実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第640回】ドラマに出よう!の巻(安座間美優『庶務行員・多加賀主水が許さない』)



 安座間美優が『人は見た目が100パーセント』(2017年4月〜6月、フジテレビ)に続いて、ドラマスペシャル『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』(2017年10月5日、テレビ東京)日曜ワイド劇場『庶務行員・多加賀主水が許さない』(2017年10月25日、テレビ朝日)にドラマ出演。どちらもチョイ役だが、この数年、女優の仕事が皆無だったみゅうみゅうだけに注目だ。と言うわりに『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』は見過ごしてしまったが。



 あとドラマじゃないけど『中居正広の身になる図書館 美文字女王決定戦』(2017年10月30日、テレビ朝日)でも、押切もえを僅差で抑えて、安座間さんが女王に輝いた。



 あっさりした扱いではあったが、安座間美優が番組の飾りじゃなくてメインのネタになったこと自体がすごい。大躍進とさえ言えそうだ。マネージャーが替わったか、鹿島神社でお祓いをしたのが効いたのか。



久 本「美優ちゃん茨木に行ったことはありますか?」



安座間「茨木はあの、鹿島神宮…でしたっけ、に行ったことがあって……」



安座間「あの、お祓いで、なんか有名だっていうのを聞いて……」



久 本「なんか取り憑いたんですか?」



安座間「マネージャーさんが、お前は本当についてないから行けって……」



(みんなに笑われる)


 というのは今年4月の『秘密のケンミンSHOW』。やっぱお祓いしてもらってよかったんじゃないか。



 それにしても押切もえさんは、二作目の連作短編小説が山本周五郎賞の候補作になって、選考委員の評価もそこそこだったのに、何かいろんな方面からディスられていたね。どういうことなんだろう。私はまだ押切さんの小説を読んでいないから何も言えないんだけど。



 閑話休題。日曜ワイド劇場『庶務行員・多加賀主水が許さない』(2017年10月25日放送、原作:江上剛/脚本:李正姫・中村由加里/撮影:石井豪/監督:今井和久/制作:テレビ朝日・MMJ)は、前回も書いたとおり、池井戸潤の『花咲舞が黙ってない』を高橋克典向きにザックリ目にアレンジしたような話で、制作は『特命係長 只野仁』シリーズのMMJ。オリジナル作品だと思ったら原作があるんだって。



 主人公の多加賀主水(高橋克典)は、どんな組織に属しても、持ち前の正義感を発揮して上層部と衝突してしまい、長続きしない性分。なのでいい歳してフリーターである。でもそこに目をつけた第七明和銀行の総務部長、神無月(神保悟志)が行きつけの居酒屋にやってきて、スカウトされて第七明和銀行の庶務行員となる。



 勤務初日の昼休み、社員食堂でうっかり硬貨を落した主水は、ワゴンの奥に入り込んでしまった一枚をあきらめかけた。「いいですよ、どうせ一円玉ですし」と言っていると、副支店長の鎌倉(佐野圭亮)にやんわりたしなめられる。



鎌 倉「1円を軽んじては銀行員と言えませんよ」



主 水「あ……」



鎌 倉「今うちでは1円が合わない違算金が連発しています。気を引き締めて頂かないと」



主 水「はい」



 曖昧な笑顔で返事はしたが、違算金とは何か。食堂で一緒に並んでいた女子行員の香織(夏菜)、美由紀(水沢エレナ)、鮎子(安座間美優)に問いかける。



主 水「あの…違算金って?」



香 織「現金と伝票の数字が合わないって事なんですけど」



香 織「今年に入ってから1円が合わないって事が何度も続いてて」



主 水「それってそんなに大変な事なんですか?」



美由紀「大変なんてものじゃないですよ」



鮎 子「伝票の打ち間違えかお客様にお釣りを間違えて渡してたか手形か小切手か現金の紛失かとにかく原因を見つけて金額がぴったり合うまで帰れないんですから」



美由紀「最後まで数字が合わなかったら本部に違算金が出たって報告するんですけど当然支店のペナルティーになるんです」


 実はこれが、主水が第七明和銀行高田通り支店に送り込まれた理由だったのだ。連日連日、たった一円だけ計算が合わないなんて、ありえない。内部のだれか故意にやっているとしか考えようがない。でも一体だれが、何のために? その謎を解明せよというのが、庶務行員・多加賀主水に与えられた裏のミッションである。と、そこへ注文したランチが出てくる。



食堂のおばちゃん「はいお待ち。B定食」
主 水「どうも」



鮎子・美由紀「えっB定食!?」
主 水「はい」



鮎 子「ごめん、私ちょっとあっちで食べるわ」
美由紀「私も…」


 どうした安座間。第七明和銀行は、二年前に第七銀行と明和銀行が合併してできたんだけど、行内はいまだに旧第七グループと明和グループに分かれている。社員食堂に行っても、第七銀行出身の権藤会長(中丸新将)派は「A定食」、明和銀行出身の木下頭取(新井康弘)派は「B定食」を注文する。ここ、ばかばかしくって笑うところだと思うんだけど、M14さんも書いていたように、ひょっとして合併銀行あるあるなのかな。ともかく、毎日出る1円の違算が内部の犯行だとしたら、その背景にはこの大掛かりな派閥争いも関係していそうだ。



 さてこの日の営業時間が終了して勘定の締め上げだ。窓口係たちは精算に入る。



美由紀「合いました。互明です」



鮎 子「合いました。互明です」



香 織「……違算です!」



難 波「いくらです?」



香 織「1円です」


 また出てしまった。1円でも違算がある以上、終われない。もういちど伝票の数字を計算し直して、どこかに1円玉が落ちていないか、みんなで手分けをして探さなくちゃいけない。
 結局その日も1円は見つからず、また翌日もまったく同様に1円の違算が。



香 織「違算です!」



難 波「また?」
鎌 倉「いくらです?」



香 織「1円です」


 手数は多いほうがいい。支店長の指示で営業課にも応援を要請すると、営業課長の大門(コトブキツカサ)が文句を言いにやってくる。もともといやみったらしい性格のうえ、融資の営業成績が上々なのでますます態度がでかい。温厚な事務課長の難波(風見しんご)もつい声を荒げてしまうほどである。



大 門「まったく何なんだよ。窓口スタッフが無能なのか?それとも、わざとやってんのか?」



難 波「今の話は取り消してください」



大 門「えっ? 間違ったこと言いましたっけ?」



難 波「うちの窓口はね、全員が優秀なテラーです。わざとお金を抜くなんて、そんなことはあり得ない。失礼なことは言わないように」



香 織「難波課長……」



大 門「それじゃあ毎日毎日1円がなくなるって、一体どういうことなんですかねえ?」
難 波「誰がミスしたとかそういうことも関係ありません。銀行はチームプレーです。だから全員で探すんです」
大 門「ふん、だったら他の課に迷惑かけずに、あんたのチームでなんとかしろよ! 我々は引き揚げさせて頂きまーす」
鎌 倉「大門くん!そんなこと言わずに……頼むよ」



大 門「行くぞ」
杏 子「私は残って手伝います」



大 門「俺が帰ると言っているんだ。従え」
杏 子「離してください!」



大 門「いいから行くぞ!」
杏 子「離してください!」



主 水「嫌がってますから乱暴はいけません」



大 門「どけよ」



大 門「あっ……」



主 水「杏子さんは、ご自分の意思で勘定合わせを手伝うとおっしゃってるんですから」



大 門「勝手にしろ!」




香 織「難波課長、私たちの事信用してくださってありがとうございます」
難 波「あっいいえ、私のせいで人手が足りなくなってしまいました」



鮎 子「いいですよ! そのぶん私たちで頑張りましょうよ」
鎌 倉「ありがとう。それじゃあみんな、作業を続けてください」
一 同「はい」


 そしてその日も1円は見つからずじまい。
 イヤミな大門にたてついた営業課の大久保杏子(仲村美海)のことが気になる主水は、帰りがけ、香織に声をかける。



主 水「あの、このあと少し時間ありませんか?」



香 織「それなら少し付き合ってもらえます?」


 と、誘われるままに女子行員のみなさん行きつけのエクササイズのジムに。これがけっこうハードなメニュー。聞き込みを始まるまでにヘトヘトになる。





 このレモン色がみゅうみゅうです。安座間美優のスポーツウェア姿って珍しくないかな。しかもいきなり高橋克典に向かって「凄い身体ですね」である。言われてみたいなあ。小松彩夏と一緒にライザップやりたい。



鮎 子「主水さん凄い身体ですね」



主 水「ああ……お疲れさまでした」
香 織「あっこれどうぞ」
主 水「あっすいません」



主 水「あの…皆さんにひとつ聞きたいことがありまして」



主 水「あの…皆さんは杏子さんと親しくされてたりしますか?」
香 織「たまにご飯行ったりするくらいかな」
鮎子・美由紀「うん」



美由紀「なになに?主水さん杏子みたいな子がタイプなんですか?」



主 水「いやいやそうじゃなくてあの、勇気あるなあと思って」
鮎 子「あれね。大門課長にあそこまで盾突くなんてね」



美由紀「普段ああいうこと言うタイプじゃないもんね」



鮎 子「今日のは、アピールかもね」
主 水「アピール?」



香 織「杏子、病気のご家族がいるから、残業の少ない事務課に異動希望を出してるんですけど、それがなかなか通らなくて」



香 織「だから少しでも難波課長の心証を良くしておきたいんだと思うんですよね」



主 水「ふーん」


 翌日、主水は営業課の杏子を追跡調査してみる。仕事が終わると暗い表情で喫茶店へ、そこへやって来たのは課長の大門。




杏 子「お付き合いするつもりはありません。もう誘わないでください」



大 門「そんなこと言っていいのかなあ? 俺はお前を辞めさせることだって出来るんだぞ〜」



杏 子「そんなのパワハラじゃ」
大 門「銀行は俺とお前のどっちを信用するのかな〜」



大 門「ん? ん?」



 上司の立場を利用してのたいへん分かりやすいロコツなハラスメントである。でも主水には会話が聞こえないので、杏子がイヤイヤってフリをして妻子ある男性と駆け引きを楽しんでいるのか、本当に嫌がっているか、いまいち確信が得られない。視聴者からは丸わかりなんだが。で、再びフィットネスジムに行って女子行員たちに聞き込みをする。



主 水「あの、皆さんは不倫したことありますか?」



香 織「な、なんですか?いきなり」
鮎 子「不倫って言ったら美由紀でしょ」



美由紀「やめてよ。その世界からはすっかり足を洗いました」
主 水「あの……やっぱり普通の恋愛とは違うんですかね? 人目が気になったり、悪いことをしてるっていう罪悪感からあんまり楽しめないとか」
美由紀「ううん、そんなこともないですよ。ほら不倫って、会える時間も限られてるわけだし、人目なんか気にしてる場合じゃないっていうか。一緒にいる時間、楽しみたいって思うから」
主 水「へえ〜」



香 織「誰の話です?」
主 水「いえ」



鮎 子「結局、美由紀そのあとどうなったの?」
美由紀「えっ? 奥さんと別れるとか言い出したから、残業があるって嘘ついて会うのをやめて」



美由紀「そのうち向こうも私が避けてるってわかったみたいで、おしまい」



主 水「残業……」


 「主水さん凄い身体ですね」「不倫っていったら美由紀でしょ」「結局、美由紀そのあとどうなったの?」といちばんキワドい発言を連発しながら、醸し出される空気のせいでぜんぜん品格の下がらないみゅうみゅうの、この天性の雰囲気を活かした女優の仕事をあげたいのだが、どういう役が良いのか分からない。モデル業である意味活かしきれているのかもしれないが。
 さて、ここで「残業」というキーワードにピンと来た主水は、次の屋上のカットで早くも犯人と真相を突き止める。これはちょっと唐突だったな。推理ではなくてカンのたぐいだ。明かされる真相も、ちょっと驚く内容だよ。 



杏 子「あっ……」



主 水「1円の違算金の犯人……あなたですよね?」



杏 子「どうして私がそんなことを?」



主 水「先日、純喫茶クラシックであなたが大門課長と一緒にいるところを見ました」



杏 子「別に私と大門課長は……」



主 水「ええ。大門課長が一方的にあなたに好意を寄せているんじゃありませんか?」



主 水「だからあなたは大門課長からしつこく付きまとわれるのを避けるために1円を盗んだ」
主 水「1円の違算金が生じれば、営業課も駆り出されて、原因がわからなければ夜中まで帰れないこともある」



主 水「そうなれば大門課長に無理やり付き合わされることもなくなる」

 
 要するに、残業を引き延ばしにしてアフター5につきあえない状況をつくる、という狙いだったんだそうだ。いちおう、上司はエリートの幹部候補生で、ハラスメントを訴え出ても泣き寝入りになるどころか、銀行を去らなきゃならないはめになることは目に見えていて、でも病気の母親と二人暮らしで、いまこの職場を辞められない、とか、理由はいろいろあるんだけど、でもこの動機はちょっと凄いな。いくらなんでも、それって解雇されても仕方ないだろうと思うんだが、そういう細かいことをごちゃごちゃいうドラマじゃないんだこれは。主水は杏子にすっかり同情して、弱い立場の杏子を苦しめる大門に怒り爆発。



 杏子は「もう違算金騒ぎなんて起こしたりしないわ。ごめんね香織」と言って立ち去り、銀行に生き残るためについに大門の誘いに応え、指定されたホテルの部屋に向かう。




 でも部屋に入って、待ちかねてバスローブ姿の大門課長に襲いかかられると、やはり「きゃあっ」てなっちゃうんだな。



 とそのとき、ドアにチャイムの音が。頼んだ覚えのないルームサービスである。



 と思ったらベビーメタルに変装した多加賀主水の登場だ。こっからは特命係長ノリでがんがん行きます。









 で翌日。行員たちが出勤すると、銀行の従業員通用口前に、「私はセクハラ男です」という看板と共に車椅子に縛り付けられた大門課長が。ってハングマンかよ。




 えーっこれが真相なの? と呆気にとられたが、ここまででだいたい本編の半分ぐらい。実はここからが後半なのである。やれやれ。



香 織「互明です!」



鮎 子「互明です」



難 波「はい……どうした?」



美由紀「……違算です。1円合いません」


 実は杏子は模倣犯だった。それまで何度か1円の違算が出たことがあって、そのつど営業課まで駆り出され残業になったので、手口をパクったのである。「1円の違算」のオリジナル犯はまだ行内にいるのだ。それは誰か。



 ということで、お話は振り出しに戻って後半に続く。ここから後は高橋克典と夏菜がいろいろと調べてまわるサスペンスものの展開になって、安座間さんはあまり出てこなくなる。



 主水が目をつけたのは、支店長の新田(葛山信吾)と取引先の三雲興産の関係。三雲興産は第七明和銀行にとって大口の取引先だが、その社長秘書を務める山路さとみ(折井あゆみ)は、実はもと第七明和銀行の行員で、何かしら支店長に情報供与しているふしがある。




 主水は駐車場で二人が密会している姿を目撃する。山路さとみは、なにかしら書類のようなものを新田支店長に押しつけて立ち去った。



 しかしその後、さとみは何者かに襲われ、スパナで殴られ意識不明となった。



 警察は新田支店長を重要参考人として呼び出す。すぐに行内はその噂で持ちきりとなる。



行 員「逮捕されたのか?」
行 員「しかしあの支店長が山路さとみと不倫とはね」
美由紀「ほんとショック」


 しかし二人は不倫の関係などではなかった。力をあわせて、第七明和銀行と三雲興産の不正な取引を暴こうとしていたのだ。その動きを察した上層部が支店長にプレッシャーをかけるために、行員を利用して1円の違算を出させて、これを理由に支店長を支店どもどもリストラしようと画策していたのである。




 本当はもうちょっといろいろ説明があって、さらに、最初に出てきたA定食組(頭取派)とB定食組(会長派)の勢力争いも絡んでくるんだけど、その構造はあまり本筋に必要ないなあと思う。要するに組織ぐるみの隠蔽工作に立ち向かう支店長、という構図に尽きる。



 最後は、支店長が会長や頭取と対決しているところに、行員たちが勢揃いで乗り込む。



 経営トップに退陣を迫る夏菜の背景には、ずっと彼女を後押ししてきた高橋克典と、あとうなずき要員の安座間美優が映り込んでいる。ここはおいしいな。



 というわけで、後半は安座間さんの出番が少ないので適当にすっ飛ばして、なんとかラストまで行くことができました。以上『庶務行員・多加賀主水が許さない』でした。なんとなく、ゆるやかにドラマに向かって仕事の傾向が流れている気がしないでもない安座間美優。この自然体の癒やしのキャラクターをもっとドラマで味わいたいのは私だけか。



 今回は夏菜が明るいヒロインキャラ。それもいいけれど、私は実写版『咲 -Saki-』の第3話で、メイド雀荘でメイド服姿の浜辺美波や浅川梨奈を前に大盛りカツ丼をがんがん行っていたプロ雀士の夏菜が意外と可愛かったな。




 ごめんね話がずれた。じゃこんなとこで。こまっちゃんの『オトナ高校』はまた次回な。