実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第254回】DVD第2巻:Act. 7の巻(その0)


前回のコメント欄で、こっちよ!さんから、オカモトマヨさんの上海万博ソングの話題を振られたときに、つい真っ先に思い浮かべたこと。以前ビリー・バンバンが歌っていて、最近は坂本冬美がカバーしている、「いいちこ」という焼酎のCMソングを聴いていると、ついキング・クリムゾンの名曲「ムーンチャイルド」(1969年)を口ずさんでしまう。そして、ヴィンセント・ギャロの映画『バッファロー66』(1998年)で、この曲をBGMに、妙にぷよぷよしたクリスティーナ・リッチがタップダンスを踊っていた姿を思い出す。そうするとだんだん、坂本冬美が着物姿でタップダンスを踊っているような錯覚におちいるから不思議だ。そんなことを妄想するのは私だけか?




さて今回は、実写版セーラームーンAct.7レビューを開始するにあたって、思いつくままに関連資料を並べて連休の余興にしたいと思う。でも最近では、検索ワード「北川景子」でここに来られる方が圧倒的に多いので、最初にあまり関連のない北川さんネタをちょっと出しておきます。

1. On Being Famous(有名人であることについて)

  
女優とかモデル業をやっているからには、周囲の視線を浴びることへの願望も覚悟も、人並み以上にあるはずだし、商売上、顔が売れるのは大切だ。雑誌のカバー写真やテレビ番組への出演依頼がひきもきらずという状況は喜ぶべきなのだろう。
ただ北川景子の場合、あくまでも「演技している時の私を見て」であって、プライベートな時まで注目を浴びたいわけではない(断言)。だからあまり売れすぎると、かえって精神的なバランスを崩しかねない危うさがある。この人の場合、すべてが(演技力と同じように)ゆっくりゆっくり上昇する展開がベストなので、今の変化は急激すぎる。昔からのファンとしては、そこが心配なポイントだ。私は最近、書店やコンビニの雑誌の棚で北川さんの笑顔を見るたびに、嬉しい反面、ちょっとだけ辛い気持ちになる。まあ余計なお世話ですね。

忙しいことはとても嬉しいけれど、
最近は色々な現場に行って、色々な人に会いすぎている気疲れと
アウトプットばかりで自分がからっぽな感じでした。
忙しいうちに私が小さい頃から知っている
本当の北川景子という人はどこかに隠れてしまって
出る側の人間としての北川景子が自分を占拠し始めていたような感覚で
そのうち乗っ取られてしまうような、漠然とした不安が渦巻いていました。
「このままでは良くない!私が私でなくなってしまう」と思い
今週は久しぶりに時間をやりくりして友達と食事をしました。
思えば連ドラに入って以来、仕事以外の人に会うのは初でした。
ラフな服装で、人目を気にする事もなく
普通の友達と仕事では無い話をして
久しぶりに何も考えずに大笑いをして
そうだ、これが私だったと思い出しました。
(「Keiko’s Blog」2010年04月24日「way it goes」)

変に舞い上がったりしていない分、今はけっこうきついでしょうが、次の小康状態が来るまでマイペースを崩さず、いまの喧噪をがんばってくぐり抜けてください。子どものころから芸能活動をしていた安座間美優のように、できるだけ自然体でやっていきたいな、と思っていらっしゃるかもしれないが、安座間さんのアレは、ある意味で天性の才能であって、努力すれば身につけられるものではないところがつらいニャン。

2. タキシード仮面誕生秘話


さて、前回の最後に、こっちよ!さんの労作を紹介させていただいた。Act.10で妖魔が歌う「プリンセスへのレクイエム」の譜面と音源だ。
「プリンセスへのレクイエム」攻撃のせいで、エリカちゃんは高熱にうなされ、オレナ・シュペレヴァ演ずるエストア国の王城は昏倒して、マーズを始めとする戦士たちも「♪」攻撃の前にバタバタと倒れる。
仲間の戦士も戦闘不能となり、狼狽するセーラームーンを、ルナが励ます。


ルナ「セーラームーン、スティックに力をこめて!」
セーラムーン「えっ?」
ルナ「早く!みんなを助けたいって思いを込めるの」
セーラームーン「うん……お願い。みんなを助けて!」

そういうわけで、セーラームーンはムーンスティックから発する光で妖魔を倒す。その光はさらに周囲に降り注ぎ、倒れていた仲間の戦士たちは息をふきかえす。

左の画像は最初、安座間さんの気持ちを思って使わないつもりだったけど、StreamKatoさんがまた何かコメント欄で言いそうな気がしたので、あらかじめ出しておくことにした。安座間美優は背が高くて足が長いから、どうしてもアングル的に見えやすいんだよ。放送当時はパ●チラ要員とか言われていたよ、まったく。

それはともかく、セーラームーンのスティックから放たれた癒しの光は、倒れていた戦士たちの息を呼びさまし、エリカちゃんや、その他さまざまな被害者たちも元気を取り戻す。
もてる力をふりしぼって人々を救い、安堵についへたり込むセーラームーン。意識を取り戻して駆け寄る戦士たち。右の画像は最初、安座間さんの気持ちを思って使わないつもりだったけど、StreamKatoさんが(以下略)。
ええと、とにかく実写版では、この件はここでひとまず終わるのだが、原作は違う。原作では、力を使い果たしたセーラームーンはその場にぐったりと倒れこむ。でもそんな彼女をがっしり支える力強い腕が。もちろんタキシード仮面である。
原作のこの場面には、仲間の戦士たちは居合わせない。だからタキシード仮面は気を失ったうさぎを抱きかかえ、そのまま自分のマンションまで運ぶ。やがて意識をとりもどすうさぎ。

なんとあの憎いあんちくしょう、地場衛の部屋じゃないの、なんて驚きながらふと見ると、かたわらのソファには見覚えのあるタキシードとマスクが。
えーっまさか!でもそう言われれば……
いや〜なんかさあ、このシーン、私ってば何度読んでもどきどきしちゃうんだよね。いい年してバカな話だが。
というように、原作漫画はここでいきなり、実写版のAct.10からAct.24へと急激に展開する。
アニメ版では、うさぎも衛も第34話「光り輝く銀水晶!月のプリンセス登場」で初めてお互いがセーラームーンであり、タキシード仮面であることを知るのだが、原作では、衛の方が早い段階で、うさぎの正体を知ってしまう。実写版のAct.7の後半で、衛が遊園地の「鏡の間」でうさぎの変身を目撃するのは、この設定を踏襲している。
ただ、原作の衛が、わりとあっさり自分からうさぎに正体を明かして、すぐにラブラブの関係になるのに対して、実写版の場合、婚約者の陽菜というオリジナルのハードルを設けてあるので、そうすんなりとは行かない。うさぎへの想いと陽菜への義務感との葛藤で、自分からは正体を明かせないわけね。
ちなみに、衛がタキシード仮面になった経緯を原作に沿ってダイジェストすると、どうなるか。実写版では詳しく語られていなかったので紹介してみたい。
アニメの劇場版『セーラームーンR』では、この設定をベースに、幼女時代のうさぎが、記憶喪失になった衛少年と偶然に出会い、その心を癒す、というエピソードが追加されている。もちろん、うさぎも衛も、少なくとも表面上はそんなことすっかり忘れているのだが、クライマックスでそのシーンが再現される。これはちょっと感動したなあ。
すまん、また話が脇道にそれたよ。……いや、私自身、すでにどの話が本筋でどの話が脇道か分からなくなってしまっているが。

3. 漫画とアニメとそれから実写 みんなちがって みんないい


ともかく、ソファにタキシード仮面の衣装が放り出されている画から判断するかぎり、原作漫画の地場衛は、タキシード仮面に「変身」するのではなく「変装」するらしい。そして実写版Act.7でも、衛が元基(の母親)にタキシードの補修を依頼する、というかたちで、間接的にそれが「変装」であることが示される。ではアニメ版はどうか。
この問題に対する答えは、無印第19話「うさぎ感激!タキシード仮面の恋文」(1992年7月25日放送、脚本:富田祐弘/演出:吉沢孝男/作画監督:中村明/美術:大河内稔)のなかにある。ネフライトが「三條院正人」と名乗って、大阪なるに接近する話だ。
アニメ版のネフライトは、なるちゃんと恋に落ちてしまうことで有名だが、この回ではまだそこまで行っていなくて、なるこそセーラームーンの正体ではないかと疑い、ニセタキシード仮面に扮してなるを呼び出し、油断させ、襲いかかる。
なるちゃんの危機を救うために現れたうさぎ、即座にムーン・プリズムパワー・メイク・アップ……と、まあそこまではいい。問題はその直後だ。うさぎが変身するやいなや、町を歩いていた地場衛は、本屋の前で突然、頭をかかえてうずくまる。

衛「ま、またか、頭がッ」

それで、あっという間に変身する。要するに、うさぎが変身すると、ところかまわず、それと同時に衛も強制的に変身して(変身させられて)しまうことになっているようだ。これならまあ、セーラームーンのピンチに必ずタキシード仮面が駆けつける理由も説明はつくが、かなり難儀な話ではある。ついでだから実写版のDVD『ACT ZERO』に入っていたオマケのミニドラマ「タキシード仮面誕生の秘密」(監督・脚本:理科の加藤先生)と比較検討してみよう。

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
当たり前の話だが、だいぶ違うね。で、変身するなりセーラームーンのところに飛んできて、ピンチを救うわけだが、その理由というか行動原理は、同じくアニメ無印第19話で、次のように説明されている。

セーラームーン「なぜいつも助けてくださるの?」
タキシード仮面「むしょうに熱き血が騒ぎ、助けたくなる」
セーラームーン「あなたは誰なの…私は誰だか想像がつくわ……あなた元基お兄さんでしょ!」

うさぎが古幡元基をタキシード仮面とカン違いするという話も、原作には出てこなかったはずで、そういう意味でAct.7のお話は、実はアニメ版から得た発想をふくらませたもの、という見方もできる。ま、原作、アニメ、ミュージカル、実写、どれをメインにするにせよ、追求していけば深いところではぜんぶつながる。いがみあってもせんないことである。
と、平和を訴えたところで、今回はこのへんで。


ところでさ、このアニメの無印第19話っていうのは、「体育館の裏でブルマ姿の亜美」とか、「風邪を引いて深紅のふとんにくるまるレイ、看病をする亜美」とか「マスクをしたまま出動するセーラーマーズ」とか、何かこう、私のフェチ心をゆさぶるような映像がいっぱい出て来るな。坂本冬美とクリスティーナ・リッチを重ねるのがむずかしい皆さんでも、これを泉里香や北川景子に置き換えて妄想するのは、そんなにむずかしいことではないと思う。頑張ってトライしてくれたまへ。

  
  
  


ふふふ。あんまりきちんと対応していませんが、カンベンしてくださいね。