実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第160回】夏の小ネタ祭りで息抜きの巻


夏休みである。嬉しい。これから一ヶ月あまり、朝食の支度をして(中略)息子をトイレに入れて幼稚園に送り出す、という慌ただしい儀式から解放されて、ひとり静かに朝食をとり、仕事に出かけることができる。妻も起きるのが遅くなるので、洗濯機のスイッチを入れておけばいいだけだ。
いや本当はいけません。「夏休みに入ってからも、規則正しい生活を心がけてください」と幼稚園からも言われている。実際、朝が遅くなったぶん、夜遅くに帰宅しても、子どもたちはぜんぜん寝る気配もなく、お笑い番組を観ている。結局、夏休み突入わずか2、3日で、我が家の消灯時間は10時台どころか11時台にずれ込んで、昨夜は息子と『テレビでフランス語』を見るはめになった。これじゃ親として駄目ですね。でもこの辺、ラジオ体操とかもないしさあ。
そういうわけで、いつもは家族が寝静まったダイニングでコツコツ書きため、週末にアップしているこのブログ、夏に入るとペースが乱れる。ノートパソコンでDVDを観ながらメモを取ろうとすると、まだ起きている子どもが「何、何」とのぞきこむので集中できない。これはお父さんの内緒の趣味だよ。
前回、月曜から水曜までの3日がかりで記事を書き足すなんてわけの分からないことをやったのも、ひとつにはそれが理由なんだが、その一方では、ペースが乱れついでというか、月曜日からこのかた、睡眠時間を削り、早朝近くまでかけて『太陽と海の教室』の感想を書き続けていた(本当にバカ)。
さて今日はプールがあったおかげで、帰ったら息子はもうぐっすり寝ていた。それで長すぎる『太陽と海の教室』感想の下書きを、ガシガシ半分くらい削る余裕があった。それに、前回の記事のために書いたけど長すぎるので削った、小松彩夏ネタの余りを足して、久々の「小ネタ祭り」一回分を仕上げた。これを週末に上げても良いんだが、でも特に『太陽と海の教室』は旬のネタでもあるので、どうせだから早めにアップすることにした。その代わり、悪いんだけどこの週末は休みとする。次回更新は8月の頭となります。
仕事のスケジュールもいい加減だがブログの方もぐちゃぐちゃになってきた。この後ひと息入れて、早く夏の体制を整えたいと思いますので、ひとつよろしく。

1. アヤカのナツVer.22


まずは改めまして、小松彩夏さんにおかれましては22歳のお誕生日おめでとうございます。ファンのみなさん、週末にはバスツアーですね。お楽しみください。
前回の記事では、お祝い代わりに昨年上演された『アンラッキー・デイズ』のレビューを書かせていただいたが、今年の舞台『エブリリトルシング』(脚本:白川ヒロ、演出:岡村俊一、2008年7月11日〜20日、紀伊国屋サザンシアター)も、好評のうちに無事終了したようである。私は今年も行かなかったし、今回はネルケからのDVD化もなさそうだ。残念である。ともかくデータだけはおさらいしておこう。
この舞台は大村あつしの短編連作に基づく6つのエピソードからなるオムニバス劇で、それをAとBの2グループに振り分けて交互に上演した。珍しい形式ではないでしょうか。

A :「クワガタと少年」「彼女はいつもハーティーに」「ビジネスカード」「ボクはクスリ指」の4話
B :「クワガタと少年」「ランチボックス」「アフター・ザ・プロム」「ボクはクスリ指」の4話

最初と最後の話は共通なので、AとBと両方観ると、6話がひとつにリンクするという趣向ですね。AとBとはキャストも違っていて、小松彩夏さんはBのキャストで、「アフター・ザ・プロム」というエピソードでヒロインを努めたほか、他のエピソードにもちらほら登場していたという。
前回『アンラッキー・デイズ』のレビューでは、今が若くて美しい、人生でいちばん楽しそうな時期でありながら、自分の生き場所が見つからなくて舞台をふわふわ漂う小松彩夏のミキと、もう人生を終えた幽霊のくせに、やたらとエネルギッシュに活躍するモロ師岡のナツメの対比が面白い、ということを書いた。そしたら今回の小松さんは、言わばミキがモロ師岡の側に回ったような役どころだったらしい。スタッフは小松さんの持ち味をよく分かっているのだなあと感心しました。

2. 幻の「最後のビキニ」を探して


その小松さんのグラビア活動のホームグラウンドのひとつ『週刊ヤングサンデー』が、この7月いっぱいをもって休刊とのことで、グラビア関係にいまいち熱心ではない私も、小松彩夏が最後の表紙を飾る2008年第33号を見届けようと、7月17日の発売日に、近所のコンビニとかを回ったんですね。ところがこれが見つからない。
ようやく数日後に、仕事で向かった先の駅のキオスクで、なんと同日発売の『週刊少年チャンピオン』第33号と仲良く並んで置かれているのを発見した。前々回は、携帯をもつのはいやだとか書きましたが、この時ばかりは携帯があれば写メできたのにと後悔してしまいました。仕方がないのでイメージ映像でお届けします。こんな感じのツーショットでした。
 

やれやれ、ようやく見つけた、と思ったら、同日の『ぽんたのエスティマ日記』にも「発売日の午前4時からコンビニに行ったけどヤンサンがなかった」と書いてあった。そして後日、ファミリーミュージカルで万丈さんにお会いしたときも、「あれ、ありませんよねえ」という話題になった。
まあ、ぽんたさんに関しては、コメント欄でMC−K3さんがおっしゃっているように、早朝すぎて、雑誌の入れ替え作業の前だったのかも知れない。しかし確かに最近『ヤングサンデー』って、店頭であまり見かけなかったような気がする。『ヤングジャンプ』が何冊も平積みになっているのに、ヤンサンはラックに1、2冊とか。だいたいこの雑誌、発行部数は何部だったんだっけ。
でWikipediaを見てみた。それによると、小学館の『週刊ヤングサンデー』は、月2回の隔週誌だった『少年ビッグコミック』の後継誌として1987年4月に創刊され、1990年には80万部を記録して、1995年11月に週刊誌になった。しかし徐々に発行部数が落ちていって、2004年には25万部を割り、翌2005年は、春から小松彩夏がグラビアに登場するも、残念、23万部だ。そして昨年2007年は20万部で、とうとう休刊に追い込まれたわけである。ちなみにライバル誌『週刊ヤングジャンプ』の発行部数は現在も96万部だそうである。すごいですね。
しかしそれでも20万部じゃないですか。一般誌で言えば、扶桑社の『SPA!』(公称21万部)と朝日新聞社の『AERA』(公称19万部)の間だ。どちらもけっこう見かける雑誌である。なのにヤンサンは、もう今月いっぱいで終刊するとはいえ、探さなきゃ見つけることができないって、ちょっと解せないよなあ。
実はヤンサンについては、公称20万部だが実売数はその半分程度とか、いや実売5万部くらいだよ、などというウワサもある。たしかに雑誌の公称発行部数というのは、えてして水増しされる傾向にある。しかしそれにも限度というものがあるだろう。実売5万だとしたら、それは立派な偽装だ。そういう疑惑を取り上げる以上は、それなりの根拠を示さなくてはいけない。
でもこれ以上は、素人ブロガーには分からないのだ。わが国では日本ABC協会が、新聞や雑誌の実売数をかなり厳密に査定している。ところがここは、原則としてコミック雑誌は扱わないので、この分野には信頼できるデータがありません。ともかくも、今現在ヤンサンは、終刊前にしてすでに絶滅状態で、私は街頭で小松彩夏の最後のビキニにお目にかかる機会もほとんどなかった。淋しい限りです。
ところで、ウチの長女が山Pの大ファンで、劇場版『クロサギ』も一緒に観に行ったことは前回の小ネタ祭りに書いた。誕生日にはテレビ版のDVDボックスだって買ってやった。この娘が、山Pにつられてクロサギの漫画も読むのだが、しかし最新の連載が載っているヤンサンは、買ってやろうかと言っても要らないという。なぜかというと娘いわく、だって表紙がエッチなんだもん(笑)。
てことはさ、実はヤンサンは、エロいグラビアを止めて、テレビでDr.コトーやクロサギのファンになった方々も気兼ねせずレジに差し出せるような表紙にリニューアルすれば、あるいは新しいユーザーを取り込んで再生できる可能性をもっていたんじゃなかろうか。それじゃこまっちゃんはどうなるのよ、という意見もあるだろうが、ふつうの服で表紙を飾ればいいのである。小松彩夏の可愛さはビキニという付加価値なしでも十分通用する、というのが、我々の共通認識だったはずだぞ。違うか?って我々って誰だ?
しかしまあ、いまさら何を言っても詮ない話ではあります。ヤンサン休刊。そして『Dr.コトー診療所』は『ビッグコミックオリジナル』に移籍するそうだ。『クロサギ』はどうなるのだろう。

3. これは怪獣映画だ


そういうわけで、舞台も終了、ヤンサンも休刊、サークルKのCMも終了で、今年後半の小松さんはどう展開するのかが注目される。おそらく誕生日イベントで何か予定が発表されるんじゃないでしょうか。
後は来年初頭の映画『感染列島』だが、これはまたいずれということで。いや『感染列島』って、小松彩夏さんが何分出るかということもありますが、作品自体も興味津々だ。最近のメジャー作品は、人気テレビドラマの劇場版で、監督もテレビディレクターがやるパターンが多い中、これ瀬々敬久のオリジナル脚本・監督ですよ。かつて撮影期間一週間、制作費600万円で撮った『黒い下着の女 雷魚』(1997年、国映)で映画ファンを震撼させた「ピンク映画四天王」の一人、瀬々敬久は、あの頃とはケタ違いのこのビッグ・プロジェクトをよくさばいてみせるのだろうか。頑張って欲しいです。
以上で小松彩夏コーナーを終えて、次は北川景子だ。
始まりましたね『太陽と海の教室』。なんかM14さんにしてもNakoさんにしても、北川さんの登場シーンを確認した後は、席を外しちゃったみたいだが、実は私もそうだ。Nakoさんと私は後半は観たが、大家さんはダメだったみたい。そしてStreamKatoさんは、北川さんの芝居に激しく失望しておられた。
最初の方で、舞台となる進学校の生徒の岡田将生が、ばったり出会った他校の中村倫也にパシリをさせられ、あげく近く行なわれる水泳対抗戦で、八百長で負ける約束を強要される。別に中村倫也は怖い不良じゃないんだけど、父親同士が、取引先の親会社と下請け工場の関係なので、頭が上がらないんだね。小津安二郎の『生れてはみたけれど』みたいな話だ。って古いか。
もうこれでラストがどうなるかは、ほとんど誰にでも読めちゃうし、いい歳した我々には、ちょっと話がベタ過ぎてこそばゆい。だから私も、後は北川さんだけ確認して、息子と風呂に入ることにしたんだけれど、その次に来る織田裕二の登場シーンを見て、あれっと思った。
私は熱血教師ものがあまり好きではない。思春期の生徒達のデリケートな悩みや問題に、教師がどんどん介入してしまう話が苦手で、だから実写版セーラームーンが好きなんだ。このドラマも織田裕二の熱血教師ものと聞いていたので、初めから興味は北川さんにしかなかったのだが、織田裕二がいきなりスーツで海の中からザバッと出てくる初登場シーンには笑ってしまった。一応、海に溺れかけた子どもを助けたという設定なんだが、これではゴジラである。
この月9枠の前番組だった『CHANGE』は、田舎で教師をやっていた木村拓哉が、上京して政治の世界に飛び込んで総理大臣になるという、フランク・キャプラの『スミス都に行く』(1939年)みたいな設定から始まる話だった。あまりちゃんとは観られなかったけど、最終回は、木村拓哉が画面に向かって延々と演説するという『チャップリンの独裁者』(1940年)のような終わり方だった。そして今回は、ゴジラ映画のVSものにありそうな、海からザバっと登場シーンである。いやマジで。
だって続く織田裕二のオーバーな演技も、居合わせた二人の生徒(岡田将生と北乃きい)を煙に巻く不条理な会話も、ふつうの「熱血教師」という枠をはみ出していて、コミュニケーション不可能なモンスターというか、異形の存在なのだ。私は『岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説』シリーズの竹内力以外に、着ぐるみなしで怪獣を演じられる役者がいるとは思わなかったよ。すごいな織田裕二は。
そのあと朝礼のシーンがあって、北川さんを確認してから、私は子どもと風呂に入った。出てきたら、話はもう終わりの方で、案の定、父親の権威をカサにいばりちらす中村倫也の生徒に、織田裕二が教育的指導を行ない、一方水泳大会では、岡田将生がやっぱり八百長はやめて真剣勝負で勝ちに行くことを決意する。全体的には予定調和の展開なんだが、ここでも織田裕二は、チェーンソーを振り回して、岡田将生の父親が経営する下請け工場の屋根に上り、親会社の名前を勝手にかぶせられた新しい看板をぶった切るのだ。その後いちおう中村倫也に説教らしきことも言うが、しかしそれはオマケで、やはり基本は、ただ理不尽に状況を破壊するモンスターなのである。『ごくせん』みたいに、クライマックスだけ颯爽とアクションをして、後は普通の熱血教師の枠に収まるのではなく、さしたる理由もなく常に体力を行使し続ける、何を考えているのか分からない生き物。私はこのドラマ、怪獣映画として認定したぞ。
とはいえ、織田裕二は演技に納得のいく合理的な説明を求める人だ。竹内力のように、理不尽な怪物を何の言い訳もなく演じて、平然としていられるタマではない。だからおそらく何話か後には、この人はアジアで傭兵をやっていたとか、実は未来から来たサイボーグだったとか、何かしらの謎が明らかにされるはずである。何でそんなバケモンが湘南の進学校にやって来たのかという理由づけは、すでに小日向文世の理事長と戸田恵子の校長の関係のうちに、伏線として張られている。どうも戸田校長は、小日向理事長の思惑を阻止する目的があって織田裕二を「呼び戻した」ようなのだ。でもたぶん、戸田恵子も自分が織田裕二をコントロールできるとは考えていない。新しい怪獣が出てきたので、とりあえず北極で眠っていたゴジラの目をさまさせて召喚したとか、そんなところだろう。
私は織田裕二が森田芳光と組んで撮った『椿三十郎』をまだ観ていないし、まあそのうち機会があったらね、という程度に思っていたが、がぜん観たくなった。この『太陽と海の教室』の織田裕二の異形ぶりは、森田芳光の出世作『家族ゲーム』で意味不明に大暴れした家庭教師、吉本(松田優作)や、『椿三十郎』の、登場するやいなや状況をぐいぐい引っかき回して去っていく、正体も本名も不明の素浪人、三十郎と、何らかのかたちでリンクしているのではないかと思う。ひょっとして森田版三十郎は、家族ゲームの吉本みたいな奴なのかなあ。

4. 難しくないところが難しいヒロイン


しまった北川さんのことを書くのを忘れていた。
北川景子の演じる若手教師のキャラクターについては、当初、親のコネで教職についたエリート、でもやる気なし、で生徒と恋愛関係になる、みたいなウワサがあって、「やる気なし」の部分と「恋多き女」の部分が、失礼ながら北川さんのイメージと重なるので、なるほどね、と思っていた。でもぜんぜん違うじゃん。もっと正統派のヒロインっぽい。怪獣映画にはこういうヒロインがいる(まだ言うか)。平成ガメラの中山忍とか、藤谷美紀とか、ゴジラの小高恵美とか。
観てみて思ったのだが、北川景子が最初しりごみした理由は、特にコンプレックスも影もない東大卒のお嬢さん教師っていう、フラットなキャラクターを振られたところにあったんだろうね。織田裕二と激しく衝突するわけでもなければ、愛情を抱くわけでもなく、同僚の教師や生徒に対しても、くっきりと感情をぶつけたりはしない。性格に暗さとか、何か抱え込んでいる問題もなくて、せいぜい、八嶋智人相手に軽くボヤくくらい。そういう、ここぞと力こぶを入れて、芝居の「重し」にできるような要素のない榎戸若葉というキャラクターを、どうやって演じていいのか、その点がもうひとつピンと来なかったのではないだろうか。普通だと、あまり深く考えなくてもいい役だから、むしろ難しそうじゃなくて良かったと喜ぶところだろうが、何しろ「考える美女」北川さんだから。
そして第1話に関しては、彼女はそのへんの「どうやっていいのか分からない」部分を、『モップガール』の桃子のキャラクターを部分的に取り入れることによって切り抜けているように見えた。前回のコメント欄にいただいたNakoさんからの情報によると、変顔を取り入れたのは、スタッフからの要望があったからだそうだが、ともかく、今までは一作一作、勉強して新境地を開拓しようとばかりしていた北川さんが、自分の引き出しを開けて、これまで身につけた芝居を取り出して見せたというのは、軽〜く新境地ではなかったかと思う。もちろん『モップガール』にも、火野レイがチラッと顔を見せたような場面があったけど、意図的にやった感じではなかった。
まあしかしこれは、真ん中を飛ばして最初の朝礼のシーンと最後の水泳大会のシーンを見ただけの印象で、しかも『モップガール』第1話の時と同様、今回は半ば保護者のような気持ちで観ていたので、正直言ってまだ「大丈夫かなあ」という不安の方が強い。ゴールデンではその美貌を最大の武器に温存して、注意深く変顔をすべきであるのに、例によってやり過ぎていたしさ。
ただ、戸田恵子と母娘という設定だという、これは素晴らしい巡り合わせである。
勉強熱心な北川景子は、「母と娘」のような濃い関係で、すぐれた先輩女優にぶつかり、いわば演技の稽古をつけてもらう機会を貪欲に求めているはずである。しかしそういう意味では、父親役はともかく、彼女はこれまで母親役にめぐまれなかった。たとえば宮崎美子は、北川さんにはちょっと使い道のなさそうな、とことん受ける脇役に徹した芝居だったし、何よりバストが豊かで、こんな豊満な胸をした元グラビア系のお母さんからでは、まったくタイプの違う北川さんは何も学べないよなあ、という感じだった。それから天海祐希というのもあったが、天海祐希の方法論は天海祐希でないと通用しないので、他人がこの人から何かを学ぶのは不可能である。
そういう意味では、戸田恵子さんって、現時点の北川さんが目標と見なし、演技を学ぶ対象としてはピッタリなのではないかと思う。体型的にも合うし。スタッフの皆様におかれましては、どうかこれからできるだけたくさん、戸田恵子さんと北川さんの母娘が絡むシーンを入れてやっていただきたくお願い申し上げます。
さてこれから物語は、いかにも学園ものらしい生徒達をめぐるエピソードを挟みながら、織田裕二の正体、そして戸田恵子と小日向文世の確執の謎が明らかになるという方向でスケールアップして、それは全国ニュースで取り上げられるほどの大事件へと発展するはずだ。
終盤、織田裕二は窮地に陥りながらも、ターミネーターのような体力でバキバキよみがえり、小日向文世の陰謀を粉砕し、説教を垂れ、第1回で海の中から現れたように、最終回は海の彼方へ消えて行く。だがその時になっても、おそらく生徒達や同僚の教師達は、好意と感謝の念を感じながらも、結局あの謎の男が、何を考えて状況を引っかき回して嵐のように去っていったのか、十分には理解できない。
でも織田裕二の残してくれたものを、最も深く受け止めた北川景子がいる。ありがとうゴジラ。新たに3年1組の担任となった彼女が、新しい学校づくりの中心に立ち、戸田恵子がそれを温かく見守るところで物語は終わる。北川さんは、最初は特に何も考えていなかったお嬢さんが、教師としての生き甲斐と自覚を持ち、自立するまでのプロセスを演じなければならない。あと山本裕典との関係でも一騒動ありそうだが、こっちはうまくさばけるだろう(どういう意味だ)。個人的には「おかあさんといっしょ」の今井ゆうぞうお兄さんが、北川景子に片想いになったりしてくれるとなお嬉しい。
あと若松節朗監督、織田裕二主演の映画『ホワイトアウト』でテロリスト青年を演じた黄川田将也を、何話かでゲストに出して、北川さんに絡ませてくれれば、もう言うことはない。とにかく頑張れ北川さん。
くれぐれも言っておきますが、これぜんぶ私の妄想ですから、まさかとは思うけど真に受けないでくださいね。って信じる人はいないか。じゃ今回はこのへんで。

5. 『レスキューフォース』に想ふ(この項のみ7月26日追加)


次の更新は8月に、と思っていたが、『レスキューフォース』を観ていたらあれこれ妄想がふくらんできたので、沢井美優さんについて、ちょっと書き足しておく。すみません。
一部では、沢井美優といえば太ももということになっていて、大家さんとかは、『テレビでフランス語』にさえ「太ももポイント」をつけている。私はそういう考え方に必ずしも同意しているわけではなかった。しかし太ももといえば橋本聖子で、橋本聖子はその太ももの機動力ゆえに、スケート選手なのに自転車競技にスカウトされて、オリンピックに出場した。そして今回、沢井美優もその太もものために『レスキューフォース』で、メッセンジャーの自転車ガール役にキャスティングされた事実を考えると(そうなのか?)これは考えを改めなければならないのかなあ、と思ったわけだ。
で、こういう記事がある。

7月12日〜16日にフランスで開催されたUCI公式ステージレース「ツール・ド・ブルターニュ Tour de Bretagne Feminin(UCIカテゴリー2.2)」に日本選手4名が出場、全員が完走を果たし、そのうち1名は7位入賞も果たした。

これは何かというと、2009年に日本初の女子プロ自転車レースチームの設立を目指している「J-BRAIN」(代表:須藤むつみ、現在NPO法人認可申請中)が、今年は日本人4人、そしてスェーデン人とデンマーク人からなる6人のチームをフランスで行なわれた女子ロードレースに送り込み、その日本人女子選手がなかなかの健闘ぶりだったという記事である。2007年度は最高10位だったようだが、今回は7位入賞を果たした。
自転車競技といえば「ツール・ド・フランス」が有名だが、あれは女子の部がない。このツール・ド・ブルターニュなんかは、けっこう由緒ある女子のロードレースだそうで、何でもブルターニュ地方を4日間かけて回るそうだ。いずれにせよ、自転車で頂点を狙うものはフランスを目指す。
自転車で太ももでブルターニュでフランス。良いではないか。いや、別に沢井さんに自転車の選手になって欲しいわけではない。競輪界にも「女子部を」という声はかねてからあったし、そういう方面とタイアップして「日本初の女子プロ自転車競技チーム設立を目指す女の子達の青春群像を描いたスポーツドラマ」みたいなフォーマットで、ドラマの企画を立てて欲しいのである。でヒロイン役は沢井美優。抜擢の理由は太ももで。制作発表でプロデューサーが「セーラームーンで沢井さんの健康的な太ももを見たときから、5年間このドラマの構想を温めていました。最終回はヒロインがフランスに渡ってツール・ド・ブルターニュに挑戦、という展開を考えていたところ、ちょうど沢井さんがフランス語を勉強されているのを知って、もう今しかないと思い、企画を立ち上げました」みたいな。だめか。
あるいは朝の連ドラでもいいや。次春の「NHK朝の連続テレビ小説」のヒロインは多部未華子に決まったそうだ。多部未華子といえば、もちろんセーラームーンミュージカル末期(2003夏公演と2004年正月公演)に、奥山桃子の後を継いでセーラースターヒーラー役をやった子だ。最近よく見かけるが、セーラームーン出身の女優が朝のテレビ小説のヒロインって、ひょっとして初めての快挙ではないかと思う。でかしたぞ多部未華子。
というわけで、これで朝の連続ドラマは、セーラームーンへ門戸を開放したと強引に解釈するとして、次はやはり沢井美優だ。素材としては、戦後のほんの一時期、この国に存在した「女子競輪」なんてどうだろうか。
女子の競輪は、公式試合としては1949年(昭和24年)10月の第2回「日本選手権競輪」(川崎競輪場)で行われたのが最初で、このとき優勝したのは当時16歳の高木ミナエだった。その後、特に昭和30年代に入った頃には、渋谷小夜子や畑田美千代といった、実力とルックスを兼ね備えた選手が活躍し、『アサヒグラフ』のグラビアにも組まれるような人気を呼んでいたらしい。元宝塚志望とか元婦警の競輪選手も出てきて、話題にこと欠かず、当時は、女子競輪選手を主人公にした映画ができるかも知れない、というウワサまであったという。
しかし、人目は魅くものの、実力のある選手とそうでない選手との力の差がありすぎて、ほとんど公営ギャンブルとして成立しなかったために、結局オリンピック後の1964年(昭和39年)、わずか15年あまりの歴史の幕を閉じることになる。
どうですかNHK、一時はたいへん華やかな話題を振りまき、戦後の一時期を彩って散っていった、女子競輪の世界。そのヒロイン役を沢井美優で。抜擢の理由は太ももで。
世間では去年あたりから、またプチ自転車ブームが言われている。メタボ対策や、あるいは最近のガソリン代高騰を受けて、都市部に自転車通勤の人が増えているとかいないとか、そういう話だ。しかしこれ、なんとなくマスコミが言っているだけで、まださほど実質が伴っていないように思える。もしこの流れがすこし盛り上がってきたら、ぜひ、沢井美優=自転車、というセンで、事務所には強力プッシュして欲しいものである。
んじゃ、今度こそ、また来週。