実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第112回】DVD第1巻:Act.4の巻(その4)


 黒澤明の傑作を森田芳光監督がリメイクした『椿三十郎』は、『間宮兄弟』の次に撮影され、昨年12月にはクランクアップしていたが、結局、今年の年末に正月映画として封切られることになったようだ。そのため、後に撮られた『サウスバウンド』の方が先に公開される。
理由は分からないが、黒澤監督は1998年に亡くなっていて、来年が没後10年にあたるので、それに因むということでしょうか。いや知りませんよ。ともかく『椿三十郎』公開延期のおかげで、北川さんは『間宮兄弟』『サウスバウンド』と、森田映画に2作連続して出演することになった。
一方、沢井さんが出演する『少林少女』も、すでにとっくに撮影を終え、来年のゴールデンウィーク公開を目指して鋭意待機中である。こっちの場合、いくら公開が延びても、沢井美優の別の出演作品が先に公開される可能性がほとんどないというところに、非常に大きな問題があるわけだ。

1.これも名古屋名物


さて前々回にお話しした再インストールもむなしく、この4年間愛用していた12インチPowerBookがポシャってしまった。今回からはインテル入ってる13インチMacBookと共に、気持ちも新たに取り組みます。
「新たに」といえば、去る10月5日(金)深夜から新番組『ウルトラセブンX』が始まった。金曜の深夜、TBS系で放送中である。多少ズレもあるが、だいたい全国でこの時間で放送されているようだ。どうなんだろうね、深夜のウルトラシリーズ。昔『泉麻人のウルトラ倶楽部』というのはあったが。
もっとも名古屋の民にとっては、これはさして珍しい時間帯ではない。Wikipediaの「あにせん」という項目をご覧いただければよく分かるが、CBC(中部日本放送)は、深夜にアニメ・特撮番組を集中的に放送する枠をもっていて、これを「あにせん」(アニ専)と呼ぶ。もっともCBCの番組表でそう呼ばれているだけなので「あにせん」という呼称を知らない人も多い。私も知らなかった。ともかく、その枠の土曜日深夜に、一昨年『ウルトラマンネクサス』の再放送が入ったのである。たぶんこれが始まりだ。
ご存じのように『ネクサス』は、実写版セーラームーンの後番組として、2004年10月2日から、毎週土曜朝7時30分に放送された。が、ハードな内容で一部の大きいお友達に支持されたものの、子どもたちの間で思うように人気が伸びず、ウルトラマンシリーズとしては異例のワンクール切り上げ打ち切りとなった作品だ。
その『ネクサス』が本放送終了後わずか4ヶ月足らずの2005年10月15日から、毎週土曜日の深夜、というよりほとんど翌日朝の午前3時台という時間帯に再放送されていたのだ。もともと大人向けの要素が強かったから、深夜枠で一種の敗者復活戦を試みたのかもしれない。さらに2006年3月4日からは、その前に初代『ウルトラマン』を1話ずつ再放送するようになった。だからCBCの土曜深夜2時台〜3時台は、初代『ウルトラマン』と『ネクサス』で、大きいお友達向けのウルトラマンアワーとなった。この枠は「うるせん」(ウル専)と呼ばれていたようだ。
しかしいくら明日は休日の土曜と言ったって、深夜3時のウルトラマンである。私ですらそうしょっちゅうは観ていなかった。ところがCBCは、この再放送にどんな手応えを感じたのか知らないが、2006年の4月から、さらに水曜深夜3時台に実写版セーラームーンを再放送するという、嬉しいんだか迷惑なんだか分からないアイデアを出してきたのである。そのおかげでこのブログが立ち上がり、私が毎週寝不足に悩むようになったことは、過去の日記に書いてあるとおりだ。ちなみにWikipediaの「あにせん」の項目には、昨年4月からこの3月までの、複雑な実写版再放送のスケジュールがすっきりまとめられているので、この部分だけデータとしてまるごとコピーさせてもらおう。

『美少女戦士セーラームーン(実写版)』(2006年4月5日〜6月28日水・26:45〜27:15、7月5日〜7月19日水・26:15〜26:45、2006年10月4日〜2007年3月28日・26:15〜26:45)
7月26日より26:15〜27:10の枠で『アキハバラ@DEEP』が開始される事に伴い、時間が27:10〜27:40に移動してからは同枠より外れていたが、同番組の放送終了に伴い、9月27日オンエア分より再度『あにせん』枠となる。07年3月14日〜28日は2話連続放送だった。

本当はもう少しこみ入っているはずで、このブログの放送記録をぜんぶ丹念に読めば(たとえばここ)より正確なまとめができるはずだが、書いた本人もやる気がないのだから仕方がない。しかし、なんか懐かしいなあ。再放送が終了してもう半年か。
いったいどれだけの方が、ウイークデイのむちゃくちゃな時間帯に、無理して実写版をご覧になっていたことだろうかと改めて思う。東海地区のリーサルウエポンStreamKatoさんは、当時どこかの掲示板に、再放送は観ていないと書かれていたはずだ。ikidomariさんも途中で東北に異動になってしまった。親方さんはビデオ録画していたしな。
で、水曜日の深夜に実写版セーラームーンが再放送されている間に、週末の『ウルトラマン』『ネクサス』2本立ては全話を終了し(2006年7月29日)、引き続き同じスタイルで『ウルトラマンマックス』『ウルトラセブン』の再放送が始まった(2006年8月5日から)。さらに『ウルトラマンマックス』が終わると『帰ってきたウルトラマン』が始まった(2007年6月23日から)。という具合で、『セブン』終了後も『帰ってきたウルトラマン』の単独再放送は続き、そして一昨日からの『ウルトラセブンX』放送開始に伴い、『帰ってきたウルトラマン』も、土曜深夜から、『ウルトラセブンX』の後、金曜深夜3時台へと引っ越してきて2本立てとなったのである。
名古屋というのはこういう土地である。だから、テレビ愛知(テレビ東京系)の深夜枠で『ライオン丸G』が放送されていた昨年の暮れ、10月から12月の間なんか、名古屋のマジメな特撮オタクは、月曜深夜2時に『ライオン丸G』、水曜深夜2時に『セーラームーン』、土曜深夜3時に『ウルトラマンマックス』と『ウルトラセブン』をこなして、仕上げに日曜日早朝から『リュウケンドー』『ボウケンジャー』『カブト』を3本続けて観ていたはずだ。苦行だね。もちろん私はあくまで実写版の再放送をメインに、その他は体調に支障をきたさない程度にたしなんでおりましたが。
今回の『ウルトラセブンX』は、そういうわけで、名古屋CBCで2年前から提唱されていた「深夜にウルトラマンを観よう」運動が全国規模に波及して作られた新作とも言える。ひょっとすると中部地方以外の方は「何ちゅー時間帯だ」と思われているかも知れないが、私なんか、内容はともかく、バンテリンコーワとか、パチンコスロットとか、金ちゃんヌードルとかのCMで、実写版の再放送を思い出してしまって、けっこうしみじみしてしまったよ。

2.こんな場面の効果音はいやだ


さてレビューの続きだ。前回引用したAct.4冒頭のクラウンのシーンの最後から。

うさぎ「そうだよねぇ。でも私は、レイちゃんがどう思ってても、仲間だって思ってるから」

この最後のセリフの時、うさぎは亜美の方を向き、レイへの思いをこめて強くうなずく。のだが、その首を振る動作に、わざわざ「シュッ」という効果音がつく。次のダーク・キングダムのシーンもそうなんですね。

ベリル「セーラー戦士が三人まで揃うとは……。まさか奴らめ、本気であのおぞましいプリンセスまでも目ざめさせるつもりか。しかし、プリンセスがいるならば、あの幻の銀水晶も、手に入るやも知れぬ」

ここでも、ベリルが振り向くというか、首を動かしたりする動作に、やはり効果音が入る。これ、ちょっとどうかな、と思いますね。
キャラクターの動きに大げさな効果音を入れるのは、最近ではゴールデンタイムのドラマでも珍しくなくなった。漫画原作ものが増えて、リアリズムという面から言えば無理だらけの話が増えてしまったことに対する、制作者側の照れ隠しというか、言い訳のようなものなんじゃないかとも思う。ま、こういうマンガみたいな話ですから、リアリティ云々なんてヤボな突っ込みは止めてくださいね、という。
実写版の場合は、むしろ積極的にマンガっぽい画面にしようとして、擬音を入れたのかも知れない。もちろんコメディ調のシーンはそれでもいい。たとえば、Act.1の初めの方で、遅刻したうさぎが、教室で桜田先生にほっぺたを引っ張られると、グニーッという効果音が入る場面とか。でも上のAct.4のシーンは、どちらもまったくコミカルな場面ではない。うさぎは真剣にレイのことを思っていて、その気持ちを知った亜美はそんなうさぎがますます好きになって、笑顔でうなずく。ベリルはベリルで、真剣に自分の野望に思いを巡らせている。そういう場面の、軽く首を振るくらいの動作に、なぜ誇張された「シュッ」という音をダビングするのだろう。
それで思い出したのが、Act.3の火川神社のシーンだ。あそこでの効果音にも私は少々異和感を感じた。國光レイナたちが火川神社でレイを囲み「昨日だって、ここから死にそうになって逃げていく女の子、見たんだからね」と責めている。ところへ、うさぎが「それ、私」と仲裁に入る。そして両手両足を広げて、死にそうにも何にもなっていないことを「ほら」と示す、そのときのヒョイ、ヒョイという効果音が、どうも「違う」という感じなのだ。
ここでは、たとえおっかないオネエサンたちがいっぱいいても、大丈夫、話せば分かると飛び込んでいくうさぎの無垢な善意が描かれる。そしてそのあまりのストレートさに、レイをとことんいたぶろうとしていた同級生たちも、なんだか毒気を抜かれてしまう。つまり、うさぎのポジティブな明るさが事態を収拾して、その手の明るさをおよそ受け入れないレイの心にも、うさぎという子の不思議な印象が残る、という場面なのだと思う。
それが実際の映像では、コミカルな擬音が加えられたせいで、うさぎが、単にその場の緊迫した空気が読めていないだけのように見える。それで周囲もあきれて腰砕けになり、それ以上、言い争う気がなくなる、という流れになっている。だからレイも、なんだか偶然に助けられたけど、何よこのヘンな子、と思っているようにしか見えない。
確かにうさぎは、これまで大阪なるのような良い友だちに恵まれていたこともあって、性格に裏表がなさすぎて、だから幾重にも屈折した亜美やレイの心が、いつまでたってもよく分からない。そういう意味では子どもっぽい。
しかし彼女は最初から、決して他人に友情を押しつけない繊細さと、友人のためなら思い切って何でもできる勇気をもった子として描かれている。Act.1では、まだセーラームーンでもないのに、なるちゃんを助けに走り、Act.2では、ルナの提案に従わず、戦士になりたくない亜美をそのままにしてひとりで戦おうと努力した。このAct.3の行為も同様で、うさぎは同級生に囲まれているレイを見て、何のためらいもおそれもしめさず、竹刀とか持っておっかなそうな子たちの前に割って入り、レイを守ろうとしたのである。
ここはそういう、うさぎの真っ直ぐな善意を「強さ」として描く場面だ。もしそれを、幼稚さや無邪気さの面だけ強調してコミカルに描いてしまうと、つまりうさぎって、単なるバカだから、亜美やレイのような大人びた子の複雑な心境など分からないんだ、ということになる。そうするとAct.5で亜美を惑わせ、傷つけるうさぎの言動も、バカな子の無神経さに見えてしまう。そうならないための補助線として、このAct.3でレイをかばう場面があるのだ。レイは、この時うさぎに助けてもらって、その不思議な力強さに打たれたからこそ、Act.5で亜美を傷つけたうさぎを責めたりせず、「うさぎはさ、ほんと、名前のとおりに駆け足だね」と、温かい言葉で彼女をフォローしたのだ。
でも実際の作品を観ると、Act.5のうさぎって、ちょっと無神経に亜美を傷つけているように見えますよね。それは舞原監督のせいというよりも、Act.3、Act.4のうさぎのキャラクターの描き方のせいだと思います。この2話でうさぎという子の、友達思いの良いところを、もっとマジメに正攻法で演出して、Act.5での失敗につなぐべきだった。それを、ヘンな効果音を入れたりしてお笑いに逃げたところに、大きな問題があるのだ。

3.ゲストのみなさん


さて、続くダーク・キングダムのシーンについてはもう触れた。次は池袋ウエストゲートパークだ。大型ビジョンに流れるニュース。

キャスター「この歴史的にも有名な秘宝は、幻の青水晶と言われ、公開されていません。しかし、現在の所有者である桜木財閥のさる令嬢が、明日の誕生日パーティーで、出席者に披露するとのことです。初めて公開される、幻の青水晶。いったいどのようなものなのか、期待されます」

これ、ニュース番組というより、内容的にはワイドショーかな。「桜木財閥のさる令嬢」っていうのも、ちょっと変な言い回し。「桜木財閥の令嬢」で良いんじゃないでしょうか。
それはともかく、ここでキャスターをやっているのは牧里江子さん。NHKBSの番組ガイドのキャスターや、TBSのお天気キャスターなんかをやっておられる方だそうです。特撮ドラマでは2004年に制作された21世紀版のウルトラQ『ウルトラQ dark fantasy』第1話「踊るガラゴン」に出演されているとのことですが、私は未見。上原正三脚本で、ガラモンの続編だそうです。
牧理江子さんは、後にAct.15で、うさぎが視ているテレビのなかで、愛野美奈子の宝石盗難事件のレポーターとして再登場するが、これはこのAct.4のキャスターと同一人物と見なして良いのだろうか。スタジオのキャスターと現場レポーターという違いはあるが、報道番組というよりはワイドショー的な番組内容といい、どちらも宝石ネタであることといい、同じ役と考えて良いのではないですかね。
ご存じの方はご存じの通り、Act.4には、後で別のエピソードに出てくるチョイ役が他にもいる。この後のハロウィンパーティーで、うさぎのリクエストに答えて『C'est la vie』をかけるDJ役の露木亮介さんだ。
ダーク・マーキュリー篇のクライマックスとなるAct.28、レイとまことが、亜美とうさぎを取り戻すために、美奈子に助けを求めにやってくる。でも美奈子はちょうど、お台場の「DECKS TOKYO BAY STUDIO 」で、新曲『Romance』のキャンペーンでFM公開番組か何かに出ている最中なので、代わりにアルテミスを使いに出す。この場面で、ブースの中で美奈子と話しているDJが、このAct.4のハロウィンパーティーのDJと同じ露木亮介ですね。元フジテレビの露木アナウンサーのご子息だそうです。これもまあ、同じキャラクターと考えても差し支えないんじゃないかな。そうすると、Act.4には、その後のエピソードで再登場する非レギュラーのキャラクターが二人もいることになる。Act.3とAct.13の國光レイナのように、違う役で2回も登場する人って珍しいと書いたが、同じ役で再登場する人が二人も揃っているのも、これもちょっと珍しいね。
Act.4にはもう一人、ごぞんじ桜木財閥の令嬢、桜木由加(みさきゆう)というゲストが出て来るので、ついでにやっときましょう。と言っても私あんまりよく存じ上げないので、調べたデータに間違いがあったら、どなたかフォローお願いします。
みさきゆうさんは、中国人のお父さんと日本人のお母さんをもつハーフで、北京語ができるそうです。1980年、北京に生まれ、愛知県で育ち、1997年『週刊ヤングマガジン』の全国制服美少女選手権で、本名の岬貴子名義でデビュー、翌1998年には「岬たか子」の芸名で旭化成の水着キャンペーンガールになって、2000年にワコールの「ウイングウィングナチュラルアップブラ」のキャンペーンモデルとしてCMに登場、2001年にはキリンビールのキャンペーンガールになって写真集発売……って、グラビアモデルの王道みたいな人生じゃないですか。
で、2003年10月に「みさきゆう」として『新 −ARATA−』という写真集を出されていて、そのタイトルの意味が、これからは「モデル」から「女優」「タレント」になる、ということらしい。一応、それまでも日中合作ドラマとかに出演されていたことはあるようなのだが、ひょっとすると「みさきゆう」となってからの最初の「女優」の仕事が、このセーラームーンのAct.4なのかも知れないですね。
その後、2004年2月には、ガオレンジャーのガオイエロー(堀江慶)が監督した映画『渋谷怪談2』(2004年2月公開)に出演、4月には蛯原友里と長谷部瞳の後を承けて、芦名星さんと二人で『恋するハニカミ』のアシスタントをやっていたそうだ。つまり小松彩夏さんと平田薫さんの先任者である。ふ〜ん。
って、ぜんぜん知らないので、自分で調べて自分で感心するばかりだ。もうこのくらいにしておく。


パソコンを変えて困るのは、キーボードの角度とかタッチが、長く慣れていたものと微妙に違うので、どうしても首とか肩がこりやすくなってしまうことだと思う。それに今日は幼稚園の運動会もあったのでちょっと疲れています。話が一向に進みませんが、今回はこのくらいで。また来週。