実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第279回】DVD第2巻:Act. 7の巻(その14)


「『はぴぷり』は、高河ゆんによる日本の漫画。“はっぴーなぷりてぃちゃん”の略」(Wikipediaより)

というわけで「はぴぷり(Happy&Pretty)なりか=はぴぷりか」こと泉里香様、少し遅れましたが22歳のお誕生日おめでとうございます。現在の里香さんに関しては、もはや10月11日お誕生日説が確定的なわけであるが、しかしそうすると結局、セーラームーン時代というか浜千咲時代に「11月10日生まれ」と称していた本当の理由は何だったんだろう。いまだに謎のままである。


そういう意味では、浜千咲・泉里香:別人(=姉妹)説の疑惑も完全に消えたというわけではない。ブログによれば、それとは別にもうひとりお姉ちゃんがいるから、泉家は全部で三姉妹か。京都の三姉妹。兵庫の北川景子を加えて、四姉妹で『細雪』を映画化したらどうか。白倉伸一郎プロデューサーがきっと相談に乗ってくれるぞ。いや、それって配役がめちゃくちゃむずかしいや。撤回。


あっ、プリンセスの誕生日ももうすぐだね。

1. 問題は母にある(推定)



さて唐突であるが、1975年、ツルゲーネフの原作を翻案し、昭和の鎌倉に舞台を換えた映画『はつ恋』(小谷承靖監督、中井朝一撮影、東宝)が公開された。2006年にDVD化された機会に改めて鑑賞したが、ヒロインの仁科明子(現:亜季子)が、それはそれは美しい。

そして2009年、ツルゲーネフの原作を翻案し、平成の山梨に舞台を換えた映画『初恋 夏の記憶』(野伏翔監督、夜想会シネマプロジェクト)が公開されたのであった。ヒロインの多岐川華子が、仁科明子ほどに美しかったかどうかは、私は観ていないので分からない。
ともかく、私は『はつ恋』こそ仁科明子の代表作だと思っているのであるが、「いや仁科明子といえば『悪魔の手毬唄』だ」という方もいらっしゃるだろう。市川崑(監督)と石坂浩二(金田一耕助)のコンビで1977年に公開された横溝正史シリーズの第二作だ。確かにこちらの仁科明子さんも、たいへんに美しい。

しかし私は、市川崑監督がお元気だった頃、インタビューで「山口百恵の映画は昔からやりたくて、一度、金田一耕助シリーズにオファーしたこともある。それは百恵ちゃん自身の立場に近い役だったけど、事務所に断られた。結局、引退記念作品の『古都』まで彼女とはご縁がなかった」というようなことを語っていたのを読んでしまったのである。
発言内容から考えても時期的に言っても、これは明らかに『悪魔の手毬唄』を指していると思う。『悪魔の手毬唄』という物語は、岡山の田舎村に、東京で「大空ゆかり」という芸名で人気歌手となった少女、別所千恵子が帰郷したところから始まる。この、スターなのにどこか影のある神秘的な美少女、ゆかり/千恵子を、本来は仁科明子ではなく山口百恵が演ずるはずだった、ということらしいのだ。それは観たかったなあ。

以来、私はたまにテレビなどで『悪魔の手毬唄』を再見するたびに「これ仁科明子じゃなくて百恵ちゃんだったらな」などという邪念が浮かぶようになってしまった。だから文句なしの代表作とは言えなくなっちゃった。というわけで仁科明子の代表作は『はつ恋』である。どうでもいいような話にこだわってすみません。
2009年、フジテレビで『悪魔の手毬唄』が、稲垣吾郎の金田一耕助シリーズでひさびさにドラマ化された。このシリーズは脚本が佐藤嗣麻子なので、できるだけ観るようにしているのだが、なんと多岐川華子が出ていた。って、驚くほどのことではないが。
が、残念ながら、フジテレビ版のヒロインは山田優で、多岐川華子さんはその幼なじみの一人だった。もし多岐川華子が別所千恵子/大空ゆかりを演じていたら、彼女は『はつ恋』『悪魔の手毬唄』と、数少ない仁科明子のヒロイン映画2作品の再映像化で、いずれも仁科明子と同じ役を演じるという、希有な巡り合わせになったはずなのだが、惜しかった。

しかしそんな彼女に何かしら運命の糸のようなものを見いだしたのが、仁科明子の息子、仁科克基であった。私は今回の婚約の件の真相をこういうふうに推理している。つまり多岐川華子の運命の赤い糸は、仁科克基ではなくて仁科明子に結びついているんじゃなかろうか、と思うのだが、どうかな(どうかなって……)。

セーラーV「運命は、変えられないのね」

すまん、セーラーVのこのセリフを引っ張り出すための軽い導入部のつもりが、話が長くなった。ちょっと時間に余裕ができるとこれだ。

2. Aパート終了!


まずはコメント欄でご指摘いただいた、前回の内容への補足。うさぎたちが「鏡の館」に入って行くシーン、レイが高井を放り出して妖魔を追うシーン、ぐったりした元基が階段にへたり込んでいるシーン、どれもロケ地はやはり東京ドームシティで間違いなかったです。ひろみんみんむしさんがロケ地探訪で確認されて、写真付きでご自身のブログに報告されているので紹介させていただきます(ここここ)。みんむしさんのブログは、定期的にチェックしているのだが、これは見逃していたようだ。いや単に忘れただけか。
ついでにこのAct.7のひろみんみんむしレビューはこちら。セーラームーンはなによりもまず「月野うさぎと地場衛の恋愛ドラマ」なのだが、この基本に忠実な実写版のレビューって、実は意外と少ない。そういう意味で貴重である。
このAct.7レビューの時点ではみんむしさんも「大学生が中学生とグループデートってどうなの」と書いているが、その後、本人の渋江譲二プライベートインタビューによって、衛も元基も高校生だった、という事実が判明する。その顛末はこちらをご参照ください。あとセラミュは最近ようやくざっくりご覧になったそうだが、セーラームーン歴が長いだけにレビューも的確である(これとかこれ)。
という話はこのくらいにしておいて、本題に入る。
「鏡の館」のなかで、元基とはぐれたうさぎは、まこととはぐれた衛に出あう。一方、まことはまことで、鏡の迷宮に幻惑されてひっくりかえってしまった元基を見いだす。あれこれ策略したものの、結局、最初にくじ引きをした結果どおりのカップルに戻ったわけで、つまりは「運命は、変えられないのね」というテーマが、ここでもゆるやかに反復されている。
原色のライトが赤・黄・青と色を変えていく暗い部屋、そんなところでも、うさぎと衛の二人は、ばったり遇えばケンカである。

  
  うさぎ「あーっ」
   衛 「お前……元基は?」
  うさぎ「はぐれちゃったわよ」
   衛 「なにぃ?お前、元基はこういうの弱いんだぞ」
  うさぎ「え?」

このあと、口げんかはエスカレートしているんだけど、同じアングルのフレームの中で、うさぎが衛に詰め寄っていっちゃって、視聴者には、二人の距離がどれだけ縮まっていくかがありありと示される点に注目したい。なんだかんだと、うさぎの方からぐいぐい近づいていって(衛からも一歩近寄るが)それでいて、ぱっと手を捕まれるとドギマギする。まだまだ本当の恋の駆け引きを知らない少女らしさ。こういう、きちっと分かりやすい展開が田崎演出である。

うさぎ「そんなこと言ったって……そっちこそまこちゃんどうしたのよ。女の子ひとりにするなんて最低」
衛「好きな男ほっぽり出すよりましだ」
うさぎ「えっ……なによ、関係ないでしょ」
(と衛に背を向けて出て行こうとする。その手を突然にぎりしめる衛)
うさぎ「何すんのよ」
衛「これ以上はぐれたらたまんないからな…行くぞ」
うさぎ「……うん……」
うさぎ(いやだ。なんでこいつにどきどきしてんのよ)

思えばタキシード仮面は、いつもうさぎをピンチをさっと助けてさっと去っていくばかりで、正面からまじまじと見つめたことなんて一度もない。いや、Act.4のラストでビルの屋上から落ちたときはそれなりに二人っきりの世界だったか。でもあのときは、ただ何だか幸せな気分になって「C’est la vie」を歌っちゃったりしたので、よく憶えていない。現状のうさぎは、そういう感じであるから、衛と正面から向き合っても、あまり感じるところは少ない。むしろ、後ろ姿にどぎまぎしてしまう。おずおずとうさぎが見上げるその背中は、大きくて、頼りがいがありそうで、黒いマントが似合いそうである。

たぶんそのことに無意識で気づいて、うさぎは目をふせてしまったのだろう。
と、以上でAパート終了。
いやあ、やれやれ、5月からAct.7レビューを始めて、半年がかりでようやくAパート終了だ。今回はほとんど考察らしい考察をしていないが、時間も時間で、もう『仮面ライダーOOO』が始まっちゃうし、このくらいにしておくか。多岐川華子さんのファンでもないのに、最初の関係ない話に手間をとってしまった自分がくやしいです。ではまた。



今週のおまけ

『仮面ライダーOOO』第5話(2010年10月3日OA、脚本:小林靖子/監督:金田治)より、ガメル人間体(松本博之)。生きてゐるネフ吉。