実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第289回】DVD第2巻:Act. 7の巻(その19)


かつて『ミュージカル 火の鳥 鳳凰編』という舞台を手がけた「劇団わらび座」が、『ミュージカル アトム』という舞台をひっさげて、今年から再来年まで(2010年4月〜2012年3月)全国を公演して回っている(現時点で決まっている今後の公演日程はこちら)。これは『鉄腕アトム』の直接の舞台化ではなくて、アトムがすっかり時代遅れの旧型ロボットになってしまった、さらなる未来を舞台にしていて、アトム自身は登場人物というよりも、狂言回し的に登場する、という趣向の物語らしい。

これのどこが実写版セーラームーンと関係あるかというと、小松彩夏とうっすら関係がある。まず脚本と演出が劇団扉座の横内謙介。横内さんはフジテレビのドラマ『ダンドリ。〜Dance☆Drill〜』のメインライターで、もちろん最終話も執筆されている。でも残念ながら『ダンドリ娘』とは特に関係なかったみたいなので、考えてみれば薄いつながりです。それから振り付けがラッキィ池田と彩木エリ夫妻。
ラッキィ池田さんと小松彩夏さんの関係は、Act.37で愛野美奈子が撮影していた映画のタイトルが『カメファイターVSイカキック』だった、ということなんですが、それじゃほとんど無関係じゃないか、と思われる方もいるかも知れない。逆に彩木映利さんは、小松彩夏どころか戦士みんなと深い関係があるじゃねえかと。でも私としては、Act.ZEROで披露したキューティー・ケンコー一味のくねくねダンスが印象深くて、小松彩夏とのつながりを特に強く感じるんです。
そんなわけで、今後ミュージカルの舞台で彩木エリさんと再会しそうな戦士は誰かと問われれば、あんがい小松彩夏あたりではないかな、と思っていたんだが、こうして書いてみると、あまりにも根拠薄弱でした。撤収だ。
以上、この情報は先日、安中で万丈さんにお会いしたとき教えていただきました。「レオさんのブログ向けのネタだと思って」って、確かにそうだね。ありがとうございます。

1. がんばれカラー・コンタクトのヘタレ少年


本編だ。
わりとあっさり妖魔を倒し、犠牲者たちのエナジーを詰め込んだ亀リュックの回収にかかるセーラームーンとジュピター。が、その前に立ちはだかるカラーコンタクトの男。あいつは……。

ジェダイト「クイン・ベリル様配下、四天王の一人、ジェダイト」
ルナ「クイン…ベリル?」
ジェダイト「セーラー戦士ども、貴様らのせいで…」

前回の、倒れたレイに駆け寄る場面では、せっかくCGで出演したルナだけど、ここではすぐにパペットに戻ってしまっている。
ジェダイト役の増尾遵くんは、最近ではAs a Sign of Humanというバンドの(たぶん)リーダーで、曲も書いている。いまYoutubeに行けば「並木道」というオリジナル・ソングのライブが聴ける。ゾイサイトのバンドLast Reunionのビデオクリップは以前のブログに貼りつけておいたけど、あっちのハードコアなメロスピとはだいぶ違って、わりと今風のサウンドですね(感想になっていない)。増尾君がギター&ボーカルで、ベースの子がサビのコーラスをあわせて、あとは女の子のドラムスというシンプルなスリーピースバンドなんだけど、しっかりしたロックの音を出している(これまた説明になっていない)。とにかく、今日のこのブログをずーっと読んで(見て)いただければ、一番下にそのライブ映像のリンクを貼っときましたので、ぜひご覧(お聴き)ください。
なお今回、かれらAs a Sign of Humanに関して、何か新しい情報はないかと思って検索したら、最初にヒットしたのはひろみんみんむしさんのブログであった。

2. DVDにもCMが入っていればいいのに


話を戻します。「貴様らのせいで……」と言葉を呑み込んだジェダイトは、マントをひるがえして「はあっ!」と拳を突き出す。ヘタレのわりに、意外と強力そうなビームが放たれ、セーラームーンとジュピターに襲いかかる。美少女戦士ふたりの運命は!

……とここでBパート終了。なんだ前回のレビュー、ここまでやっておけば区切りがよかったのになあ。なんて今さら後悔してもしょうがない。はい。じゃCMだ。ドラマ再開までしばらくお待ち下さい。
……って、違うよ妄想だよ。これDVDだからCMなんか入っていないよ。すみません、すぐCパートに続きます。だいたい、ここで入るCMなら、時間表示は7時52分ぐらいでなくちゃおかしいってば。
でもDVDを観ていると、ここでこういうCMが入らないと物足りないなあ、と思うのも事実だ。そうですよね。初回放送をご覧になっていたみなさん。
私なんかCBC限定の、深夜の再放送も観ていた。そもそもこのブログはその再放送視聴レポを書くために始めたのである。深夜でローカルだっただけに、なかなかすごいCMが流れていたけど、いま思い返せばあれはあれで味わいがあった。たとえば「アートネイチャーもしもしヘアチェック」なんかよかったなあ。セーラームーンの合間に、小阪由佳と原幹恵が、とんでもないビキニ姿で登場して「私に相談の電話して」「いいえ私に」みたいに競い合うのである。たぶん頭髪が気になり出した30代独身男性あたりをターゲットにしているのだろう。
当時からかなりインパクトのあるCMだったが、今現在でもあいかわらず可愛らしくてナイスバディで雑誌の表紙を飾っているシンデレラ原幹恵はともかく、小阪由佳に関しては、こりゃもう、歴史資料みたいなもんだろうなぁ。

3. ジェダイトも悲劇の犠牲者


いやまたまた脱線しました。というわけでCパート。ピンチの二人を守ったのがタキシード仮面。でも、二人の盾となってジェダイトのビームを素手で受けたせいで、負傷した模様である。

セーラームーン「タキシード仮面!」
タキシード仮面「構うな、早く!」
セーラームーン「ムーン・ティアラ・ブーメラン!」
(ブーメランが亀リュックを切り裂き、エナジーを解放する)
ジェダイト「セーラー戦士ども、貴様ら必ず潰す」

なーんて捨て台詞を吐いて去っていくジェダイトだが、その言い方が子どもっぽいよね。
タキシード仮面はこれまでもセーラームーンの危機を何度か救ってきたし、このAct.7の冒頭でも、納豆妖魔が投げつけた釘からセーラームーンを守った。そしてその代償に、自分のタキシードの肩口を傷つけてしまっている。
でもそれは服についただけの傷だったようだし、ここまでのエピソードで、タキシード仮面がその身に直接、痛手を負った話は出てきていないはずだ。ところが今回のクライマックスでは、さきほどご覧になったとおり、四天王のなかでは一番ヘタレな(といってもまだゾイサイトとクンツァイトは出てきていないが)ジェダイトがタキシード仮面の手の甲に傷を負わせているのである。

このことは何を意味するか。ジェダイトはずーっと後のAct.42で、クイン・ベリルに命じられて、マスター・エンディミオンの身体に「命を吸い取る石」を埋め込む。それが後半の悲劇的展開の序幕となる。さらにはAct.48で、エンディミオンを刺そうとして、とっさに庇ったクンツァイトを刺し殺してしまう。その結果、エンディミオンは自らの内に封じ込めたメタリアの力をコントロールできなくなり、メタリア・エンディミオン化する。つまりジェダイトのやったことはぜんぶ「星の破滅」を導く引き金となってるじゃん、こいつが全ての元凶じゃないか?という考え方も成り立つ。
ただジェダイトの場合、もともとベリルの忠実なしもべだけあって、どのケースも、本人の意図でやったことというより、なるべくしてなった悲劇で、ジェダイトも運命の巡り合わせでマスターを傷つけただけ、という印象が強い。そこが、Act.25でマスターを一刀両断に切り捨てるクンツァイトとの違いだ。クンツァイトは、愛憎入り乱れた熱い感情をかかえ、自分の意思でマスターと対峙している。
考えてみれば、Act.1のタキシード仮面初登場シーンからして、ちょっと危なかった。初勝利を収めたセーラームーンに、ジェダイトがナイフを投げつけ、それをタキシード仮面が間一髪で守ったんだけど、あのときだって、一歩間違えればタキシード仮面は傷を負っていたかも知れない。最初のエピソードで、ああいう場面を設定した小林靖子の脳裏には、すでに「ジェダイトの未必の故意がエンディミオンの悲劇を起こす引き金となる」というラストの画が浮かんでいたのかも知れない。すごいね。
はい、というわけで、この後セーラーV登場シーンが、いかにも田崎演出的な場面で面白いのだけど、そろそろ時間になってしまいました。今回はこれまで。
じゃ最後に、ジェダイトの歌をみんなで聴こうね。As a Sign of Humanで「並木道」。出ているメンバーは増尾遵(ギター・リードボーカル)/和田蔵人(ベース・ボーカル)/高次沙也香(ドラムス)。



バンドのナンバーでCD化された音源としては「Shimokitazawa1/10 vol.4」というインディーズアルバムに「いつだって新しい明日へ」が収録されているそうです。
ところで、このドラムスの女の子(高次沙也香)、増尾君と並ぶバンドのオリジナルメンバーなんだけど、今年いっぱいをもって脱退されるそうです。ラストライブとなる「As a Sign of Human PRESENTS Eve Eve "La"Eve Vol.6 〜HAPPY END〜」は来る12月22日、下北沢 club Cave-Beにて。う〜ん、これからどうなるのかなあ。でもまだ若い。四天王最年少だったしさ、とにかくがんばれよジェダイト!



ところで、みゅうみゅうのバースデーが近いんですが、企画が何も思い浮かびません。いいアイデアをコメント欄で募集します。