実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第402回】DVD第3巻:Act.10の巻(7)

1. どこまで続く子役ブーム


  

朝刊を開いたら、悪夢ちゃんが鈴木福くんの隣でニッコリ笑っていた。テアトルアカデミーのオーディションの広告である。もう毎週末の夜、悪夢ちゃんに会えないと思うとちょっと淋しい。
ただあれだ、今年のNHK大河ドラマがまだ始まったばかりなのに、ヒロイン(綾瀬はるか)の少女時代を演じている子が評判で、早くもオファー殺到というニュースを見たりすると、バカではないかと思うよね。子役は子役である以前に子供である。子役ブームを煽る前に、そういう「子供を育てる」という責任感をもてないのかね、マスコミは。って、なんかいきなり真面目っぽくなって済まない。
昨年の今ごろ、大橋のぞみさんが、中学校進学を機に芸能界の仕事を止め、学業に専念すると発表した。もちろん事務所やご両親とかと話し合った上でとは思うが、大人の思惑に振り回されず、自分できちんと決断したわけで、立派でした。反対にバカまるだしだったのが一部の芸能マスコミ。芦田愛菜や本田望結など次世代子役の台頭に押し出されての引退とか、いたずらに子供の競争心を煽るような報道で、下劣な品性を隠そうともしなかった。本当にバカだ。
大橋のぞみさんが進学前に最後に演じた役は、昨年の元日に放送された『相棒ten』第10話の、バスジャックで誘拐された少女たちの一人。沢井美優さんも重要な役どころで出演されていたので、当ブログもわりと詳細にレビューした(沢井さんの出てくる場面ばかりだが)。興味のある向きはこちらをご参照ください。
ところで子役といえば、実写版セーラームーン関係で、私としたことが最近まで気づかなかったネタをもうひとつ。唐突ですがAct.9、Aパートの冒頭。


  


ホテルのロビーで「Icy Queen(氷の女王)」という名前の大きな宝石がショウケースに飾られている。



通りがかりの少年がそれに魅入る。と、急に停電。



すぐに自家発電に切り替わって、再びあたりは明るくなるが、その一瞬の間に宝石が消えている。目を見張る少年。怪盗タキシード仮面見参の一幕であるが、この少年がなんと、神木隆之介くんであった。



神木くんは、2001年の『仮面ライダーアギト』に、アンノウンを従える謎の少年の役でちょこっと出演していて、それはWikipediaなんかにも記載されているからわりと知られているようだ。しかしこっちのセーラームーンAct.9への出演は、ノンクレジットだし、ご存じない方も多いのではないかな。
ついでに子役つながりで、前回のコメント欄でもちょっと話題になった、現在レビュー中、Act.10の小池彩夢さん。



この人も、『牡丹と薔薇』後もまずまず順調だったね。詳しくは第386回で紹介したので省略するが(ここ)、ただ、スカパーの『小池三姉妹』(2009年)で小池唯と小池里奈の妹を演じて以降は、体調不良で一時的に芸能活動を休止していたようだ。その後、事務所を移籍して、芸名も小池彩夢(こいけあやめ)から苗字をとり、「彩夢」(あやむ)に改名して復帰したとのことである。そして、しつこいようだが昨年は『週刊プレイボーイ』でグラビアデビュー。



このブログを始めたときはまだ小学生だったうちの娘も今年は大学受験だし、ホントに子供の成長って早い。
さあAct.10レビューの続きだ

2. ペガサスとユニコーンは違うのだが


「お願いペガサス、みんなの夢をかなえて!」


センター試験予想問題】↑このセリフに続くカットとして最も適切な画を以下の3つの中から1つ選び番号で答えよ。


いちばん上を選んだ君、それは「みんなの夢」じゃなく個人の願望だ。


『悪夢ちゃん』で言うように、人間の無意識の領域に個体差を越えた普遍的な層があるなら、西洋と東洋とでそれぞれ別々に考え出された架空の動物が、互いに似通ったところがあっても当然だ。「ドラゴン」と「龍」とか、「フェニックス」と「鳳凰」とかね。とはいえ、そうじゃない例もけっこうある。たとえば西洋には「ペガサス」「ユニコーン」「ケンタウロス」等々がいる。でも東洋には、馬に関連する想像上の動物って少ない……と私は感じるんだけど、どうでしょうか。
ただ辞書で「天馬」という項目を引くと、出典として『史記』楽書の「天馬空を行く」という言い回しが出てくる。空を行く天馬ならば翼が生えていそうだが、どうなのか。少なくとも私は「天馬」と聞いても天馬トビオと天馬ルミ子くらいしか思い浮かばない。



余談であった。まあ『悪夢ちゃん』は、メデューサとかゾンビとかバンシーとかマーメイドとか、日本が舞台であるにしては西洋風の意匠に満ちたドラマで、たまに河童が出て来たりすると珍しく感じるくらいだった。夢王子と彩未もディズニーアニメ風の王子と姫で、だから馬がペガサスなのはむしろ普通だ。
一方『セーラームーンSuperS』のエリオスになると、これペガサスなのかユニコーンなのか。いちおう額にツノが生えているし、人間体の時にはツノが強調されているので、ユニコーンかなと思うのだが、ちびムーンは毎回「お願いペガサス」って言っていたし、翼も生えている。それで改めて原作を読んでみたけど、よく分からなかったよ。



何が言いたいかというと、要するに日本人にとって、ペガサスってそんなに馴染みの存在ではないってことだ。だからエリカちゃんが描いた絵も、ただの馬車なのかも知れない。でもかぐや姫が月に帰るための車だから、空を飛べなくちゃいけないし、それで馬の背中に翼を生やしちゃっただけなのかもね。そう考えると、ここで重要なのは、むしろ「白馬」って要素か。
確かに日本人にとっては、翼が生えていてもいなくても、白馬っていうだけでファンタスティックな存在だ。


『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』(2011年)より


「こいつは何をごちゃごちゃ書いているのか」とご立腹のみなさん悪かった。以前から私、エリカちゃんが『かぐや姫』の紙芝居にペガサスを描いたのはどうしてかな、と少々疑問に思っていたのだ。でも上の文章を書いているうち「これって別にペガサスとか考えなくても、ただ翼の生えた白馬なんだな」と自分で納得してしまったので、もういいや。勝手に自己完結して、この項はこれで終わります。

3. エストア国の謎


さて場面は、レイとエリカの会話を聞いて、うさぎが「ばかばかばか、レイちゃんママいないのに、あんなに自分のママの話しちゃって」と反省していたところまででした。ちょうどそのころ、ダーク・キングダムでは、ずーっと作曲活動に専念していたゾイサイトが、ついに作品を完成させた。


  


ゾイサイト「プリンセスへのレクイエム。傑作だ」


  


  手袋をしたままピアノを弾くゾイサイト


  


  書き散らかした譜面が竜巻状に渦を巻き、妖魔の姿が現われる。


  


  ゾイサイトの演奏に合わせて振り付けつきで歌い出す妖魔。


  

すると街じゅうで異変が起こる。
まず場面は独り暮らしのまことの部屋へ。部屋の片付けをしているまことがふとテレビを見ると、レポーターがいささか興奮ぎみで、エストア国プリンセスの来日を伝えている。ところがプリンセスが、逗留先となるホテルの入り口で、多くのカメラに見守られる仲、急に頭を押さえて倒れこむ。待ち構えていた報道陣もびっくりである。


  


レポーター「プリンセスが突然たおれました」


  


まこと「えっ?」


ここでエストア国王女を演じているオレナ・シュペレヴァ(Olena Spereva?)さんについては、これまでも何回か触れている。エストア国というのはエストニアのもじりだし、オレナ・シュペレヴァというヒロインの名前の響きから連想しても、ロシア・東欧系っぽいのだが、詳細は依然として不明。オレナ(Olena)はロシア語もしくはウクライナ語の苗字としてならある、という話もあるが未確認で、2年前に調べた調査結果(ここ)以上の成果は、まだひとつも出ておりません。
それから、このテレビ中継の場面でレポーターをやっているのは岩城美香さん。Act.9にもクレジットされていて、おそらくAct.9でテレビのワイドショーでキャスターをやっていた人なんだろうと思うけど、どうも前回と今回とでは同一人物に見えないんです。私の錯覚かな。


Act.9


Act.10


オフィス・ワタナベのHPで岩城さんのプロフィルを調べると、出演履歴に「TBS『美少女戦士セーラームーン』第10話 リポーター役 」とだけあって、なぜか第9話は触れられない(


ついでにもうひとつ。まことの部屋のテレビの隣、スピーカーの上に置いてある警官ロボット人形。これはアメリカの大人向けテレビアニメ『フューチュラマ』(Futurama)に出てくるキャラクターである。



『フューチュラマ』は、『ザ・シンプソンズ』の原作者と脚本家が手がけたSF的設定のブラックコメディ・アニメ。主人公はピザ屋の店員で、1999年の大晦日に冷凍研究所にピザの宅配に行ったらで手違いで冷凍睡眠保存されてしまい、目覚めたら1000年後、西暦3000年の未来世界だった。で、そこでの就職先もピザの宅配(笑)というような物語です。1999年から4年ほど放送されたが、シンプソンズほどはヒットしなかったせいか、実写版セーラームーンが始まる直前の2003年8月に番組終了となった。




まだ日本では本格的に紹介されたことがないので知名度が低いが、今後ブレイクする可能性もなくはない。もしそうなったら、まことの部屋に飾られたこのロボットポリス人形なんか、最先端の趣味になってしまうわけだ。現在ネットではこのロボットの中古品が7,000円から10,000円くらいで取引されている。ということも考慮して、ちょっと詳しく紹介してみました。


4. プリンセス無差別攻撃


さあ妖魔の攻撃はこんなもんじゃない。女の子二人が公園のベンチで人形遊びをしていたら、人形から火が噴き出し、図書館では絵本が燃え上がる。そしてついにエリカちゃんが高熱を発して倒れちゃう。



しかしエリカちゃんが熱まで出しているのに、本当のプリンセスであるうさぎが、この妖魔の歌にぜんぜん反応しなかったのはなぜか。つまりこの妖魔の歌は、ニセのプリンセスだけに効き目があるのか?てことは美奈子も危ないのか?ていうかそもそも、ニセのプリンセスにしか効き目のない歌なんて意味ないじゃん。と思ったが、しかし本物のエストア国の王女がホテルのロビーでフラフラと倒れたのだから、本物のプリンセスにも効くってことだよな。だとすると、なぜうさぎには何の影響もなかったのか?う〜む。
という堂々巡りの議論に一応の結着を示してから、今日は終わろうと思っていた。だが寄り道しすぎて疲れてきたので、考察は次回に先送りする。あと一息でAパート終了するところで、ちょっと残念な気もするが、ごめんなさい。
じゃまた。