実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第312回】DVD第2巻:Act. 8の巻(その2)













1956―2011




1. 主役に対する扱いとしてどうか


さてAct.8レビューの第2回目である。まだシーン2だ。亜美・レイ・まことの三人が、うさぎの呼び出しでクラウンへ集合。ところが当の本人がなかなか姿を見せない。だいたいそんな状況だ。

前回どこまで書いたっけ。撮影台本のト書きによれば、三人だけのクラウンは「静まりかえって」いて、そこへうさぎが飛び込んでくると「途端に賑やかになる」という対比が明記されている(台本はこちら参照)。戦士たち相互の関係は、まだ少々ぎこちないのだが、うさぎがみんなを結びつけ、その場を和ませる存在として機能している。ただ、厳しいお姉さんタイプのレイと、やや過保護気味のまことの間に、うさぎに対するアプローチの仕方の違いがあって、そこが二人の衝突の原因になる。

名古屋支部がここのところにこだわるのは、台本が多少なりとも「うさぎが全面的に悪いわけではない」と釈明しているからなんだね。つまり今回のうさぎがあまりに可哀想である。このエピソードは「レイとまことの対立と和解」というのがテーマなんだけど、そういう展開のためには、まず冒頭で二人が仲違いする必要があって、そのきっかけ作りの役がうさぎにふられたわけだ。おかげでうさぎはヒロインなのに、宿題はやっていないわ(台本は「やったのに、間違ってノートを捨てちゃったんだよね」とフォローするが、普通はそんなの信じられないよね)、それで安易に他人の手を借りようとするわ、それで結局、親友が対立する火種を作ってしまうわ、もうほとんど全ての元凶が彼女ということになっている。Act.5でもうさぎは、無邪気に亜美の心を深く傷つける罪深い役をふられたが、それから何話も経ていないAct.8で、また同様に無神経な狂言回しをやらされるなんて、ひどいなあ。繰り返すけどヒロインなんだぜ。
と、心ある人々は胸を痛め、作品そのものの評価にも迷いが出たりするのだが、Act.8を文句なしの名作と評価する人たちは、たぶん「相変わらずバカだな、うさぎ」とか思う程度で、そんなことを気にしないのだろうな。
でも、それでも沢井美優は、明るくて屈託がなくて、どんな人々をも惹きつけずにはおかない月野うさぎの不思議な魅力を、女優としての技能のありったけを使って表現していて、それはそれでやっぱり偉い。

2. ブサかわ考


まあともかく、ヒロイン登場である。


   途端に賑やかになる室内。
まこと「うさぎ、遅い!」
レ イ「何してたの。呼び出しておいて」
   うさぎがチラシを見せる。
うさぎ「これこれ! ちょっと見てよ!」
   亜美がチラシを見る。
亜 美「『愛野美奈子マスコットキャラなりきりコンテスト』」
うさぎ「ほら美奈子がデザインしたナコナコ。知ってるでしょ」
   チラシには、ブサかわいい系のキャラ『ナコナコ』のイラストがあり、吹き出しに『くぴっ』とか書いてある。


ふうん。ナコナコって「ブサかわいい系」っていうのか。
っていうか「ブサかわ」という言葉、私は最近まで知らなかった。2003年当時からすでに、こんなふうにさりげなく、ドラマ台本のト書きに使われるほど浸透していた言葉だったとはね。
Wikipediaには「ブスかわいい」という項目で出ていて、「主にペットや女性に対して使われる」という。そうだそうだ、犬猫のブサかわいいというのは、アニスタで憶えたけど、人間にも使うのか。Wikiにはこう書いてある。

女性に対しては、整った容姿ではなく一見不細工なようでも、愛嬌があり可愛らしい女性を指していう。しかし主観によって「可愛い」や「美人」の範囲は異なるため、人によって見解が異なる。消極的な意味ではなく、いささか不細工でありながらも、それがかえって可愛いという意味で使われる場合が多い。

ふうむ。犬猫に「ブサかわ」があるというのは、安座間美優がそう言っているのだから私も正しいと思うが、人間にもあるのかなあ。よく分からない。あ、いや一瞬、私の脳裏を(みゅうみゅうやモッチは疑いなく「美人」だけど、ひょっとしてアズーは「ブサかわ」?)というフラチな想いがよぎったが、これは忘れる事にしよう。アズーだって普通に見たら可愛いよ。

要するに私は「ブサかわ」という表現を根本的に疑っているのだ。私は前シーズン、ドラマ『デカワンコ』を楽しく観ていて、多部未華子が「ブサかわ」女優の代表例と言われるのがちょっと分かったような気がしたけれども、それでも、最初に観たとき「凛々しい子だなあ」と思った印象は崩れなかった。セラミュのファンの方々なら、多部未華子のセーラースターヒーラーは「カッコいい」というイメージの方が強いのではないか、と思うんだけど、どうでしょうか。
そういえば、同様に私が不審感を抱いていることばに、「健康的なお色気」というのがある。「健康的」と「色気」って両立するのか?私の守備範囲(何の?)でいうと、このフレーズは木下あゆ美嬢に使われる事が多いような気がする。木下さんは美人でセクシーで、別に不健康にも見えないから「健康的」と認めてもいいが、それをワンフレーズにくくれるほど、健康的なところが「お色気」に直結しているとも思えないのだ。まあどうでもいいことですね。

3. ちょっと可哀想な古幡


なんか今日はいまいち興が乗らないので、短くて盛り上がりに欠けますが、このくらいにしておきます。
あ、今回、古幡元基の唯一の出番であるシーン3、クラウンの受付の場面を忘れてしまった。まあいいか、と思ったけど、ちょっとかわいそうなので、順序は戻るけど最後に紹介だけしておきます。

   亀とツーショット写真を撮っている古幡。
   うさぎが息せき切って駆け込んでくる。
うさぎ「こんにちはー!」
古 幡「あ、うさぎちゃん。この間は迷惑かけて――」
   うさぎは、もう奥へ走ってしまっている。
古 幡「(寂しく)ごめんね……」

先週(Act.7)とはうって変わってうさぎがもう、元基なんか眼中にないほどすばやく通り過ぎるので、静止画像がキャプチャできないくらい(笑)。
ではまた。



【おまけ】
うさぎの宿題。ニューホライズンの「学習内容にあった 予習・復習が出来る 定期必修 問題集」と読める。科目は英語。テキストはニューホライズンのようだ。