実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第266回】DVD第2巻:Act. 7の巻(ロボコン番外編)


実写版『宇宙戦艦ヤマト』こと『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(東宝/脚本:佐藤嗣麻子/監督:山崎貴)は、2010年12月1日公開予定なんだってさ。出演は木村拓哉とか山崎努とか西田敏行とか柳葉敏郎とか高島礼子とか黒木メイサとか、そして沢井美優

沖田艦長
徳川機関長
真田さん
古代くん
佐渡先生と雪
……で、技術班の東田は? 東田はどこにいるの?

1. 高井くん登場


さて前回は、古幡から遊園地に誘われたうさぎが「行きます!」と返事したところまででしたね。で、ここでカットが入れ替わると、場面はいきなり翌日の遊園地である。不機嫌そうなレイ。

レイ「で、どうして私まで?」
うさぎ「だってぇ、亜美ちゃんはしばらくセーラーVの調査したいって言うし、元基くんには三人で行くって言っちゃったし…」
まこと「元基くんねぇ」
うさぎ「…え…」
レイ「何よ、そういうことなの?」
うさぎ「いやぁ、そのぉ……あーっ!」
衛「あ …、またお前か」
うさぎ「なんでこんなところまで」
古幡「あれっ?うさぎちゃんたち衛のこと知っていたんだ」
うさぎ「えっ?じゃあ、元基くんの友達って…」
古幡「そう。同級生の地場衛」
うさぎ「うそー」
まこと(小声で)「知り合い?」
うさぎ(小声で)「ときどき会っちゃう、むかつく奴」
古幡「あ、これ、うちのお袋に直してもらったから」
衛「ああ、サンキュー」
古幡「そんなん着るなんて変わったバイトだよな」
うさぎ(せっかくタキシード仮面と初デートなのに、こんな奴と一緒なんて…)
古幡「あ、最後のひとり来た。高井、こっちこっち」
古幡「亀愛好仲間の高井君」
高井「どうも」
うさぎ・レイ・まこと「……」

古幡と衛が同級生と聞かされ、思わず「うそー」と叫ぶうさぎ。
そういえばアレだね。こういう研究課題もあるんじゃないか。

うさぎはシリーズ全話を通じて何回「うそー」って叫んだか。

調べてみるのも良いかもね。まずAct.1のAパート冒頭で「うそー!もうこんな時間?」と叫んで、それから……えーと、思い出せない。ともかく、私にはまだ他にもやらねばならぬことが色々あるので、まだ「夏休みの一研究」の課題が決まっていないそこの君!挑戦してみてはどうかね。

さてこのシーンの見どころは主にふたつあって、ひとつは北川景子と黄川田将也の初共演だ。『Dear Friends』(2007年)『そのときは彼によろしく』(2007年)『真夏のオリオン』(2009年)と、同一作品に仲良く名前を連ねることの多い北川さんと黄川田くんだが、実質的に「共演」と言えるのは『Dear Friends』ぐらいで、後は同じ画面に映る機会すら多くない。この実写版セーラームーンでも、レイと元基がそろって同じシーンに出てくるケースはきわめてマレである。このAct.7以降でいえば、せいぜいAct.26のBパート冒頭で、クラウンを出て行くレイのカットがあるくらい、それだって、レイと元基は、お互いに対して、みごとなくらい関心を持っていない。このあたりの問題をめぐる詳細は、3年前に書いた私の記事と皆様のコメントをご参照ください(ここ)。

そしてもうひとつのポイントは、言うまでもなく元基の亀仲間、高井くんの登場である。
郄井君を演じているのは三嶋啓介。三嶋啓介といえば、1999年から2000年にかけて放送された東映特撮ドラマ『燃えろ‼ロボコン』のレギュラーで、ロボコンがいそうろうする栗原一家の長男、栗原オサムをつとめた彼である。ちなみに『燃えろ‼ロボコン』の後番組が『仮面ライダークウガ』で、今日にいたる平成ライダーシリーズにつながっており、だから現在ライダーや戦隊ものでよく見かける名前が『ロボコン』のスタッフ・クレジットにちらばっている。実写版セーラームーンでいうと、プロデューサーに丸山真哉、助監督に加藤弘之・鈴村展弘とかね。カメラマンは『Special Act』のいのくままさおである。このエピソードにおける三嶋啓介の起用は、たぶん丸山真哉プロデューサーによるものなのでしょうね。




しばらくお待ち下さい




*沢井美優主演の舞台『白雪姫』が初日を迎えた。記憶が新鮮なうちにStreamKatoさんや万丈さんに『白雪姫』感想の書き込みをうながしたいと思い(事情については前回コメント欄の最後の方参照)、書きかけですが(というより書き始めですが)ここまでの未完成品で更新しておきます。ここから後は明日の晩ぐらいまでに更新します。




お待たせいたしました



2. ロボコン登場(べっち篇)


たぶんそんなに解説の必要もないんじゃないかとは思うが、『燃えろ‼ロボコン』は、は1974年から1977年まで放映された石ノ森章太郎原作の特撮ドラマ『がんばれ!! ロボコン』のリメイクである。
原作の『がんばれ!! ロボコン』という作品は、石森章太郎のデビュー作『二級天使』(1955年)を連想させる設定に、『テレビ小僧』(1959年)ばりのドタバタギャグを詰めこんだ、初期の石森作品を彷彿とさせるテイストで、わりとドライなタッチのスラップスティック・コメディだった。でもテレビドラマの方は、最後にはほろりとさせる人情喜劇が多かったですね……なんて話をしていると長くなるので、ご存じない方は、石ノ森章太郎版『オバQ』ないしは『ドラえもん』と心得ていただきたい。
「人間のために役立つこと」という課題を与えられ、ロボット学校から人間世界にやって来たロボコンが、東京郊外の大山家(リメイク版の『燃えろ‼ロボコン』では栗原家)に居候する。そして人間の役に立とうと努力する。でも、結果的には、人のためによかれと思ってしたことで周囲に迷惑ばかりかけて、ロボット学校の校長、ガンツ先生から0点の評価を受ける、というのが基本パターンである。
具体的な例をあげよう。たとえばこんな話がある(第24話「完全黙秘! オイラ泥棒」1999年7月11日OA、脚本:藤井邦夫/監督:ヒデ・I=石井秀範)。


(と、わざとらしい導入。本日はここから先、脱線させていただく。話はセーラームーンに戻ってこない。だからDVDレビューの番外編といたしました。)


ある日、ロボコンが栗原家のお家をお掃除していると、お出かけ直前のママ(ピンクレディーのミーちゃん)が「どうしよう」と騒いでいる。今月の電気代が未払いであることを忘れていたのだ。そこでロボコンは、ママの代わりに2万円を払いに出かける。
電気代が銀行引き落としにすらなってなくて、直接払いに行かなくてはいけないという、しかしその役目を人間ではなくてロボットが代行するという、もうローテクなんだがハイテクなんだか分からない設定であるが、ともかく2万円を手に歩いていたロボコンは、公園のベンチで泣きじゃくっている少女(河辺千恵子)とばったり出会う。


ロボコン「どうしたの?」
少女「わたし、わたし、大事なお金、落としたの」
ロボコン「えっ!そりゃ大変だ。いくら落としたの?」
少女「2万円」
ロボコン「2万円も!?」
少女「うん。クラスの友達が転校することになって、私、みんなで出し合った2万円で、想い出の記念品、買いに行くとこだったの……」
ロボコン「そんな大事なお金を落としちゃったなんて、可哀想に……よし、このロボコンが一緒に探してあげるよ」
少女「ありがとうロボコン……私の名前、ヨーコ!」

で、ヨーコが歩いてきた道をたどりながらお金を探すんだけど、見つからない。「どうしよう。もうじき友達、駅から出発しちゃう。みんなの想い出の記念品、買ってあげられない」と再び泣き出すヨーコ。ロボコンは決意する

  
ロボコン「ヨーコちゃん!このお金で、早く想い出の記念品、買いに行くんだ」
ヨーコ「ロボコン!」
ロボコン「ちょうど2万円あるから」
ヨーコ「そんな……」
ロボコン「いいからいいから……ほら、さあ」
  
ヨーコ「……じゃあロボコン、約束してくれる?」
ロボコン「約束?」
ヨーコ「もしみんなのお金をなくしてしまったことがばれたら、わたし仲間はずれにされちゃうの。だから誰にも言わないって約束して」
ロボコン「分かった。おいらゴキブリに襲われたって約束は絶対に守るって約束するよ。だから……」
ヨーコ「……じゃあ、ありがとう、ロボコン」
  

が、しかし、背景からするとロケ地は横浜らしい。ハマのヨーコである。港のヨーコヨコハマヨコスカである。こりゃもうカタギの娘ではない。非行少女ヨーコである。緑魔子である。大原麗子である。
なんだか分からなくなってきたが、要するにこのヨーコ、実は遊ぶ金ほしさに一芝居打ったのだ。ヨーコはそのお金で、仲良しのユカとアイスクリームショップへ。

  
ヨーコ「おまたせー。はい、どうぞ」
ユカ「ありがとう。悪いねヨーコ、おごってもらっちゃってさ」
ヨーコ「気にしない気にしない。どうせ馬鹿なロボコンを騙して巻きあげたお金なんだから。さっ行こ」

一方のロボコンはさんざんである。家に帰ったら、もうすでに電気が止められていて(笑)栗原一家から大ブーイング。ママから「とにかく2万円返して」と言われても返せないし、「何に使ったの」と言われても、「誰にも言わない」というヨーコちゃんとの約束があるからしゃべれない。「泥棒するようなロボットはウチに置いておけない」とパパ(渡辺いっけい)にも見放されて、とうとう栗原家を追い出される。

でもロボコンの潔白を信じる栗原家の末っ子、ジュンとロボット仲間のロボビン(カタツムリ型宅急便配達ロボット)がいろいろ調べて、ゲームセンターで遊んでいるヨーコのところまで行き着く。


ヨーコ「ロボコン?」
ジュン「うん。昨日なにがあったのか教えて欲しいんだ」
ヨーコ「知らないよロボコンなんて」
ロボビン「え、ウソです。君は昨日2万円落として、ロボコンと一緒に探していたはずです」
ジュン「2万円!」
ヨーコ「ばーか。私はお金を落とすようなドジじゃないよ」
ロボビン「え、ドジとかそういうことじゃ……だって……」
ヨーコ「うるさいんだよ、このがらくたロボット!ロボコンもアンタも、間抜けでドジなロボットだよ」

やはりミナトのヨーコである。ロボットを突き飛ばし、逃げ出すヨーコだが、ジュンはなおも後を追い、「お姉ちゃん、ロボコンからお金、もらったんだろ」と食い下がる。と、なにやらガシャガシャとロボットが言い争う音が。
思わず何ごとかと、物陰から様子をうかがうジュンとヨーコ。なんとロボコンが、ロボット学校の仲間からボコボコのリンチにされているのだ。

ロボボス「バカヤロー」
ロボコン「うわー」
ロボボス「ロボコン、オレさまたちはな、お前のせいで、仕事をクビになっちまったんだぞ!」

ロボコンのせいで「ロボットはお金を盗む」っていうウワサが町中に広まって、みんな職場にいられなくなってしまったのだ。なおもロボコンを殴ろうとする乱暴者のロボボス。が、そこへ真相を知ったロボビンが「スト〜ップ!」割って入る。
さてダラダラとあらすじ紹介をしてきたが、ここから先が見所だ。河辺千恵子の表情がすばらしい。この翌年からセーラームーンミュージカルの5代目水野亜美/セーラーマーキュリーに抜擢され、私たちを魅了した天性の才能が輝いている。

  
ロボビン「ストップ〜。分かった。やっと分かったよ」
ロボボス「あん?」
ロボビン「ロボコンは、ヨーコって女の子に騙されて、ママさんのお金を巻きあげられたんだ」
  
ロボコン「なんてこと言うんだロボビン。おいら騙されてなんかいない。ヨーコちゃんは悪い子じゃないよ」
ロボビン「ロボコン。ヨーコっていう子はね、君から巻きあげたお金で、ゲームセンターでばんばん遊んでたよ」
  
ロボコン「えっ……ウソだ。そんなのウソだ。ヨーコちゃんは良い子だ」
  
ロボビン「あの子はね、ロボコンのことを、ドジでマヌケって言ったんだ」
  
ロボコン「違う。デタラメだ。みんな、おいらを信じて、信じてよ」
ロボデジ「信じて欲しかったら、事情をみんな話すんです」
ロボコン「でも……おいら約束したんだ…」
  
ロボデジ「約束?誰と何を約束したんです」
ロボコン「それは……」
ロボビン「ロボコン!」
  
ロボデジ「ロボコン。どうしても言わないなら、僕たちはガンツ先生に、君の解体を進言するしかありませんね」
ロボコン「解体!」
ヨーコ「待って!」
  
ヨーコ「ロボコンは悪くないよ。わたしとの約束を守ってだまっているだけなのよ。悪いのはわたしなのよ」
  
ロボコン「ヨーコちゃん……」
ヨーコ「ごめんねロボコン、わたし遊ぶお金が欲しくてロボコンのこと騙していたのよ。想い出の記念品を買うなんてウソついて、お金を……」
  
ヨーコ「だから、もう約束なんか守らなくていいのよ。ごめんなさい。ごめんなさい」
ロボコン「ヨーコちゃん、やっぱり君は良い子だよ」
  

クライマックスに向かって、千恵子さんの全身からぐいぐいと「私を見て光線」が出ているの、お分かりいただけますでしょうか。


結論と採点。

ママさんのお金を勝手に使い、ロボットたちの信用を落とした。マイナス100点。
約束を守り抜いて、ヨーコちゃんを良い子にした。プラス100点。差し引き0点。

3. 高井君のトラウマ(プロローグ)


さて私は何をやっているのか、ということであるが、だいぶ前から、古幡元基のカメ仲間の高井君=三嶋啓介が、ロボコンで栗原オサムを演じていた頃の画像を探していたんだけど、これが思うように見つからなかったんだよね。ロボコン自体のソフトも出回っていないし。
しかし昨年の秋、リメイク版ではなく、オリジナルの方の『がんばれ!!ロボコン』がまとめてDVD化された際、1999年に製作された『燃えろ!! ロボコンVSがんばれ!! ロボコン』というオリジナルビデオがDVDになったのです。これは初代とリメイク版が(パラレルワールドという設定で)共演する作品であった。
で、私はこれを手に入れたんだが、カメ仲間の高井君ことオサムこと三嶋啓介は、タイトル以外では2カットしか出演していなくて、ほとんど使いものにならない。しかたがないので、ロボコンのキャストの中でも目玉と言える、美少女アンドロイドのロビーナ(加藤夏希)の画像をキャプチャしたわけだ。ロビーナはナースみたいで天使みたいでもあるコスプレをしているが、男女の仲をくっつけるキューピットロボットなんだってさ。
で『燃えろ!! ロボコンVSがんばれ!! ロボコン』では、このロビーナが異次元からの侵略者にとらわれ、手錠をかけられる。

しかも縛られる。
しかも手ごめにされかかる。ウソだが。
しかも初代ロビンの島田歌穂との夢のツーショットまである。
まあ高井君の画像はなかったけど、せっかく購入したDVDだ。この辺を紹介しようと思っていたわけだね。
が、しかし、ロボコンに河辺千恵子が出演していることを知ったKyoroさんの執念の調査によって、『燃えろ!! ロボコン』の全話が東映BBからストリーム配信されていることが明らかになった。そしてKyoroさんは、コメント欄を通じて私にそのキャプチャを依頼してきたのである。
なぜ自分で視聴しない、という疑問もあるが、なにしろ相手は(頼みもしないのに)このブログのためにわざわざ2010年度版『スター名鑑』を購入し、あれこれと情報を提供してくださるKyoroさんである。こういう機会に恩返しをするのが、渡世の義理というものであろう。
ということで、ブログがますます重たくなることを覚悟のうえで、べっち画像満載の特別編をお送りした。
で、肝心の高井君についても、ロボコンを観ていてちょっと考えるところがあったんだが、その話は次回にということで勘弁して下さい。ではまた。