実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第686回】約束の地をめざして、の巻:その1(北川景子『指定弁護士』序論)



 中日ドラゴンズ岩瀬投手、1000試合登板達成おめでとうございます。なんて、野球の話題なんて書くの何年ぶりだろうか。ブログ開設当初は、野球中継いかんで深夜の実写版再放送が早朝までずれ込んだりするので、けっこう真剣な話題だった。
 そんなスポーツ音痴の私が言うべき筋合いではないとは思うが、負け越した相手と再戦をはかるときメディアが「リヴェンジを果たす」という陰惨な表現をするの、もういい加減にしたらどうだろうか。アダ討ちじゃないんだから、もっとスポーツライクに「リターン・マッチ」と言えないものか。



 1983年に公開された『スター・ウォーズ』オリジナル三部作の最終編のサブタイトルは当初「リヴェンジ・オブ・ザ・ジェダイ」と発表され、その邦題は直訳で『ジェダイの復讐』となった。ところが公開直前になって「リターン・オブ・ザ・ジェダイ」に変更された。ルーカスが「リヴェンジ」(復讐、報復)という語はジェダイにふさわしくない、と言ったからなんだそうだが、でも日本ではすでに『ジェダイの復讐』でポスターなんかも作っちゃったし、結局そのままの邦題で公開された。
 それからずっと『復讐』のままで、2004年のDVDボックス発売時にこっそり日本語タイトルが『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』に替えられたけど、しかし私は「リターン・オブ・ザ・ジェダイ」だったら『帰ってきたジェダイ』と訳したほうが良いよな、と個人的に思っていた。ウルトラマンみたいだし。ちなみにその前の、1980年に公開された第2作目のサブタイトルは「エンパイア・ストライクス・バック」で、邦題は『帝国の逆襲』である。これはかっこいいと思った。



 『家売るオンナ』の第2シリーズ『家売るオンナの逆襲』制作が発表された。英語で言うと「家売るオンナ・ストライクス・バック」である。この間のスペシャル版が『帰ってきた家売るオンナ』だから、これは「リターン・オブ・家売るオンナ」であって、順不同ではあるがスター・ウォーズ初期三部作を意識したネーミングとなっている。さすが海外でも人気のドラマ、着想が違うと感心していたが、第1シーズンの海外でのタイトルは「ユア・ホーム・イズ・マイ・ビジネス」であった。これではスター・ウォーズ風の続編タイトルにできないではないか。



 くだらない冗談を長々とすまない。クライマックス前で『探偵はBARにいる3』のレビューを終えたばかりですが、ファンの皆さんお喜びください。引き続き北川景子主演作品特集ですよ。秋分の日の2018年9月23日、テレビ朝日の「日曜プライム」枠で放送されたドラマスペシャル『指定弁護士』である。シリーズ第1作。
 って、別にシリーズ化が決まっているわけではないし、私が強く希望しているというだけの話なんだが、今回の視聴率は、関東地区9.3%とやや微妙な数字である。う〜ん。たとえば同じようにテレビ朝日/東映でドラマスペシャルからシリーズになったミステリドラマと言えば水谷豊の『相棒』、あれは単発ドラマとして制作された1作目から視聴率が17%とか、とんでもないことになっていた。そこまではもちろん無理だけど、なんとかフタケタを、というのが名古屋支部のささやかな願いであったが、9.3%。う〜ん、微妙。



 しかしまだ希望はある。ふだんは視聴率なんて無関心だが、今回ばかりは捨て置けない。これからネットとかでも「続編希望」とか盛り上がり、制作陣のやる気に火をつけて、上層部を説得して、2作目の制作までもっていくよう努力したい。それは不可能ではない。私の見るところ、ポイントは以下の3点である。


(1)脚本が櫻井武晴
2)プロデューサーが丸山真哉
(2)演出が竹園元



 櫻井武晴は同じく『相棒』やそのスピンオフ作品、そしてあの『科捜研の女』の常連脚本家である。ほかにも中居正広の『ATARU』とか『名探偵コナン』の劇場版とか、とにかく売れっ子だ。ここでは特に、テレビ朝日・東映が『相棒』『科捜研の女』のメインライターをいきなり投入してきたという事実に注目したい。初めから「いけそうなら続編を作ろう」という意気込みが見えているではないか。ちなみに『科捜研の女』だって、第1シーズンが平均視聴率9.3%、第シーズンが9.2%と地味なスタートであったが、主人公の周辺のキャラクター配置を微調整したりとか努力を重ね、いまでは安定的にフタケタ視聴率を獲れる人気シリーズに成長した。この『指定弁護士』も、脚本家が2作目に意欲を示してくれれば、「もう1本書いてもらって様子を見るか」という流れになると思う(ちなみに、時々カン違いされるけど、私は業界の人間ではないので、以上はただの妄想で書いています)。
 そしてプロデューサーの丸山真哉。言うまでもなく実写版セーラームーンのプロデューサーであり、実写版セーラームーンを考える上で、ある意味で白倉伸一郎以上に重要な存在だ。DAIGOと北川景子の結婚披露宴で、セーラー戦士たちが「Friends」を歌ったことが(ごく一部でものすごく)話題になったが、その「Friends」を作詞したのも丸山眞哉である(作曲は高見優)。



 この曲を聴きさえすれば、丸山プロデューサーがいかに実写版セーラームーンという作品とセーラー戦士たちを大切に思っているかはしっかり伝わる。『おみやさん』『捜査一課9係』の盟友、渡瀬恒彦が昨年亡くなり、気落ちしているだろうな、どうしたかな、なんて勝手に心配していたが、なんと北川景子作品のプロデューサーとして久々に名前を見ることになろうとは。
 さらに、今回の作品に同じくプロデューサーとして名前を連ね、しかも演出を担当しているのが竹園元。「プロデューサー兼演出:竹園元」と聞けば、北川景子ファンは「それって……」と気づくであろう。そうです、北川景子にとって、この手の単発ドラマスペシャル主演の初体験となった作品、MBS制作『筆談ホステス』(2010年)で演出・プロデュースを担当したのが竹園元であった。キャンディーズのスーちゃんが北川さんのお母さん役で、これがスーちゃんの遺作になったんだっけな。北川さんのキャリアを考える上でもユニークな作品だ。



 竹園元監督がどういう経緯でこの作品に関わることになったかはよく分からないが、でも筆談ホステスのころからさらに成長した北川景子のドラマを手がけることには、きっと積極的だったと思う。そうじじゃないですか? このあたり、北川さんはどう思っているか。ちょっと面白いインタビュー記事があるので、資料として全文掲載しておく。


北川景子「セーラームーン」から15年 コツコツやってきてよかった


 女優の北川景子が、女優デビュー作となった実写ドラマ「美少女戦士セーラームーン」(2003〜2004)のプロデューサー・丸山真哉(東映)と再タッグを組むドラマスペシャル「指定弁護士」が、9月23日に放送される(テレビ朝日系、午後9時〜)。本放送を前に行われた取材会で、「セーラームーン」以後の自身のキャリアを振り返った。



 丸山プロデューサーとの出会いについて北川は「デビュー作のオーディションで選んでいただいてからのお付き合い。初めて受けたオーディションのテーブルにいた方なのですごく覚えていて、あれから15年経ったんだねと。成長できた姿を見せられればいいなって」とうれしそうに述懐。同じく本ドラマでプロデューサーを務める竹園元(テレビ朝日)とも「(竹園の)MBS時代にご一緒していて、人生の節目節目にご一緒させていただいて、いい作品にしたいなって。一度ご一緒した方から誘われるのはすごくうれしいこと。誘われると受けてしまう」と縁がキャリアにつながっていることを強調。
 デビューから15周年を迎えたことについて「早かったです」と歩んできた年月を噛みしめる北川。「体が元気なうちは女優をやりたいなという思いでやってきて、気が付けば15年。デビュー作から数珠がつながっていくように仕事にも恵まれたし、人にも恵まれました。自分なりにピンチもあったけど、恵まれた15年でした」と晴れやかな表情。



 デビューして1か月程は「こんなに厳しい世界と思わずに入ってしまった」とコンプレックスに悩むこともあった。しかし、「セーラームーン」で共演した杉本彩には特に驚かされたといい、「わたしもいつかこんなふうにならないといけないって思ったのを覚えています」と振り返る。
 セーラーマーズ/火野レイを演じた「セーラームーン」の撮影にはとりわけ思い出も多いようで、「特撮を長いことやって集中力が切れて、やりたくないって思ったり、一回りして毎日楽しくなったり、女優はタフな仕事だなって。大変だけどとりつかれました。もともとは芸能界に興味なかったけど何か人のためになれる仕事がやりたいと思っていたので、今は女優業をやってきてよかったと思っています。コツコツやってきてよかった」と経験によって培われた自信をのぞかせる。
 (『シネマトゥデイ』2018年9月17日→ココ


 というところから推定すると、『指定弁護士』は、丸山真哉Pが北川景子ゆかりの竹園元と組んで、「体が元気なうちは女優をやりたいな」という彼女の、将来的なキャリア安定のために企画したドラマである。北川さんも30歳を越えた。いまは美しさもピークと言えるし、まだしばらくはこのまま行けるけど、10年後、20年後はどうであろうか。なまじ主役タイプの美人女優として頂点を極めてしまうと、却って後が難しい。そりゃ吉永小百合や松坂慶子みたいになれればいいけど……。そう考えたとき、まず思い浮かぶ理想のモデルは沢口靖子である。ナビスコリッツ改めルヴァンと『科捜研の女』、あと『鉄道捜査官』というのもあるが、そういう安定的な地盤をテレビにひとつ持っておくことはとても重要だ。そういう丸山Pの親心みたいなものを感じないだろうか。私は感じるね。そこで脚本には『科捜研の女』や『相棒』の常連ライター櫻井武晴を起用したんだが、結果は視聴率9.3%と微妙。


『科捜研の女』シーズン16第15話にゲスト出演した小松彩夏さん


 でもさっき書いた通り『科捜研の女』も第1シーズンは視聴率9.3%だった。それが辛抱強く続いて数字を上げたのは、スタッフ初め周囲の人々の努力の賜物だ。だから『指定弁護士』を今からでも応援して、スタッフにやる気を出してもらおう。大丈夫、丸山Pならきっとやってくれる。
 プロデューサーが丸山真哉であるということは、我々にとってはまた別な意味で極めて重要である。すでに何度か紹介したが、『警視庁捜査一課9係』を手がけていた間、丸山Pが被害者とか事件の関係者とか容疑者というようなかたちで、ゲストに招いた面々は以下の通りである。


沢井 美優
第5シリーズ第5話「殺人DJ」2010年7月


泉 里香
第5シリーズ第11話「殺人ネイル」2010年9月


安座間 美優
第8シリーズ第6話「127の殺意」2013年8月


小松 彩夏
第6シリーズ第3話「赤い破片の秘密」2011年7月


小池 里奈
第3シリーズ第1話「堕天使」2008年4月


渋江 譲二
第6シリーズ第2話「殺人バースデイ」2011年7月


窪寺 昭
第1シリーズ第6話「動く指紋の謎」2006年5月


窪寺&里香
第5シリーズ第11話「殺人ネイル」2010年9月


松本 博之
第2シリーズ第7話「狙われた誕生会」2007年6月


遠藤 嘉人
第3シリーズ第6話「殺しのピアノ」2008年5月


黄川田 将也
第4シリーズ第5話「殺人ダイヤモンド」2009年8月


 こんなにも実写版セーラームーン関係キャストが出演している。この流れで北川景子にも出てきて欲しかったけど、女優としてのグレードが上りすぎて、ちょっと丸山Pのミステリものにゲスト出演は難しいなという感じだったのだ。それがなんと主演ドラマというかたちで実現するとは。なかでも特筆すべきは第5シリーズ第11話「殺人ネイル」である。泉里香と窪寺昭が出てくる。それなら当然ツーショットが見たいよね、というファンの期待に応えて、番組内で二人の絡みをきちんと実現してくださっている。ファンのニーズを理解して、それを実現してくれる人なのである、丸山真哉は。
 だからもし『指定弁護士』がシリーズ化されれば、丸山Pは必ずや沢井さん以下戦士たちを呼んでくれる。それも死体とかそんなかたちではなくて、ちゃんとキャストとして出して、北川さんに絡めてくれるはずである。ひょっとしたら同窓会パーティーで再会した大学時代の仲間とか、そういう名目で戦士が一堂に会するシーンがあるかも知れない。いや丸山Pならやってくれる可能性があるのだ。で、それぞれ仕事を持っていて、その後のエピソードの中でちょっとずつ再登場するとか。
 夢も膨らむが、ともかく大前提となるのが、続編が作られシリーズ化することである。『探偵はBARにいる』にかまけて出遅れてしまったが、引き続き『指定弁護士』をレビューして、強く訴えかけていく所存であります。



記 者「先生 先生! 話を聞かせてください!」



記 者「先生 ひと言 お願いします!」



記 者「先生、田金議員の疑惑についてひと言!」



記 者「先生! 田金議員が賄賂を受け取った証拠を先生は握っているんですか?」



記 者「先生! 一ツ木先生!」



 唯 「以前も申し上げましたが、先生と呼ぶのはやめてください。私は今、弁護士ではありませんから」



記 者「でも先生は今、指定弁護士ですよね?」



 唯 「指定弁護士は、検察官であり捜査官です」



記 者「そんな先生に 今日本中の国民が期待しています」



記 者「その期待に応えられそうですか?」



記 者「ご期待に応えられるよう、精いっぱい頑張ります」



(衝撃音)



記 者「えっ?」
記 者「あれ?」



記 者「キャーッ!」



記 者「誰か倒れています!」



記 者「何かが落ちてきました! 人ではないでしょうか?」
記 者「おい何してる!救急車! 誰か 救急車 呼べ!」



\

記 者「こちらのマンションから落ちてきました! これは自殺ではないでしょうか?」
記 者「我々が取材中に、人がマンションから落ちてきました」



記 者「救急車! 救急車!」


 目標はシリーズ化と、全セーラー戦士ゲスト出演。そこが我々の約束の地である。よろしく。