実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第222回】DVD第2巻:Act. 6の巻(その11)



先日、タモリが司会をつとめている音楽番組で「あなたとアーティストが選んだ新国民的名曲BEST100」というスペシャル企画があった。第4位にDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」が選ばれていた。演奏の映像はドリカムがまだ三人組だったころのものだったが、キーボードの西川隆宏は画面に映らないように編集されていた。西川隆宏は二度、覚醒剤取締法違反で逮捕されているが、それはいずれも脱退後の話で、バンド在籍時は大きな問題を起こしてはいなかったはずだ。でも彼の姿はカットされていた。
その次の第3位が尾崎豊の「I LOVE YOU」だった。尾崎豊はばっちり画面に映って歌っていた。彼は1992年に20代半ばでこの世を去ってしまったが、死因は致死量の2倍以上の覚醒剤服用による急性中毒だったはずだ。1987年にも覚醒剤を使用して逮捕されている。判決の日にはファンが東京拘置所に集まって彼の歌を歌ったとか、そんな心温まる話もあったよね。とにかく、覚醒剤の逮捕歴があるうえにオーバードースで死んじゃった人の歌が、このご時世に堂々と国民的名曲のベストスリーに認定されていた。
それを見ながら私の脳裏には様々な疑問が浮かんだわけだが……………まあいいや(いいのか)。

1. 地場衛年齢問題に重要証言(が、謎はますます深まる)



さて、まずは重要な報告。といっても、セーラームーンリングに参加しているお仲間のネタなので、ご存じの方も多いでしょうが。
今年の2月に、地場衛の年齢問題について議論した(ここ)。撮影台本の冒頭に掲載された登場人物一覧によれば、衛は、Final Actにいたるまでずっと「17歳」という設定である。しかし、たとえばロンドンの大学に留学するとか、ため口をきいている友人の古幡元基が自動車を運転していることとか、様々な状況を考え合わせると、実際には大学生(18歳以上)と考えたほうがいいんじゃないか、というような結論であった。コメント欄でもいろんな方々が意見をお寄せくださったが、だいたいそんなセンであったと思う。
さて、去る8月3日に、東京駅1番街で、渋江譲二と山本匠馬の握手会があった。『俺たちは天使だ』がらみのイベントである。で、ウチの関係からは(ウチって?)ひろみんみんむしさんが岩手県よりやってきて参加されたわけね。そして地場衛の年齢問題を、本人に訊ねてみたんだそうだ。すごいことやるな。
その結果はどうであったか?まだご覧になっていない方はここをお読みください。ダイレクトに質問したみんむし(略称)も立派だが、ちゃんと答えた渋江譲二も偉い。しかも答えの中身がまたすごい。要約すれば、以下の3点に絞れる。

* 一応、高校3年生。
* でも学校には行っていなかった。
* 後半はもう設定とか関係なくなっていた。

て、どんなんだよ。でも他ならぬ本人が言っているんだし、これで納得するしかなかろう。みんむしさん、ありがとう。

2. 名古屋景子状況に異変が?


それから、前回の続報。
読売ジャイアンツのリーグ優勝、原監督の胴上げを直接対決で許してしまい、紙面も湿りがちな中日新聞ではありますが、ここに朗報が飛び込んだ。9月25日の朝刊テレビ欄より。

さすがは東海の底力。『任侠ヘルパー』最終回を越えて『ブザー・ビート』19.0%である。前回ご紹介したように、関東地区調べの最終回視聴率は13.8%。はっきりと違いますね。
言うまでもなく視聴率不振となればバッシングが起こる。北川さんを守るためには視聴率をあげなきゃいかん。分かっておるのか関東の人々は。

そもそも名古屋支部はすごいのだ。実写版セーラームーンだって、東海地区の平均視聴率は6.3%で、Act.40などは最高視聴率10.6%を叩き出した。対して関東地区はどうか。平均視聴率が3.5%、最高視聴率を取ったAct.23ですら5.1%と、我々の平均視聴率に及ばない。ダメだな関東は。関西については、あまり詳しいことは分からないが、平均視聴率はやっぱり関東と同じ3.5%であったという。まったくもう。
しかしこうなってくるとあれだな、「景子といえば竹下景子」(©カシオペアさん)の名古屋にも、いよいよアナザー景子の波が押し寄せてきたと考えるべきであろうか。
って、なんか昨年の春も同じようなことを言っていた。名古屋の繁華街、栄のど真ん中に巨大な北川景子の看板が登場したときだ。しかしあれはイマイチ盛り上がらないまま終わってしまった。でも今度はホントに来たかも。

いやいや、まだ予断は許さない。東海地区の方なら、近鉄の観光ポスターをご存じの方も多いだろう。三重県鳥羽の水族館で、竹下景子さんがセイウチを抱いて「おヒゲが茹でる前のスパゲティーみたい」とコメントしているショットだ。すごいぞ竹下さん、地元東海のためなら、セイウチとほっぺをスリスリできるのである。北川さんはどうだろうか。そのくらいのことが名古屋市民のためにできないと、名古屋市民は本気で支持してはくれないぞ。本気で支持されても迷惑か。
でも名古屋うんぬんは別として、北川さんなら、セイウチを頬ずりするぐらいのことはできそうだな。Act.17の撮影でも、動物アレルギーを気合いで克服して撮影に臨んだらしいし。
だったら、次は動物園で奮闘する美人飼育係を主人公にした映画なんてどうだろうか?リチャードギアの『ハチ公物語』もヒットして、動物映画は今でも客が入ることが証明されたところだしさ。当然、しばらく動物園で飼育係のトレーニングを受ける。ブログもしばらくはその報告になり「今日はコアラの出産に立ち会いました。命の重さを感じました。パパママありがとう」みたいな重い話が続く。
まあしかし、北川さんの次回作なんて、こっちが考えてやるお節介なんていらないや。そんなことより、沢井さんの次の仕事をどうすべきか、我々としてもそろそろ、本気で考えねばなるまい。特集でも組もうかなあ。
しかし竹下景子って、映画女優としてのキャリアのすべり出し方が、(1)デビュー間もなく、岡本喜八や倉本聰といった大物にかわいがられてチャンスをゲット、(2)『祭りの準備』『犬笛』『ブルー・クリスマス』など、なんかすごくアクの強い映画で、しかも事務所の秘蔵っ子のわりに胸を見せたりしている、という2点において、北川さんとも似ているね。景子って女優はそういうものなのかな(何だか大ざっぱなまとめかた)。
まただいぶ道草をくってしまったね。本題に入りましょう。

3. 妖魔の問題(ネフライト妖魔篇)


さて、DVDレビューはBパート冒頭まで進みましたね。
今日もストリートバスケで大活躍のタケル君。そのタケル君に声援を送るなる・香奈美・桃子の三人娘。その背後でひっそりタケル君をみつめるまこと。しかしタケルが一本のシュートを打った瞬間、異変が起こる。
  
ゴールに飛び込もうとするボールから不思議な赤い光が放たれ、なるたちや沢山のグルーピーの女の子、そして木陰でこっそり見ていたまことまでが、その光を浴びてしまうのである。その刹那、みんなは「?」という表情になるが、すぐに元の歓声がよみがえる。しかしこのとき、すでに全員が妖魔の術にかけられていた。まこと以外は。

勉強少女の亜美が戦士になるAct.2では、塾講師が妖魔になったので、スポーツ少女のまことが初登場するこのエピソードでは、バスケプレーヤーの少年が妖魔になる、という趣向だ。「まこと=スポーツ少女」という設定は、特にスポーツが大好きでもない安座間さんの自然体の演技によって、話が進むにつれ半ば帳消しにされたけど、この段階ではそういうふうに対応している。
また、なぜまことだけは術にかからなかったのか、という理由づけも、亜美を連想させる。亜美はたまたま、うさぎに借りた美奈子のCD『Venus』をイヤホンで聴いていたために、妖魔の催眠術を免れた。でも戦士だから、初めから術がかかりにくい体質だった、と解釈することもできるようになっていう。同様にここでも、まことがタケルの術にかからなかったのは「みんなより離れた所に立っていたせいで、光の効き目が弱かったから」とも「戦士だったから」とも取れる。このへんは、レイとのバランスを考えた結果でもあるのだろう。亜美とまことが、あまりにも鋭敏に妖魔の存在を察知してしまったら、霊感少女レイのキャラクターが立たなくなってしまいますしね。だから偶然ともとれる設定にしたのだろう。

それから、勉強少女の亜美と塾講師の妖魔、スポーツ少女のまこととバスケプレーヤーの妖魔、という対応関係も同じ。もっとも「まこと=スポーツ少女」という設定は、特にスポーツが大好きでもない安座間さんの自然体の演技によって、話が進むにつれ、半ば帳消しにされたけど。
こういうふうに考えると、やっぱりうさぎだけは、主人公だけあって、特別だね。この回のまことも、亜美も、そしてレイも、妖魔に襲われたことがきっかけで変身する。亜美の場合は手が込んでいるが、まあ結局は自らの身を守るために変身する。だけど、うさぎだけは、なるちゃんを救うために、危険な状況に自ら飛び込んでいってセーラームーンに変身するのだ。
ところで、Act.6は、妖魔が初めて男に憑依したケースであるが、これまで妖魔が女性にしか取り憑かなかったのには、何か意味があるのでしょうか。これまでどんな妖魔が出て、どんな活動をしたか、ちょっと整理してみましょう。

Act.1 ドゴラ妖魔 :(ジェダイト配下)渡辺典子に憑依してジュエリーショー会場でエナジー集め
Act.2 ハニ丸妖魔 :(ジェダイト配下)春木みさよに憑依してアルトゼミナールでエナジー集め
Act.3 プロペラ妖魔:(ジェダイト配下)火川神社で巫女の少女たちを直接拉致してエナジー集め
Act.4 サボテン妖魔:(ネフライト配下)みさきゆうに憑依して幻の銀水晶を狙う
Act.5 ポヨン妖魔 :(ネフライト配下)PGS陶芸スクールで幻の銀水晶を狙う。
Act.6 ヘビ頭妖魔 :(ジェダイト配下)タケルに憑依してファンの少女たちからエナジー集め
Act.7  納豆妖魔 :(ジェダイト配下)カメ仲間の高井君に憑依して遊園地でエナジー集め


えーと妖魔の名前は、一部このブログが勝手に命名したものもあります。
Act.7で区切ったのは、お分かりの方も多いと思うが、ここまでがいわば第1期の妖魔と呼べるからだ。この後は、Act.8ではジェダイト、Act.9ではネフライトが対戦相手となり、そしてAct.10ではついにベリルがセーラー戦士たちの前に姿を見せる。一方、これと平行してゾイサイト、クンツァイトが動き始めて、次第に妖魔の陣容も戦いの目的も変化していきます。
で、ご覧のように、ここまでのところでは、ジェダイトとネフライトで役割分担がはっきりしているので、分けて見てみよう。
まずはネフライトから。ネフライトの使命は「幻の銀水晶を探して手に入れる」ことであり、そのために送り出された妖魔はAct.4のサボテン兄弟とAct.5のポヨンの2体である。Act.4の場合は、「幻の青水晶」と呼ばれる宝石の所持者がみさきゆう(桜木財閥の令嬢)で、ふだんは秘蔵されているその宝石が、彼女の誕生日に公開されるところを狙って奪おうという話だ。だから、当の本人に憑依した状態で、青水晶が姿を現すのを待つというのはリーズナブルな行動である。

Act.5は、実はちょっと問題のあるエピソードだ。幻の銀水晶とおぼしき宝石を持ったターゲットは陶芸の先生で、PGS陶芸スクールの発表会場にいる。そこへネフライトがポヨン妖魔を連れてやって来る。ここまではAct.4の時と一緒だが、Act.4のサボテンは、すぐにみさきゆうの令嬢を見つけて憑依する。だから、このAct.5でも、ポヨンはすぐ誰か人間に憑依して、ターゲットを求めて会場内を探し回ったんじゃないかと思うんだが、そこの描写はない。
で、次に妖魔が登場するのは、亜美が悲鳴を聞きつけるシーンだ。亜美が声のする方角を見あげると、ポヨンはポヨンの状態のままでターゲットに襲いかかっている。
この間、派手でサイケデリックな格好のポヨン妖魔が、そのままの姿で会場内を歩き回ったとは考えづらいから、誰か人間に憑依してターゲットを探していたんじゃないかな。最初、私はそう思った。その場合、これは男に憑依したか、女に憑依したか厳密には分からないケースとなる。
でもこの後のセーラーマーキュリーとの戦いぶりを見てみると、このポヨン妖魔って、一種の瞬間移動能力、それも「姿を消したままターゲットに接近できる」という変な能力をもっているようなのだ。その技を使ったと考えれば、あえて人間に憑依したと考えなくとも良いことになる。以上の考察を踏まえて、このAct.5は、実際にはAct.3と同様「妖魔が人間に憑依しなかった例」であったと考えたい。

4. 妖魔の問題(ジェダイト妖魔篇)


次はジェダイト配下の妖魔である。ジェダイトは「エナジー集め」という使命をベリルから与えられている。どんな妖魔だったかもう一回確認してみよう。

Act.1 ドゴラ妖魔 : 渡辺典子に憑依してジュエリーショー会場でエナジー集め
Act.2 ハニ丸妖魔 : 春木みさよに憑依してアルトゼミナールでエナジー集め
Act.3 プロペラ妖魔: 火川神社で巫女の少女たちを直接拉致してエナジー集め
Act.6 ヘビ頭妖魔 : タケルに憑依してファンの少女たちからエナジー集め
Act.7  納豆妖魔 : カメ仲間の高井君に憑依して遊園地でエナジー集め


Act.3のプロペラ妖魔は、火川神社の境内の、人気の少ないところで巫女さんたちを待ち伏せしていたので、人間には憑依しなかった。それ以外はすべて憑依タイプで、人間の体に入って、人が集まる場所に出かけている。人間のエナジーを集めるには、その方が効果的だもんな。
でも、こうして並べてみると、どうも「人間のエナジーなら何でもいい」というわけでもないらしいことに気づかされる。たとえばAct.1、ジュエリーショー会場といえば、基本的に、客は男子ではなく女子だろう。Act.3のプロペラ妖魔は、歴代の巫女さんたちを襲った。そして今回のAct.6、ストリートバスケも、タケル目当てに女の子たちが集う場所だった。つまり女狙いなのである。
一方、Act.2の学習塾とAct.6の遊園地は、子供というか、若い人々が多く集まる場所である。これをまとめると、クイン・メタリアに捧げる人間のエナジーは、男性よりも女性、年寄りよりも若い人のモノの方が効き目がある、ということではなかろうか。ということは、若い女のエナジーなら最高のはずである。それじゃまるでドラキュラ伯爵だが、実際、Act.3でジェダイトは、火川神社の巫女経験者である女の子だけを集めながらこう言っている。

「もうすぐ集まります。聖なる少女たち七人。やつらから搾り取れるエナジーは、最良のはずです」

というわけでジェダイトは、質の高いエナジーを獲得するために、もっぱら若い人や女性たちを狙う。それで、まず妖魔を女性に憑依させて、その女性自身のエナジーを吸い取り、さらに彼女のツテを辿って、より多くの若い人や女性たちからエナジーをかき集める、という方法をとったのだろう。そのせいで最初の数話では、特に意図したわけでもないのに、女性に妖魔が憑依するケースが増えてしまった。
……んだろうね。結局、特に結論めいたものはなくなってしまったけど(オイッ)、あえて言うならそういうことになる。
さて、バスケ少年タケルを静かに、しかしずっとみつめ続けるまこと。が、そのまことの様子をこっそり覗く人影があった。例の三人組である。
  
この三人は、術にはかかっていないようだ。妖魔(タケル)の赤い光線を浴びなかったせいかな。まことに見つからないよう、ちょっと離れた場所にいたので、さほど浴びなかったのかも知れない。
でもひょっとしたら、今回の妖魔の光線は、最初から男子には効き目がなかったのかも知れませんね。


本日はこのくらいで。ところで、このAct.6で香奈美が持っているカメラがどういう機種であるかについて、詳しいところをご存じの方は、ぜひコメント欄にご一報お願いします。