実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第697回】鬼嫁の目にも涙、の巻(沢井美優『科捜研の女』)

 

*本日のレビューはミステリドラマの完全ネタばれ仕様です。ご了承ください。

 

 

 

 

前回よりやや巨大化しているように見えるが。

 

 

 『ヒルナンデス』が話題になっている。もちろん私は観ていないが、2018年12月18日放送の「気になるカバンの中身覗くンデス」というコーナーに安座間美優が登場して、平野ノラにカバンの中身を抜き打ち検査されたんだって。そうやって、愛用リップとかコンシーラー(って、何?)だとか植物成分由来の爪に優しいネイルだとかを、「これが人気モデルの愛用品です」みたいに紹介する企画らしい。そのとき画面に映った化粧ポーチが、セーラージュピターのデザインだったんだって。それでセーラームーン好きな人々が、ネットでかなりざわついていた。観ていなかったが私も嬉しい。

 

 

 すかさず写真撮ってツイッターにあげてくれた人、ありがとう。ちなみに左の人は芳村真理ではなくて平野ノラです。その下のバッグの隣にあるのが、確かにセーラージュピターデザインのポーチだね。
 さて今回のお題は『科捜研の女 Season18』File 8「悩める解剖医」(2018年12月13日放送/脚本:季正姫/照明:山中秋男/撮影:田中勇二/監督:西片友樹)だ。

 

 

 このドラマは来年で20周年を迎えるテレビ朝日の人気タイトルだが、2013年のシーズン12から塚田英明がプロデューサーに名を連ね、それに併せて田崎竜太が監督ローテーションに加わったり、『仮面ライダーW』の山本ひかるや『仮面ライダーOOO(オーズ)』の渡部秀がレギュラー入りしたりと、ゲストに渋江譲二( Season15第6話)や小松彩夏(Season16第15話)が呼ばれたりと、だんだん「こっち寄り」になってきた。今シーズンは塚田さんに代わって谷中泰成プロデューサー(『仮面ライダー鎧武』『仮面ライダーエグゼイド』『仮面ライダービルド』)が加わり、田崎竜太(第1話監督)、小池里奈(Season18第6話)なんかを呼んできている。そして今回、いよいよプリンセスのご降臨である。

 

 

 

 矢吹伸太郎(柴木丈留)はプロゴルファー。アスリートとしての成績はイマイチだが、芸能人としては広く知られていて、アシスタント(桐生みほ)つきの番組も持っている。

 


伸太郎「矢吹伸太郎のいつでもナイスショット!」


友 希「さあ 今日も始まりました『矢吹伸太郎のいつでもナイスショット』今日のゲストはこの方です」


友 希「我らが矢吹さんの奥様、矢吹真由さんです」


真 由「伸太郎〜!」

 


 妻のタレント真由(沢井美優)がいわゆる「鬼嫁」で、いつもその尻に敷かれている恐妻家、というキャラクターが浸透している矢吹伸太郎。おかげでTVで自分の冠番組を持つほどの人気者になった。

 


真 由「どうも。旦那がお世話になってま〜す!」


伸太郎「ちょっとなんなの? これ。 罰ゲーム? 嫁と一緒に回るとかめっちゃ怖いんですけど」
友 希「いやそんな、怖いって……」
伸太郎吹「だって この間この人おれに何て言ったと思います?」
友 希「えっ? 何ておっしゃったんですか?」


真 由「今度の大会、優勝しなかったら……」


真 由「殺す!」

 

 

 がしかし、その「今度の大会」で、矢吹プロは予選落ちしてしまう。怖っ! 奥さんに殺されるぞ、と思っていたら、数日後、本当に死体になってしまった。自宅の庭に倒れていたところを、朝、お隣さんに発見されたのだ。

 

 

 特に外傷もみあたらず、急病か何かで倒れたように見える。だが刑事の岩尾(山本圭祐)は興奮気味だ。さきほどのテレビ番組を同僚の小木刑事(白井哲也)や、検死に来た科捜研のマリコ(沢口靖子)に見せて、妻の真由が偽装殺人を犯したのではないかと言い出す。

 


岩 尾「ね、殺すって言ってるでしょ? しかもこの放送後の大会で矢吹さん、予選落ちして優勝できなかったんすよ」


小 木「ったく、だからっていって本当に殺すわけないでしょう。ねえ 榊さん」


マリコ「かぶれてますね ここ」
小 木「はい?」


マリコ「それにここ、何か付着してますね」



岩 尾「これは、指の痕?」


マリコ「ええ。誰かに強く握られたみたいですね」


岩 尾「ちょっとちょっと、事件性、出てきたんじゃありません?」

 


 手首のかぶれ、袖口に何かの付着物、そして袖口をまくると、誰かに強く腕を掴まれた痕。検分を進めていると、仕事で家を空けていた「鬼嫁」の真由が、マネージャーの池島美里(河本千明)を連れて帰宅してきた。コーディネートの色味がイマイチ趣味悪いように見えるのは私だけでしょうか。

 


真 由「伸太郎!」


岩 尾「あ〜ちょっとちょっと、奥さんの矢吹真由さんですね?」


真 由「そうだけど 何?」
亜 美「真由さん」


亜美「矢吹真由のマネージャーの池島です。ロケに向かう途中で、警察の方からお電話を頂いて、慌てて戻ってきたんです」


岩 尾「何か心当たりがあるんじゃありませんか?」


真 由「それどういう意味?」


岩 尾「いえ……怖っ!」


マリコ「とにかく解剖に回してください」


真 由「解剖なんて駄目!」


マリコ「えっ?」


真 由「伸太郎は病気だったのよ」


マリコ「病気……持病があったという事ですか?」


真 由「そうよ。だから絶対に解剖なんてさせない」

 


 日本に司法解剖は普及していない。北川景子のドラマ『ヒポクラテスの誓い』でも、遺族はだいたい故人の身体にメスを入れることを嫌がっていた。だから真由が夫を解剖すると聞いて拒否反応を示しても、日本人としてはわりと普通の反応である。ところがすでに真由を疑惑の目でみている岩尾刑事は、ますます不審を抱き、真由をターゲットに調査を始めるのである。いいのかこんな刑事。

 

 

 

 その後、主治医(藤本幸広)への聞き込みで、一ヶ月前の検査で矢吹の脳内の血管に動脈硬化が発見されたことが明らかになった。今回の突然死は、それが原因で脳梗塞を起こした結果らしい。画像診断でも脳梗塞が見出され、ほぼ病死ということで、解剖はいったん見送られる。
 しかし岩尾刑事は殺人の可能性を捨てず、何か証拠はないかとマリコや日野(斉藤暁)、橋口呂太(渡部秀)、亜美(山本ひかる)、宇佐見(風間トオル)ら科捜研の面々にしつこく喰い下がった。マリコもまた、手首のかぶれと付着物、そして圧迫痕のことがひっかかっていた。

 


マリコ「で、奥さんの動機って何だったんですか?」
岩 尾「ええ、実は矢吹伸太郎さん、調査会社に、奥さんの真由さんの浮気調査を依頼してたようなんです」
マリコ「浮気調査?」


岩 尾「ええ。 調査員の話によると矢吹さんの亡くなる半月ほど前に依頼を受けたそうです。まあ、浮気の決定的な証拠は押さえられなかったようなんですがね」


呂 太「浮気が原因で喧嘩になって、鬼嫁の真由さんが旦那さんを殺したのかもってこと?でもどうやって?」
岩 尾「いや、ほら、あのかぶれと指の痕はどうだったんですか?」


マリコ「亜美ちゃん」
亜 美「それなんですが、いつできたものか分かりました」


亜 美「これ 真由さんの4日前のブログなんですけど」


宇佐見「あっ、矢吹伸太郎さんですね」
亜 美「ここ、拡大します」


呂 太「かぶれも圧迫痕もないね」


亜 美「でも その翌日。亡くなる3日前のブログでは……拡大鮮明化します」


マリコ「あっ、かぶれと圧迫痕」

 


 ちょっと真剣にうらやましいよね。ブログの画像をこれだけ拡大しても鮮明に見えるなんて、どんな加工ソフト使ったのか。私も購入していろいろ活用したい。いやいや、すまない。話を先に進めよう。


日 野「つまり 矢吹さんの手首にかぶれと圧迫痕ができたのは、死亡する3日前ということになるね」
岩 尾「えっ、それじゃ……」


宇佐見「矢吹さんが死亡したこととは関係がなさそうですね」


日 野「そもそも、死因は脳梗塞なんだから病死ですよね。わざと脳梗塞を起こさせて殺すなんて 、できないでしょ」



岩 尾「それは まあ確かに そうなんですが」


マリコ「もし、それが可能だったとしたら」

 


 さらに、真由を疑っているもう一人の人物が、岩尾刑事のもとを訪れた。亡くなった伸太郎の実母、矢吹晶子(鈴川法子)である。マリコは科捜研のパートナー、洛北医科大法医学教室の風丘早月教授(若村麻由美)と洛陽署に出向き、母親の告発を聴く。

 


晶 子「絶対に息子は、あの鬼嫁に殺されたんです。それなのに病死だなんて!」


晶 子「先生方、ちゃんと調べてくれたんですか?」


早 月「画像診断をさせて頂きましたが、息子さんは脳梗塞を起こしていました」


晶 子「そんな……」


マリコ「何か前兆はなかったですか? しびれとか 頭が痛いとか」


晶 子「あ…… 痛いって言ってました、顎が」


マリコ「顎ですか? 頭じゃなく?」



晶 子「ええ、確かあれは一昨日」

 


 このドラマの不思議な特徴のひとつが「妙にセリフに合わせた身振りが多い」こと。この場面、一人が「顎が」というと、みんなが「顎」とか言いながら、一様に自分のアゴを触る(笑)。これは何なんだろう。

 


美 里「おはようございます」
真 由「おはよう」
伸太郎「おはよう」


晶 子「伸太郎」
伸太郎「(ため息)なんだよ 母さん」


晶 子「この人に話があるのよ」


伸太郎「これから2人で仕事なんだけど」
晶 子「仕事? 鬼嫁だかなんだか知らないけど、またウチの伸太郎をいじめてお金もらいに行くわけ?」


真 由「みんなそれで喜んでますから」


晶 子「あなた、なに言ってんの?」
伸太郎「母さん! ほら もうやめろって!」


伸太郎「痛っ!」
晶 子「どうしたの? 伸太郎」


伸太郎「……なんでもない」


晶 子「大丈夫?」

╳    ╳    ╳


岩 尾「ひげでも剃ってて切っちゃったんじゃないんですか」
晶 子「息子はひげを伸ばしてましたから剃ったりしませんけど」
岩 尾「あっ そっか…」


マリコ「風丘先生?」
早 月「ん? あっ、すみません」


早 月「息子さんのご遺体、もう少し調べさせて頂きたいんですが」

 


 風丘先生が何かを思いついたようで、改めて遺体解剖が行われる。その結果、伸太郎が亡くなる3日前、首に強いストレスを受けたらしいことが判明した。

 

 

 

 その衝撃で脳内の硬化した血管が裂け、そこに生じた血栓が、3日後に伸太郎の命を奪う時限爆弾となった。つまりこの脳梗塞は人為的に引き起こされたものだったのだ。

 


早 月「その動脈解離が起こったのが、矢吹さんが死亡する3日前だった」


マリコ「そして矢吹さんが顎に傷を負ったのも、同じ3日前」

 


 このドラマの不思議な特徴のひとつが「妙にセリフに合わせた身振りが多い」こと、って、さっき書いたか。何も2人とも「3日前」というセリフで順々に指3本出さなくてもいいように思うが。
 ともかく、伸太郎の死と、圧迫痕・かぶれ、顎の傷との間には因果関係があるようだ。

 

 

 科捜研の検査で、手首の付着物および肌のかぶれは、ワセリンに含まれた硫黄化合物によるものと特定された。伸太郎はどこかで手首にワセリンをつけて、気づかないままかぶれてしまった。

 

 

 しかもそのワセリンから微量の微繊維性コラーゲン塩酸塩が検出された。これは止血剤の成分である。つまりワセリンと止血剤。と言えばボクシング。

 

 

 亜美(山本ひかる)は成分分析からワセリンのメーカーを割り出すと、岩尾刑事、それに最近シリーズ常連となった若い蒲原刑事(石井一彰)とともに、その製品を使用しているボクシングジムに調査へ赴いた。
 ジムの会長(東映俳優養成所の講師も務めているベテラン細川純一)が持ってきたワセリンは、確かに遺体に付着していたものだったが、それよりもなによりも、そこで片山トレーナー(内藤邦秋)の指導を受けてスパーリングしている女性の姿に岩尾刑事は大興奮だ。

 


会 長「お待たせしました。これが うちで使ってるワセリンと止血剤なんですけど」


亜 美「矢吹さんに付着してたのと同じものですね」
蒲 原「11月6日に、プロゴルファーの矢吹伸太郎さんがここに来ませんでしたか?」



会 長「さあ…」
岩 尾「あっ!」



片 山「ワンツー!」


岩 尾「いたし!」






片 山「ナイスアッパー!」


片 山「速かったよ、リズム取れてるし」


╳    ╳    ╳


真 由「何それ? 私が伸太郎の顎を殴って、脳梗塞を起こさせて殺したんじゃないかって言いたいわけ?」


蒲 原「矢吹伸太郎さんは、亡くなる3日前の11月6日にここに来たんじゃありませんか?」


岩 尾「真由さん。あなた 矢吹さんに浮気を疑われてたんですよね? それでもめて 喧嘩になって旦那さんの顎、その手で殴って殺したんでしょ?」


真 由「はぁ〜あ、警察も姑とか世間とかと一緒なんだね」


美 里「真由さん、もう出ないと」


美 里「すいません、これから収録がありまして」


真 由「行くよ」


片 山「あの…」
蒲 原「はい?」


片 山「それ、たぶん俺です」


一 同「えっ?」
片 山「あっ いや、殴ったわけじゃないんですよ。ワセリンです」



片 山「あの日、矢吹伸太郎さん、ここに来たんですけど」


片 山「真由さん、アッパー。まずここガードして。しっかりガードして」
真 由「はい」


片 山「こう、 刺すように」


真 由「はい」


伸太郎「真由!」


真 由「伸太郎?」


伸太郎「お前ら何やってんだよ!」


真 由「ちょっと!」



片 山「何なんですか?」


伸太郎「おまえ、真由と浮気してるだろう!」


片 山「えっ?」


片 山「勝手に俺と真由さんの浮気を疑ってて」


蒲 原「本当にあなたと真由さんの間に、男女の関係はなかったんですか?」
片 山「ありませんよ。真由さんがここに通ってるのは、プロのライセンスを取ろうとしてるからなんです」
岩 尾「えっ、プロ目指してるんですか?」


片 山「彼女、たいしたもんですよ。アッパーなんかは相当な破壊力です」

 


 鋭いアッパーを見たときは、この一発で旦那をあの世送りにしたのか、と思っていた岩尾刑事も、話を聞くとだいぶ思ってたのと違うので、少々拍子抜けしてしまう。

 

 

 

さらに、伸太郎の顎の傷からはごく微量の、ミナミマンネンゴケが検出された。しかも近隣でこのコケが自生しているエリアに、伸太郎の別荘兼ゴルフ練習場があることが判明する。

 


マリコ「その苔が顎の傷に付着していたということは」
日 野「矢吹さんが顎を殴られたのはこのエリアだってこと」

 


 だからさあ、顎の傷の話をするときは必ず顎を指さす沢口靖子。どうしてなんだ。ということはともかく、さっそく別荘に向かった科捜研は、練習場の床に血痕を発見。

 

 

 

 色めき立った科捜研は、そこにあった大量のゴルフクラブを片っ端から鑑定するが、なかなか結果がでない。と、マリコの目にとまったのが一本のゴムホース。

 

 

 

 その先端にはくっきり血液反応が出た。伸太郎はこのホースで顎を一打されたようだ。

 

 

 翌日。真由は静かな神社(日向大神宮)の境内で、石段を登ったりミット打ちをしたり、ボクシングのトレーニング風景を取材されていた。番組ディレクター(伊能努)もいい画が撮れて嬉しそう。そこをマリコと刑事ご一行が訪問する。


片 山「ジャブ、ワンツー」


片 山「ワンツー、フック」


片 山「アッパー」


片 山「よし」


ディレクター「はい オーケーです!」


ディレクター「真由さん、こんな特技もあったんですね」


ディレクター「旦那さんの事は残念でしたけど、これでまた仕事、増えるんじゃないんですか?」



美 里「またよろしくお願いします」


ディレクター「ええ、こちらこそ」


╳    ╳    ╳


マリコ「あなたはこのホースを使って、矢吹伸太郎さんの顎に怪我を負わせ、死に至らしめた」



マリコ「そうですよね? 池島美里さん」



マリコ「このホースから矢吹伸太郎さんの血液と、あなたの指紋が検出されました」


美 里「私が……やりました」


真 由「嘘だよね?」


小 木「署までご同行願います」
美 里「はい」


 真犯人は真由と思わせておいて、常に真由につき添っていたマネージャーの池島美里(河本千明 from SET)だった。
 どういうことか。妻の真由の浮気を疑っていた伸太郎だが、実は彼自身が妻のマネージャーの池島と、三年ほど前から浮気していたのだった。一度は子どもができて堕ろしたこともあったが、その後もずるずると続いていた。ひどい男である。

 

 

 そしてある日、真由と一緒に、主治医(藤本幸広)から伸太郎の脳の画像写真を見せられ、動脈硬化の話を聞いてしまう。

 


真 由「このまま動脈硬化が進むと、伸太郎は脳梗塞になる危険性が?」


医 師「ええ、矢吹さんはプロゴルファーで、運動もなさっていますから、特に首の運動」


医 師「つまり頸動脈へのストレスには注意をして頂きたいんです」


 この話を聞いた美里は、伸太郎を殺すかどうか「神様に決めてもらおう」と思って、伸太郎のいる別荘に向かう。

 



伸太郎「おっ! 池島ちゃんか」


美 里「今度ね、テレビ局主催のゴルフコンペに出ることになったの。ちょっとスイング見てくれない?」
伸太郎「いいよ」

 


 伸太郎は、ホースを使ってスイングを矯正する「矢吹メソッド」というゴルフ指導法の考案者で、DVDも出していた。

 

 

 

 そのやり方でスイングを教えてもらう振りをして、隙を突いて顎にホースを叩きつけたのだ。

 


美 里「こう?」


伸太郎「うまい」


美 里「ふふふ」



伸太郎「うわっ!」
美 里「ごめん! どうしよう、私ったら」


伸太郎「痛っ」


伸太郎「……大丈夫だから、このこと、 真由にはシーッ、な」

 


 恨みつらみと同時に愛情も未練もあった。だからこれで死ぬか死なないかは運次第、というつもりだったけど、3日後に伸太郎は血栓から脳梗塞を起こして死んでしまった、というのが事件の真相。

 

 

 犯人逮捕の場面まで戻ります。連行される池島マネージャーを呆然と見送る真由。力なくその場にしゃがみ込んでしまう。

 



岩 尾「ごめんなさい。絶対あなたが犯人だと思ったんですけど」


蒲 原「本当は鬼嫁なんかじゃない。鬼嫁のキャラは、あなたが矢吹さんのために、テレビの中で演じていたお芝居だった」


蒲 原「ゴルフの成績が振るわない矢吹さんでも、鬼嫁の尻に敷かれるキャラクターでテレビに出れば、注目を浴び、仕事が増える」


蒲 原「ボクシングを始めたのも矢吹さんのためですよね? あなたは 彼の病気が心配で、早くゴルフをやめてほしいと思っていたとか。でも ゴルフをやめてしまったら、鬼嫁に叱咤される駄目なゴルファーとしても仕事がなくなってしまう」


蒲 原「だからあなたは、新しいボクシングのキャラで、今度は自分一人で矢吹さんのことを養っていけるようにと……」




真 由「伸太郎はね、ひどい男なのよ。自分は好き放題してるくせに、ありもしない私の浮気、疑ったりして」


マリコ「解剖を拒否したのは?」


真 由「あのひと、痛いのきらいだったから」


真 由「かわいそうじゃない」


 


 以上でした。繰り返すが、このシーンのロケーションは山科区の日向大神宮。風情がありますね。
 さて『科捜研の女 Season18』は、この第8話をもって最終回となる。しかし最終回のわりに、主人公マリコの相方というか、最重要のレギュラーメンバー、土門刑事(内藤剛志)は東京に出向中という設定で(なんかノンキャリアとしては異例の昇進となるらしい)ほぼ出てこない、そして事件解決後に京都に戻ってきて、ことの顛末をマリコから聞き、最後に別れを暗示するやりとりがある。

 


土 門「俺がいなくても大丈夫そうだな」


マリコ「何か言った?」



土 門「いや……」

 


 実は年が明けて2019年1月3日には「土門刑事 最後の事件」と銘打った2時間の「テレビ朝日開局60周年記念 科捜研の女 正月スペシャル』が待っている。だから、こっちが実質的な今シーズン最終回なわけ。
  ともあれ沢井さん、おみごとでございました。以上、次回は『指定弁護士』レビューの続き。沢井さんの特集はこれで2018年最後となりました。最後になかなか熱演のドラマを取り上げられて良かった。じゃ、そゆことで、でわでわ。