実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第456回】DVD第3巻:Act.11の巻(13)


『抱きしめたい』絶賛上映中 明日はTOHOシネマズ 日劇にて舞台挨拶


『ごちそうさん』も絶賛放映中 がんばれ松浦雅

1. なにをお願いしたのか?


コスプレ総合雑誌『COSMODE』(コスモード)隔月刊、絶賛発売中の2014年3月号にはセーラーレオタードの実寸型紙つきだ。



いちど自作のコスでセーラー戦士になってみたかったそこのアナタ、今がチャンスだ!そのほかの記事はえーと、ゲームなのかアニメなのかもおぢさんには分からない作品タイトルと、それから「二次元男子アイドル140」とか「あなたの本性を暴きます コスプレ脳判定」とかの読み物。あとコスプレ写真の撮り方指南もある。「空と雲を足して快晴写真に!」「ダイエットにも最適! 残念ポーズ矯正トレーニング」「前ボケ写真を究める!」
「前ボケ」というのは、被写体よりも手前にあるものをボカして雰囲気や遠近感を出す撮り方のことね。たとえばこんな感じ。



羽交い締めにされたセーラームーンに、こちらから迫っていくゾイサイトの手が前ボケ、ね。
というわけで、このまま本題に入ります。DVDレビュー、Act.11もいよいよ大詰めだ。



今回のゾイサイトの計画は、おびきだしたセーラー戦士たちに催眠術をかけ、彼女たちを操ってプリンセス、つまりセーラーVを捕らえようというものだった。すでにマーキュリー、マーズ、ジュピターは意識を奪われている。そして最後の獲物、セーラームーンに迫ってくゾイサイト。セーラームーンのピーンチ。




と、そこへタキシード仮面登場!いよいよゾイサイトとマスターの邂逅だ。カメラもここぞとばかりに二人の周りをぐるぐる回り出す。ぐるぐる。



ゾイサイト「お前は!?」



ぐるぐる



ぐるぐる



ぐるぐる



ぐるぐるぐる……と、意味のよく分からないタカマル演出。トレンディドラマみたいだ。なんてどうでもいいか。その間、マスターの頭のなかでは、夜な夜な見ているあの夢のプリンセスのシルエットがフラッシュバックしていたのであった。



プリンセス「幻の銀水晶を……お願い」





この場面なんだけど、結局どういうシチュエーションなんだろうね。前世の記憶ではあろうが、何を「お願い」したのかなぁ。ベリルが幻の銀水晶を狙っている。だから隠しておくため、自分の手元に置かずにエンディミオンに託した。いやいや、プリンセスが銀水晶を手放すというのはおかしい。しかしセレニティが「銀水晶をお願い」って言って、そのあとエンディミオンは彼女に一礼しているんだ。しかも最後は披露宴の新郎新婦みたいに並んでいるし。
普通に考えると「託された」という意味合いにとるのが自然なように思えるのだが。考えてみると、この前世の記憶のシーンについては、いままできちんと検討したことがなかった。
ともかく、エンディミオンは一瞬、プリンセスのシルエットを見る。たぶんゾイサイトも何か前世の映像を見たんだろうけど、それはわからない。次の瞬間はげしいスパークが起こって、ふたりは何かに弾き飛ばされたみたいに吹っ飛ぶ。





セーラームーン「タキシード仮面!」



タキシード仮面「あれは……プリンセス」



セーラームーン「えっ? セーラーVのこと?」



ゾイサイト「……何だ……今のは!」



ゾイサイト「……お前は……」



混乱したままゾイサイトは立ち上がってマントをひらり。ダークキングダムへ飛んでいく。




2. シンガーソングライター

さあ、謎はばらまかれ、ワンクールのうちに張っておくべき伏線は張り終えた。あとはもう、そんなにコメントすることもないな。エンディングまでサクサク進もう。
ゾイサイトが消えると同時に戦士たちの催眠術も解ける。がっくりとくずれるマーキュリー、マーズ、ジュピター。



セーラームーン「まこちゃん」



マーキュリー「……私……」



マーズ「……いったい……」
セーラームーン「みんな、大丈夫?」



ジュピター「ああ」



マーキュリー「うん」


縛り上げられていたルナも、人形からCGになって、ようやく自力で脱出。一方、フラッシュバックにやられたタキシード仮面は、よろめきながら立ち上がり、頭をふりふり、その場を立ち去る。そしてついにこの場に現れなかった美奈子。一気に行っちゃいます.



セーラームーン「待って!」



セーラームーン「タキシード仮面……」







ル ナ「タキシード仮面も、それにあの敵も、いったい、どうしたっていうの?」


╳    ╳    ╳



ゾイサイト「俺は……あの男を知っている?」


╳    ╳    ╳



アルテミス「美奈子、どうして行かなかったんだ。君はプリンセスなんだぞ」



美奈子「わかってるけど、でも、どうしてあんな子がセーラームーン?」



この最後の病室の場面で、ベッドサイドに美奈子の鍵盤キーボードが置いてある。



以前、ロンドンレコーディングのところで、美奈子の芸能活動を改めて振り返って、彼女が非常にアーティスト志向の強い歌手だったことを論じた(ここここ)。Act.28の公開FM番組でDJ露木からニューアルバムについて問われ、「今回は作詞作曲の両方に挑戦させていただいて……」と言っているところからすれば、作詞だけなら前からやっていたはずで、たぶんファーストアルバムにはすでに自分の作詞した曲が入っていると思う。で、事故で入院中にも、曲想が浮かべばいつでも使えるよう、かたわらに鍵盤キーボードを置いているのだから、この人のシンガーソングライター志向はやはりホンモノだよ。ロンドンの名門スタジオから帰ってきたばかりの時は、いろいろ勉強もしたし、音楽活動に向かって意欲満々だったのだろう。
でも初めて直接話をしたプリンセスがあまりにもバカだったので、美奈子としては大ショックだ。こんなお荷物を背負わされた日には、歌も曲作りをもっと勉強してトップシンガーになりたい、なんて個人的な夢を追っている暇はない、だいいち敵の攻撃も本格的になってきたし。まあそういう暗澹たる気持ちではなかったかとお察しします。なにしろ、キーボードのわきにはセーラーVのゴーグルが無造作に置いてあるというぐらい、茫然自失しちゃっているのだ。
そんなふうに、もう何もかもやる気をなくしてしまった美奈子。一方、仕掛けたトラップに引っかからないと見た敵の魔手は、すでにこの十番病院にも及んでいた。美奈子の事務所の斉藤社長が妖魔に憑依されてしまったのだ。美奈子に迫る危機。






そして、「あんな子がセーラームーン」という想いがぐるぐる頭の中をめぐり、うさぎの忘れた能天気なプリクラノートを見つめたまま、立ち上がる気にもなれない美奈子。さあどうする!?





というわけでAct.11本編終了。残るは次回予告とBGMリストってことで、また。







しつこいようだが、朝ドラがんばれ松浦雅