司「勝手にママを不幸にするな! お前に何がわかる!」
レ イ「……!」
冴 子「前から考えてたんだけど、転校した方がいいと思うの」
亜 美「え!」
冴 子「大丈夫、亜美は何も心配しないで勉強に集中して。ドクターになるんでしょ? ママと亜美の夢だもんね」
亜 美「……」
ルナのN「何か大変な事になっちゃってるの。亜美ちゃんの転校に、レイちゃんのパパとのケンカ」
駅前で待つ冴子から離れ、走り出す亜美。
妖魔が逃げる。
ルナのN「それに妖魔はレイちゃんを狙ってるみたいだし」
それぞれの亜美とレイ。
ルナのN「うさぎちゃん達も私も心配してるんだけど……」
N枠のルナが溜息でマニキュアをぬる。
隆 司「西崎っ、無理矢理でもいいからレイを連れ戻せっ」
西 崎「え、でも……」
隆 司「いいな!」
西 崎「はい!」
2. 亜美のマンション・居間(本編には無し)
冴子が戻ってくる。
ホワイトボードは白いまま。
冴 子「やっぱり帰ってない……」
冴子の形態が鳴る。
慌てて取り出すが、画面には『第一外科』。
冴 子「もしもし……。ええ、ちょっとまだ戻れないの。悪いけど酒井先生か安田先生に――」
8. クラウン・中
うさぎとまこと、猫ルナがいる。
うさぎ「妖魔がレイちゃん狙ってるとしたら、何でだろ」
猫ルナ「最初に妖魔が現われた解き、レイちゃん一人で戦ったって言ってたでしょ」
回想。
妖魔に傷つけるマーズ。
猫ルナの声「そのせいかも」
まこと「妖魔の仕返しってわけか……」
うさぎ「じゃあレイちゃんが危ないじゃん」
まこと「私たちでガードしようよ。レイ、今お父さんの事で大変みたいだし。言うとイヤがるから、それとなく」
うさぎ「うん」
猫ルナ「後、亜美ちゃんと連絡とれないのも気になるわね。お母さんと面接に行ったんならいいけど……」
まこと「転校する気ないって言ってたしな」
猫ルナ「まさか、家出?」
まこと「ありかも」
うさぎ「うそ、私ちょっと亜美ちゃんち見てくる。戻ってないか。まこちゃんはレイちゃんお願い。すぐ行くから」
まこと「わかった」
二人が階段を上がっていくが、丁度入ってきたレイとぶつかりそうになる。
うさぎ「レイちゃん」
レイは結構な荷物を抱えている。
まこと「どうしたの?」
レ イ「しばらくここにいようと思って」
うさぎ「え?」
レイは黙って階段を降りていく。
まこと「何? お父さんの事?」
レ イ「しつこいのよ。また神社の前で待ってるし」
まこと、うさぎにそっと頷く。
うさぎも頷き返して出ていく。
レイがイスに座る。
まこと、ちょっと間をおいて、
まこと「ここにいるんなら食事は?」
レ イ「後で何か買いに行くわ」
まこと「じゃあ何か作ってくるよ」
レ イ「いいわよ」
まこと「どうせヒマだし」
まことが出ていく。
まことのM「ここなら安全だし、丁度いいかも」
レ イ「……」
9.同・受付(本編には無し)
まことが出て行こうとする所へ、古幡が入ってくる。
「まずい」という顔のまことだが、古幡はごく自然に笑顔を作る。
古 幡「いらっしゃい。もう帰り?」
まこと「うん……、ちょっと」
古 幡「そ、ありがとうございました」
まことが出て行こうとするが、
古 幡「まこちゃん、俺の事あんま気にしないでよ。俺慣れてるっつーか、全然オッケーだから」
振り返るまことに笑顔の古幡。
まこと「……じゃ」
出て行くまこと。
途端にショボンとなる元基。
まこともちょっと元気がなくなる。
10. 亜美のマンション・全景(本編には無し)
11. 同・居間(本編には無し)
チャイムの音に、冴子がモニターを見ているとうさぎがいる。
冴 子「はい?」
うさぎ「あの、亜美ちゃんいますか?」
冴 子「お友達?」
うさぎ「あ、月野うさぎです」
うさぎが冴子と一緒に入ってくる。
冴 子「丁度良かったわ。あのね、亜美知らないかしら?」
うさぎ「いえ……」
冴 子「そう……」
うさぎ「あの、亜美ちゃん、事件とかじゃないと思います」
冴 子「何か知ってるの?」
うさぎ「そのー、転校するのイヤがってたから、多分それで……」
冴 子「まさか、そんな事一言も……」
うさぎ「亜美ちゃん、ママには言いにくいって……」
冴 子「……?」
うさぎ「私、探してきます。おばさんも亜美ちゃんが行きそうな所探してみて下さい」
冴 子「もう塾と学校には当ってみたのよ」
うさぎ「じゃ、それ以外で」
一礼してうさぎが出ていく。
冴 子「それ、以外?」
考えつつ受話器をとる冴子。
冴 子「……私、知らないわ……あの子の事……」
愕然と受話器を置く冴子。
13. 同・メタリアの間
ベリルの前にジェダイトがいる。
ベリル「ジェダイト、プリンセスにつけている例のモノだが、プリンセスよりも、まずある男を狙わせたい」
ジェダイト「それは……」
ジェダイト、一瞬言いよどむが、
ジェダイト「エンディミオン、ですか?」
ベリル「お前もゾイサイトにくだらぬことを吹き込まれたか? それともクンツァイトか」
ジェダイト「いえ……」
ベリル「お前はわらわだけを見ておればよいのだ。余計な事は考えるな」
ジェダイト「は……」
ベリル「……」
14. ホテル・一室(夜)
衛が入ってくる。
そこへ僅かに聞こえるピアノの音。
衛 「ゾイサイトか」
ゾイサイトのイメージが現れる。
ゾイサイト「マスター、あなたが戦う決意をされたのは素晴らしい、しかし、あのプリンセスとは――」
衛 「うさぎの事は何を言ってもムダだ。それより、俺はもっと前世の事を知りたい。何があったのか全て」
ゾイサイト「既に記憶の扉は開け放たれているはず……。後は時間が必要です」
衛 「時間……」
ゾイサイト「マスター、身辺にご注意を。クイン・ベリルが何か仕掛けるかもしれません……」
ゾイサイトが消える。
衛 「……」
15. クラウン・中(夜)
まことが、風呂敷に包んだ大きめの包みを置く。
レ イ「ちょっと多すぎない?」
まこと「ま、いいじゃん。じゃ私は帰るよ。その方がいいだろ」
階段を上って行くまこと。
レ イ「……ありがと」
まこと「どういたしまして」
出て行くまこと。
一人になるレイ。
何となく立ち上がって、周囲を歩く。
16. 同・受付(夜)
まことが、気まずいながらも古幡に歩み寄る。
まこと「元基君、あの……、部屋一つ借りれるかな」
古 幡「え、でも、もうすぐ中学生はダメな時間だし」
まこと「ちょっと事情があって。遊ぶわけじゃないから」
古 幡「んー、じゃあ、そうだ休憩室なら」
まこと「ありがと!」
17. 同・中(夜)
そっと開く扉にレイが「?」と見る。
入ってくる亜美。
レ イ「亜美ちゃん」
亜 美「レイちゃん……いたんだ」
亜美、ちょっと躊躇しつつ降りてくる。
亜 美「私も、いいかな」
レ イ「いいけど、どうしたの?」
亜美がイスに座る。
亜 美「面接、行かなかったの。ママにも黙って」
ちょっと驚いて見るレイ。
亜 美「……私ね、レイちゃんには信じられないかもしれないけど、今までママとケンカした事ないし、逆らった事もないんだ」
レ イ「……」
亜 美「ママが好きだし、頑張れば喜んでくれて、嬉しかったし……。だからね、今どうやってママと話していいかわからなくて……。怒られるのか、嫌われるのかも……」
レイ、ちょっと亜美を見つめ、
レ イ「そうやってちゃんと話そうとするの、えらいと思うわ」
亜 美「え? レイちゃんがそうしてたから」
レ イ「私のは……、 多分、ぶつけてるだけ」
亜 美「……」
束の間無言の二人だが――
レイ、雰囲気を変え、
レ イ「そうだ、まことがお弁当作ってくれたの。食べる?」
亜 美「まこちゃんが?」
レイが包みを広げて、重箱や水筒、皿などを出す。
重箱の中はなかなかの豪華弁当。
亜 美「うわぁ! おいしそう!」
レ イ「こういうのはまことに敵わないわね」
亜 美「レイちゃん、二人きりだし、パーティしちゃおうか」
レ イ「え?」
亜美がカラオケをセットする。
流れるオケ、歌い始める亜美。
ちょっとあっけにとられたレイも、すぐに笑みで口ずさみ、箸でリズムをとる。
笑顔で歌う亜美。
18. 亜美のマンション・居間(夜)
イスに座って携帯のメールを見ている冴子。
亜美の声「心配しないで下さい。少し考えたら帰ります」
空白のホワイトボードを見つめる。
イメージとしての幼い亜美が、一生懸命ボードに伝言を書く姿が見える。
『ママへ 亜美もがんばってドクターになります』。
冴 子「……」
24. 月野家・うさぎの部屋(夜)(本編には無し)
うさぎが携帯を畳む。
猫ルナ「これでちょっとは安心ね」
うさぎ「うん、どっちもうまくいくといいなぁ」
26. 路上(朝)
歩いてくる亜美とレイ。
レ イ「じゃ」
亜 美「うん」
ちょっと視線をかわした二人が別々の方向へ。
歩くレイ。
その前に車が止まり、西崎が降りる。
西 崎「お嬢様! 大変申し訳ないのですが……」
ゾロゾロと黒服の男達が車から降りてくる。
西 崎「不本意ではありますが、先生のご命令ですので――」
が、レイはあっさりと、
レ イ「会うわ。ただし、場所はレストランじゃなくて、教会で」
西 崎「え?」
28. 走る車の中
西崎の運転で、後部座席にレイがいる。
西 崎「先生ももう向かわれているそうですよ。いやー、助かりました。クビがつながりましたよ。よかったよかった〜」
レ イ「話すだけよ」
西崎は調子に乗ってしゃべっている。
西 崎「十分ですよ。先生は、お嬢様と会う口実が欲しいだけなんですから」
レ イ「?」
西 崎「いや、先生も素直じゃないですからねー。ここだけの話、何とかお嬢様とうまく話したくて、色々考えたみたいですよ。世論調査だとか、雑誌の取材だとか」
レ イ「!」
西 崎「どうかなーって感じですけどね。だから交番から連絡があった時なんか、むしろ喜んでるのが見えましたもん。今だって飛び上がってますよ」
強いとまどいのレイ。
レイのM「そんな事……、でも、じゃあどうして……」
フラッシュ。
病院で一人泣いているレイ。
レ イ「……」
車が通りすぎる花壇の花が揺れる。
レイが一瞬「?」と見るが、車は走りすぎる。
30. 同・中(本編には無し)
駆け込んでくるまこと。
しかし中にレイと亜美の姿はなく、きちんと包まれた重箱に、『ごちそうさま』とある。
まこと「(携帯に)うさぎ!」
33. 同・墓地
母親の墓にしゃがんでいる隆司。
墓の前に、件の写真を置いている。
その後ろへレイが歩み寄る。
置かれた写真を見て、小さくハッとなる。
隆司がレイを振り返ると写真をしまう。
隆 司「何だ、こんな所に呼び出して。会うならちゃんとした場所があるだろう」
立ち上がり、レイと向かい合う隆司。
レイは隆司を見つめる。
隆 司「なんだ」
レ イ「……」
38. 空き地
投げ出されてくる妖魔。
立ち上がった前に立つセーラームーンとジュピター。
セーラームーン「せっかく親子が話し合ってるんだから、邪魔しないで」
ジュピター「仕返しなら、私達が引き受けるよ」
妖魔の攻撃を避ける二人。
39. 教会・墓地
対峙するようなレイと隆司。
レ イ「どうして……。どうしてあの日病院に来なかったの」
フラッシュ。
幼いレイが泣いている。
隆 司「しつこいな、お前は。何か理由があれば許せるのか」
レ イ「理由によるわ」
隆 司「……」
レ イ「……」
隆 司「仕事だ。本当に忙しかった。お前を預けなきゃならなかった理由も、それ以外にない」
レ イ「じゃあ――」
隆 司「わかれとは言わん」
レ イ「……」
隆司はまた墓を見つめる。
レイもそんな隆司を見つめているが、やがて背を向けて歩き出す。
隆 司「レイ」
レイが足を止める。
隆 司「取材があるんだ。親子で食事をする。出席しなさい」
レ イ「……」
イメージ。
立ちつくして泣いている幼いレイ。
レ イ「パパ! パパー!」
隆司を見つめるレイ。
レ イ「……多分、もう少し時間がたったら」
隆 司「そうか……」
レイが去っていく。
41. 遊園地
メリーゴーランドを見つめている亜美
亜 美「ちゃんと、話せる……」
小さく頷き、踵を返す。
が、そこに立っている冴子。
冴 子「亜美」
亜 美「ママ……!」
冴 子「よかった。ママにあなたが見つけられて」
亜 美「どうしてここに……」
冴 子「昔の写真見て思い出したの。ここが好きだったわね。あの頃は、まだパパも一緒だった」
亜 美「……」
そこへ亜美の携帯が鳴る。
猫ルナの声「亜美ちゃん、お願い急いで! うさぎちゃん達が苦戦しているの!」
亜美は冴子を見つめ、決意の表情で、
亜 美「……ママ、ごめんなさい。私、今は勉強よりももっとやりたい事があるの、友達と一緒に。ママに、嫌われても――」
冴子が亜美を抱きしめる。
冴 子「いってらっしゃい」
亜 美「……!」
一瞬言葉に詰まる亜美。
亜 美「うん」
亜美が走り出す。
42. 空き地
倒れたセーラームーンとジュピターに迫る妖魔。
だがそこへ駆けつけるマーズとマーキュリー。
セーラームーン「レイちゃん! 亜美ちゃん!」
マーズ「うさぎ、まこと、同時攻撃よ!」
頷いて立ち上がるセーラームーンとジュピター。
セーラームーン「ムーンライトトワイライトフラッシュ!」
マーズ「妖魔退散!」
ジュピター「シュープリームサンダー!」
マーキュリー「シャインアクアイリュージョン!」
妖魔が消えていく。
セーラームーン「やった!」
笑顔のマーズとマーキュリー。
ジュピター「二人とも、もういいわけ?」
マーズ「大丈夫よ」
マーキュリー「心配かけてごめんね」
セーラームーン「転校は?」
マーキュリー「しないよ。ずっと一緒」
セーラームーン「よかったぁ!」
セーラームーンが抱きつき――