実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第324回】北川景子の太陽と戦慄の巻(『太陽と海の教室』第6話レビュー:前編)


画像はタイトルとしか関係ありません


そろそろ興行の最終ターンに入った『パラキス』はもう一踏ん張り!『アンダルシア』も粘るしかない!そして『アンパンマン』は良い子のお友だち!とりあえず週末観客動員の順位のみ。

全国週末観客動員成績(2011年7月9日〜2011年7月10日)
No.タイトル
1『スーパー8』3週
2『カリブの海賊』8週
3『アンダルシア』3週
4『アイ・アム・ナンバー4』1週
5『鋼の錬金術師』2週
6『小川の辺』4週
7『マイティ・ソー』2週
8『ゴーカイジャー』5週
9『パラダイス・キス』6週
10『アンパンマン』2週
でかした。『パラキス』6週連続ランクイン。ごくろうさまでした。詳しい記録は週末に。


(前回までのあらすじ)今を去ること一年数ヶ月前の2010年3月7日、清浦夏実ファースト・アルバム発売記念のサイン会会場(アニメイト名古屋店)にて、袋小路さん(仮名)から謎のお土産をいただいた私。その土産とは、北川景子初の月9進出ドラマとして知られる『太陽と海の教室』(2008年7月〜9月、フジテレビ系、全10話)のDVDボックスであった。
もちろん、『太陽と海の教室』は正規にはDVD発売はされていない。これは大陸製か香港製かはたまたマレーシア製か、ともかくアジアのどこかで作られた、放送録画に中国語・英語の字幕をつけた海賊版である。

袋小路青年は、ほんとうは『モップガール』のDVDが欲しかったのだ。ご存じのように『モップガール』(2007年10月〜12月、テレビ朝日系、全10話)も、今日に至るまでDVD化されていない。それでブートレッグを発注したのだが『モップガール』のDVDはすでにソールドアウトで、結局『太陽と海の教室』しか手に入れることができなかった。そのフンマンやるかたない思いを、袋小路青年は私にぶつけたのである「Leo16さんどうかこのDVDをご利用ください。ただし平和目的に限ります」。私は彼の平和への熱い思いに胸を打たれたのではあるが、なかなか機会もなくて、ようやくここに、その一エピソードのレビューを公表する機会に恵まれたのであります。以上だいたい事実に基づいております。

1. アバン・タイトル


『太陽と海の教室』は、わりとシンプルな設定の学園ドラマだ。私立の名門、湘南学館に、ある日新任教師が飛び込んでくる。その名は櫻井朔太郎(織田裕二)、受け持ちは3年1組。彼の生徒思いの熱血ぶりや型破りな行動力に、最初はみんなあっけにとられるが、やがて教員も生徒も影響を受け、偏差値至上主義、受験重視の教育方針に傾きつつあった学園が、次第にかつての自由な校風と豊かな人間教育の伝統を取り戻していく、という話である。
管理教育の推進派で櫻井先生をつぶしに来る学園理事長が小日向文世、その理事長に対抗するために櫻井を引っ張ってきた張本人が校長の戸田恵子、その戸田恵子の娘が北川景子。元ミス東大で、親のコネでこの学校に入れてもらっただけで、まじめにやってはいるが、やはり教師としての基本スタンスはことなかれ主義である。その北川さんが、いつものように学園内の花壇の手入れをしているママのところへ慌てて馳せ参じる、というところから第6話は始まる。

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杏 花「ねえ、夏休みの間、温室の花の世話やってくれないかしら?あんたさえよかったら、その後もずっと。……どうしたのよ……」
若 葉「柴草先生から聞いたの」


       ╳    ╳    ╳


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柴 草(回想)「うちの学校はね、受験科目に偏ったカリキュラムを組んだ結果、本来やらなきゃいけない科目をほとんどやっていないんだよ。このままじゃ3年生全員卒業できない」


       ╳    ╳    ╳


若 葉「発覚したら生徒たちは卒業資格を失って、今やっている受験勉強がぜんぶ無駄になるって」
杏 花「…そう…」
若 葉「隠し通せるの?」
杏 花「あなたは、隠し続けるべきだと思うの?」
若 葉「当たり前じゃない。生徒たちのことを思うなら…」
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杏 花「生徒たちを思うなら、不正を隠せ?」
若 葉「生徒たちもそれを望むと思うよ」
杏 花「でも、学校ってそんなことを教えるためにあるの? ばれなくて良かった、って喜ぶ生徒を育てるためにあるの?」
若 葉「ママ?」
杏 花「ママはよしなさい」
若 葉「ママもしかして、この学校や理事長がしたことを告発する気じゃ……そんなことしたら生徒たちが……それにママだってこの学校の校長として責任を取らされて……」
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杏 花(答えず、にっこり笑って)「……お願い、温室の世話、頼まれてくれないかなぁ」


そういえば戸田恵子さんは、小松彩夏さんが出ていた『美咲ナンバー・ワン』ってドラマで、これとまったく真逆で管理教育主義者の教頭をやっていたなぁ。

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さて今回とりあげる第6話は、3年1組の「不思議ちゃん」、船木真由(前田敦子)がわりと大きくフィーチャーされたエピソードです。前田さんは自称、UFOや宇宙人と交信できるチャネラーで、夜な夜なUFOと更新しているせいか、教室では基本的に爆睡していることが多く、これまで、たいしてドラマに絡んでくることもなかった。せいぜい休み時間に、超能力実験用のスプーンでダウジングみたいなことをしながら、校長が手入れしている温室の地下にUFOの前線基地があると口走ったりとか、そのくらいですね。
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完全な脇役キャラクターの一人で、私だってこの人が、こんなにブレイクするなんて思いもよりませんでしたよ。


というわけで場面は教室、3年1組のホームルームでは、2学期に生徒たち主催で行なわれる学校の伝統行事「日輪祭」の実行委員を決めていた。遅刻した白崎凜久(北乃きい)が教室に入った頃には、欠席裁判状態で彼女が委員ということに決定していた。「あたしそんなの出来ません!」という凜久だが、「お前にまかせるよ」という先生のひとことで、有無をいわさず決定。
というその時、奇声を上げていつものように立ち上がる舟木真由(前田敦子)。

朔太郎「どうした」
田 幡「まただ」
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若 葉「舟木さん、ホームルーム中よ、座って」
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真 由「あと39時間です」
朔太郎「39時間……なにがあんだ?」
真 由「地球が滅亡します」
朔太郎「滅亡?どんなふうに滅亡すんだ?」
若 葉「舟木さん、馬鹿なことを言っていないで、席についてちょうだい」
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真 由「きゃーっ!」
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「舟木さん!」と呼び止める若葉を無視して、そのまま机の上をぴょんぴょん渡り歩いて教室を飛び出していく真由。副担任の若葉に「授業をお願いします」と言い残して後を追う朔太郎。そんなこと言われても若葉だって放っておけないので、「みんな、自習してて」と言い残してさらに後に続く。
真由の逃げ込んだ先は体育館だった。というわけで、ここで織田裕二・北川景子・前田敦子のスリーショットである。
前田敦子は、なんか宇宙のパワーを集める結界みたいなものの中に横になっている。しかしこの結界、ちょっと適当すぎる気がするけどな。こういうことをする子はディティールに凝るものである。スタッフはもっとオカルト本とかを読んで、五角形でも六角形でもいいけど、それっぽい図形にしないとね。

あ、いや関係なかったか。

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朔太郎「入るぞ」
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朔太郎「何が見えるんだ?」
真 由「見てるんじゃないよ」
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真 由「私って気持ち悪いでしょ。ブスだし、汚くて……」
朔太郎「どうしてそんな風に思うんだ」
真 由「父と母に毎日そう言われているから。あの人たちは、私の本当の両親じゃないから」
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真 由「でももう大丈夫。39時間後、地球は破滅して、UFOが私を迎えに来るの。本当のお父さんとお母さんが住んでいる星に、私を連れて帰ってくれるの。見てるんじゃないよ、見せてるの。本当のお父さんとお母さんに私を見せているの」
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真 由(天を仰いで、大きな声で)「ここだよ。ここにいるよ。ここだよお。ここにいるよ」
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個人的にはけっこう衝撃的なシーンであった。正直言って私、前田敦子という人をそんなに意識していなかったし、このドラマ自体いつも、なんか晩飯の片付けをしたり風呂の準備をしたりしながら、北川さんが出ているという義務感だけで観ていたような気がする。
そういうところへ、いきなりあの独特の、ダミ声なんて言っちゃ失礼か、とにかく、あの特色のある声で「私って気持ち悪いでしょ。ブスだし、汚くて」なんて台詞が飛び込んでくるもんだから、一瞬、皿洗いの手が止まって、まじまじと画面に見入ってしまった。それでまあ、「いやそんなことないよ、けっこう可愛いじゃん」とか思ってしまったわけですね。そのくらいのインパクトはあった。ひょっとするとこのインパクトが、前田敦子ブレイクのひとつのきっかけだったとか、いやそんなことはないか。
ここでタイトル。


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さっきの前田敦子のセリフで、彼女がなぜUFOだの宇宙人だのという妄想の世界に逃げ込んでしまうのか、その理由は視聴者にもあらかた察しがついてしまう。つまりアバン・タイトルでおおまかなネタを割ってしまっているわけで、私なんか、これ早すぎないか、と思う。でもこのドラマは基本的に、生徒の抱える問題そのものよりも、先生がどういうふうにそれを解決するか、というところにクライマックスをもっていく構造になっている。だから、生徒の隠し事や悩みの中身は、いつも早めに分かってしまうし、それ以上深まっていったり二転三転するというようなこともない。
正直に言ってしまえば、私はこういうスーパーマン的な教師が活躍してぜんぶキレイに解決しちゃう物語はあんまり好きではない。安直な気がするんだよね。むしろ、優等生の水野亜美が何話もかけてウジウジ悩んでいるのに先生は何も答えを与えてくれなくて、結局、本当の答えは生徒たち同志が悩んだり傷つけあったりしながら自分で見つけていく、というリアリズムの方が好きなのだが、まあそれは好みの問題である。

1. Aパート開始、と思ったがゴメン、もうこのくらいが限界だ


とにかくこの子をなんとかしなくちゃな、と思った朔太郎は、副担任の若葉と家庭訪問に赴く。おそらくこの時点で、すでに朔太郎は真由の虚言を見抜いているわけだが、わりと真に受けちゃっているのが若葉である。半分は説明のためのセリフをしゃべりながらプンプンしている若葉。朔太郎は意に介さず住所を確認している。

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若 葉「生後間もなく捨てられていた彼女を、現在のご両親が里親として引き取ったそうです。でも、彼女の言うことがもし本当だとしたらひどすぎます。ブスだとか汚いとか。精神的虐待じゃないですか」

このシーンがまた面白い。織田裕二と北川景子が芝居をしている背後で、子供二人が自転車で通りがかりに二人を見かけて停まる。「あれ、生徒役の誰かかな」と思って見ていたんだけど、違う。ただのアクシデントで、一般の子どもたちが撮影中に通りがかって、画面に映り込んでしまったとしか思えないのだ。ふつうだと撮り直しだと思うんだけど、どんどん人が集まってきてしまって無理だったのかな(笑)。ロケも大変である。
幼かった前田敦子を孤児院から引き取って育てた両親は高彦(ダンカン)と鈴実(美保純)。美保純かぁ。

でも、ここで美保純について語り出すとちょっとすぐに終わらなくなるので控えておく。

若 葉「彼女、ひどく傷ついています」
高 彦「……そうですか……」
若 葉「そうですかではなくて、確かに彼女には少し風変わりなところがありますが……」
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  はやり気味の若葉を、見かねた朔太郎がこっそりこづいて諫める。
  妻の鈴実が箱をもってやって来る。
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鈴 実「これは、あの子が小学生のころに描いた画や作文です」
朔太郎「彼女は昔から美術の才能があったんですね」
鈴 実「ええ。これが小学校1年生のとき、これが3年生、これが5年生、あの子が描いた私たちの似顔絵です」
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高 彦「うちは、子供を授からなかったものですから、あの子を施設から引き取りました。施設で紹介されて、あの子と初めて会ったときから、本当の娘だと思って育ててきました。しかしあの子の心の底では、私たちを親だと認めていなかったのかもしれません」
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鈴 実「あの子、実の親に捨てられたことを、今も」
高 彦「私たちの力不足です」


ごめん、もう12時になるので、今日はこのくらいで終わらせていただく。やっぱり前編と後編に区切ることにした。
残りは週末の更新とします。



【今回のおまけ:このエピソードのパラキス関係者】


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副担任の榎戸若葉(北川景子)とクラス委員の伴野圭吾(賀来賢人)
*真ん中は同じくクラス委員の貴林優奈(黒瀬真奈美)


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出番の少なかった川辺英二(山本裕典)


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美人は特だね次原雪乃(大政絢)