実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第61回】けだるい日曜の午後に巨大女話の巻


しかしネットオークションってのも阿漕な世界だなあ。

あこぎ【阿漕】たびかさなること。転じて、際限なくむさぼること。また、あつかましいさま。(『広辞苑』第4版)

そういえば去年の暮れにニンテンドーの携帯ゲーム機を560円で売るとか売らないとかいう騒動があった。ご存知の方も多いでしょう。新品を560円。ただし売るのは「本体」、外側のケースだけで、中身の基盤や液晶を含まないというのだ。
 どういうことか? つまりゲーム機を 1,8000円で売りたいわけだが、普通にその価格で落札されると、出品者は900円の手数料(落札価格の5%)をオークションのシステムの利用代としてyahooに支払わなければならない。これがもったいない。そこで考えた。オークションにかけるのは「本体」のみで「本体のみの場合は液晶や基盤やビスの付属品はぜんぶ外したジャンクの状態でお届けします」という解説文を添える。そうすれば、本体のみを欲しがる人はいないだろうから、あとの「付属品」を「個人的な相談」で18000円程度で引き取ってもらおう、で、yahooに払う手数料を数十円、ということのようだ。
 そうしたら、そのカラクリに気づいた人に560円で落札されて、しかも落札者が「本体のみで良い」と言い出したから出品者は困った。新品のDSを560円もらってジャンクにして yahooに30円を払わなければならなくなったのである。落札した人もネットで似たようなことをやっている人らしいんですけどね。詳しくはこちら。まあロクな話じゃないです。なーんかそのうち「実写版台本売ります、希望価格100円。ただし表紙だけ切り取って。中身が欲しい人は商談に応じます」なんてのも出てくるのか。なんかいきなり心が寒くなる話題ですみません。

 

 さて、皆さんもこの週末はヤフーオークションやセンター入試や出張や、それぞれお忙しいことと存じます。それとも小松彩夏舞台挨拶や沢井美優DVDイベントに行かれているのだろうか、プルプル(新しい語尾)。私は仕事でどこへも行けないが、さいわい午前中はちょっと空きができたので、つまんないから書きかけの日記をアップしておこうと思う。今週は再放送もお休みだし、まったり行きます。

 

 Act.37は、これで六巡目の登場で11本目となる高丸監督の担当回だ。この監督については、この日記の第40回で「コスプレフェチ疑惑」「人形フェチ疑惑」などとあれこれ疑いをかけてきた。コスプレ疑惑というのは、Act.4の「うさぎ、クマのぬいぐるみで衛に抱きつく」やAct.12の「うさぎ、サンタに扮装して美奈子と脱出」などのコスプレが、はたして台本に書かれているのか監督の趣味なのか分からない。とりわけAct.25の「カメの着ぐるみでシリアスなセリフを言う元基」はどういうことか?という話だ。それから人形フェチというのは、Act.20の「寝込んだ美奈子にタオルを絞るアルテミス」、Act.25 の「TV局の控え室で美奈子と相談中にスタッフが入ってきて、目を丸くして慌ててぬいぐるみのフリをするアルテミス」、まだ先だがAct.46の「目玉焼きを作ろうとするアルテミス」あたりの、猫の人形に過剰な演技をさせる傾向のことです。

 この二つとも今回Act.37に出てくる。コスプレの方は言うまでもない、いったい前世で何が起こったかを聞くために新作映画撮影中の美奈子を訪ねたレイがナコナコの衣装を着せられる、というアレだ。人形の方はルナ。深夜、ハープの音とともにプリンセスとなって自分の部屋を出て行くうさぎをルナが追う、そのときのルナの過剰な演技である。で、あらためて再放送で観てみると、やはりこれは高丸監督の趣味なのではないかなあという気がしますね。Act.25とAct.37、特にAct.25の台本があればはっきり分かるのだが、う〜ん、Act.25……。
えーと気をとりなおして、そのことはともかく、今回はまたもうひとつの疑惑が高丸監督に加わった「巨大女フェチ疑惑」である。といえばみなさんも「あれか」と思われるだろう。今回、レイと美奈子が最初に登場するカット。怪獣映画の撮影セットらしい現場で、ビルの谷間から登場する二人。背後を、空を描いたホリゾントを運ぶ裏方さんが通り抜けるので、一瞬、巨大レイと巨大美奈子が街に出現したのか、と錯覚してしまうあのシーンである。
 ご存知の方はご存知だろうが、世の中には「巨大女フェチ」がいるのである。それもただ大きい女性というのではなくて特撮系の。典型的な例をあげれば『妖怪巨大女』。1958年のアメリカ映画である。夫の浮気に悩む主婦が巨大な宇宙人と遭遇して引っ掻かれ、そのせいか自分も身長50フィートに巨大化してしまう。で「あんたぁ〜」と砂漠をドスドス歩いて、夫が女といちゃつているバーを襲い、屋根をひっぺがし、相手の女を踏みつぶし、夫をつかむが電線に触れて感電して死んでしまう、という、怪獣映画の形を借りた痴話ゲンカの話である。これは冗談ではない。予告編を観たい方はここをクリックしてみてください。最初に遭遇する毛むくじゃらの宇宙人の手が、予算の都合でそのまま巨大化した嫁さんの手としてリサイクルされている。だから手のアップのシーンだけ毛むくじゃらというどうしようもない作品だ。合成もひどくて、巨大女の背景が透けて見えたりする。

 どうですか?まあ普通の人は観たいと思わないだろう。しかしこういうのが好きな人がいて、現にこの映画はリメイクされているのだ。『ダリル・ハンナのジャイアント・ウーマン』(1993)がそれである。こっちのリメイク版のヒロインは、ダンナに「私こんなに大きくなっちゃったけどこれからもラブラブでいましょうね」としおらしい。しかしダンナは「ふざけんな、潜水スーツとアクアラングがいるじゃねえか!」いや下ネタですみません。
 さらにオマージュ作品として『アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ウーマン』というのもある。これは制作がB級の帝王ロジャー・コーマン、監督が脱力系映画の巨匠フレッド・オーレン・レイだけあって、とにかくくだらない。胸が小さいことを悩んでいたグラビアモデルが、特殊なホルモン剤を服用したら胸も大きくなったが身長も60フィートまで巨大化してしまったという話。でもそれで人気になって、それを妬んだライバルのモデルも同じ薬を入手して巨大化、最後はハリウッド大通りで巨大グラビアアイドルが街を破壊しながら戦うという話だ。絶対にお薦めしない。が、それでも詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。

それから『キャンディロックの巨大花嫁』(1958)というのもあります。アボットとコステロのコステロが主演のコメディ。私はこれは観ていないな(ということは他のは観ているのか?)。
 たぶん我が国にも『ウルトラマン』第33話の巨大フジ隊員あたりで目ざめ、「プロミス」の、巨大化した井上和香が街を歩くCMなどに感涙した人というのがいるに違いない。そしてそういう方々にとって、実写版Act.37の巨大美奈子と巨大レイ(と錯覚する)シーンはやはり特別な意味をもって将来語り継がれて行くであろうと、そう思うのである。で、高丸監督、ひょっとしたら、どうなのかなあ。
 このAct.37で撮影されている作品は、Act.31で元基とまことが観に行った『カメファイター』の続編で、美奈子主演の『カメファイターVSイカキック』というらしい。巨大ビルのセットが組まれているのだから、カメファイターが巨大化して戦うのだろうとは思うが、美奈子が巨大化する話なのかどうかが知りたい。「愛してると一言!」「クピピ!」が巨大化変身の合図だったりしたら嬉しいのだが。そんなこと考える私も巨大女フェチなのか?

 

 本日の日記はさらに『カメファイター』の元ネタである『えびボクサー』『いかレスラー』、そしてその仕掛け人である叶井俊太郎さんに触れて『ドリフト』に至るというジャンク映画ネタでまとめるつもりだった。でもここで時間がなくなっちゃった。ですのでそのへんのことは『M14の追憶』をお読みください。このネタはもともと『M14の追憶』のコメント欄に書き込んだものである。しかし1回分のネタくらいにはなるかなと思い直し、コメントを削除してメールしたのだ。あのころはM14さんが「ネタがない」というのを半ば本気で心配して、だったらつなぎのネタにでもしていただければ、と殊勝な気持ちであった。その後、徐々に「この人のネタがないというのは、ひょっとして芸か?」という疑惑が生まれ、それが先日の初期M14研究へと発展していったのである。

というわけでまた。それから皆さん、gooで無料配信されている小松さんの『占い師 天尽』第2話はもうご覧になりましたか?残念ながら私のMacでは観ることができませんが、CBCでの放送は観ましたよ。時間帯が実写版再放送と同じ深夜で、CMもほとんど一緒でした。内容は、ずーっと運に見放されていた女優の卵にようやく運気が回って来るという、まあアレコレ言うこともないような小品でしたが、しかし2人しか受けないオーディションというのはあまりにもしょぼくないか?前半を観おわった時点では、もっと何人もの候補がいるなか、やっぱり小松彩夏がとびきり輝いていて、監督の目にとまり、妨害にも屈せず主役の座を射止めるという話を期待していたのですが。でも仕方ないか。
 ともあれ、23歳という高めの年齢設定にあわせて大人っぽさを出そうとしていた小松さんもまた魅力的でしたし、ドラマのなかで見せた、台本読みに賭ける意気込みは、役の上での演技というよりも、小松彩夏自身の「女優」に対する思いの吐露ではないかという気がします。やはりこの人にはもっと本格的な女優としての道を進んでいただきたいなあ。

 

 しかし今回の日記も、たまらさんの小咄なみのくだらなさだなあ。プルプル。