実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第207回】いろいろあって今日はすまんかったの巻



前回の最後に予告したとおり、今週はもともと、神戸みゆきさんの一周忌(2008年6月18日逝去、満24歳)に絡めて何か書くつもりだった。ところが先週、電話を地元中部電力の光回線に変えたら、インターネットがつながらなくなって、その復旧作業にこの週末すっかり時間を取られてしまいました。ていうか、いまだ復旧せず。
いや中部電力コミュファの名誉のために言っておくと、工事後の無料パソコンセットアップサービスはあったんです。でも、まあ色々行き違いがあって(て言うか、私が妻に、IDとかパスワードなどの必要な情報を伝るのを忘れていたせいで)設定サービス担当のコミュファの人も、せっかく家まで来たのに何もできなくて手ぶらで帰っちゃった。まあ私自身、いままで2回プロバイダを換えたけれど、無線LAN環境もパソコンのセットアップも、いつも自分で出来たから、そんなに深刻に考えていなかったんだ。
でも今回はわからん。問題は「MacOSX 10.5でAirMacのベースステーション(TimeCapsule)から正しくPPPoE接続をするにはどうしたらいいの?」っていうことで、ネットで検索をかけると、やはりここでつまづいた人は他にもいるみたいだ。解決策もいろいろ示唆されていて、中には「TimeCapsuleのファームウェアを古いバージョンに戻す」なんていうスゴイのもあって、実は私もダウングレードした。でもだめだ。とにかくPPPoEってよく分からないや。イーサネットのPPPって意味らしいが、だいたい光回線とかで、まだPPPなんてものを使うのかよ(原理とかよく分からないままにやつあたり)。
というわけで、現在は、古いケーブルモデムを利用してネットにつないでいる。この回線も今週の金曜日には切られてしまうらしいので、それまでに解決がつかないと、来週末は更新できなくなる。
ま、そんなこんなで、生きている者たちの世界は、あいかわらずじたばた。天国の神戸ちゃんは、あの笑顔でけらけら笑っていてください。

1. みゆきさんを忘れないで



昨年の追悼記事にも書いたけど、神戸みゆきが三代目うさぎを演じたセーラームーンミュージカルは『新/変身・スーパー戦士への道 ラスト・ドラクル序曲』(2000年1月)、『決戦 トランシルバニアの森 〜新登場!ちびムーンを護る戦士達〜』(2000年8月)、『決戦 トランシルバニアの森【改訂版】 〜ダークカインの謎〜』(2001年1月)、『ラスト・ドラクル最終章 超惑星デス・バルカンの封印』(2001年3月)である。これら4作品は「ラスト・ドラクル・シリーズ」と呼ばれていて、状況設定こそ「セーラースターズ」篇をベースにしているが(みんな高校生になっているし、ちびうさがまたまた未来からやってくるところから始まるし、「スターシード」というキーワードが出てくる)お話もキャラクターも舞台オリジナルで、マンガでもアニメにもいないセーラー戦士まで出てきます(セーラールナじゃないよ)。
で、今回、最初はその作品レビューを書くつもりで、一作目「ラスト・ドラクル序曲」を改めて観たんだけど、これはレビューしづらいね。インターネット接続のことがなかったとしても、書けなかったかも知れない。
第一に長い。ビデオのランタイムが140分、つまり実写版の正味で言うとおよそ6話ぶんである。私のように、だらだらとしつこいやり方でレビューを書くと、たぶん2年ぐらいはこのネタでもつんじゃないかという長さだ。
第二にDVDがない。だから実写版と違って「興味のある人は、ためしにDVDをレンタルしてみてね」と誘えない。
セーラームーンミュージカルのビデオは、黒木マリナ時代の10周年メモリアル公演(2002年3月)からDVDがリリースされるようになった。そして2004年には初代ムーンの大山アンザ、2005年には二代目の原史奈のタイトルが、それぞれボックスセットと単品でリリースされている。が、2004年末にはセーラームーンミュージカルそのものが終了してしまう。我々には、ちょうど実写版の放送が終わって落ち込んでいたところへ、追い打ちをかけるような出来事であった。そういうわけで、DVDリリースは、2005年の春に、マリナムーン最終公演と原史奈のタイトルを発売した段階で終了し、2000年から2001年にかけての公演、つまり上に書いた神戸みゆきムーン時代の全タイトル4作品、そして黒木マリナがセーラームーンになって最初の公演「誕生!暗黒のプリンセス ブラック・レディ」(2001年8月)とその改訂版(2001年12月)の6公演は、DVD化されないまま終わってしまった。
それでも、私がこのブログを始めた3年くらい前までは、これら未DVD化作品も、VHSテープで置いているレンタル店はそこそこあった。しかし時は経ち、我が家の一番近所のTSUTAYAにいたっては、実写版のDVDすら撤去されてしまい(アニメ版は回転し続けている)2009年現在、セーラームーンミュージカルを置いているレンタル店を見いだすことは、きわめて困難になってしまった。だから神戸みゆきムーンのレビューを書くとしたら、どうせなら読んでくださる方が「そうか、そんな面白い作品が未DVD化というのはけしからん。バンダイビジュアルに投書しよう!」と決起するくらいインパクトがあるものを書こう、と妙に気負ってしまうんですよ私。そんなふうに勝手にハードルを上げて「書きにくいなあ」と思うのだ。
ちなみに、そういうわけで、神戸みゆきムーンから黒木マリナムーンにかけて水野亜美を演じたこの方が出ているDVDも、10周年メモリアル公演『愛のサンクチュアリ』しかありません。


 

2. 赤嶺さんを見直した


で、今回レビューを書こうと思って「ラスト・ドラクル序曲」(脚本・演出:斉樹潤哉)を観ていたんだけど、しかしこれすごい話だね。人間の女を愛してしまった宿命の吸血鬼ドラキュラこと、アンデッド一族の総帥ブラディ・ドラクル(望月祐多)、あたりかまわずフェロモンをばらまくセクシー吸血鬼のデス・ラミアー(小野佳寿子)、セーラーサターンの父親トモエ教授に扮して人工生命の研究に打ち込むアンデッド、ベルセルク(笠原竜司)。
吸血鬼は人間の血を吸わなくては生きていけない。だから人間がいくら疎ましくても、絶滅させてしまうわけにはいかない。でも吸血鬼が人間の養殖に成功すれば、天然物の人間など滅ぼしてもいいわけだ。そこでベルセルクは人工生命ホムンクルスの創造に没頭する。そんな彼に寄り添う妖婦ラミアー。でもラミアーが本当に愛しているのは、ドラクル伯爵だった。
試験管から創造されるホムンクルス。だがそれが本物の生命として息づくためには、セーラー戦士たちのもつエナジー、スターシードが必要なのである。……ということは、人工生命とかいいながら、結局、原材料に天然物の人間が必要ってことじゃないか、とも思うんだが、まあいいや。話は小さいお友達をおきざりに、どんどん仰々しくなっていく。


ラミアー「そなたは、アンデッドの身でいたいか?死ぬこともないこの冷血の身体……生きることの喜びも感じず死ぬことゆえの悲しみも遠い」
ドラクル「そんな問答は彼方に忘れた……」
ラミアー「忘れたふりをしているだけ。伯爵よ、この身体に、熱い血が巡ったらどうなさる?ほどよい体温、薄衣を通して伝う、生命の快感!そんな身体を手に入れることが出来る。見たはず、先ほどの少女達から伝わる命のシード。あれこそが生命としての星達のエナジー」
ドラクル「そうか……噂に聞く……あやつらがスターシードを持つ星達の戦士か……」
ラミアー「じき我らが奴らになり代わる。人間を滅ぼし、ホムンクルスだけの世界に……そこに我らは、新しい生命として君臨するのだ。伯爵よ、同じヴァンパイアとしての宿命、見事に解いてみせようぞ。お手をお貸しくだされ。あなたがその気になれば、地下墓地に眠るすべてのヴァンパイアが目を覚ます。セーラー戦士など、その血の一滴まで吸い尽くしてくれるはず」
ドラクル「人がいるから、我らがある。間違えるな!我らがあるから人がいるのではない」
ラミアー「それがヴァンパイアの総帥としてのそなたが言うべき言葉か!……まあ良い。完全無欠のホムンクルスが誕生したら、そなたの心も変わろう……人間の女を愛したヴァンパイア……哀れな。人工生命があれば人の血を吸わずとも良いのだぞ……」

ホムンクルスというのは、中世の錬金術パラケルススが創造に成功したといわれる人工生命で、聞いたことがあるという方も多いと思う。セーラー戦士の中でそのへんの知識があるのは、もちろん医学部志望の天才少女、亜美だ。しかしパラケルススによれば、作り方は、「人間の男性の精液」を蒸留器に40日間密閉するとか、そういうことになっている。亜美ちゃんにそんな説明セリフを言わせていいのか!そしてそんなセリフを、セーラームーンのコスプレをして会場に集まった小さなお友達に聞かせていいのか!どうする斉樹潤哉!


(試験管ベビーが並んだトモエ教授の研究室にて)
ウラヌス「それにしても気味が悪いな」
ヴィーナス「これが人工生物」
ネプチューン「ホムンクルス」
マーズ「クローンみたいなもの?」
マーキュリー「うん。昔のドイツの錬金術師パラケルススは、その生成方法を書いているわ。男子の種を蒸留器のなかに入れて40日間密閉しておくと、それが腐敗して動くのが見えるようになる。それに毎日人間の血を与えて養い、40週間のあいだ、馬の胎内の温度に保っておくと、ホムンクルスができるって。稚拙だけど、それに遺伝子ってキーを与えたら、まさにクローン技術ね」


だーっ。言ってるよ。マーキュリーが「男子の種」だって。男子の種。なんて、獅子座の十六日生まれで、あと二ヶ月も経てばアラフォーならぬアラフィフ(アラファイブか?)に突入しようとしているジジイがはしゃいでいいのか?
……すみません。それにしても、以前は河辺千恵子さんの可愛さばかりに魅かれて、ほかの亜美ちゃんなど眼中にもなかった私だが、千咲さんとか河辺さんの結婚とか、いくつもの河を渡ったいま、改めて鑑賞すると、赤嶺寿乃のマーキュリーもけっこうカワイイ。
この「ラスト・ドラクル序曲」は、冒頭でうさぎが不吉な夢を見る。これから先、セーラームーンに変身すると不幸が起こるいう予言があって、亜美の「さよなら、うさぎちゃん」という声が聞こえてくる。そして、実際、うさぎが変身して敵と戦うと、その直後に亜美のドイツ留学の話が決まるのだ。ドクターになる夢が叶いそうで嬉しい反面、うさぎの気持ちを思うと沈んでしまう亜美。どうしても別れが告げられない。結局うさぎは、ウラヌスからその話を聞かされることになって大ショック。そういう展開を経て、ルフトハンザ機が飛び立とうとする空港で「旅立ち」を歌う赤嶺寿乃には、ちょっとぐっときた。
大仰でゴシック仕立ての物語の随所に、こういう、いかにもセーラームーン世界らしい情感があふれる。そのへんの妙なアンバランスさ加減がこの舞台の魅力であり、そのアンバランスさの中心にいて、本人は自覚していないだろうけど、絶妙に作品の空気をコントロールしているのが神戸みゆきである。あの元気な笑顔が24歳ではじけて散ったなんて、いまでも信じられない。
ちょっと前の5月24日と5月31日の『仮面ライダーディケイド』が響鬼の世界にあてられていたので、なんかスタッフから神戸ちゃんに対するメッセージがでるかな、と微かに期待していたが、何もなかった。

 

3. 綾瀬さんも見直した


あとそれから、前回の冒頭に『ICHI』と『僕の彼女はサイボーグ』のDVDを買ったことを書いたので、後日談というか、ちょっとずつ感想を書いておく。
『僕の彼女はサイボーグ』のタイム・パラドックスについては、やはりあれこれ考えさせられた。それでもM14さんが手間ひまかけて考えてくださっているので、それを読んで頭の中を整理できたぶん、貴重な時間を無駄遣いせずにすんだ(「本編」「追記」「追記の追記」「追記の追記の追記」)。ともかく、律儀に考えればこの映画、時間を行きつ戻りつしているうちに、三つほどパラレルワールドが生じたことになる。でもたぶん監督はそういうふうには考えていないだろう。ラストの雰囲気からして、時間がやり直されるたびに、前の物語は消去され、いちばん新しい物語が上書きされて、主人公はたったひとつのハッピーエンドに辿り着いた、というニュアンスである。その場合、最後に上書きされた物語が、それだけで発端から結末まできちんと首尾一貫していれば、まあ、お話としては合格と言えるだろう。

でもこの作品の場合、新しい物語が上書きされるたびに、その発端は上書きされる前の世界で起こっている、という矛盾が繰り返される。いろいろ考えていると『仮面ライダー電王』がたいへん整合性のあるタイムトラベルものに思えてくるぐらい、まあナニな映画であった。ただ、とにかく綾瀬さん(の胸)をフィーチャーするという方針を全編にわたって貫いた、ある種のいさぎよさは感じた。なにしろ小出恵介くんとのツーショットで、綾瀬さんの顔が映らない場合でも、胸だけは確実に画面におさめるのだから恐れ入る。これは銀幕で観なくちゃいけない胸である。『おっぱいバレー』の主役への道は、きっとここから開けたんだろうね。
もう一本の『ICHI』も、綾瀬さんはよくがんばってアクションに挑んでいたと思う。女座頭市の「お市」が幼いころ居合い抜きを学んだ師匠として、カツシンが演じた本家の存在をにおわせるあたりのリスペクトぶりも、私は良いとおもった。でも実を言うと、小林靖子脚本作品『侍戦隊シンケンジャー』に、先々週から新たなメンバー、シンケンゴールドが登場していて、刀は仕込み杖じゃなくてサンマなんだが、技は座頭市と同じ居合い切りで、けっこうな達人なのだ。アクションシーンというか殺陣もしっかりしていて、中の人の力量は相当なものとお見受けした。いちど伊吹吾郎とチャンバラを見せていただきたい。

そういう意味で、シンケンゴールドと較べるとやっぱり綾瀬さんの剣さばきはちょっと劣るが、まあいいよね可愛いから。とても魅力的なヒロインでした。それにしても、綾瀬はるかという人はもっとポヨポヨしている印象があったのだが、いつのまにこんなシャープなルックスになったんだろう。
物語としては大沢たかおの占める位置が大きく、言ってみれば、大沢たかおをゲストに迎えた座頭市シリーズの一篇だ。そういうストーリー構成を買うか、それとも、もっと綾瀬はるかをメインにしろと不満に思うかで、評価は分かれると思う。私は満足した。大沢たかおって、ルックスはいまいち頼りなさそうなわりに、この手のアイドル映画では頼れる芝居巧者なのだ。釈由美子主演『劇場版スカイハイ』で悪役を演じた彼を見てそう思った。余談だが、大沢たかおは2004年の『解夏』という映画で、全盲になる青年を演じていた。同じ年の『雨鱒の川』という映画で、綾瀬はるかは聾唖の少女を演じていた。どちらも監督は『がんばっていきまっしょい』の磯村一路だった。

4. カメの着ぐるみ微妙にバージョンアップ


今日はこんなところで。あと、今日はゴルフ中継でシンケンジャーもライダーもなかったので、前に万丈さんから教えてもらったネタを出しておく。
実写版セーラームーン第41話のセーラージュピターこと木野まこと(安座間美優)と、侍戦隊シンケンジャー第13話のシンケンピンクこと白石茉子(高梨臨)。頭部は同じだが、ボディの部分が微妙にバージョンアップしているのが分かる。


じゃあまた来週。来週も週末に出張なので、どうなるか分からないが。