実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第521回】疲れ果てて三大噺の巻(小池里奈・北川景子)

 

 

6月18日は、ミュージカルの3代目セーラームーン、神戸みゆきさんの8年目の命日でした。黙祷。

 

 

 

 

 


 さて現実逃避で怠けてばかりいたせいで、今週末は本当に仕事で首が回らない。『ネオン蝶』レビューは一旦休止で、ちょこっと小ネタを並べる。『ネオン蝶』の続きをお待ちの方、すまんな。(だんだん謝り方がぞんざいに。)

1. 世界の小池、縛られてオイルを塗られる


というわけで最近の芸能ニュースから。まずはこれ。

 


小池美由、目標は「栄子」「徹平」と並ぶ「世界三大小池」

タメ口トークで人気上昇中のアイドル、小池美由(21)が16日、東京・浜松町の文化放送で行われた同局の定例会見に出席した。
 4 月から文化放送「レコメン!」(月〜木後10:00)の火曜レギュラーとして出演中。「本当は丁寧語が得意だけれど、人と距離を縮めたいからタメ語」といい、好きな言葉は「世界征服」。「小池と言ったら『小池栄子』か『小池徹平』か『小池美由』と呼ばれるようになりたい。世界三大小池」と目標を掲げていた。(『サンケイスポーツ』2015年6月16日)


 ……知らないぞ。タメ口トークで人気上昇中のアイドル、って言われても、私がその分野で思いつくのはローラとか水沢アリーとか、あと本田翼ぐらいだが、そのへんに迫る勢いで人気上昇中なのか? ともかく、いきなり「世界三大小池」なんて偉そうに、……と思ってGoogleで「小池」って入れてみたら、確かにこの人のブログがトップだった。本当に人気者なんですね。すみませんでした。
 でもやっぱり、タメ口キャラでもかまわないけど、小池界の先輩のことは、ちゃんとリスペクトしようよ。「小池彩夢ちゃんが昨年、芸能界を隠退したので、代わりに私が入って、小池唯さん、小池里奈ちゃんと新・小池三姉妹を結成したいです」とか言ってくれていたらオヂサン応援したのにな。



 まあとにかく同学年で小池界を背負って立とうというようなライバルが出てきたのだから、小池里奈もうかうかしていられない。最近は何やってるんだ?

 

小池里奈、『白魔女学園』で撮影初日に縛られて泣き叫ぶも余裕の笑み!

 でんぱ組.inc主演映画『白魔女学園 オワリトハジマリ』の初日舞台あいさつが、6月13日に新宿バルト9で開催され、本作に出演した小池里奈、市道真央、山谷花純が登壇した。


 『白魔女学園 オワリトハジマリ』は、個性あふれるパフォーマンスで人気を博す「でんぱ組.inc」が主演を務める、アクション満載の特撮ファンタジーの映画化第2弾。世界を救おうとする白魔女と黒魔女集団との対決を描く。
小池は「撮影初日がいきなり縛りつけられるシーンで。いじめられて、ずっと泣き叫んでいました」と、ハードだった初日を振り返った。「でも、坂本(浩一)監督が『今日は、坂本ガールズが集結して顔合わせができて幸せだ』と言っていたので、初日から縛られ、オイルを塗りまくられ、下から足をいっぱい撮られたけど、どうぞどうぞって感じでした」と余裕の笑みを浮かべた。

 


 でんぱ組.inc主演で小池里奈で監督は坂本浩一だってさ。『赤×ピンク』で小池里奈が気に入って『ウルトラマンギンガS』に起用し、『ウルトラマンギンガS』で最上もがが気に入って、次作ででんぱ組.incを主演にするって、さすが「なぜかは知らないが何をやっても許される男」坂本浩一である。文中「坂本ガールズ」の意味が不明だが、たぶんスーパー戦隊のヒロインをやった人たちはみんな「坂本ガールズ」なんだろうな。すごいな。



 
 『赤×ピンク』では芳賀優里亜が脱いでいたが、今度の作品では小池里奈が縛られてオイルを塗りまくられているそうなんで、よろしく。最上もがが脱ぐかどうかはわからない。


 

2. スケープゴートに期待がかかる


次は良いニュース。

 

「書店ガール」よりダメそう…不人気AKIRA起用でフジ火曜ドラマは終了?


 2015年7月の火曜22時から放送が開始されるドラマ『HEAT』(フジテレビ系)の主演を、EXILEのAKIRAが務めることが先月発表された。共演者には稲垣吾郎、栗山千明、佐藤隆太らが名を連ねているが、主演の起用に関してのみ、様々な声があがっている。
 「過去にドラマ『GTO』で熱血教師役を演じたAKIRAですが、今回は一味違うクールなキャラクターに挑戦と宣伝されています。そんなAKIRAが主演を務めることが発表されるとネット上では『またEXILEか!』『主演以外のキャストは文句ないが‥‥』といった声が殺到。最近は洋画での吹き替え問題で炎上したこともあり、AKIRAへのバッシングは特に強くなっているようです」(芸能記者)
 火曜22時台のドラマといえば、一時は3%という低視聴率が話題となった「戦う!書店ガール」の後番組となる。そのため「HEAT」も、その流れを引きずり1ケタ視聴率を連発するのではないかと早くも囁かれているのだ。(森嶋時生「Asagei plus」2015年6月13日)


 「洋画での吹き替え問題で炎上した」とあるのは、ちょうど公開されたばかりのリメイク版『マッドマックス』のことで、これもけっこうネットではブーイングだったようだ。

 


 「都内スタジオで公開アフレコ会見に臨んだが、AKIRAは表情こそ真剣でしたが、右手をパンツの前ポケットに突っ込んだままセリフを読んでいましたね。また、『自分にはトム・ハーディほど渋さがない』と、自身が起用された理由をどこか疑問に感じているようなコメントもしていました」(映画ライター)


 ふだんと勝手が違って手持ちぶさただからポケットに手を突っ込んだだけかもしれない。ちゃんと表情は真剣だったっていうし。それに「自身が起用された理由を疑問に感じている」自己批評能力があればたいしたものだと思うが、それでもバッシング。芸能人もたいへんである。



 しかし申し訳ないが、今回はもっともっと『HEAT』のバッシングが文字どおりヒートアップして炎上して欲しい。視聴率もうんと下がってくれると助かる。なにぶん『探偵の探偵』が高視聴率になりそうな要因が何なにひとつ見あたらない状態なので、壮絶な「爆死」をとげるドラマが同一シーズンにあればあるほど良い。芸能マスコミのドラマ担当者は今後『HEAT』をしっかり見守っていてほしい。その間に『探偵の探偵』は粛々とオンエアします。


 

3. 基礎教育の問題


 とここまで書いて一休みして『M14の追憶』を読みに行ったら、最後に書こうと思っていた話と、モロにネタがかぶっちゃっている。まあしょうがないや。
 広瀬すずがテレビ番組で、裏方スタッフを軽視するような発言をしてしまい、翌日のツイッターでそのことを謝ったけれど、ネットで叩かれているとか、そういう話。謝罪の内容はこういうもの。

 


「先日放送された、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の中で、私の軽率な発言がありました。いつもお世話になっているスタッフの方々に誤解を与えるような発言をしてしまい、申し訳ありませんでした。本当にごめんなさい。」


 北川景子の伝説の「さばモグ」と「ピカチュウのモノマネ」が出た番組だな。
 私は観ていなかったので、いったいどういう「軽率な発言」をしたのか好奇心をかられたわけだが、Yahoo!ニュースのヘッドラインになったオリコンの記事を読んだだけでは、状況がもうひとつ分からない。

 

広瀬すず、”スタッフ軽視”発言を謝罪「軽率な発言がありました」


 広瀬は18日、フジテレビ系バラエティー『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「食わず嫌い王決定戦」に出演。「冷めててドライなんですよ」と自分の性格を分析し、「(電飾を)あんな高いところにかけた人は一生懸命やってるんだな」と感じている、と明かした。
 MCのとんねるず・石橋貴明から「テレビ局で働いている照明さんなんか見るとどう思うの?」と聞かれると、「どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう?」と回答。続けて、音声スタッフについても「なんで自分の人生を女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう?と考えちゃう」「大人になって年齢を重ねると共に、本当に…声を録るだけでいいの?」と語った。(『オリコン』2015年6月19日)


 これがオリコン。
 最初の「自分はドライだ」という発言と、次の電飾云々という話のつながりがわからないので、これに続く「問題発言」の真意もイマイチ不明瞭。広瀬すずではなくて、舌足らずな記事を書いたオリコンの記者に謝罪してほしくなる。
 それでちょっとネットを散策したら『日刊スポーツ』の記事が出てきた。こっちは話の流れのポイントが押さえてあってとってもクリア。オリコンの記者はこういうのを読んで勉強し直すように。


 広瀬は番組内のコーナー「食わず嫌い王決定戦」で佐々木蔵之介(47)と対戦。その中で、石橋貴明(53)から「好きな人は?」と聞かれ「価値観が一緒の人がいいです」と答えた。17歳とは思えない大人な発言に、石橋と木梨憲武(53)が驚く姿を見て、広瀬は「結構冷めてて、すごくドライなんですよ。イルミネーションを見てもワーッとリアクションができなくて。あんな高いところにかけた人は一生懸命やってるんだな、というのは分かるんですけど」と自身の性格について説明した。



 石橋から「テレビ局で働いている照明さんなんか見るとどう思うの?」と聞かれると、「どうして生まれてから大人になった時に、照明さんになろうと思ったんだろうと思う。録音部さんも、腕が疲れるのになんで自分の人生を女優さんの声を取ることにかけてるんだろう…すごい考えちゃいます」と答えた。演技する自身の周りで働くスタッフを見詰める目も、冷静であることをうかがわせたコメントだった。



 さらに広瀬は続けて「きっと大人になって年齢を重ねるとともに、本当に声を録るだけでいいの? って思っちゃいます」とも語った。その後も、とんねるずの2人の質問に対し、周囲のさまざまなものに対し、好奇心を持って「どうして?」と思う気持ちを語り続けた。そのことに対し、木梨は「かわいい」と笑みを浮かべたが、インターネット上では、一部の視聴者からスタッフを軽視しているのでは? との声が上がった。その反応に対し、広瀬は自身の声で、謝罪の気持ちを誠実に表したとみられる。(『日刊スポーツ』2015年6月19日)


 で、こうやって読むと、それほどたいした問題発言でもなさそうだよなぁって感じで、話としてはそれで終わりなんだけど、それがきっかけで、私はちょっとあれこれ考えたんですよ。
 広瀬すずって、まだあまりよく知らないんだけど、お詫びコメントを出すタイミングや内容の適切さから言って、けっこう素直で聡明な子なのではないか? だったら問題となった発言の間違いだって、その場で教えてあげれば本人はすぐに理解したのではないか? そしてそれは、彼女が女優としてこれからもやっていくつもりなら、とても大事なことだとも思うのだ。
 テレビや映画の照明担当の人で、子供の頃「大人になった時に、照明さんになろうと思った」人なんて、まずいない。大抵は監督、ディレクターになりたいとか、あるいは俳優志望だったり、とにかく「自分も良い作品が作りたい」「良い番組が作りたい」と思って映画やテレビの業界に入ってくるのである。そして経験のなかで、撮影とか照明とか音声とか、それぞれ自分にふさわしい部署が決まってくる。同時に、番組やドラマを作るということは共同作業であり、どの分野にも本物のプロフェッショナルがいて、「良い作品」はそういう本物のキャストやスタッフの力がうまく結集して、初めて実現することを知る。
 「録音部さん」は自分の人生を「女優さんの声を取ることにかけてる」わけではない。良い作品を作ることにかけてるのだ。実は「女優さん」だって、良い作品を作るために、カメラのフレームのなかで演技している。だから「録音部さん」は良い作品にするために、「腕が疲れるのに」そのフレームぎりぎりの位置までマイクを伸ばして、女優のセリフを拾う。「照明さん」も良い作品にするために、監督の構想に合った照明を設計して、女優に光を当てる。俳優もスタッフも、みんながひとつの目的のために汗をかく。だから楽しいし、やり甲斐があるのだ。「本当に声を録るだけでいいの?」と聞かれたら、その答えは決まっている。もちろん良くない。録った声が作品に活かされなければ意味はない。大事なのは良い作品を作ることだから。
 そういうふうに説明すれば良かっただけの話で「裏方スタッフをバカにしている」とかネットで非難しても意味がないよね。要するに一般教養というか、基礎教育が足りないだけだ。(もし彼女が女優を続けたいのであれば。)必修を終えずに専門課程に入っちゃっているのは、彼女をとりまく教育システムの問題だ。
 というか現在、我が国で新人にこの手の基本的な理解をきちっと教育する現場って、やはり東映特撮番組くらいしかないんじゃないだろうか。広瀬すずは17歳になったばかりだというが、北川景子はちょうどそのころ、実写版セーラームーンで女優デビューした。『ミスセブンティーン』出身の女優という意味では、まさしく広瀬すずの先輩である。その北川景子は、昨年4月、セーラームーン10周年の同窓会があったとき、こんなことをブログに書いていた。

 


 この年齢になると諭されることがなくなってくるので、私は本当に恵まれています。現場のしきたり、撮影所のシステム、「俳優部」であることの自覚、責任。このお仕事に必要なことすべてを学ばせて頂いたのが東映でした。


 良い作品を作るためには演出部、撮影部、照明部、録音部、美術部、制作部、車輛部などなどがそれぞれの力を結集しなければならない。そして自分はそのなかの「俳優部」である。画面に映る「俳優部」がしっかりしなければ、照明部や録音部の方々のせっかくの仕事を、台無しにしてしまうことだってある。そういう自覚や責任を東映で叩き込まれた。スター扱いされるようになった今では誰も教えてくれないことだ。北川景子はそう言っている。私はこういう人を「基礎教育が出来ている人」だと言いたい。
 じゃあ基礎教育が出来ている人が、「録音部さん」のことをどう思っているか。数年前NHKで『輝く女 北川景子』というドキュメンタリーが制作された。その撮影最終日の前夜、スタッフと開かれた打ちあげの食事会で、北川景子は次のように言っている。

 


北 川「楽しいですよね。スタッフさん見ると。“汗かいている”感、よくないですか? “やってる”感。“駆けずり回っている”感、かっこいいよね、スタッフさんの」


北 川「カンペ出すとかね。……(マイクを持つ手振り)私、コレがやっぱり、やりたいですね」


北 川「“まだ……まだ……まだ……ここ!”みたいな。“ちょっと確認してもらっていいですか”みたいな、“それ以上さげたら(画面に)入るよ”みたいな」


 


 ほろ酔いでちょっと赤らんだ笑顔で、周囲のスタッフに「かっこいいよね」を連発する北川景子。照明部をやってみたいと言う北川景子。可愛い。
 まあ実は、これを紹介したくて今回の記事を書いたようなものである。広瀬すずさんをダシに使った格好で、申し訳ありません。
 じゃ本日は解散。




坂本浩一『白魔女学園 オワリトハジマリ』観たいですね。