実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第689回】里香・里香・景子の巻(『SUITS』『文学処女』『指定弁護士』)

 

 

 2013年から2015年までセーラームーンミュージカルを務めた大久保聡美たちが卒業し、ネルケ版の内部5戦士が刷新されたのは2016年5月のこと。マーキュリーはすでに松浦雅(2013)→小山百代(2014・2015)と代替わりがあったので、三代目ということになったが、オーディションの結果、ネルケ版三代目セーラーマーキュリーとして発表されたのは黒木ひかりだった。当時15歳。戦士たちのなかでもかなりの注目株であった。

 

 

 ところがその直後、ネットでネガティブキャンペーンが始まる。黒木ひかりは以前、「夏風ひかり」の名でU-15アイドルとして活躍していた。本人は、ツイッターなどでファンに尋ねられても、別にそのころのことを隠そうともしていなかった。
 そしたら、旧芸名で出していたイメージDVDが、まだ少女なのに極小ビキニで露出の多い、明らかにそういう趣味の人向けの作品だったものだから、一部の人が「そういう人に亜美ちゃんはふさわしくない」とか騒ぎ出した。間もなく黒木ひかりは、自分からセラミュ降板を申し出て、主催者側はすぐに「本人の事情により降板になりました」とアナウンスを出した。

 

 

 それで普段は温厚な私も(自分で言うか)非常に腹が立ったわけですよ。児童ポルノに引っかかりそうな案件だったら(そこまで行かないと思うが)むしろ本人は被害者ではないか。そんなの大人が守ってやらなきゃいけないのに、なぜ切り捨てる。という事情があって、変身後のビジュアルすら発表されなかったが、名古屋支部では黒木ひかりを正式に、竹内夢の前の、ネルケ版三代目マーキュリーとして認定している。

 

 

 その黒木ひかりが最近けっこう来ているという。調べて見ると、昨年あたりからAbemaTVで活躍したり、今年の春「ミスマガジン2018」でベスト16に入ったりしたことがきっかけで青年誌のグラビアをやったりして話題になっているんだそうだ。よしよし。おじさん応援してるよ。それにしてもこの子がマーキュリーに変身した姿を見たかった。ネルケは今からでも猛省するように。

1. 『SUITS スーツ』第1話


 月9ドラマに泉里香が出ていたという情報が寄せられたので、見逃し配信でチェックした。『SUITS スーツ』第1話である(2018年10月8日放送、フジテレビ・共同テレビ、脚本:池上純哉/照明:田中健一/撮影:大石弘宜・篠田忠史/演出:土方政人)。



 フジで中島裕翔主演ということで、『HOPE 〜期待ゼロの新入社員〜』に続く英単語タイトル企業ドラマかと思ったら、米国の人気作品が原作の、織田裕二とW主演の弁護士ドラマだった。織田裕二の月9主演は『太陽と海の教室』以来とのことだが、まあ月9といっても、もうそんなにブランド感はないか。



 横浜の青葉区民文化センターではミュージカル『オペラ座の怪人 ドン・ファンの勝利』(笑)を上演中である。おめかしした泉里香が登場。誰かを捜している。



 捜していた人物は、ワイン片手にポスターを眺めて時間をつぶしていた。最近はミュージカル観劇のロビーでワインが飲めるのか。でもグラス持っているのこの人だけみたいだけど。



 この人は甲斐正午(織田裕二)という弁護士である。梅宮茜(泉里香)との関係は、ちょっと分からない。とにかくデートだ。

 


 茜 「これから果たし合いにでも行くような顔してますよ」


甲 斐「俺が? まさか」


 茜 「お招き、ありがとうございます。久しぶりにおめかししちゃった」


甲 斐「よく似合ってるよ、その大きなバッグ以外は」


 茜 「そこ突っ込みます? パソコンは持ち歩かないわけにはいかないんで」


甲 斐「さすが売れっ子トレーダー」


受 付「お預かりいたします。こちらが番号札です」


甲 斐「ありがとう」

 


 そのころ甲斐の勤め先である法律事務所には、大口雇用主であるAI企業のトップ、ダイス・スズキ(清原翔)が押し掛けていた。円満退社したはずの社員が社長のダイスをパワハラで訴え、週刊誌にその記事が載りそうなので、なんとか差し止めて欲しいという依頼だ。




 しかしこの件を担当している甲斐弁護士はどこへ行ったか、電話にも出ず居所がつかめない。スズキ社長はもう切れそう。



 所長の幸村(鈴木保奈美)も、うわべは落ち着いてにこやかに対応しているが、大口顧客が爆発寸前で内心は気が気ではない。なあんて状況を知ってか知らずか、ミュージカル開演前の劇場で愉しげな甲斐と茜。だが携帯の呼び出しが。

 


甲 斐「どう?  新しい職場、慣れた?」
 茜 「実は、まだ一度も顔出してなくて」
甲 斐「えっ?」


 茜 「大人の事情ってやつがありまして、私、いま社内的には病気療養中ってことになってるんで」
甲 斐「病気……いいの? こんなとこ居て」
 茜 「甲斐さんの誘いを断れっこないじゃないですか」


 茜 「このデートのこと、ぜったい秘密ですよ?」


甲 斐「こう見えて守秘義務にはうるさいんだ」


甲 斐「あ……何だこんな時に」


 茜 「仕事のメールですか?もう 始まっちゃいますよ」
甲 斐「外せない相手なんだ」


甲 斐「すぐ戻るから 楽しんでて」



甲 斐「急に出なきゃならなくなって」
受 付「お待ちください」


受 付「どうぞ」


甲 斐「ありがとう」

 


  なんて、これから舞台が始まるというときに、泉里香をすっぽかして、しかも泉里香のパソコンが入ったバッグをクロークから勝手に持ち出してその場を去ってしまう。
一方、法律事務所の方には、ダイス社長をパワハラで告発した元社員の代理人弁護士(橋本さとし)が現れる。仕方がないので甲斐が戻るまで、ダイス社長、鈴木保奈美の所長、そしてもう一人の弁護士、蟹江(小手伸也)の三人で対応する。



  ダイスは「その社員には納得して依頼退職してもらった。最後は笑って握手して別れた」と主張し、週刊誌にリークした記事の差し止めを要求するが、相手側の弁護士は、被害者は社長のパワハラのせいで無理やり辞めさせら れ、今はPTSDで寝たきりの状態だ、と医師の診断書を持ち出す。






 弱り切ったダイス側。そこへさっそうと現れたのが甲斐。ダイスの会社を退社した被害者が、実はライバル会社に機密情報を流していたスパイであると指摘する。さらに、目的を遂げて退社した後は、社長をパワハラで訴え社会的信用に傷をつけようという魂胆だ。

 


甲 斐「ダイス氏は人工知能を使ったオンラインサービスをアメリカで成功させ、来月には日本の政府系ベンチャーキャピタルからの大型融資が内定してる。AIトラストはそれをどうにかして阻止したかったんでしょう」


甲 斐「そこでダイス氏の会社に、スパイを送り込んでスキャンダルをでっち上げようとした、この日本じゃ、企業を追い込むのに刃物は要りませんからね。週刊誌が騒いだだけで、一瞬で社会的信用は吹っ飛ぶ」


甲 斐「あっそうそう、そういえばその被害女性、いまAIトラストの関連会社に再就職してますよ」


木次谷「特に精神的に追い込まれてる感じじゃなかったけどな」



ダイス「じゃあこの診断書って」


甲 斐「そもそも木次谷先生はAIトラストの顧問弁護士もされてますよね?」


甲 斐「弁護士が企業と組んでスパイ活動の手助けですか。恥ずかしくないですか?」

 


 形勢逆転。というわけで、泉里香はライバル企業のスパイで、織田裕二は彼女をデートに誘って罠に嵌めたのである。ここまでがアバンで、ここでタイトルが入る。で「ということは、たぶんこれ以上泉里香の出番はないだろうな」と思い、さらに「このドラマは自分向けじゃないな」とも感じたので、これ以降は視聴を控えました。

2. 『文学処女』第6話

 


 続いて泉里香をもう一丁。日曜深夜のMBSドラマイズム『文学処女』である。前回、第4話を紹介したが、続く第5話は城田優と森川葵がデートするエピソードで泉里香は欠席。というわけで第6話(2018年10月17日放送、MBS・ソケット、原作:中野まや花/脚本:下田悠子/照明:渡辺良平・東憲和/撮影:福留章介/監督:岸川正史)。



 駆け引きを知らない文学処女の強みというか、編集者の鹿子(森川葵)は自分の担当となった小説家の加賀屋朔(城田優)に対し、初めて懐いた恋心をほぼそのままリアルに告白してしまう。加賀屋も少しづつ鹿子に魅了されていて、二人は月のきれいな夜、加賀屋の自宅で結ばれそうになる。



 ところが、キスまで終えていざ、というところになると、加賀屋の動きが止まり、顔色がみるみる悪くなる。そしてそのまま、鹿子を置き去りに自分の家を出て行ってしまう。処女喪失はおあずけである。

 


店 員「いらっしゃいませ」


光 稀「加賀屋君」
 朔 「えっ」


光 稀「何よ。そっちが呼んだんでしょ? 何時だと思ってんの?」
 朔 「そっか」


光 稀「コーヒーを」
店 員「かしこまりました」


 朔 「はぁ……」
光 稀「どうしたの?」


 朔 「助けてもらいたくて」


光 稀「何かあったの?」


 朔 「財布、持たずに出ちゃって」


光 稀「あの子と何かあったんでしょ」


 朔 「ふっ、さすが、鋭いな」
光 稀「好きになったんだ」
 朔 「俺には そんな資格ない」



光 稀「だったら引き返しなさいよ。かわいそうよ、あの子が」


光 稀「朔には私がいるよ」


 朔 「光稀はさ、彼氏とかいないの?」


光 稀「ふふ、いたらこんなとこ来ないでしょ」
 朔 「やっぱまだ引きずってんの?」


光 稀「何年たったと思ってんの。一緒にしないで」
 朔 「だよな」


光 稀「うそ……引きずってるわけじゃないけど、あれからもう、恋はしてないな」


 朔 「似た者同士だな」
光 稀「うれしくない」


 朔 「ふふふ」
光 稀「ふふふ」

 


 城田優には何か過去のトラウマがあって、もう恋もできないし恋愛小説も書けない。そこまではいいよね。ただ、泉里香は、そんな城田優のことが本当は好きなのに想いを胸に秘めて見守ってきた人、って感じだったけど(それもあるかも知れないけど)また別件で彼女自身の過去があるらしい。それは何かというと、前回の会話に出てきたように、泉里香は学生時代、いま森川葵が勤める出版社にインターンで来ていた経験があるのだそうだ。その時、いま森川葵の上司である河原雅彦のもとで働いていて、どうやらそこでなんかあったらしいのだ。なぜかライバル出版社の三島編集長(河原雅彦)に呼びだされる有明光稀(泉里香)。

 


光 稀「で、何ですか 今日は」


三 島「加賀屋君とは仕事以外でも会ってるのか」
光 稀「興味あるんだ」


三 島「加賀屋君に 新しい担当を付けた」
光 稀「月白さん」


三 島「ああ……そうだ、お前もあの時、いたな」
光 稀「かわいい部下が心配なんですね」


三 島「恋愛小説を書かせようとしているらしい」
光 稀「そうなることを期待して彼女を担当にしたんじゃないの?」


光 稀「どことなく似てるもんね」
三 島「間違っていただろうか」


光 稀「おかげで先生、情緒不安定。うちの原稿にまで影響出て、いい迷惑ですよ」


三 島「有明、お前たくましくなったな」
光 稀「まっ、早いところ担当変えてあげた方がいいんじゃない」


光 稀「あの子に加賀屋君は支えられない」


三 島「光稀……」



三 島「お前は 大丈夫なのか」


光 稀「何が?」

╳    ╳    ╳



三 島(光稀……)


光 稀「ずるい……」

 


 よくある展開っぽいけど、泉里香的には今まで演じていないタイプのキャラクターになってきて、これがどこまでいくのか興味あるところだ。ベタな少女マンガにちょっとレディーズ・コミックも入ってきたかな。……と思わせつつ、河原雅彦が演じている三島編集長、なかなか少女マンガ的に熱い男なのである。何しろこの第6話のラストはこうだ。

 


三 島「で、加賀屋君の方は? 具体的に進んでるのか?」


鹿 子「あ……すみません」
三 島「今月中に企画を出せ。それができなければ担当は外れてもらう」
鹿 子「分かりました」


三 島「月白は加賀屋君のデビュー作読んだことあるよな?」
鹿 子「はい」


三 島「そのころの担当は俺だった」
鹿 子「編集長が?」


三 島「不思議な作家だったよ。人が持つ性(さが)に嫌悪し、人を拒絶しつつも、一方で人を求めている」


三 島「『花冷えの刻』。彼が丸裸になって書いているのはあの作品だけだ」


鹿 子「先生の中に、何か阻むものがあるんだと思います」


鹿 子「先生はずっと、殻の中から出てこようとしません。私が、その殻を破りたいと思っています」


三 島「俺が月白を担当に付けたのは、月白がその殻を破ってくれるんじゃないかって思ったからだよ。月白は加賀屋君のことを愛してるだろう?」


鹿 子「えっ!? な、 なに言ってるんですか編集長。そんな」


三 島「愛というのは、何も男女のセクシャルのことだけを言うんじゃないんだよ。編集と作家の関係は、愛で成り立っている、と俺は思っている」


鹿 子「愛……」


三 島「物語というのは、作家自身の恥部をさらすようなものだ。そして編集は、そんな作家の恥部をこじ開け、引き出さなければならない」


三 島「編集は作家にとって共に戦う同志であり、見守る母であり、時には情熱を持って愛する恋人のような存在であるべきだと俺は思う」


三 島「編集と作家が互いに愛し合わなければ、傑作だって生まれない。もっと自信を持って愛してやれ」


鹿 子「はい」

 


 なんてセリフがしれっと出てくる三島編集長。きっと10年くらい前にも「愛というのは、何も男女のセクシャルのことだけを言うんじゃないんだよ」なんて言って、女子大生時代の泉里香を口説き落として、結局は男女のセクシャルな仲になったんだと思うよ、この編集長はきっと。

3. 『指定弁護士』


 はい、それでは渋滞気味でごめんなさい。日曜プライムドラマスペシャル『指定弁護士』も少しは進めておこう(2018年9月23日放送、テレビ朝日・東映、脚本:櫻井武晴/照明:池本雄司/撮影:関照男/監督:竹園元)。



 京都市内の国有地が土壌汚染を理由に、あからさまな安価で社会福祉法人に払い下げられた。その法人の名誉顧問に保守党代議士の田金(石橋蓮司)の名があるところから、田金とその担当秘書に不正疑惑の目が向けられた。しかし一度は逮捕までいったものの、結局、証拠不十分で二人の起訴は見送られた。国民の代表として有権者から選ばれた検察審議会はこの結論をよしとせず、改めて田金を強制起訴することとなった。



 このような場合、すでに立件を断念した検察に替わって被疑者を起訴するのが指定弁護士である。当然、ほぼ勝ち目のない裁判となるので引き受け手は少ないが、主人公の一ツ木唯(北川景子)は、京都弁護士会の神林(羽田美智子)に適任と口説かれ、事務所の所長、三塚(中村梅雀)からも、負けてもともと、万が一勝訴すれば事務所のパートナー弁護士に昇格してやる、と調子の良いことを言われて、この面倒な仕事を引き受けてしまう。唯はやる気満々だが、夫でパラリーガルの隆司(えなりかずき)が不安と不満の表情。ここまで、いいかな。
 唯がさっそく資料を取り寄せ、事務所で田金の金の流れをチェックしていると、所長が声をかける。

 


三 塚「収支計算書か?」


三 塚「駄目だよ。この手の仕事はデスクでしないと」
 唯 「すみません。あっ、でも見てください」


三 塚「ん?」


 唯 「辰波福祉会の収支計算書と借入金返済計画です。老人ホームの建設費用のほとんどを、国や京都府からの補助金と、一般からの寄付金に頼っています」
三 塚「それでよく国有地払い下げ認可がおりたね」


 唯 「ですよね?」
三 塚「田金が口利きをしたとしたらその辺かな?」
 唯 「ですよね? 捜査すべきですよね?」



三 塚「捜査って、一ツ木先生、認可を出した関西財務局に知り合いとかいるの?」
 唯 「いえ。だから検察に頼もうと思って」
三 塚「快くやってくれりゃいいけどね」


 唯 「えっ?」
三 塚「だってさ、何度も不起訴にした事件捜査されて、気分のいい検察官いると思う?」


 唯 「でも、だって指定弁護士が捜査をする時は、検察官に依頼するって聞いてますけど」


三 塚「まあ建前はね」


三 塚「よし、俺がなんとかしよう。顧問してる国会議員が、確か関西財務局とツーカーなんだよ」
 唯 「本当ですか?」
三 塚「うん。指定弁護士は事務所の宣伝にもなるし、一ツ木先生テレビ映り良かったからねえ」


 唯 「えっ? 私、もうそんなテレビ出てます?」
三 塚「出てる出てる」


三 塚「だからさ、こんど金になる顧客つかんでよ。うちも経営、楽じゃないんだからさ」


 唯 「はい、わかりました」

  


 今回のキャスティングの中では、この三塚所長役の中村梅雀が、個人的にはえなりかずき以上にピンと来なかった。途中までは北川景子を応援するが、状況が変われば態度が豹変する。まあ弁護士ってそういう人が多いけど(個人の感想です)、『間宮兄弟』や『ハンサム☆スーツ』といった初期作品に出ているドランクドラゴン塚地の影響で、こういう体型の丸顔の男は間違いなく北川景子の味方、という刷り込みがこっちには出来ている。だから「違うだろ塚地!」とか、いや塚地じゃないけど、最後まで突っ込みながら観ていた。
 でもいまはまだ中村梅雀も北川さんに協力的で、彼女のために国会議員を通じて関西財務局にアポを取り付けてくれた。関西財務局の松川を演じているのは林泰文。『モップガール』の長谷川桃子のお兄ちゃんである。

 


桃 子「あはははは、やだなお兄ちゃ〜ん」
圭 吾「桃子だって〜。あはははは」

 


 一昨年(2016年)秋のWOWOWドラマ『ヒポクラテスの誓い』第2話では、事故死したボートレース選手の奥さんに寄りそう旧知の医師として登場し、遺体を司法解剖をしようとする北川さんと最後まで対立していた(詳しくはここ)。残念ながら今回もシリアスモードです。まあ仕方がない。いずれまた『モップガール』のような愉快なやり取りを見せて欲しいです。

 


松 川「国会議員を使って連絡してくるなんて、一ツ木先生もなかなか やり手ですねえ」
 唯 「つまりこちらは議員先生の口利きに弱い」


松 川「……これを見る限り、辰波福祉会の財政基盤は確かに弱い」


 唯 「ええ。寄付金で建物造ろうなんて、企業法務やってる私から見ても甘すぎます」


松 川「そういったご指摘があったので、うちは認可は不適当としたんです」


 唯 「えっ? 関西財務局が認可しなかったのに、なんで国有地が払い下げられたんです?」
松 川「上の指示です」


 唯 「上って、財務省本体? なんで財務省が、地方財務局を無視してまで国有地を格安で売るんです?」
松 川「私は指示に従っただけです」


 唯 「つまり田金議員が口利きをしたのは、こちらではなく財務省本体」


松 川「口利きなど無かったと聞いています」

 


 まあなんつうか、北川さんらしいとも言えるが「つまりこちらは議員先生の口利きに弱い」なんてストレートな聞き方していたら、話してくれるものも話さなくなるよな。



 それぞれ案件を抱えて忙しい唯と夫の隆司は、外で一緒に晩ご飯をとる。場所は、これは西院春日神社の境内なんだけど、京都の風情を出すためドラマ用に特別にしつらえたのか、それとも実際に、こんなふうに縁日でもないのに境内に焼き鳥の屋台とかが出るのかな。あれば行ってみたい。ただこのドラマを撮影していたころは、今年の夏の猛暑が残っていたころあいだろう。二人ともジャケット着ていますが、さぞや暑かったことでしょうね。

 


 唯 「当時法務大臣だった田金なら、財務省を動かせるよね?」
隆 司「法務大臣が財務省に顔きくなんて、聞いた事ないけど」


 唯 「その辺りよく知ってるの誰だろう?」


隆 司「田金と一緒に逮捕された秘書じゃない?」


 唯 「ああ。確か斎藤とかいったっけ。会計担当の」


隆 司「うん……」


隆 司「じゃあ、僕まだ仕事残ってんで。ごちそうさま」
 唯 「えっ?」

 


 夫婦のすれ違い。てかやっぱり夫婦に見えないけどね。北川さんが1986年8月生まれの32歳で、えなりくんが1984年生まれのもうすぐ34歳。年齢的にはつり合っているはずなんだが、何をどうすれば夫婦に見えるのか皆目見当もつかない。
 しかしこれはどちらかといえば、えなりかずき問題だな。北川景子の場合、現実に結婚しているし、映画『抱きしめたい』でも、実話の力を借りてだけど、錦戸亮の新妻役が画になっていた。来年早々に始まる『家売るオンナの逆襲』では、すでに仲村トオルと結婚している設定だそうだが、これも悪くない。



 一方、えなりかずきは誰と組み合わせれば夫婦に見えるのか。これは難問だ。そう考えると、どうせなら非現実的に美しい北川景子と組ませてみる、というのもひとつの実験ではある。でも結局、うまく行っているのかどうなのか分からない。一向に正解が見えてこない。渡辺直美あたりはどうだ。
 ということで以下次回。また。