実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第464回】DVD第3巻:Act.12の巻(4)


『セーラーゾンビ』第1話。まだまだセーラー服でいける小池里奈



 この番組に関しては、第1話を視聴したM14師匠が早くもネを上げている。そういう場合は名古屋支部がフォローしなければならない。とも思うが、しかしさすがの私も自信がない。私の場合、鑑賞するだけなら別に問題ないんだけど、このドラマ、金曜日の夜遅くに観ていると、1週間ぶんの疲れの溜まったカラダとココロにとどめをさされて、週末は安らかに眠れそうな内容なのだ。
 それでぐっすり休んで、月曜日からバリバリ働くぶんには良いドラマだと思うが、私の場合、これ観ちゃうと、週末にブログを書く気力がぜんぶ吸い取られそうな気がする。
 とはいえ、昨年末に『天国の恋』のレビューをやり抜いた体験は、私に、歳をとってもチャレンジ精神を忘れないことの大切さを教えてくれた。この際ちょっとがんばってみるか。いや、やめておこうか。

1. セーラー大同窓会


 ちまたで大いに盛り上がった、実写版セーラームーン大同窓会の話。もう遅きに失したので、いまさら取り上げても、と思うが、やはり慶事でありますので、ひとことお祝いと、ファンとして御礼を申し上げておきたい。
 ところで、ジェダイトのツイッターに、単刀直入に「行かなかったんですか」と質問してくれた勇気ある方がいた。ジェダイト氏の返答によれば、バイト先のセールとかぶってしまい、しかも店員不足で自分が休むわけにも行かず、一人涙を流したそうである。大ざっぱにいえば、小池里奈と同様「仕事で行けなかった」わけだ。仕事では仕方がない。



 何だかかわいそうだが、彼らしい気もする。アズサイ(As a Sign of a Human)の活動停止後はイニシエイターというバンドをやっているとのことである。音楽やりながらのバイト生活(いやバイトやりながらの音楽生活か)はたいへんだと思うが、がんばれマスオさん。いや遵くん。

そのほか、戦士たちのブログからコメントを拾っておきたい。

泉里香さん


 セーラームーン開始当時、私は14歳だったので、スタッフの方々から「見た目は、戦士の中で一番変わったけど、中身は相変わらず淡々としていて、変わらないね」と言われました。
 初めて大人の世界に入り、ドラマ撮影も初めて、台本を見るのも初めて、その上、戦士の中で最年少ということもあり、しっかりしないと、足を引っ張らないように頑張らないと、という思いでいっぱいでした。それが監督たちの目には''淡々としてしっかりした子'' と映っていたのだと思います。
 でも私自身は毎日必死で、怖くて、奮闘の日々。新しい出来事に溢れたあの一年間、心では沢山泣いていたな。と振り返って感じます。私が強くなった原点はここでの経験だと思います。
 あの頃は本当に大変だったけれど、こんなにも素晴しい方々に囲まれ、一年間仕事が出来たこと、そしてセーラームーンという作品に携われたことに改めて幸せを感じました。

北川景子さん


 あれから10年。
 皆が面白いほどに変わっていなくて、10年も経ったとは思えませんでした。あの中にいるとそれぞれがうさぎだったり、亜美だったりに戻るのが可笑しくてあぁ、ここは何も変わらないなぁと嬉しくなりました。


 監督陣も全員いらっしゃったのでお一人お一人とお話させて頂きましたが、やはり私もそこでは「レイ」に戻ってしまい背筋がピンっと伸びました。(笑)
 セーラームーンがデビュ―作だった私は、文字通り落ちこぼれでしたし、昔話をするたびに「一番叱られていたのはレイとまこと」と監督たちが口を揃えておっしゃっるように、日々、厳しくもありがたいお言葉を組の皆様からたくさん頂戴し、一年と数か月、東映で過ごしました。
 今も監督たちにとっては私はあの日の「レイ」のままで、この日も10年前と同じように、お芝居のこと、仕事、作品に対する取り組み方、そして物事の考え方について、沢山のアドバイスを頂戴しました。「放送が終了してからも、一番ひやひやしたのはレイ」と監督たちに言われてしまいましたが(笑)あぁ、ずっと見守って下さっていたんだな、と手に取るようにわかるほど監督たちの仰るお言葉、アドバイス、ご指摘は一つ一つが的確で正しくて、身が引き締まりました。今度お会いするときには同じことをこの方たちに言わせてはならないと決心しました。
 この年齢になると諭されることがなくなってくるので、私は本当に恵まれています。現場のしきたり、撮影所のシステム、「俳優部」であることの自覚、責任。このお仕事に必要なことすべてを学ばせて頂いたのが東映でした。
 東映からデビューし、学び、外に出た俳優として東映の名に恥じぬよう精進しようと思い続け、いつしか10年が経ちました。まだまだ未熟者ですが、雨垂れが石を穿つように、懇懇とお芝居に取り組もうと思います。

安座間美優さん


 先日、セーラームーンのドラマ放送終了から10年ということで、大同窓会がありました!
 出演者はもちろん、当時のプロデューサーさん、監督さん、脚本家さん、技術スタッフさん、振り付け・アクションの先生方…とにかくみんなが勢ぞろいした、ものすごい会でした!笑
 こうやってみんなで10年前の話をしながらご飯を食べる日が来るなんて…と、ただただ不思議な気持ちで過ごしてました。



 四天王やタキシード仮面のお兄様方+うさぎの弟君+戦士。
 お兄様方にはちょいちょい会っているのですが、うさぎの弟進悟役の武子君(左から2番目)とは10年ぶり!
 正直みんな、このイケメンはどなた…?状態でした。笑


 でもそうですよね。
 高校生だった私達やもう成人していた人達の10年と、小学生の10年とではわけが違う。笑



 そしていつものうちら。笑
 ここはいつもと変わらずな感じでしたが(^^)
 来られなかったスタッフ、出演者もいるので、またこうやって集まれたらいいなーと思いつつ、また一緒にお芝居ができる日が来るように頑張らなくちゃ!とより気合いが入りました。

小松彩夏さん


 まさかこんなに集まるとは思っていなくて正直ビックリ!!笑
 それだけ、この作品を皆が愛していたんだなぁと。
 放送当時は今から10年以上前。
 戦士の5人は、まだ右も左も分からない状態で、とにかくがむしゃらに頑張っていました!!
 いつも怒られて、誰かが泣いていた現場。笑
 だけど、あの日々が本当に楽しかった。
 あの一年間があったからこそ、今の自分があります。
 一年間共に戦った戦士の5人は今でも本当に仲良しだし、いつも、いつでも、いつまでも、繋がっています。

沢井美優さん



 10年という時間は長く短い。
 言葉はいらないのかもしれない。
 この写真で伝わる気がする。
 私の想いも、みんなの想いも。
 ただそれだけ。
 また、気が向いたらのんびり書かせてもらいます。

2. いろいろな節目


 さて、そんなこんなで4月も半ばである。
 1月〜3月シーズンには、面白そうなドラマもそこそこあったんだけど、結局いつもどおり、ほとんどスルーしてしまったなぁ。
『戦力外捜査官』(2014年1月〜3月、日本テレビ系、土曜午後9時)は、第6話を観た。被害者の家に出入りする家政婦(ふせえり)が、「家政婦は見た」のパロディで、勝手にあれこれ推理したりして、現場を混乱させる。何だか舞台劇みたいな演出もあって、面白かった。



 鴻上尚史が初めて連続ドラマの脚本に挑戦したということで、やはり劇作家はミステリものがうまい。と言いたいところだが、一話だけでは何にも言えませんね。あと関根勤が楽しそうでした。
 関根勤といえば、スーパー戦隊シリーズ『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年2月〜、テレビ朝日系、日曜午前7時30分)に車掌役で出ている。こっちもイマイチ身が入らないというか、ちゃんと観ていない。すみません。



 いまんとこ第8話まで来たが、番外編(『仮面ライダー鎧武』とのコラボスペシャル回)以外のすべてのエピソードを小林靖子が手がけている。幼なじみの五人が戦隊になるという発想もすごいが、でも彼らが憶えているのは「どこかの町のどこかの丘で一緒に遊んで育った」ことぐらいで、あとは誰も何も憶えていないという記憶喪失状態。これはやばい。前世の記憶が曖昧なまま戦士をやっているセーラームーンと同じ。
 ともかく、小林靖子のことだから、過去に何があったのか、そしてなぜ彼らは記憶を失っているのか、大どんでん返しが用意されているはずである。しかもこのメインの謎の解明に向けて、すでにこれまで放送された回にも、最終回にはみんな忘れ去っているような細かい伏線があっちこっちに張りめぐらされているんじゃないか、と思うんだよね。
 そういう意味では、『仮面ライダー鎧武』の姉ちゃんのブラウスに目を奪われている場合じゃないのだ。これからちゃんと観なくちゃ。いやブラウスじゃなくて。



 それからドラマ24『なぞの転校生』(2014年1月〜3月、テレビ東京系、土曜深夜0時12分)。岩井俊二が初めて連続ドラマの脚本に挑戦しただけのことはあって、けっこう面白いドラマだ。……と思うのだが、とうとう一話も観られなかった。でもこつこつ録画ビデオを動画ファイルにコンバートして、全12話をHDDにまとめておいたので(そうしないと家族に消されてしまう)時間ができたら一気に観賞したいと思う。問題はいつ時間ができるかだ。かつてのNHK少年ドラマシリーズ版(1975年)で主人公を演じた高野浩幸が、主人公の父親役で出て来るらしい。楽しみだなあ。



 あと、この番組改編期に、実写映画版の『GANTZ』2作品が日テレの『金曜ロードショー』で一挙放送された。4月から日テレで二宮和也主演のドラマ『弱くても勝てます』が始まるので、そのプロモーションみたいだ。そりゃ同じ人の主演作品だけど、和風スプラッターSF漫画の映画化と、開成高校野球部を舞台にしたノンフィクションで、あまりにも関連が薄すぎはしないか、という話はこのさい関係ない。
 息子がテレビにかじりついているのを横目でちらっと見て、ふと思い出したんですが、昨年の後半、渋江譲二が企画・原案・主演、そして『GANTZ』で田中星人を演じた柴田愛之助がプロデューサー・監督を担当して、『シュールな男(仮)』って映画を制作するというアナウンスがありましたよね。あれの進捗状況はいったいどうなっているのかい、ということだ。どなたかご存知の方はいませんか?


3. 変身と変装


 さて本編です。Act.12のDVDレビューの途中。
 ケガで入院中の美奈子を心配するあまり、考えもなく十番病院に出かけたら、偶然、美奈子に会えてサインまでもらえたうさぎ。でも、翌日になって、サイン帳を病院に忘れてきたことに気づいてショック(すぐ気づけよ)。
 サインを取り戻しに病院に戻ってはみたが、病院の玄関先には一部の熱心なファンが押しかけていて、簡単に入れそうにもない。この、人気があるんだか無いんだか分からない感じが、いかにも愛野美奈子っぽい。



うさぎ「これじゃ美奈子んとこまで行けない……」


 と、ため息をついたうさぎだが、「!」と気づいて変身携帯テレティアSを取り出す。



 ちなみに台本には例によって「携帯」としか書かれていない。そして次のカットで、うさぎはさっそく女医さんに扮して、院内に潜入を果たしている。



 女医さんである。前回はナース姿で潜入して、今回は女医さんだ。
 原作では、マーキュリー初登場の回に、うさぎの女医姿を見ることができる。学習塾で洗脳された人たちを救うために、女医に扮して潜入するのだが、実は女医である必然性はあまり感じられない。





 ていうかミニスカート過ぎて、これじゃコスプレである。アニメ版でもそうですね。ちょっと懐かしいアニメ版の変身(変装)シーン見てみましょうか。
 実写版の場合、変身携帯テレティアSの写メに、写した服装を実体化する機能がそなわっていて、目の前で撮った衣装にそのまま変身することもできれば、メモリしておいて、後で呼び出して変身することもできるようだ。でも原作やアニメ版は、なりたい職種を言って「ヘンシーン」とペンをかざせば、あとは適当にみつくろってくれるシステムになっている。無印第8話「天才少女は妖魔なの?恐怖の洗脳塾」より。



うさぎ「ムーンパワー!」



うさぎ「大学病院勤務の女医さんに変身!」




 いまさら気づいたんだが、原作もアニメも、うさぎ以外の戦士には、このような変装能力はそなわっていなかったんじゃないかな。ていうか、それ専用のアイテムがない。うさぎはコンパクトでセーラームーンに変身して、変身ペン(変装ペンか?)で、ひみつのアッコちゃんみたいに、自分のなりたいものに変身(コスプレ)できた。でも亜美やレイやまことや美奈子は、変身スティックでセーラー戦士に変身するだけ。確かそうでしたよね。

  • 補注:というのは間違い。コメント欄の書き込みによれば、セーラーV時代の美奈子は変身していたとのこと。主役の特権というやつか。百日紅さん、ご指摘ありがとうございました。

 そう考えると、戦士全員が変身(変装)能力を使える実写版って、けっこう画期的だったのではないだろうか。特に、このAct.12あたりまでは、けっこう「テレティアで変身!」の場面が多かった。振り返ってみよう。




Act.1】ドレスアップしてショーに潜入




Act.2】特に意味もなく網タイツ姿に



Act.3】二人で巫女さんにチェ〜ンジ





Act.4】ほとんど遊んでいる





Act.6】珍しい三人での変装





Act.9】まことの警官姿がりりしい




Act.11】前回のナース


 そして今回、Act.12の女医さんとなる。
 まあ厳密に言えば、Act.11ではうさぎもまこともテレティアを見せていない。でも明らかに「使ったな」と思える編集の仕方なので入れておいた。
 というわけで、以上の12話のうち、テレティアによる「変身」(変装)姿が披露されたのはぜんぶで8回、内訳はうさぎが8回、まことが2回、亜美が2回、レイが1回。
 変身がなかったのは、Act.5、Act.7、Act.8、Act.10の4話。これらのほとんどは物語の構造上、必然的に変身シーンを控えざるをえなかったものばかりだ。たとえばAct.5は、亜美が『本当の友達になれる本』を読んで、うさぎたちと友達になれる自分に「変身」しようと試みる話、Act.7は、うさぎがセーラームーンに「変身」する姿を地場衛に目撃される話、Act.8は、火野レイの巫女の衣装は、実は大物政治家の御令嬢という自分の本当の姿を隠すための「変身」(変装か)であった、という話だ。どれも、エピソードそのものが「日常生活における少女たちの変身」を主題としている。なのでテレティアの変身場面を入れると話のテーマがぼやけてしまうのである。残るAct.10は、うさぎの家出、かぐや姫願望の少女エリカちゃん、ベリル登場と、詰め込まれたイベントが多くて、テレティアで変身しているヒマなどなかったというところだろう。
 こう考えると、第1クールにかんしては、スタッフは可能な限りテレティアの変身シーンを入れて制作していることが分かる。ところがこれ以降は激減といっていいくらい、そういうシーンが減るのである。(……と思う。数えていないが、記憶する限りそんな感じ。間違っていたらご指摘ください。)



 なぜか。これはAct.13が2003年12月27日の放送で、Act.14が1月10日の放送である、ということを考えれば分かると思う。バンダイのホームページを見ると、テレティアSは2003年11月中旬の発売で、価格は税込み3780円。要するにクリスマスシーズンに向けての女の子向け主力商品のひとつだったのではなかろうか。だから12月20日オンエアのこのAct.12までは、とにかく出せる限りテレティアを出してくれ、というバンダイからの無言の圧力があったのではないか、と推察する。白倉伸一郎、小林靖子以下スタッフはその要望に懸命に応え、逆に年が明けた第2クールでは、その反動でほとんどテレティアを出さなくなっちゃったと。
 と、まあこれはシロウトの邪推なので話半分で読んでおいてくださいね。

4. 再び病院


 脇道が長くなった。もうちょっとだけ進んで終わりにします。
 というわけでお医者さんに変身したうさぎ。ドクターうさぎで、台本には「Dうさぎ」とある。
Dうさぎは、また美奈子に会えるかも知れないので、ちょっとウキウキ。



と、そんなDうさぎの目の前を、美奈子が走り抜けていく。



Dうさぎ「あ……!」





鬼のような目で走る美奈子。続いて、やや失速気味ながら、齋藤社長が後を追って駆け抜ける。




いぶかしげに二人を見送るうさぎだが、すぐに笑顔になる。



うさぎ「美奈子、昨日も社長から逃げてたけど……」



うさぎ「あ、そっか!」



 うれしそうに走り出すうさぎ。ヴィーナスが妖魔に襲われているという緊迫した場面なのに、うさぎは『ローマの休日』みたいな「マネージャーの監視の目を逃れて自由になりたいアイドル」というシチュエーションを想像している。完全なカン違いである。でも、なんか嬉しそうに走り出すうさぎを見ていると、まあいいかという気になる。この躍動感が永遠のスポーツ少女、沢井美優だ。
てあたりで、今回はここまで。ってぜんぜん話が進んでいないな。