実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第231回】DVD第2巻:Act. 6の巻(その17)

『あばしり一家 THE MOVIE』(今月劇場公開で来月DVD発売:笑)と『片腕マシンガール』のポスターって似てない?

1. 前回のコメント欄総括



前回のコメント欄でNakoさんが、『サラリーマン金太郎』第2シーズンについて書かれていた。去年の暮れに放送された、なんだかすごいキャスティングの『サラリーマン金太郎』(主演:タイムレッド、共演:ワカパイ・スーパージャイアンツ・金田一耕助・シルバー仮面・逃亡者おりん・仮面ライダー響鬼・セーラージュピター、ゲスト:京本政樹)は、深夜番組なのに平均視聴率12%を叩きだした。その続編が、来年の年明け早々に始まるのだが、しかしワカパイやおりんはともかく、安座間さんの役は、はっきり言って、いくらでも替えのきく「金太郎が所属する部署のOLのひとり」なんですね。この続編に出られるという保証はまったくない。公式ホームページを見ると、こう書いている。

新たに迎える「シーズン2」では、キャラクターもストーリーもさらにパワーアップ。人気のレギュラーキャストはもちろん健在ですが、永井大演じる男らしい金太郎の前には、 “史上最大の敵”など新しいキャラクターも続々と登場予定です。

我々(一部の)視聴者の認識では「人気のレギュラーキャストはもちろん」の「人気のレギュラーキャスト」には安座間さんも入っているのだが、世間は必ずしもそう考えないであろう。ひょっとして、売り出し中の若手のモデルさんに替えられちゃうんだろうか。もう気になって気になって仕方がない。先のHPには「サラリーマン金太郎2の公式HPは近日公開予定です」とあるから、その「近日」を鶴首して待ちます。


あっそれから、やはり前回のコメント欄のネタだけど、沢井さんの来年の舞台についても、改めて告知しておくね。

劇団東少夏休みファミリーミュージカル『白雪姫』
2010年7月17日(木)〜25日(日):三越劇場
演出:源 紀/脚本:北 麦生/作曲:神尾 憲一/振付:山本 教子
出演:沢井美優・進藤学・劇団東少


といっても、今のところ判明しているのは、前回コメント欄に出ていることで全部です。沢井美優さん、『眠れる森の美女』(2006年夏/2007年夏)に続いて2度目の劇団東少夏休みファミリーミュージカルである。
『眠れる森の美女』では、ヒロインのわがままプリンセスの役は陽菜(松下萌子)にゆずって「料理番の娘」というサブだが重要な役を演じていた。今回は晴れて主演の白雪姫役だそうだ。現時点では東京三越劇場公演しか公表されていないが、例によって全国巡業もありうる。たぶんある。

また、『眠れる森の美女』も初演が1965年(昭和40年)で、以来なんども繰り返された定番の舞台だが、この『白雪姫』も1972年(昭和47年)が初演だというから、けっこう歴史がある。なかでも特筆すべきは2000年夏公演で、主演の白雪姫は矢部美穂、そしてお妃は杉本彩が演じた。いわばクイン・ベリルのプロトタイプである。最後の公演は加藤夏希バージョンで、2005年(共演は正木慎也と榛名由梨。これは昨夏の『人魚姫』のキャストでしたね万丈さん)と2006年(正木慎也と中山麻理)の2年連続で行われたから、今回も2010年と2011年と、2年にわたる公演が期待される。イエーイ。
さて、その一方で、というのも何だが、私はまた12月中旬からしばらく単身ヨーロッパ方面に行かなきゃなんない(多岐川華子さんの言う、今年建国60周年で中華料理がうまい方のヨーロッパね)。それでクリスマスが過ぎるまで帰って来られないことになった。ま、私がいなくなろうが、名古屋にはikidomari青年が来た(らしい)から大丈夫だ、とは思うが、とにかくそのために、年内にやっておくべき仕事のつじつまを、いつもより半月早く会わせなきゃならなくなって、土・日は返上、みたいな感じになってきた。
つまり、またまたブログに費やす時間が削減されてしまうので、短く、内容も薄くなってしまうかも知れません、という前もっての言い訳を言ってるだけですが。じゃ本題に入りましょう。

2. 涙雨



土曜日。お昼のチャイムの音が鳴って下校する小学生たち。いつまでもタケルを待っている自分がバカみたいに思えてきたまことが、ほっとため息をつくと、すっかり暗い曇天模様の空から、ぽつりぽつりと雨が降り始め、すぐにざあざあ降りにかわる。

そこへやって来て、ずぶぬれのまことをあざ笑う三人組。ここからAパート終了までが、本エピソードにおける安座間美優のベスト演技なので、瞬きしないで観ていきたい。もうみんな忘れちゃったと思うから三人の名前を書くけど、右のヘッドフォンがマサ(高山基彦)、真ん中のリーダーがシュン(上杉祐斗/ジャニーズ時代の芸名:内澤祐豊)、左のノッポの赤メガネがクラ(奥野木純)ね。

シュン「お待たせ」
まこと「……!」
ク ラ「本気であんな手紙くると思ってたわけ?おまえ自分のキャラ分かってねんじゃね?」


あまりの仕打ちに言い返す言葉もなく、まことは用意していた手作りお菓子の袋を落としてしまう。ひどいよなあ。このサイテー男たちのサイテーな仕打ちを物陰から目撃してたのが、まだAct.6だけあってCGのルナだ。思わず「まこちゃん!」と叫ぶけど、ここまでのシーンで、ルナはまことと直接対面していない。物陰からこっそり見守っていただけだが、もう「まこちゃん」なんて、馴れ馴れしいね。
ていうか、よく考えると「うさぎちゃん」「亜美ちゃん」「レイちゃん」「美奈子ちゃん」と、みんな「名前+ちゃん」なのに、どうしてまことだけ「まこちゃん」なんだろうね。「まことちゃん」でもいいのに。グワシ。

それはともかくとして、まことが落とした袋から転がり出たお菓子を見ると、やっぱりこれ、チョコレートクッキーじゃないかな、と思います。でもひょっとして、これむき出しのまま袋にいれてたの?それはちょっとなあ。
「いや、料理上手な人は盛りつけとかラッピングとかにもこだわるはずだから、まこちゃんがそんなことをするわけないよ」という意見もあるだろうが、まことってAct.31で、カレーをじかにタッパーにいれてくるような子である。
このカレーについては、ちょっと水っぽくって美味しくなさそう、という意見もどこかのレビューサイトで見かけたが、でもこの場面の直前のシーンでは、キッチンに色々な種類のスパイスを並べているから、市販の小麦粉入りのルーとか使っていない本格的インドカレーを作っているのだ。そう考えれば、見かけはこんなもんだと思う。だからそのことはいい。でもタッパーに入れて持ち運ぶというのはどうよ。これでは色や匂いが容器に移りますよ。私だったら、容器にラップを敷いて、その上にカレーをいれますけどね。
という意味で実写版のまことは「美味しいものを作っても、ラッピングとか、そういうところまでは機転のきかない、不器用な子」ということになるかな。まこと自身はとっても美味しいんだけど、自分をラッピングするのが下手だから、誰にもお持ち帰りしていただけない、というか。
私は何を言っておるのか。先へ進みます。
以前、再放送レビューにも書いたが、ほんとうはこのあたりの展開に無理がある。それはたぶん「沢井美優たちにストリートバスケの試合をやらせる」というプランが先にあって、後付けで話を組み立てていったせいではないかと思う。
そもそもルナは、ときに本来の使命を忘れて脱線してしまう戦士たちを軌道修正する、一種のお目付役のはずである。だからタキシード仮面にどんどん惹かれていくうさぎを牽制しているのだ。そういう立場である以上、こんな場面では「ダメよ、妖魔と戦うとき以外にアイテムを使っては」と説得するのが本来の役目である。
ところがここでは、まことが本当にセーラー戦士であるかどうか確かめようと後を追っているうちに、すっかり彼女に感情移入してしまって、ことの次第をうさぎに報告してしまう。ほとんど、仕返ししてやれと焚き付けているようなものである。もっとも、三人がバスケのプレイヤーに変身する場面には居合わせないが。まあ、さすがにまずいので、どこかへ消えて知らなかった事にしたんだろうね。

3. 不良少女と呼ばれて


ルナからの電話を受けたうさぎは、「最低!なにそれ」とテーブルを叩いてクラウンを飛び出す。
駆けつけるうさぎ・亜美・レイ。駅前の噴水広場(シーバンス)は、もう雨はやんで、でもずぶぬれのまことがぽつんと座っている。


うさぎ「まこちゃん……」
まこと「私さあ、前の学校で先輩に失恋したんだ。そういうの柄じゃないって分かってんのに、あの人が先輩にちょっと似てたから……どうしてこういうことしちゃうかなぁ……」
  クッキーの袋をゴミ箱に放り込むまこと。
まこと「ほんと、似合わないっつーの」
  まこと、立ち上がってその場を去る。
うさぎ(後ろ姿に)「まこちゃん、男らしいばかり言ってごめんね。まこちゃん女の子だよ、ぜんぜん似合わなくないよ」
  こちらを振り向かないまま、うさぎに手を振るまこと。
うさぎ「亜美ちゃんレイちゃん、止めないでね、相手は妖魔じゃないけど、私……」
亜 美「止めないよ」
レ イ「私、女を騙すような男がいちばん嫌いなの」

この、最後にうさぎが仕返しを思いつく時の音楽が、後に「クンツァイトのテーマ」ともなる「ダーク・キングダム四天王のテーマ」なのは、ちょっと場違いじゃないかな(M41「不安」:『DJムーン1』トラック12「悲劇の主人公」の2曲目)。ちょっとこの場面の前後、音楽の使い方に混乱があるような気もするが、またBGMリスト作成のときに考えてみましょう。
相手が妖魔じゃないけど変身アイテムを使いたい、といううさぎに、心優しい亜美が賛同するのはともかく、レイまで積極的に同調するのは、意外と言えばちょっと意外だが、このあたりのレイのセリフの「男」は、すべて「パパ」と入れ替えて解釈するべきだろう。「私、女を騙すようなパパがいちばん嫌い」この場合の「女」はパパに捨てられたレイ自身か、あるいはパパを疑わずに死んでいったママか。

なーんてごちゃごちゃ考えているうちに、三人はさっさとヒップホップなバスケプレイヤーに変身して、不良少年たちの前に現れる。うさぎはともかく、亜美とレイは正直言って微妙だな、と私は思うが、みなさんの評価はいかがでしょうか。で、三人の美少女戦士に気づいた不良少年三人組。

ク ラ「なんだぁ」
うさぎ「あたしたちと勝負しない?」
レ イ「根性があるならね」
シュン「面白そうじゃねえか」

最初にちょっかいを出すのはノッポのクラだ。アバン・タイトルで「レッスン、レッスン〜」と歌うように言っていたのもこいつなら、雨に打たれるまことをからかうシーンで「おまえ自分のキャラ分かってねんじゃね?」と嘲笑していたのもこいつだ。憎たらしいなあ。どうもこいつが、グループの先兵というか、ある種のパシリ役らしいね。


Aパート終了


さて場面はかわって、まことが引っ越してきたマンションのエントランス。さあ次が(私の評価では)このAct.6で最も美しいシーンだ。ひとり帰宅して、昨日、タケルからの手紙を見つけた郵便受けを見つめて、たぶん心の中で再度(どうしてこういうことしちゃうかなぁ…)とつぶやいているまこと。

頬からあごに伝うひとすじの雫は、さっき雨に降られたまま拭おうともしなかった雨粒のようで、そうではない。
そのとき、ふと気配を感じて振り返れば、そこにはタケルが。幻ではないか。

タケル「君だけが来てくれなかったんだね。迎えにきた。行こう、いっしょに」

これはもう、タケルの差し出した手を取ってしまっても、まことに罪はないよ。ほんのわずかな間、彼女のはかない恋の夢は成就する。しかしこういう場面を見ていると、安座間美優の演技がヘタだなんて、とんでもない話だと思う。完璧ではないか。セリフさえなければ。
ということは、待てよ、そうだ筆談ホステスの役は、ほんとうは安座間美優がやるべきなんじゃないだろうか。



今回の記事はこのへんで終わりですが、ついでに原作からワンカットご紹介しておきたい。
武内先生の原作漫画では、まことは初対面のうさぎにクラウンに連れていかれて、いきなり古幡元基に一目惚れしてしまう。そして妖魔は、タケルではなく(そんな人物は登場しない)元基の身体を乗っ取るのだ。で、まことのマンションの近くで待ち伏せしていて、遅く帰ってきたまことが自販機で飲み物を買っているところに現れ、誘惑するのである。
しかし私は前から疑問に思っていたのだが、ここでまことは、実は缶ビールを買っているんじゃないだろうか。
その疑惑は、実写版の放送開始にあわせて2003年に出版された新装版コミックスを見て、ますます深まった。新装版のあとがきで、武内先生は初期のラフスケッチを何点か紹介されているのだが、一番最初のころの木野まことって、ロングスカートに「くわえ煙草」をしている完全な不良少女なんである。タバコですよ。初期設定がそういうことなら、ここでのまことが缶ビールとか飲んでいても、決しておかしくはない。
原作のまことは、幼い時に飛行機事故で両親を失っている。それで孤独に成長するなかで、中学生にして酒と煙草をおぼえてしまったのである。ふつうそこまでいけば男も知っているはずだが、そんなことは断じてないぞ。まことは異性に関してだけは奥手で、男には純情なのである。そうに決まっている。
ちなみに私の娘はいま中学2年生で、私こそリアルM14(娘は14歳)なんだが、うちの子はなあ、酒も煙草も男も知らないぞ(推定)。いつごろ知るのかなあ。
なんか変な話になってきたので、本当に終わります。じゃまた。