実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第224回】DVD第2巻:Act. 6の巻(その13)


  
NHK教育テレビのキッズ向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』でブレイク中の「柊まいん」こと福原遥さんが、先月末に番組の主題歌シングル「キッチンはマイステージ」をリリースした。
という話は聞いていたが、まさか初回のみジャケット別仕様・プロモDVD付きの限定盤だとは知らなかったよ。
福原さんは1998年生まれ、現在は11歳。これって明らかに、タテマエ上のメイン視聴者である「よい子のお友達」とは別なユーザー層を狙った商売じゃないの。実際、発売日の9月29日には、オリコンデイリーで堂々の10位に輝いちゃったというから、NHK、おヌシもなかなかワルよのう。教育テレビのくせに。
この件に関して、ぜひアグネス・チャンさんの見解を聞きたいところだが、まあ、着衣だからお構いなしなんだろうな。着衣ならいいのか。着衣なら何をやっても許されるのか。
なんてな。ただ、ご覧になっている方はご存じのとおり、この子は番組開始以来わずか半年の間に、ものすごい速度で成長している。美少女であることに変わりはないが、小池里奈さんが大人になりすぎたのでこっちへ引っ越してきた方々は、早くもそろそろ、次の対象を探さねばなるまい。いろいろ大変ですね。

1. 教務主任Xの献身


さて前々回のカン違いの釈明で始まった前回の記事だが、その本文でまたまた大きなカン違いをしてしまって、黒猫亭さんからご指摘いただいた。寄る年波と申しますか、脳の衰えをひしひしと感じる秋です。でも、こっちよ!さんのコメントから、本文のポカを補って余りある収穫を得たので、良しとしたい。

詳しくお知りになりたい方は、前回のコメント欄を直接ごらんいただくとして、ここではごくおおざっぱに整理しておく。
学校教育で、各年度どの科目を計何時間やらなければならないか、という基準は、文部科学省の指導要領に定められている。でもこれはいわば「最低ライン」であるから、進学校の場合、主要科目には基準時間よりも多くの時間を当てることも可能だ。一方、この基準は「週に何時間」ではなく、学年トータルの時間数であるから、たとえば一学期と二学期で違う時間割を作って、技術・家庭の時間数を調節することも可能だし、道徳や総合学習なんかは、普段はやらずに、学期末とかにぜんぶまとめて集中講義的にやる、という手も使える。十番中学の時間割の授業バランスが少々イレギュラーなのは、おそらくそういうあの手この手を使った結果なのだろう。
でも、いくらリクツの上で「やってもいい」からといって、さすがに公立校では、ここまで思い切った時間割を組んだりはしない。私立と考えた方が自然である。(:私はそう解釈したが、こっちよ!さんの本意ではなかったらしい、またまたコメント欄を参照してくれ。)また「数学・英語は基準より多く、理科は少なく、道徳と特別活動と総合はない」という特徴から判断すると、「私立大学文科系進学シフトを中学校段階から布いている中高一貫校」というイメージになる。ということはですね、この時間割、何のことはない「十番中学」のロケ地として使われた新宿の目白学園のやつを、そのまんま丸写ししているのではないか。以上がこっちよ!教務主任のお考えである。
それからもうひとつ、前回アルトゼミナールの数学の板書にも触れたが、これについても、こっちよ!さんはあっさり「問題集の丸写し」と断じておられる。そう言われてみれば、そりゃそうだ。スタッフが中学生の参考書とか問題集を買ってきて、それっぽく書き写したと考えるのがいちばん自然である。というわけで、前回の記事の後半にあげた問題点は、わりとキレイに解けた。その功績により、こっちよ!さんは本人の意志と関係なく、名古屋支部の非常勤教務主任となった。以後どんな仕事があるかは知らない。
ついでに、目白学園ってこの春から共学になって「目白研心中学校・高等学校」に改称したんだそうです。そういえば同じ学園の目白大学は、むかしアグネス・チャンが助教授をやっていた大学だぞ。今も客員教授です。

2. 引っ越しとカメラ


ところで、前回書こうと思っていた小さな疑問点が、あとふたつある。ひとつはまことの引っ越し問題。もう一つは香奈美のカメラ問題だ。

まず、まことの引っ越しの方から。オリジナルビデオ『ACT ZERO』で、まことがチラっと出演するシーンがある。ご存じですよね。
うさぎたちが、前世の月の宮殿にそっくりの建物、なるママの宝石店「ジュピター」に入っていくと、入れ替わりに近所の不動産屋「十番不動産」からまことが出てくる。どうやらアパートを借りようとして、あっさり追い払われているらしい「いくら保証人がいてもね、中学生の独り暮らしは難しいんだよ。さあ帰った帰った!」BGMは少々場違いな「ラブリーエール」。まことの歌を流すチャンスがなかったから、せめてという気持ちも分かるが、無理矢理な挿入歌である。
まあともかく、これはAct.1よりも、ちょっと以前の話だ。しかしそうすると、この時点で引っ越し先を探して十番界隈をうろうろしているってどういうことだ?Act.6でまことが十番中学に転校するまで、まだたっぷり一ヶ月はある。その間、彼女は登校もせずに、どこでどうしていたのだろう。
不動産屋に断られているのだから、まだ住居は定まっていないはずだ。前の家を引き払って、荷物はどこかに預けた状態のまま、ウィークリーマンションかなんかに住んで、不動産屋をまわって物件を探しているのであろうか。しかしいずれにせよ、転校の手続きはどうなっているのか。そしてなぜ学校に行っていないのか。

ひょっとして、実はまことは、この頃、もう十番中学に転校していたんだけど、クラスの違ううさぎが気づいてなかっただけかな、とも思った。でも、もう一度そういう目でAct.6をチェックしてみたけれど、橋の上での「そうだな…買い物とかがまだ、ちょっと」「ウソ!じゃあ案内するよ」」というやりとり、昼休みの屋上での亜美との出会い、それに、まだ段ボール箱が積んだままの部屋など、いろいろな点から見て、やはりAct.6の時点で転校(=引っ越し)して来たばかり、と見なした方が自然なんである。
まあしかし、そもそも『ACT ZERO』は意図的に番外編として作られている。Act.1につながる伏線もいろいろ貼ってある一方、矛盾も、たぶんわざと生じるようにしてあると思うから、私もとことん整合性を求めようとは思っていないので、この問題はこのくらいにしておく。



もうひとつの問題は香奈美のカメラ。これについては前々回の最後に「Act.6で香奈美が持っているカメラがどういう機種であるかについて、詳しいところをご存じの方は、ぜひコメント欄にご一報お願いします」と呼びかけてみが、反応はなかった。まあキャプチャ画像をつけられなかったのだから仕方ない。香奈美のカメラがアップで写っている場面がなかったのだ。

ともかく、これって女子中学生が気軽に持ち歩くには本格的すぎるカメラのようにも見えるが、どうなんだろうか。それに、冒頭に出てくるファインダー越しの映像の、スプリットプリズムの感じなどからすると、フィルムカメラだと思うんだけれど、それで正しいかどうかも分からない。さらに、フィルムカメラだとすると、もはやデジカメ主流の今だったら時代遅れな感じがするが、このAct.6がオンエアされた2003年の10月の時点でも、そういうニュアンスで理解していいのか、それも分からない。
「カメラ情報センター」のホームページにある、「カメラ市場動向分析」という記事によると、2003年3月時点で、フィルムカメラの国内全世帯普及率は下がってきたといえども75.8%、かたやデジタルカメラの普及率は急速に伸びたとはいえ35.5%である。しかし2006年に入ると、ニコンがフィルムカメラ事業の大幅縮小を発表し、コニカミノルタがカメラ事業とフォト事業から撤退している。そのあたりで、デジカメはフィルムに取って代わってカメラの主役となった。そのくらいまでは分かるんだけどね。あとがさっぱり。
ともかく、中学生くらいの男子にカメラ小僧がいてもおかしくないように、カメラ少女がいてもおかしくない。まして十番中学は、一等地にでっかい店をもつジュエリーデザイナーの娘のなるちゃん、高級マンションに住む医者の娘の亜美ちゃん、都心で一軒家に住むジャーナリストの娘うさぎ(お母さんは専業主婦)と、けっこう裕福な家庭の子弟ばっかりである。香奈美や桃子の家庭だってなかなかの水準に違いない。高級カメラを買ってもっていたとしても不思議ではないのだ。
ただ、私がふと思ったのは、ひょっとして香奈美って、家はカメラ屋か写真館か何かをやっているんじゃないか、ということだ。パパの影響で幼い頃からカメラに馴染んでいた、とか。香奈美のもっている機種が、それなりに専門的だったり、特殊だったりすれば、そういう仮説を立ててもいいかなと思ったんだよね。まあしかし、これにもこだわりません。

3. 自然は天然に通ず



桜田先生がなる・香奈美・桃子から取り上げたタケルの写真。その背後には、なぜか切なげな表情のまことの姿が。
(まこちゃん?……あっ、もしかしてまこちゃん!)ぴーんと来たうさぎは、放課後、昨日のように校庭の片隅の木を見上げていたまことを捕まえて、問いただす。


まこと「あたしが、あの高校生を?ありえないって」
うさぎ「でも、まこちゃんがあのタケルって人を見ている顔、せつなそうだったよ
まこと「えっ……」
うさぎ「隠さないでよ、私、そういうのには鋭いっていうか、まあ相手は違うけど同じ立場っていうか……だから、協力できることがあったら……」
まこと「違うって!」
   (まこと、思わず踏み出してうさぎに背を向け、視線が合わないようにする)
まこと「いや、バスケに興味があるだけだよ。ほら、あたしがそういうタイプに見える?」
   (風の音・梢のざわめき・木漏れ陽の光)
うさぎ「……それは、まこちゃんは男らしいけど……」
まこと「でしょ。私に恋愛なんて似合わないって」(去って行く)
うさぎ「……違うかなあ……あ、待って」

知り合いになって間もない友人の恋愛感情にまで首を突っ込むなんて、天真爛漫にも程がある。ほんの一週間前、そういう性格のせいで亜美を傷つけてしまったばかりなのに、その教訓にまったく学んでいないなあ、うさぎ。
これで安座間さんまで情感せまる芝居をしていたら、うさぎの無神経さはいっそう際だったことだろう。だからこの場は、感情移入の薄いハードボイルド演技で正解なのだ。それに、普段がクールだからこそ、いきなりうさぎに図星を指されて「えっ」と絶句するところなんかの可愛さが引き立つ。えらいぞみゅうみゅう。
せっかくの機会だから、ここでもっと誉めておこう。安座間さんのハードボイルド演技は、彼女のモットーである「自然体」を実践した結果である。あのガチガチに硬い芝居のどこが自然体だよ、と怒らずまあ聞いてください。
安座間美優という人は、演技をするときも、できるだけ自然体でありたい、あまり大げさな芝居はしたくない、と思っている(推定)。普段の自分と思いっきり違った役に挑むことを望んではいないし、北川景子のような号泣もしない。ウソをつくのが俳優の仕事だが、この人はウソがつけない。最終的に女優ではなくモデルを本業と定めたのもそのためだ。モデルとしても「やっぱモデルさんって違うわ〜」とため息をつかれる超絶的な存在ではなく、同世代のファッション・リーダーというか、そういうものを目指しているのだろう。あくまで等身大の女の子として演じ、着こなしたいのだと思う。
そんな彼女にとって、木野まことは十分に非現実的なキャラクターだったはずだ。スポーツ万能で力持ち。考えるよりも語るよりも先に行動するタイプ。常にボーイッシュなファッションでスカートは履かない。でも乙女チックで料理上手。そして変身すればセーラージュピターとなり、カミナリを操って妖魔と戦うのである。本来の安座間美優と共通点が多いようにはとても思えない。どうすればそんな役を演じることができるだろう。オーディションには受かったものの、喜ぶよりは途方に暮れちゃったのではないだろうか。
しかしそれでも自分の「自然体」という基本方針を曲げずに、無理をしなかったのが安座間さんの大物なところだ。いや、無理を「しなかった」のではなく「できなかった」だけかも知れないが、ともかく、故意に芝居を作ったりせず、感情移入できないところは、できないままでスルーしちゃったのだ。自分に正直である。おかげでAct.6では大部分のセリフに抑揚がなくなっちゃったけど、内心が垣間見えないミステリアスな少女としてのたたずまいは、北川景子の火野レイ以上である。

そしてその分、ごくわずかな自然体で演じているパートの魅力がぐっと引き立つ結果にもなった。吉祥寺の買い物の場面なんかでは、作り物ではない本物の笑顔が見られる。全体に表情が乏しいので、そういうところがまた光るのである。これって、誉めてるよね私。
まあともかく、そんなふうにして、みゅうみゅうは回を重ねながら少しずつ木野まことの中に入っていった。次第にセリフ回しや表情に、決して大仰ではない、独特の感情の起伏がついていって、気がついた頃には安座間流のセーラージュピターが完成していた。最初から無理にキャラクターを作り込んでいたら、どこかにひずみが出て、こうは魅力的になっていなかったでしょうね。
それから5年たった今、安座間美優はもはや、自然体の極意をつかんだかのように、抵抗なく何でもやってみせてくれる。土曜の早朝、ズームインサタデーの彼女は、お天気キャスターだろうが桂三枝のモノマネだろうが王貞治の一本足打法だろうが特命係長レポだろうが、自分のスタンスをまったく崩さず、さらりと自然体でやってのける。すごいなあ。私は、自然体がきわまれば天然にいたる、という真理を安座間美優から学んだ。

4. 台風一過、ファイルも消えた


以上、本日の記事(のオリジナル)は、先日の台風通過中、名古屋の鉄道が二本も運休になって、だれもいなくてガラーンとしている職場で、ほとんど留守番の状態で過ごしながら、一気に書いた。夕方近くなってようやく、ぼちぼち人が現れてきたので、そこまで書いた分を自宅に転送した。つもりだったが、帰宅したら、なぜかそのファイルが届いていなかった。職場のパソコンからは、すでに証拠は残らず消してある。泣いたよ。で、もう一度、思い出しながら書き直したけど、元の記事の方がもっと手短に、すごく良く書けていたように思う。でもそれは錯覚かも知れない。逃した魚は大きい。

というわけで、消えてしまった元ファイルでは、もう少し先まで話が進んでいて、本当はすでに、こんなものまで作ってあるのだが、今回はここまでとしておきます。来週は仕事の方が秋のピーク期で、週末も予定がびっしり、あまり多くは書けないと思いますがごかんべん。


最後に付け加えておく。実際のところ、安座間美優の自然体って、どの程度まで本当に自然体なんだろうか(変な言い方)。いや、別に私は、安座間さんがウソをついているとは思わない。実際に生でトークを聞いた感じでも、彼女は本当に自然体に見える(詳しくは『M14の追憶』2008年5月6日の記事や、その前後をご参照ください)。
でもね、もちろん生まれついての素材の良さということはあるだろうが、あの体型や、あの美しく長い脚が「いつも笑顔で、水を沢山飲んで、足マクラをして、半身浴をして、食事は腹八分目で……」という程度のメインテナンスで保てるものなのだろうか。
そもそも彼女は、アクターズスクールで小学生4年のころから歌やダンスに明け暮れていたのである。B.B.WABESの中でも、又吉舞やティアラと三人娘的に売り出された時期もあった。早くから普通の子ではないのだ。我々だったら「厳しいレッスンだなあ」と思うような毎日を、彼女は自然な日常として受け入れて育ってきたのかもしれない。
安座間美優の「自然体」は、我々の「自然体」とは根本的な次元が違うのかも知れない。今回の日記を書きながら、繰り返しそんなことを考えたりもした。しかし、実はほんとうに天然、いや自然体なのかな、という気もするし、よく分からないや。やっぱり安座間美優はミステリアスである。



【10月11日付記】10月11日は泉里香さんの公式誕生日だった(公式って?)。
MC-K3さんのブログを読むまで失念していたよ。……ガシュン……
すみません。そしてお誕生日おめでとうございます。21歳ですか。




【さらにおまけ】
この際だ。もうちょっと追加しておくか。
連休の秋の夜、和物でしっとりと情熱的にお楽しみいただければ幸いです。







【おまけの追加】
ああっ、もうみんなうるさいんだからっ(コメント欄参照)


じゃあ、またね。