実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第388回】DVD第3巻:Act.10の巻(5)



2012年8月31日づけSANSPO.COMより。でも上戸彩さんも先日、破局したとか何とかいってフェイントをかけておいて、電撃発表だったぞ。これもそのたぐいではないのか?
と疑心暗鬼の私をさらに刺激したのが、9月18日の「みゅうみゅう」に載った、この意味深な「東京ランウェイ」出演時のショットだ。



いや違った、↑これは良いんだ。里香とツーショット。問題は↓こっち。


  


これは何かの伏線なのか?
と思ったら、本日のズムサタに、久々に安座間さんが出演されるらしいではないか。


ということで、いま固唾を呑んで「ズムサタ」視聴中。とりあえずここまで書いてアップしておくよ。ひょっとして「重大発表」があるのだろうか?


(午前7時)上重が町に出て、いま流行の「グリーンスムージー」の取材を開始。そんなのみゅうみゅうに聞けばいいじゃん。


(午前7時8分)と思ったらグリーンスムージーを愛好する人気モデルとして安座間美優登場。ブログに書いてあるようなことを語る。(追補:以上くわしくはこちらをご参照ください。)



終了
大山鳴動鼠一匹


じゃ、通常営業に戻るので、今しばらくお待ち下さい。

1. 夢みる巫女


やれやれ、お騒がせしました。でも緑の戦士がグリーンスムージーを飲むのはいいことだ。
というわけで、Act.10レビューの続き。『竹取物語』のあらすじ紹介からでしたね。


  


うさぎ「竹から生まれた女の子を、お爺さんとお婆さんが育てるんだけど」


  


うさぎ「その子は実は月のお姫様で、大人になったとき」


  


うさぎ「月からお迎えが来て、帰っていっちゃうって話」

  
  


ル ナ「月の……お姫様……そう、そんな話があるの」


  


うさぎ「夢があるよね〜。本当に月の国があったら行っちゃいたいよ。あんな鬼ママのいる家じゃなくてさ。まったくイヤになっちゃうんだから。もしかして、本当のママじゃなかったりして」


  


ル ナ「夢じゃないかも知れないわよ……」


  


うさぎ「えっ?」


  


ル ナ「(汗)ううん、なんでもない」
うさぎ「ええっ、ルナ信じちゃったの?あるわけないじゃん。月にはねぇ……」


  

 

レ イ「私も、小さいころは信じてたのよ、月の国。ママがこの話好きで、よく読んでくれたから」
うさぎ「へえ〜っ」


  


レ イ「だから、今みたいに夢壊すこと、子供の前では言わないで。いい?」


  


うさぎ「はい」


今回のエピソードは場面場面の息が長いですね。
最後は、「怖いレイちゃん」「うさぎの教育係」というお馴染みのキャラで締めつつ、ちょっといつものレイとは違う、夢みるロマンティックな面を少しずつ出していく。でもその夢の背景には少女時代から抱いている切ない願望がひめられていた。他方、ルナはかぐや姫の物語を知って興味をゆさぶられている。この時点で何も考えていないのはうさぎだけ。いやまあ、朝のオムレツのこととかは考えているのだろうけどな。

2. 追い詰められるネフライト



さておなじみダーク・キングダム。
このAct.10って、基本的には、ダーク・キングダムではゾイサイトがひたすら作曲に励み、神社ではレイとうさぎが黙々と紙芝居の色塗りにいそしむ、という二元中継のシンプルな展開なのである。うさぎとレイは変身するまでずっと神社を離れない。エリカちゃんが、「色塗りに失敗した」とか「熱が出た」とか理由をつけては二人のいる部屋に転がり込んできてドラマ的な起伏をつける役目になっている。今回、役者として仕事をしているのはルナやエリカちゃんで、うさぎやレイは「受け」の芝居だ。
いや話はダーク・キングダムだった。


  


ネフライト「クイン・ベリル様、申し訳ありません。いまだ幻の銀水晶が見つからず」
クイン・ベリル「言ったであろうネフライト。わらわのために動いているならば、それだけで愛おしいと」


  


ネフライト「ベリル様。必ず、必ず幻の銀水晶を御覧に入れてみせます」


「わらわのために動いているならば、それだけで愛おしい」なんつって、微笑を浮かべてネフライトに優しく接しているが、どうも言っていることとは裏腹に、ベリルは内心、もうすでにネフライトをウザいと思っているような気がしてならない。
ジェダイトはAct.8で力を使い果たし、Act.9で石に戻って現在は静養中。召喚したゾイサイトはピアノばっかり弾いていて言うことを聞こうとしない。あとクンツァイトという凄いやつが控えているんだが、こいつもどうも、蘇らせても上手に手玉にとれるかどうか自信がない。できれば人畜無害な記憶喪失青年のまま放っておきたい。そういう状況のなかで、唯一の忠実な家来がネフライトなので、胸の菱形を見せつけて甘い言葉で操ってはいるが、ホントはもっと使える奴が欲しいと思っていることは確実だ。


  


クイン・ベリル「ゾイサイトはどうしている?」
ネフライト「プリンセスの命を奪う前に、まずそのレクイエムを作るとか……。気味の悪い男です。」


  


クイン・ベリル「心を飛ばせるらしいな。一度試してみたいものだな」」


相変わらずどういう間取りになっているのかサッパリ分からないが、ピアノ部屋からゾイサイトのオリジナル曲が響いてくる。「プリンセスへのレクイエム」だが、せっかくなので、こっちよ!研究員が作成されたMIDIをしつこく貼っておくね。



曲はもうすぐ完成だ。


3. 北風と太陽


と、場面は再び火川神社にスイッチ。あいかわらず二人で紙芝居の色を塗りながら、母親とのケンカの原因とか、くだらないことをグダグダ愚痴っているうさぎと、適当に聞き流しているレイ。


  


うさぎ「それでさあ、私はオムレツにチーズ入れたい気分だったわけ。でもママってば『今日はプレーンが作りたい気分』とか言っちゃって、勝手にどんどん作っちゃうの。うちのママはそういうところが……」


  


うさぎ「あれ、レイちゃん、最後のシーン無くない?かぐや姫が月に帰るところ」


  


レ イ「ああ、描きたいっていう子がいるから、そこだけまかせてあるの」
うさぎ「あ、さっきの子?かぐや姫好きなんだ」


  



レ イ「かぐや姫になりたいのよ……月に亡くなったお母さんがいるって思っているから……」
うさぎ「……えっ……」


  


  


  


  


  


  


少女のレイ(ママは死んだんじゃなくて、月に帰ったの)


  


レ イ「夢みたいなものだけど」


  


と、背景のふすまが開いて、エリカちゃんが入ってくる、というふうに、このシーンはまだまだ続くけど、今日はここらへんまでにしておこうか。
この場面でレイは、うさぎの前でついつい、少女時代の追憶にひたってしまう。それは彼女がうさぎに心を許している証拠と言ってもいいだろう。
ここで注意したいポイントは、うさぎと(ここには出てこないけど)まことの対照性である。
Act.8のまことは、ダークスーツの男たちに囲まれ、お父さんのもとに連れて行かれるレイを見て、誘拐事件と間違え、自動車を追って一直線にホテルに辿りつき、ボディーガードを投げ飛ばし、秘書の倉田さんも突破して、レイのもとまで辿りついた。そのストレートな剛速球ぶりに好感をおぼえて、レイも自分の心情を話す気になった。
でもそれは父への嫌悪感であって、言ってみれば彼女の心を固く覆っているいちばん外側の殻である。一方、今回のうさぎは、そのさらに奥にあった母への思慕の情を引き出している。と言っても、何をしたというわけではない。うさぎはただレイのそばで、親子ゲンカのグチを言っていただけである。
つまりこれはイソップ童話の「北風と太陽」みたいな話だ。まことはつむじ風の勢いで不意にやって来て、レイが心に覆っていた外套を一枚、力業ではぎとったが、うさぎは何もせず、隣で天真爛漫、でも太陽みたいに輝いていただけで、暖まったレイはさらにもう一枚、上着を脱いでしまったのである。
とはいえ、どんな場合でもうさぎの太陽みたいな明るさの方が、剛腕のまことより相手の心を照らし出す、という意味ではない。たとえばAct.5では、うさぎの天真爛漫さが亜美を心理的に追い込み、深く傷つける。要するに相性の問題だ。だから亜美みたいな子には、うさぎの屈託なさより、まことのフォローの方が大切である。Act.21で、亜美がダーク化する途中のプロセスで幼児退行化現象を起こしてしまった時、それをしっかりフォローできたのはうさぎではなく、まことだった。

ところで、この回想シーン全体が事実ではないことは、【第251回】の「3. 捏造された記憶」で述べたとおりである。Act.34で(別の子役によって)明らかにされたように、レイは本当は、ママが死んだとき、パパを求めて泣き叫んでいた。でもパパが来てくれなかったので、それ以来レイはパパを憎むようになった。そして、自分はあのとき泣いたりしなかった、かぐや姫の絵本で自分をなぐさめて、ママを失った悲しみをひとりで乗り越えたのだ、というニセのデータを上書きして、記憶を改竄したのである。で、今回改めて観ているうちに、この記憶が捏造である物的証拠を見つけたのでご報告します。それはこの絵本だ。



これは「新・講談社の絵本」と言って、ロングセラーだった「講談社の絵本」のなかから、特に評価の高かった物語だけを選んで再リリースしたベストセレクションなのだが、初版がなんと、2001年なのである。


かぐや姫 (新・講談社の絵本)

かぐや姫 (新・講談社の絵本)



一方、Act.17とAct.34に出てくるレイの母親のお墓には(このふたつが全く違う場所にあるという、とんでもない大問題には今は触れない)いずれも「RISA HINO 1963-1995」と書いてある。



火野レイの母、火野リサ(表記は不明)の享年は1995年、たぶん31歳か32歳。そのベッドに2001年初版『新・講談社の絵本 かぐや姫』があるわけない。
てことで。