実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第127回】BGM完全リストへの道(3)


みなさま今年も大変お世話になりました。おかげさまで名古屋支部ブログも無事、二度目の年越しを過ごすことができそうです。さあ2007年最後の更新だ。BGMリスト、ひとまずの完結編である。

 

改めて述べておくが、この「実写版のBGM全曲リスト」は、メモリアルCDボックス『MOONLIGHT REAL GIRL』のライナーノーツの巻末に掲載されている「美少女戦士セーラームーン劇伴リスト」がベースになっている。これは、第1回録音(2003年9月13日〜15日)で収録された64曲、第2回録音(2004年1月15日〜16日)の40曲、第3回(2004年5月30日)の19曲、計3回にわたるセッションで録音された全123曲の一覧表であり、ここに、CDに収録されていない劇伴も含めて、実写版セーラームーンのために大島ミチルが作ったすべての楽曲が集成されている(はずである)。まあ、同じ楽曲のバージョン違いなどをすべて拾えているかというと、後述するようにちょっと怪しい部分もあるが、基本的には全スコアがリストアップされていると思う。
第1回目の64曲については11月末の【第119回】、第2回目の40曲については12月最初の【第120回】に掲載したので、今回は第3回目の全19曲を紹介する。はずだったが、実は2曲増えて21曲になっている。だからトータルでは125曲だ。なぜか。
問題は、この第3回目録音で最初に収録された曲、「劇伴リスト」のナンバーで言うとTM1-1の「プリンセス・セーラームーンの出現」にある。これは「プリンセス・ムーンがハープで奏でる曲」と言えば、みなさんも「あれか」と思われるのではないだろうか。リストでは1曲あつかいだが、CDでは、『DJMoon3』のトラック4「ルナとプリンセス・セーラームーン」に、2バージョンが収められている(1曲目と4曲目)。どちらも40秒ほどで、たぶんベーシック・トラックは一緒なのだが、1曲目の方は、途中からストリングスの伴奏がかぶる。そして4曲目の方は、出だしからストリングスつきのバージョンだ。
でも、みなさんもご記憶と思うが、プリンセス・ムーンがハープを奏でる時って、弦楽器の伴奏なんてついていませんよね。今回、記憶にあるシーンをいくつか確認してみたのだけれど、伴奏つきバージョン(途中から)が流れていたのはAct.42だけだった。マーキュリーの傷を治し、枯れた花を再生させたプリンセス・ムーンが、その後ハープを弾きながら、クレーンに乗せられて空中をぐるぐる回るという、佐藤健光ならではの意味不明な演出が光るシーンである。それだけ。後は、Act.37のラスト、横浜ビジネスパークYBPで「私が…星を…滅ぼした」と衝撃の告白をする場面も、Act.43、夜寝ていたうさぎが、勝手に変身してどこかの屋上でハープを弾いているシーンでも、Act.46、ヴィーナスが最後の最後に戦士の力に目覚めて、5人そろってメタリア妖魔を撃退した後のシーンでも、プリンセス・セーラームーンが奏でる仕草に合わせて流れていたのは、ハープの音だけである。
これまで、特に1回目の録音セッションのリストでは、この種のミックス違いも別バージョンということで、別個に通し番号が振られていた。それが第3回目録音の一覧では、わりとおおざっぱに1曲として括られているわけで、こういう不統一は困るね。で、考えた末、この曲については、途中からストリングス入りバージョン、最初からストリングスつきバージョン、ハープのみのバージョンという3種類があることにして、つまりオリジナルの「劇伴リスト」よりも2曲増やしたのである(105、107、108)。
こういう「劇伴リスト」から漏れている別バージョンは、今後も少しは発見されるかも知れないし、そうなったらまた、リストに曲を追加しなければいけなくなるわけだが、ともかく、これでひとまず、BGMリストは完結だ。というわけで第3回録音で収録された全19曲あらため21曲の内容は以下の通り。

No. CDトラック番号・曲名 録音番号・イメージタイトル 備考 使用エピソード
105 『DJMoon3』トラック4「ルナとプリンセス・セーラームーン(1)」 TM1-1「プリンセス・セーラームーンの出現」 例のハープの音(途中からストリングスがかぶる)  
106 『DJMoon3』トラック4「ルナとプリンセス・セーラームーン(2)」 TM9-1「仲間への思い」 「ルナとプリンセス・セーラームーン(3)」は077と同一曲  
107 『DJMoon3』トラック4「ルナとプリンセス・セーラームーン(4)」 TM1-1「プリンセス・セーラームーンの出現」 例のハープの音(最初からストリングスがかぶる)  
108 (CD未収録) TM1-1「プリンセス・セーラームーンの出現」の別バージョン ハープの音のみ  
109 『DJMoon3』トラック14「セーラー戦士VS四天王(1)」 TM6-2「セーラー戦士の戦い」    
110 『DJMoon3』トラック14「セーラー戦士VS四天王(3)」 TM4「四天王の行動」    
111 『DJMoon3』トラック14「セーラー戦士VS四天王(4)」 TM9-2「危機」    
112 『DJMoon3』トラック16「月と地球のお話し(3)」 TM1-2「プリンセス・セーラームーンの戦い」 「無礼なのは、お前よ」  
113 『DJMoon3』トラック16「月と地球のお話し(4)」 TM7「月と地球」    
114 『Rare Track Collection』トラック32「想い焦がれるエンディミオン様」 TM1-3「エンディミオンへの想い」    
115 『Rare Track Collection』トラック33「プリンセスの平穏な日々」 TM1-3「エンディミオンへの想い」    
116 『Rare Track Collection』トラック34「エンディミオンの決意」 TM2-1「エンディミオンの決意」    
117 『Rare Track Collection』トラック35「プリンセスへの恋心」 TM2-2「プリンセスへの想い」    
118 『Rare Track Collection』トラック36「エンディミオン様のおなーり」 TM2-3「エンディミオンの戦い」    
119 『Rare Track Collection』トラック37「揺れる乙女心」 TM3「クイン・ベリルの嫉妬」    
120 『Rare Track Collection』トラック38「明日に夢を持って」 TM5「愛野美奈子」    
121 『Rare Track Collection』トラック39「セーラー戦士のめざめ」 TM6-1「セーラー戦士の新しい力」    
122 『Rare Track Collection』トラック40「勝利の凱旋」 TM6-3「セーラー戦士の勝利」    
123 『Rare Track Collection』トラック41「ルナのサンポ」 TM8「セーラールナ」    
124 『Rare Track Collection』トラック42「友情」 TM9-3「仲直り」    
125 『Rare Track Collection』トラック43「プリンセスの淋しいハープ」 TM10「ハープ」    

さて、これで終わった。後はこれまで作ってきたリストをつなげた全125曲の一覧表を、近く公表したいわけだが、その前にもうひとつ、作っておきたいものがある。エピソードの中で使用されたキャラクターソングの一覧表だ。形式的にどうするかは、まだ考え中だが、たとえば『キラリ☆セーラードリーム』なら、Act.4(マーズを救出しようとするうさぎ)、Act.18 (教会で5人戦士初のそろい踏み)、Act.24(タキシード仮面正体ばれ)、Act.28(亜美ちゃん、お帰り)というふうに、キャラクターソングがどんなふうに劇中で使われているかが、一目で分かるようなものにしたい。
BGMで使用されているシーンはもちろん、レイが病院で歌ったり、亜美がパジャマパーティーで歌ったり、うさぎがクラウンや空港からの帰り道に歌ったり、美奈子が観覧車やライブステージやレコーディングスタジオで歌った歌を、ぜんぶリストアップしたいと思っている。方針が決まり仮リストを作成してご報告しますので、みなさんご指導よろしくお願いします。それができたら、全BGMリストとあわせて一挙公開する予定である。

 

それからもうひとつ、例のAct.33、マーズの深夜バトルに流れるジャズ調ナンバーについて、その後の経過報告をしておきます。すでに述べたように、この曲はBGMリストに見あたらない。ひょっとしてリストから漏れていたという可能性もなくはないが、そういう仮定をするとキリがないし、こっちよ!さんも「曲調などから判断して、これは大島ミチルの曲ではない」というご意見なので、外から借りてきた曲とと見なしておく。で、そうすると、いったどこからもってきた曲か、ということだが、黒猫亭さんの記憶によれば、この音楽はアニメ「GS美神』(1993年〜1994年、ABC、テレビ朝日系、東映動画)のオープニングによく似ているという。これについては、まだビデオもCDもチェックできていないのですが、もちろん同じ曲ならば「ビンゴ!」である。でも、もし違う曲だとすると、次の可能性としては、私は『仮面ライダーアギト』だと思う。
実写版で「選曲」を担当している金成謙二は、かつて『機動刑事ジバン』や『鉄腕探偵ロボタック』なんかでも、先行する特撮作品のBGMを、けっこうよく流用していたらしい。で、舞原賢三監督から「今回のアクション・シーンは、いつもと違ってアダルトでクールな感じの曲を」と注文された金成氏は「う〜ん、じゃここは大島さんの曲じゃなくて、ライダーか戦隊ものから何か使おうか」と考えた。その時パッと思い出したのが、自分がスタッフとして参加した『アギト』のBGMだったわけですね。というのはただの想像だが、アギトの音楽はアニメ『GS美神』を担当した佐橋俊彦さんなんですね。だから『美神』のオープニングと似たような曲があるんじゃないかなあ。佐橋俊彦は、他にも『ギンガマン』や『クウガ』の音楽をやっているが、金成謙二が関わっているとか、白倉プロデューサーとか、周辺事情も考えると、やはりアギトのBGMがいちばん怪しいと思う。
というわけで、まったく机上の推論ではありますが、いまのところ私は、『GS美神』と『仮面ライダーアギト』の劇伴サントラをチェックすれば、Act.33のマーズVS花妖魔のBGMは出てくるんじゃないかと思いこんでいる。後は音源を手に入れて実際に聴いてみるだけだな。

 

ここまで書いたところで蕎麦の時間になって、だいぶ酒を呑んでしまったので、今日はこれで終わりにします。じゃみなさん、重ね重ね、本年いただいたご厚情の数々に感謝いたします。来年もよろしく。明日はスペシャル企画を考えているから(まだ一行も書いていないが)。

 

いつもコメント下さる方、最近コメントのない方、いままでコメントも付けずに読んでいただいている方、その他、とにかくこの一年、当ブログをお読みいただいた皆様方、どうか良いお年をお迎え下さい。