実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第428回】暑いのでただ紹介「高梨さん」第15話の巻

1. これはなんのプロローグであろうか


アマゾンのDVDレビューでほとんどのユーザーが☆5つをつけているんだから名作なんだろう、『メグたんって魔法使えるの?』(脚本・監督:福田雄一)の第23話(2012年12月15日放送)。



魔法の国から人間界にやってきて、アパート「ろくでも荘」のお世話係として修業中の魔女メグビーことメグたん(小嶋陽菜)。いつものように台所で「よおし、今日こそ魔法なしで美味しいお料理を作りますわよ」と張り切っていると、どこからともなく「私はお前を料理教室にやった憶えはないぞ!」との声が。魔法の国の王様(平田広明)である。



メ グ「あ、王様」



王 様「メグビー、お前はこの人間界で十分に修業をした。もう魔界に戻ってもよいぞ。さ、いますぐ帰り支度をしなさい」

メ グ「でも王様、メグビーはまだ、ちゃんとしたお料理を作ることができません」




王 様「いいかメグビー。私がお前を人間界によこしたのは、お前がしっかりと、思いやりのある魔女に成長してもらうためだ。思えばお前は魔界にいたころ、わがままで自分勝手で勝ち気で、とても一人前の魔女とは言えなかった。しかし今はちゃんと人を思いやる心をもった。修業は終わりだ。さ、帰るぞ」
メ グ「いけません。だって先生の試験もまだですし、ヒロトさんの受験もまだまだです。それにお嬢さんもまだ婚約できていないし、ガッテンさんだってメグビーの朝食がなければお仕事に行けません」
王 様「お前の気持ちは分かる。しかしな、人間というのは、何度も魔法をかけられているうちに身体が魔法に慣れ、やがては本来もっている人間の感覚を失ってしまう。お前がそうやって毎日魔法の料理を食べさせることで、少しずつ彼らの感覚を奪っているのだ。淋しいのは分かるが、これは彼らのためでもあるのだ。魔界へ帰ろう、メグビー」



メ グ「いやいや。メグビーまだ皆さんとお別れしたくありません」
王 様「わがままを言うんじゃないメグビー」


まあいろいろあって、王様はいったん引き上げる。でも別れの時はそんなには伸ばせない。
そして第24話、最終回(2012年12月22日放送)。ついに魔法の国に帰る意を決したメグたんは、お世話になった「ろくでも荘」の住人たちのために、お別れのクリスマスパーティーを用意する。
美味しい料理を楽しみながら「メグたんずっとここに居てね」と笑顔の住人たち。



でも、もう行かなければならない。そして去る前に「この半年メグたんがここに居た」という事実をまるごと、みんなの記憶からきれいさっぱり消去しなければならない。



万感の思いを込めて、メグたん、最後のパンチラである。



メ グ「みなさん、私に注目!」



メ グ「ダメっ!」




何事もなかったかのように「いつものまかないの家政婦さんが作ってくれたごちそう」を食べ続ける住人たち。
きっとケーキも用意されているだろうと、ガッテン(音尾琢真)が立ち上がり、冷蔵庫を開ける。



中には特殊な形をしたクリスマスケーキが。



先 生「何だこのグダグダなケーキは」
ヒロト「これ食べ物とは思えない」
先 生「しかし、なんでだ。このケーキを見ていると、なぜだか涙が出てくる」



お 嬢「本当だ。なんでだろう。不思議」
ヒロト「本当だ。涙が止まらないや」
ガッテン「おれも、小学生から泣いたことねえのに」



ヒロト「塩味がする。クソまずい(涙)」



ガッテン「まずい(涙)」



お 嬢「ホントね。まずい(涙)」



先 生「まずっ(涙)」

あの涙の別れから半年。みんなの期待に応えてついに彼女が還ってきた!




いや「彼女」って言っても「お嬢」のことなんですけどね。

2. 本日の本編



メグたんに出ていた「お嬢」こと池谷のぶえ主演のNHKドラマ「高梨さん」。ドラマといっても、とても短い。5分である。今年の2月に、小松彩夏が出演した「石川くん」というショート・ドラマを紹介させていただいたが(ここ)あれと同じく、NHKワンセグ2(教育テレビのワンセグサービス)のコンテンツとして制作されているらしい。と書いてはみたが、ワンセグ放送など観たことがないのでよく分かりません。すみません。地上波で放送してから一週間ほどは、NHKのサイトで普通にパソコンで視聴できるので、そっちで観ています。


「高梨悦子です。高い低いの『高』に果物の『梨』、悦子の『悦』は悦楽の『悦』です」という、お決まりの自己紹介とともに現われる、おせっかいな日本の正統派おばさん、高梨さん。


という、ちょっとおせっかいな高梨さんと、彼女が出会う街の人々の日常を切り取った、ショート・ホーム・ドラマ、だと思う。
で、今回取り上げるのは2013年7月8日に地上波で放送された第15話「通い妻 悦子!?」。
お友達の倉沢さんが住むアパートを訪ねた高梨さん(池谷のぶえ)。でも出てきたのは見知らぬ男性(東幹久)。



それもそのはず。表札を確認すると、ここは倉沢さんの済む302号室ではなく402号室。降りる階を一階、間違えてしまったのである。



しかし男はそのままヘナヘナと倒れ込んでしまう。実はこの人、女に食わせてもらって暮らしている、いわゆるヒモなのだが、女が愛想を尽かして出て行ったせいで、ここ何日か飲まず食わずというありさま。おせっかいな高梨さんは上がり込み、倉沢さんのために持参したどら焼きを食べさせてやる。
*上のクレジットを「沢村美優」と誤植したNHKの人に猛省をうながす。受信料払わないぞ。



高梨さん「ヒモ……ヒモって本当にいるのね」
哲 夫「女に逃げられて飯食う金もないなんて、ヒモ失格ですよ」


とその時、高梨さんが隣の部屋に何かを見つけ出した。



それは主婦の大好物(だと思う。うちの嫁はよく観てるよ)韓流ドラマのDVD。哲夫の女の所有物らしい。





タイトルは『愛のサムギョプサル』。
ジャケットには、無名塾20期生の演技派、川村進によく似た韓流スターと、我らがプリンセス、沢井美優によく似たヒロインのツーショットが。




哲 夫「ああ、それ出て行った女のですよ。好きなんですか?」
高梨さん「ええ…でもこのドラマは見逃しちゃってて」
哲 夫「もし良かったら貸しますよ」
高梨さん「でも、うち、機械がないの。主人も私も苦手なのよ」


というわけで、どら焼きのお礼に、『愛のサムギョプサル』のDVDを再生機にかけてあげたヒモの哲夫は、ひさびさにお腹が膨れたせいで、テーブルにつっぷして眠ってしまう。ふと目がさめると、なにやらもじもじした高梨さんが。



高梨さん「あの、途中ですけどそろそろ帰らないと……」
哲 夫「……よかったら続き、明日も見に来ますか?」


いかにも名ごり惜しげな高梨さんの表情に、思わずほだされる哲夫。こうして高梨さんは、毎日カレーやら肉ジャガをせっせとこしらえては、哲夫の家を訪ねてDVD鑑賞にいそしむのでありました。高梨さんのヒモ通い。



ミョンサン「待ってくれヨンミ」
ヨンミ「これ以上なにも聞きたくないわ!」



どういう内容のドラマかさっぱりわからないが、舞台は常に川岸で(荒川多摩川にそっくりの韓国の川。たぶん)、二人はそこにテーブルを拡げ、『愛のサムギョプサル』というタイトル通り、常に肉を焼いて食べている。より正確に言えば、ミョンサンが肉を焼いては、ヨンミに食べさせている。だからヨンミは常に口をモゴモゴさせながら、沢井美優の声で不明瞭なセリフを喋るという、何だかなぁという演出である。




ミョンサン「俺は本当のイ・ミョンサンじゃない。俺は君の父親に復讐するためにミョンサンになりすましたんだ」


最初は無関心だったヒモの哲夫も、次第に引き込まれ、高梨さんと一緒にドラマに魅入ってしまう。



ミョンサン「お前を本当に愛してる」



ヨンミ「いや。こんな話をされて(モゴモゴ)」
ミョンサン「お前の父親に殺されたんだ」
ヨンミ「お父様を悪く言うのはやめて(モゴモゴ)」



ミョンサン「違うんだ。お前が、お前が必要なんだ」



ヨンミ「ミョンサン……(モゴモゴ)」




DVD第1巻から第7巻までを一週間かけて見終わるころには、もう哲夫もすっかり韓流ドラマの虜である。残すは最終巻のみ。




哲 夫「いよいよ、明日、最終回ですね」



が、いよいよという翌日、哲夫の家に女(華城季帆)が帰ってきた。すわ、ヨリを戻しにきたのかと思いきや。


哲 夫「おい、少しは話を聞いてくれって」
 女 「荷物を取りに来ただけって言っているでしょ」


哲夫の方を見向きもせず、バッグに私物を放り込んでいく女。『愛のサムギョプサル』DVDセットも、そのなかにあった。ふと思い立った哲夫は、勇気をふるって、昨日高梨さんと感動の涙を流した、あの名セリフをぶつけてみる。



哲 夫「お前が必要なんだ!戻ってきてくれないか」



 女 「そういうこと全然言ってくれないから、ずっと不安だったんだよ」


というわけで、至極あっさりと、女はヒモのもとに戻ってきた(笑)。
彼女を抱きしめながら、ふと女が出て行こうとしたドアに目をやると、ちょうど『愛のサムギョプサル』最終回を楽しみにやってきた高梨さんが。
でも高梨さんは、元のサヤに収まった二人を祝福して、静かに去っていくのでありました。



哲 夫(ありがとう高梨さん、最終回すみません)


以上。結局、わたしは何を訴えたいのかな。こう暑いと頭も働かないんだ。

3. おまけ


今週はほかにもフジテレビの『ショムニ2013』(2013年7月10日放送開始)に、なんと泉里香レギュラー出演(涙)、そして日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』(2013年7月11日放送)に岩手代表として小松彩夏さんご出演と、話題にことかかなかったわけだが、『ショムニ』の方は『M14の追憶』にレポート済なのでそっちの方を見てください(ここ)。
……でもやはり泉里香、なんといっても泉里香である。それに大家さんは、例によってあらすじらしきものは一切紹介されていない。なので、そのへんを補足するようなかたちで、ちょっとだけ私にも書かせてください。
江角マキコ演じる坪井千夏が、およそ10年ぶりに満帆商事に還ってきた。それも合併先の会社から派遣された経営企画室室長という役職づきである、というのが物語の発端。泉里香は、この経営企画室に配属されたOLの一人で、つまり最初は江角マキコの部下として登場した。これなら活躍が期待できそうだ。



でも坪井は、そのデンジャラスな過去を知る重役たちの謀略ですぐさま古巣の「会社の掃き溜め」総務部庶務二課に配属替えとなる。なので、経営企画室に残った泉里香の出番は、もうあまり期待できないか……と、少々がっかり。
がしかし、そう思っていたら、今回のシリーズではこの経営企画室が庶務二課のライバルなのである(旧シリーズでは戸田菜穂ひきいる秘書課がライバルだった)。なので、片瀬那奈(もと千夏の部下で、千夏がショムニに飛ばされたあと室長に昇格)ひきいる、敵対グループの一員として泉里香も再び登場。よかった。



しかも、敵対グループなのに、実はもとの上司であった千夏への憧れを捨てきれていなさそうな雰囲気。これはいいですね。最後の方で江角マキコへの協力者になる、とかドラマの本筋にも絡みやすい立ち位置だ。



それでホッとして、そのあと少しうたた寝してしまって、気がついたら第1話も終わり近くになっていた。なのでドラマ全体への感想もへったくれもないのだが(おいおい)千夏がショムニに配属されるまでの顛末の部分だけで言うと、誇張されたシチュエーションとキャラクターがテンポによく合っていて、なかなか面白いのではないだろうか。個人的には安藤サクラが出ているのがとても嬉しい。あと森カンナ。そして何よりも江角マキコ。そんなに器用な女優さんじゃないんだけど、坪井千夏に関しては、もはや金八先生や古畑任三郎なみと言えるんじゃないだろうか。次回からは寝ないで観るよう頑張ります。



まったく関係ないが、安藤サクラといえば、満島ひかりも、今シーズンはすごくヘヴィーな内容のドラマの『Woman』のヒロイン、シングルマザーの役をやっていて、『愛のむきだし』(2009年)の二人がご活躍されていることは、喜ばしい限りです。私は時々弱気になると、『愛のむきだし』の、満島ひかりがベートーベンをBGMにコリント書第13章を絶唱するシーンを観ます。すごく元気が出ますよ。
脇道にそれました。そんなわけで泉里香さんは順調な発進。



他方、小松彩夏さんは、なんか冒頭いきなりオシッコの話をした羞恥プレイ(岩手弁では「おしっこをしたい」ということを「おしっこがつまった」と言うらしい)以外は、ベリル様とツーショットになっていたくらいの印象しかなかった。



これをキッカケにまた岩手代表として出演させてあげて、今度こそ岩手の話題で盛り上げたい。お願いします日テレの中の偉い人。
それにしても暑くて蒸すね。みなさんお身体、お気をつけください。それではまた。





  【おまけ

次回は2013年7月13日放送の土曜ワイド劇場
「西村京太郎トラベルミステリー 秩父SL・3月23日の証言〜大逆転法廷!! 」レビューだ。
(実写版レビューじゃないの?)