実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第316回】小ネタのつもりが延長戦の巻(仮面ライダーOOO)

 

「口では分かったようなことを言いながら、私はずっと心の底で望んでおりました。“先生がお戻りになる日など来なければ良い。できるなら、ずっとここにいて欲しい”と。もしや、そんな私を哀れと思い、願いをお聞き届けくださったのでしょうか。なれば、どうか、もう一度だけ、哀れと思うてくださいませ。どうか先生をお助けください!」


TBS開局60周年記念ドラマ 日曜劇場『JIN −仁− 完結編』第2話(2011年4月14日OA/脚本:森下佳子/撮影:須田昌弘、矢崎勝人/演出:平川雄一朗)より、投獄された南方仁(大沢たかお)の無事を祈る橘咲(綾瀬はるか)。
……いや悪い、特に本文には関係ないのだが、不運続きのぽんた師匠がちょっとは喜んでくださるかなと思ってな。
今日は小ネタ集だ。

1. 里中くん!



パンツ一枚で登場する主人公、いきなり自動販売機を持ち上げる怪力のヒロイン、古代生命体に憑依されて人格変異を起こすヒロインの兄などなど、第1話から突拍子もないキャラクターが次々に繰り出されて、「小林先生ノってんなあ」と感心させられた『仮面ライダーOOO(オーズ)』。でも実は私、最近ちょっとダレ気味だった。
いや観ている私たちだけではなく、演じている方もそうなんじゃないか。たとえば宇梶剛士の演ずる鴻上光生。高層ビルのてっぺんにオフィスを構える謎の巨大財団のオーナーで、なぜかいつもエプロンをしてバースデーケーキばかり作っていて、新しいライダーが誕生したり、事態が新しい局面に展開すると。異常にテンション高く「ハッピーバースデー!」と叫ぶ。そういうおかしなキャラクターを、最初は面白そうにやっていたけど、ずっと同じ調子なので、宇梶さん自身、ちょっと飽きが来ているのではないか。

先日この人が『JIN −仁− 完結編』第2話、第3話にゲスト出演しているのを観た。言わずと知れた幕末期のドラマであるが、この回は、主人公の医師、南方仁(大沢たかお)が、砒素中毒の皇族を救命したのに、名声を上げるために自作自演を仕組んだと疑われ、投獄されるという話である。で、獄中から無実を訴える彼の前に立ちはだかるのが、牢名主の宇梶剛士である。重犯罪者だらけの獄中で怖れられている、ひときわおっかない人。
最初は、ヤワなくせに自分の命令に服従しない大沢たかおに腹を立て、リンチにかけてあわや殺す寸前まで行くが、自身が発作を起こして逆に命を救われてからは、あっさり「先生、先生」と信奉者になる。むちゃくちゃ分かりやすいキャラクターで、出番もそんなにない。だけど、とにかく『JIN −仁−』というドラマ自体が、スタッフ、キャストの意気込みと世間の評価がぴたりと一致して、いま最も充実している作品なだけに、宇梶さんもなんだか活き活きと演じている。実は鴻上とあまり違った芝居をしていないんだけど、こういうのを見ると、やっぱり本人も『オーズ』には食傷気味なのではないかなぁ、という感想をいだくのだ。そろそろ、もう少し宇梶さんのキャラクターを掘り下げて、その得体の知れなさの底にあるものを、視聴者に見せて欲しいのだが。

『オーズ』で宇梶さん演ずる鴻上は「欲望こそが人類を動かしてきた」という歴史観をもっている。800年前に封印された闇の生命体グリードを、なかば意図的に解放したのもそのためだ。グリードは人間の欲望をエネルギー源とする怪物である。セーラームーンの妖魔と同じように、特定の人間に憑依して、その人の欲望を満たしてやることで、自らの力も増大させる。
鴻上ファウンデーション会長、鴻上光生は、そういうグリードの復活を容認すると同時に、かつてグリードを倒し封印した伝説のヒーロー、仮面ライダーオーズの復活も歓迎する。つまり鴻上は、人間の欲望の権化であるグリードと、正義の使者仮面ライダーのぶつかり合い、そこに生まれる破壊と創造こそが歴史に新たな展開を生み出す、と考えて、どちらか一方だけに加担することなく、ことの成り行きを静観する。「ライダーVS怪人」という基本的な設定を見守るキー・パーソンである。

でも、そもそもどうして彼がそんな傍観者の哲学をもつようになったのか。そして彼自身が、この混沌とした状況から得ようとしているものは何なのか、それはまだ分からない。そろそろそのあたりの事情を見せてほしいですね。鴻上のキャラクターをもうひとつ掘り下げ、宇梶剛士の演技にも新しいモチベーションを与えて欲しい。彼は実写版セーラームーンでいえば、セーラー戦士たちと敵対するが、かといってベリルとも距離を置くクンツァイトに対応する。そんなクンツァイトでも、Act.30あたりまでくれば、虚無的で超然とした態度の裏に秘められた、エンディミオンに対する怒りと未練とこだわりが見え隠れし始めていた。オーズもすでに第34話、そろそろ最終ターンへ進む頃合いである。
もっとも実写版セーラームーンの場合、クンツァイトのキャラクターが膨らみすぎ、彼の物語を収めるのに最終話直前まで使ってしまったせいで、Final Actがいささかバタバタになってしまったきらいもあり、そういう意味で今回、小林靖子先生も鴻上会長の扱いに慎重になっているのかな。まあ確かにドラマを乗っ取りかねない勢いのある登場人物だからね。

2. ヒーローと正義


でも最近、第3クールも後半に入り、ようやくクライマックスに向けて盛り上がってきたな、という感もある。何より、偶然にも作品のテーマが、現在の日本にストレートに突き刺さってしまったところに、私はものすごく興味を感じている。
『仮面ライダーOOO』の主人公、火野英司(渡辺秀)は、明日履くパンツとポケットのなかの小銭だけを所持品に世界を放浪してきた若者である。インド、中東、アフリカといった国々へ趣き、戦火や貧困に喘ぐ民衆たちに手をさしのべ、彼らのために何かできることはないか、と真剣に考えている、私利私欲を捨ててしまったような青年だ。

それがたまたま日本でガードマンのバイトをしていた際に、800年間封印されていた変身ベルトに選ばれ、仮面ライダーとして怪人と闘う使命を与えられてしまう。その怪人たちというのは、さっきも書いたように、人間の欲望を煽りたてることによって力を増す闇の生命体、グリードだ。欲望を原動力とする怪人と、無私無欲な若者の闘い、という比較的シンプルな構図から、ドラマは出発する。
その構図に揺らぎが生ずるのが、第21話・第22話だと思う。この回は『デス・ノート』みたいな話だ。若いうちから法律家を志していたが、司法試験に落ち続け、しょぼくれた中年オヤジになってしまった男がいる(黒澤明の晩年の作品で子役として活躍した伊嵜充則が好演している)。検事や裁判官として活躍する夢を半ば諦めつつあるのだけれど、持ち前の正義感から、社会にはびこる悪を見逃せない。でも夜の街を我がもの顔でのさばるチーマーひとり殴り倒す腕っ節もない。ていうか逆に殴り倒されて、どうすることもできない無力さにうちひしがれている。

グリードはそういう彼の「正義への欲望」に目をつけ、この欲望からバッタの怪物を生み出す。これがあからさまに仮面ライダーのネガで(真・仮面ライダーみたいな感じ)ライダーキックもやる。彼はこの怪物の力を借りて、まずは目の前でひったくりをやった犯人を叩きのめして、奪ったハンドバッグを被害者の女性に返してやる。これを皮切りに、街のチンピラから暴力団員、汚職代議士まで、ともかく悪い奴らに片っ端から正義の鉄槌を下していくのだ。はたしてこのような正義への欲望もまた、欲望である以上、捨て去らなければいけないのか。ライダーはこの怪人を倒すべきかどうか逡巡する。
ドラマ自体は、正義への欲望が暴走して怪人が暴れ出し、それをオーズが倒す、というかたちで表面上の結着を見る。しかし、正義への欲望も欲望である、というテーゼが否定されたわけでもない。人類の歴史は、良かれ悪しかれ人間の欲望に突き動かされて進んできたわけで、それをすべて放棄してしまっては、悪はもちろん正義も滅んで、あとには虚無と混沌しか残らないのではないか、という疑問への答えは示されない。
ではなぜ主人公の火野英司は、これほどまでに無欲なのか。その事情は第32話で、このドラマの「ライダー2号」である伊達明(岩永洋昭)の口から語られる。伊達の本職は外科医で、以前は「国境なき医師団」のメンバーとして世界各地へ赴き、紛争地でけが人や病人の治療に奔走した経歴をもつ。だから怪人との闘いで傷ついた英司の容態を診ているうちに、かつて間接的に英司と出会っていたことを思い出すのだ。

  


伊達「よくその程度のケガですんだな。前から危なっかしいと思っていたが、原因はこれだ。他人を助けようとするくせに、自分の命は無視する」
英司「そんな、俺は別に死ぬ気出すわけじゃ……」
伊達「それが軽いんだよ。死ぬつもりならいいさ。賭ける命の重さが分かっているからな。お前は賭けてさえいない。昔はちゃんと賭けてたのに。そうだろ。火野英司……英司……思い出したよ」


英司は、伊達が自分の過去を知っていた事実に顔色を変え、その場を離れて自室にこもる。残されたヒロインの泉比奈(高里里穂)や、伊達のアシスタントの後藤(君嶋麻耶)たちが、その先の話を伊達にうながす。

  
比奈「伊達さん、英司君と会ってたんですか?」
伊達「アフリカで働いていたとき、チラッとね。内戦に巻き込まれた政治家のボンボンが、命がけで村を守ったって大騒ぎされていてさ」
後藤「そういえば一、二年前にそんなニュースが……あの政治家の息子が、火野?」
比奈「え……あ、でも、私が聞いたのは、女の子を助けられなかったって……」
  
伊達「美談は作られる。命を賭けて村を救おうとしたのは事実だけど、途中で親が払った身代金で、火野だけが助けられたんだ。で、村を救おうとしたって所だけを大きく取り上げて、政治家の親や兄弟が人気取りに使ったってわけだ」
後藤「火野の意志は無視ってことですか。きついですね。俺ならたぶん…」
伊達「怒る奴もいるし、じめじめ腐るやつもいる。で、たまに妙に乾いちまう奴もいる。火野はそれだ。乾いちまって、自分への欲がない」
  

ひょっとするとレイの親戚なのかな。
ともかく「火野」というだけあって、英司は大物政治家の息子だった。彼は政治家の息子らしく、世界を変えたい、貧しい人や虐げられる人がいない幸せな世界を作りたいという理想を胸に、世界を放浪し、途上国各地でボランティア活動に挺身してきた。
でもアフリカのある村でおのれの無力を思い知った。しかも、村人ともどもテロリストに拉致されたのに、父親が巨額の身代金を払ったおかげで、彼だけが命拾いして祖国に強制送還されることになった。その挫折の経験が、彼をいわば無目的な献身家に変えてしまった。
彼はいまも、困っている人を見れば放っておけず、与えられるものは何でも与えてしまう。でもそれで世界を変えられるとは思っていない。むしろ、何も変えられないと絶望しきっている。だから、本当は困っている人の役に立っているのではなく、単に騙されて金を巻き上げられているだけだったとしても、それはたいした問題ではなかったりする。

3. 満たされたい若者たち(この項、画像は本文と関係ありません)



話を『オーズ』第21話・第22話に戻すと、このエピソードでは、いわば「欲望とは何か」という定義が語られている。世の中にはびこる悪をこらしめたい、という伊嵜充則の願いは、個人の欲望というより、純粋な正義感の発露のように見える。また実際にそういう面もある。しかし、その願望をかなえるために怪人が生み出され、実際に街のチンピラやひったくりを叩きのめすとき、その行為を喜び、誰よりも溜飲を下げるのは、伊嵜充則その人である。社会正義が正しく執行されたことを喜ぶのではなく、自分が許せないと思った人々をこらしめたことに満足し、カタルシスを感じている。だから彼の願いは義憤ではなく欲望なのだ。欲望とは自己を満たそうとする衝動である。そういうことになる。
で、これは私の考えなんだけど、大切なのは欲望を捨てようと努力することではなく、自分の欲望をきちんと自覚することだと思うのだ。

私の知り合いで、阪神淡路大震災の時にボランティアをやったのがきっかけで、仲間たちと震災の被災者支援を行うNPO法人を立ち上げた人たちがいる。その後も2004年の新潟中越地震、2007年の能登半島地震など、大規模な災害が起こるたびに現地復興の手助けをしていて、けっこう実績もある。顔が見えていて、とても信頼できるので、私は今回も、この組織の活動のために若干のカンパをして、いわゆる義援金のたぐいに替えている。どのあたりがいちばん信頼できるかというと、その人たちは「ボランティアの味をしめる」なんて言い方をするんですね。
今回の震災でも、若い人の力が必要だということで、いまも4、5日間をワンセット、一回につき10人〜20人の単位で、現地の片付け等のボランティアを募集しているんだけど、そういうのに参加した学生で、「もう懲り懲りだ」と二度と参加しないのもいれば、「これはやり甲斐がある」ということで、二度、三度と参加する人もいる。そういうリピーターの学生なんかが出てくると「あいつはボランティアのうま味が分かったな」なんて言うんです。

「味をしめる」とか「うま味が分かる」というのは、もちろん義援金を横領するとかそういう意味ではないし、それから、作業自体にやり甲斐があるということでもない。実際、今回も、津波でぐちゃぐちゃになった家屋の片付けなんて、もう永遠に終わらないんじゃないかというくらいの、途方もない徒労感に襲われる作業らしい。それは想像してもそうだろうなと思うし、実際は私の想像など遙かに超えているだろう。
ボランティアに参加する人は、必ずしも、そういう作業自体に魅力を感じているわけではない。むしろ、活動を通して、自分が社会貢献をしているという確かな手応えを得たり、あるいは、被災地の人々とふれあい、感謝のことばをもらうことで、自分も他人の役に立てるんだと実感できるところに、その醍醐味がある。ボランティアの「味をしめる」とか「うま味が分かる」というのはそういうことだ。非常にダイレクトに「自分には存在する価値がある」という充実感が得られるのである。だからこれも『仮面ライダーオーズ』のグリードに言わせれば「欲望」(自己を満たそうとする衝動)ということになる。もしも今、グリードが岩手や宮城の沿岸に現れたら、ヤミーたちが大量発生して黙々と瓦礫を片付け始めるに違いない。できれば福島にも出現して原発の冷却作業にもいそしんで欲しい。
ということはさておき、私はそれでいいと思う。いいじゃないですか。極端に言えば「自分は世の中の役に立っている」「自分は他の人から必要とされている」と自己満足するためにボランティア活動をしているのであっても、それで、普通の人だったら尻込みするような被災地の片付け作業や避難時の支援に取り組めるのはとても偉いし、尊敬に値する。動機がどうであれ活動の値打ちはいささかも減じない。

だからこそ、できれば本人たちには、それが「欲望」(自己を満たそうとする衝動)に基づく行為であることは自覚しておいてもらいたいと思う。つまり「誰かのために役立ちたい」という気持ちの底には「誰かのために役立てる自分でいたい」あるいは「誰かのために役立てる自分を証明したい」という願望がはたらいているということ。そうじゃないと、活動がうまく行けば行ったで、「誰かのために役立てる」という自信が間違った方向にふくらみ、やがて尊大になったり、おかしな政治家になったり、宗教家になったりする可能性はある。落とし穴はいっぱいあるのだ。
あるいは逆に、活動を拒絶されたり、否定的な態度を取られたとき。被災者にもいろいろの立場の人がおられるから、ボランティアの善意が、必ずしもどんな場面でも通用するとは限らない。そんなときに「こちらは純粋に役に立ちたいと思っているのに、その気持ちを踏みにじるなんて」なんて考えてしまってはダメだ。こっちもこっちで自己満足でやっているんだから、たまにはそういうこともあるよな、ぐらいのスタンスじゃないとね。
以前からこの手のボランティア活動に熱心で、今回も巨額の私財を投入して被災地支援をして回っている杉良太郎は、売名行為だとか偽善だとか小うるさい外野の声に対してきっぱり「売名行為でやってますよ」と答えているそうだ。さすが杉様。これを「本当の売名行為だったらこうは言えないよな」と逆説的に評価する声もあるが、私としては以上に述べたような理由から、言葉どおりの意味で正しいことを言っていると評価したい。

4. 反リンカーン的



何の話をしていたんだよ。『仮面ライダーオーズ』だよ。えーと、第34話で、主人公の火野英司は、自分に変身能力を与えてくれたアンク(三浦涼介)の危機を救おうとする。
アンクも800年の封印からよみがえった闇の生命体、グリードの一人なんだけど、なぜか右手だけしか復活しなかったもんだから、残りの部分はたまたま居合わせて重傷を負った刑事、泉信吾の肉体を借りて間に合わせている(その妹がヒロインの泉比奈である)。そしてこれまた偶然その場で出会った英司を見て、こいつは自分の完全復活のために利用できる奴だ、と判断して、ベルトを与えてライダーに変身させたのである。英司は英司で、ライダーの力を利用すれば多くの人々に役立てるし、かつて自分が体験した挫折を乗り越えられるかも知れない、という思いがあって、アンクの元でライダーとして戦うことを決意する。
二人は本来、もっと敵対関係にあってもおかしくないのに、持ちつ持たれつしていくうちに、微妙な友情が生まれてくる。このへんのニュアンスは、さすが『仮面ライダー電王』で良太郎とモモタロスを描ききった小林先生という感じで、わりと手堅くこなしていらっしゃる。
で、そのアンクが危機におちいっているので、必死に駆けつけようとする英司。車を運転しているのは英司の高校時代の同級生の北村(中山卓也)。この二人のエピソードも「相手を思う友情は欲望か」という興味深いテーマを抱えていて面白いのだが、もう余裕がなくなってきたので省略。ともかく、車中でこんな会話がある。Act.5のうさぎと亜美の会話と比較すると、むちゃくちゃ面白い(と私は思う)。

  
北村「俺さ、お前がうちに来るのが嫌でたまらなかった。何で俺と関わる、独りでいたい、勘弁してくれって……」
英司「お節介だった?」
北村「それ以上。屈託のない笑顔で夢を語るんだ。俺には眩しすぎた。その時だよ。俺が初めて他人に夢を話したのは。お前は嬉しそうに、絶対できるって言ってくれた。何の根拠もないくせに。
英司「俺……お前に謝らなきゃいけない」
北村「え?」
英司「昔の俺、自分の力で世界が変えられると思っていた。みんなを助けて幸せに出来るって……でも出来なかった」
北村「何であんな男を助ける。利用されてるんじゃないのか?」
英司「誰かを助ける力が欲しいから、絶対に失いたくない。利用しているのは俺の方なんだ」



いよいよ、現在の自分の欲望が、まさしく「仮面ライダーに変身する」そのことにほかならない、という事実を口にした英司。風雲急を告げるこれからの展開は?
……って、小ネタ集の「その1」のつもりでオーズの話を始めたら、いつまで経っても話が終わらないので、今回はこのへんで強引におしまい。次回はウルトラマンプレミア2011と巌窟ホテルだ(やるのか?)。
で、実はいちばん重大な問題に言及せずじまいで終わりそうです。つまり、今回私が評価しているエピソードのほとんど、具体的には第21話・第22話・第34話の脚本は、どれもメインライターの小林靖子先生の作品ではなくて、ゲスト的に初めて仮面ライダーに呼ばれた毛利亘宏さん(劇団少年社中)が書いておられるわけね。
小林靖子ファンを自認し、ある意味小林靖子ファンブログでもあるこの日記で、小林靖子がメインライターを務める『仮面ライダーオーズ』を取り上げるにあたって、小林靖子以外の人が脚本を書いた回をクローズアップするって、なんか変な感じです。『オーズ』って、小林靖子の、小林靖子による、小林靖子のための特撮ドラマだと思っていたのに。
煮え切らない思いを抱えたまま今回は終了。



作品データ『仮面ライダーOOO』原作:石ノ森章太郎
 プロデュース:本井健吾(テレビ朝日)、武部直美・高橋一浩(東映)
 照明:斗沢透、西田文彦/美術:大嶋修一/音楽:中川幸太郎
 特撮監督:佛田洋/アクション監督:宮崎剛/編集:長田直樹


 第21話「バッタと親子と正義の味方」2011年2月6日放送
  脚本:毛利亘弘/撮影:倉田幸治/監督:田崎竜太
 第22話「チョコと新年と正義の力」2011年2月13日放送
  脚本:毛利亘弘/撮影:倉田幸治/監督:田崎竜太
 第32話「新グリードと空白と無敵のコンボ」2011年5月1日放送
  脚本:小林靖子/撮影:倉田幸治/監督:諸田敏
 第34話「親友と利用とその関係」2011年5月15日放送
  脚本:毛利亘弘/撮影:倉田幸治/監督:石田秀範



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