実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第467回】DVD第3巻:Act.12の巻(5) (『セーラーゾンビ』第3話レビューのおまけ付き)


1. 大ヒット上映中(名古屋支部調べ)


 DVDレビューも進めなきゃいけないけど、『セーラーゾンビ』はますます目が離せなくなってきたし、仕方がないので同時進行で行きます。ところで…



2014年5月2日『悪夢ちゃんスペシャル』楽しかったですね。



『Dear Friends』で制服は見納め、と思ったがなかなかどうして。




靴箱にラブレターがどさどさ。実話っぽい。




学校の裏で燃やす。実話っぽい。



もう、すごく実話っぽい。なんてウソウソ。
 本人の名誉のために書いときます。ホントの北川さんは東京に出るまで女子高で、バレンタインデーには女子から沢山チョコをもらったそうです。でもマジ告白に対してはきっちり断ったそうです。



ま、ともかく、まだまだ制服姿が見たいです。


というわけで、先週予想したとおりの展開をみせた『悪夢ちゃん The 夢ovie』。『Movie Walker』の記事によれば初登場7位。「全国271スクリーンで公開され、土日2日間の成績は動員12万7427人、興収1億4970万8350円をあげた」とのことである。ただしこの順位は観客動員数に基づく。興行収入の順位でいうと、『ネイチャー』(全国575スクリーンで公開、土日2日間で動員11万3178人、興収1億6648万5200円)と入れ替わり、『悪夢ちゃん』は初登場8位に下がります。ゴールデン・ウィークにしてはやや淋しい数字だが、我々が「大ヒット」の基準と見なす5億円達成(前回参照)はいちおう射程距離内である。頑張れ!



 そんでもって次が『みをつくし料理帖』の続編。これは片山修を始めとするスタッフやキャストが、二年前の前作のまま大きな変更もなく、観る前から品質保証つきといっても言い安心の企画だ。
 で次が『HERO』か。これはたとえコケても、相変わらず「キムタク神話の崩壊」とか「過去の栄光に頼るフジテレビ」とか工夫のない記事を書かれるぐらいで、木村さんには申し訳ないけれど、北川さんへの実害はさほど多くないはずである。芸能マスコミって、わりとアホだもんな。みなさんお読みになったと思うが、出演にあたっての北川さんのコメントがこれ。



 (2001年の『HERO』放送時)受験勉強中であまりテレビを見られなかった時期だったのに、『HERO』の断片的な記憶があるということはそれだけ世の中に認知されていた作品なんだなと改めてて思いました。ヒロインということよりも久利生さんの事務官としてサポートできたらと思っています。


 ふつうウソでも「大好きだったドラマの続編に出演できることになって夢みたいです」くらいのことはカマすところを、さすがである。正直で、媚びずに、でもちゃんと相手を持ち上げて、大先輩に対して謙虚である。人間こうありたいですね。


2. 『セーラーゾンビ』第3話「母性」


 前回のコメント欄にご指摘があったように、ゾンビと女子高生はけっこう相性が良い。もともとジョージ・A・ロメロの描くゾンビは、大量消費を促す資本主義社会のシステムにはまりきって、欲望の奴隷となった人々のメタファーである。そういう意味で、女子高生ってゾンビみたいなものだ。いや全部じゃないけど、公にはバイトも禁じられているのに、けっこうなブランド品を身につけて、援助交際どころか、おじさんと手をつないで歩くだけでお小遣いがもらえて、呼吸のような自然さで欲望しては消費する女子高生なんて、もともとゾンビみたいなものである(なんか偏見が入っていないか?)。
 でもいまどきの女子高生はみんなバブル経済の崩壊後に生まれ育っているから、欲望する一方で「貧しさ」が生活のデフォルトにもなっている。このあたりの奇妙さったらない。うちの娘なんかアレですよ、中学からこっち、誕生日に何が欲しいと問いかけても「いいよ家計を圧迫してまで欲しいものはない」なんて殊勝なことを言うのである。そのくせこの春、高校の卒業式が終わった翌日には、ブルセラ系の店に制服を7,000円で売ろうとしていた。仰天して理由を訊ねたら、ジャニーズのひいきのグループの新曲シングルCDを、初回限定盤タイプAからタイプDまでまとめ買いするためなんだと。そんなもん買ってやるといったら「親に同じCDを何枚も買ってもらうなんて無駄なことだし、制服はもう使わないから持ってても意味ない」と答える。ものすごく独特の倫理と論理がはたらいているのだ。


 女子高生たちが、わりと不便な生活を強いられながらも、ゾンビがはびこる終末世界に、半分なじんだように生活している。そういうゆるくて、かなりでたらめなドラマ世界に、私がなんだか妙なリアリティを感じてのめりこんでいる理由を、少しは説明してみたくて書いてみたけど、分かっていただけたかなぁ。


 では今回のお話.
 大八車を引いて、食料や物資の調達に出かける、舞子(大和田南那)、睦美(高橋朱里)、そしてアリナ先輩(小池里奈)に、後輩のマオ(前田聖来)とイオリ(飯田祐真)。



 各々の手にはカナヅチとか包丁とか鎌とか、不意にゾンビに襲われたときに使う獲物がにぎられているが、それ以外はのんびりした、ハイキングっぽい雰囲気。
 道中、幼い三姉妹のゾンビに出会う。




さすがに脳みそを潰すのも忍びなくて、後をついて来るのにまかせる舞子たち。



スーパーに入ってあれこれ物色中。店の外には幼女三姉妹ゾンビ。



帰り道、通りすがりの交番で、睦美は「ちょっと待って」と入って行く。




中にはゾンビに囲まれ絶望したのか、頭を打ち抜いて自殺したお巡りさんの死体。睦美のお目当てのアイテムはお巡りさんの拳銃だった。




 死体からゲットして、まだ弾倉に弾が残っていることを確認すると、思わず「撃って見たい」とつぶやく睦美。



 交番を出ると、まだ後をつけてくる三姉妹ゾンビ。睦美は手に入れたばかりの拳銃撃ちたさに「ちょうど三発残っているんですけど……」と鬼畜な提案をするが、さすがに「ひどい。ダメだよ」とアリナ先輩に止められる。



と、そのとき、交番の尋ね人の掲示に気づくアリナ先輩。三姉妹ゾンビは、生前から行方不明だったのだ。




「淋しいのかも知れない。住所書いてあるし送ってあげよう」と、これはこれでとんでもない提案をするアリナ先輩。



どうしてゾンビ相手にそこまでしてやんなきゃならないんだ、という意見も(当然)出るが、結局、三姉妹を誘導して家に連れて行く舞子たち。



途中で末っ子が力尽きて倒れると、スーパーで調達した魚肉ソーセージとか食べさせて、餌づけまでする。



 「あっ食べた。チョー可愛い!」終末の世界に生きる少女たちの母性のめざめである。
 そして家に帰り着く三姉妹。家には、ずーっと娘たちの帰りを待っていたお母さんゾンビが。






 涙の再会。見守りながら思わずウルウルする舞たち。



 しかしその背後から、帰宅した一家のパパゾンビが襲いかかり、油断していた舞は押し倒される。




 あわや舞の運命はいかに。その時、見守るアリナ先輩のなかで、ながらく眠っていた戦士セーラールナの魂がよみがえる。助走をつけて、舞に食らいつこうとするゾンビにキックを一閃!




 しかしこんどはアリナ先輩がゾンビに捕らわれる。そこで睦美は、さきほど交番で手に入れた拳銃をかまえる。







(父ちゃ〜ん)



睦 美「やっべー。チョー気持ちいい」


一件落着、と言っていいのかどうか、よく分かんないけど、ともかく事件はいちおうの終結をみた。と思いきや、立ち上がったアリナ先輩に異変が。






遅かった。アリナ先輩はすでに腕をゾンビに噛みつかれ、ゾンビ化してしまったのである。どうする?と、イオリが一枚の紙を差し出す。さきほどの交番で、調書などと一緒に床に散らばっていたものだ。




「ゾンビから人間に戻れる抗ウィルス剤あります 藤美病院」はたしてこのメッセージを信用して良いものか。



だが、アリナ先輩を救うには、この情報にすがるほかないのだ。……といったところで次回に続く。



今週もけっこう楽しかったですよ。


 このドラマのヒロイン舞は、アイドルになりたいという夢を抱いている。もちろんこの設定は、舞を演じている大和田南那(おおわだ・なな)その人に重なる。大和田南那は昨年オーディションに合格してAKB48に入ったという。これから赤丸急上昇で人気メンバーになっていくのだろう。そういう意味で彼女は、大衆の欲望をコントロールして搾取する側に回るわけだ。だが、一方で彼女の前には、握手会を始めとする苛酷な営業努力の道が待っており、アイドルとして頂点を極めるためには(ていうかAKBでサバイバルしていくためには)、そういう渾沌の中に進んで飛び込み、自分自身のプライバシーを犠牲にしなければならない。
 AKB48に関しては、いわゆるAKB商法とか、アイドルがファンの欲望を刺激してひからびるまで吸い上げる商売のやり方が話題になりがちだけど、それだけだったら根本的には従来の芸能界とやっていることは変わらない気がする。でも、そのプロセスを消費者側にも分かりやすく提示したこと、さらに、総選挙制度を敷いて、ファンの欲望の対象であるアイドルが、人気アイドルになりたいという自身の欲望のためにファンに消費されていくシステムも同時に可視化したこと、この点はちょっと新しいかなぁと思う。この世界に勝者はいない。食らいあって最後の一人までゾンビ化したらゲームオーバーである。
 アリナ(小池里奈)は前回「私たちのなかに人間の姿をしたゾンビがいる」と予言したが、以上の理屈で考えると、それはアイドル志望のヒロインの舞以外にはありえない。ところが他方で小池里奈は「舞ちゃんは救世主になる気がする」とも予言している。それはいったいどういうことなのか。アリナが入れ込んでいるアイドル、伊豆田莉奈とは何者なのか(この人自身は実在するAKB48のメンバーらしいけど)。そして何よりも、ゾンビになっちゃったアリナ自身の運命はいかに。とにかく、目が離せません。


3. ちょっとだけDVDレビュー/Sうさぎですぐ脱線

なんかほとんどオマケのようになりつつあるDVDレビュー。でも今回もちょっとだけ進めておきます。
逃走中の美奈子が、ふいに腕を捕まれて姿を消すところまででしたね。それからワンテンポ遅れて現れる齋藤社長(に憑依した妖魔)。



でも美奈子の姿が見あたらない。どこへ行っちゃったんだろう。



と、クリスマスシーズンということもあって、ソリを引いたサンタクロースが登場。
このサンタうさぎのこと、台本には「サンタクロースに変装したSうさぎ」と書いてある。
Sのうさぎなんて、当時は想像もできなかったが、『天国の恋』を観た今ならば、ドSうさぎだって簡単にイメージできる。ていうか画像もある。



範 子「あんたって人は……よくもそんな……」



 梢 「何よその顔は。私の言うことききなさいよ」




 梢 「私の命令がきけないとでもいうの?このカピバラ女!」



 梢 「ただのネズミのくせして、大きな図体しやがって」


 さて、そのSうさぎはすまして齋藤(妖魔)とすれ違う。ちらっとSうさぎを見やった齋藤だが、気づかずにやり過ごす。



 当然、ソリに乗せた袋の中には美奈子がいるのだが、妖魔ってこの程度の偽装も分からないのか。





Sうさぎは思わず「やった!」と笑顔になるが、すぐに齋藤が引き返して来てしまった。



齋 藤「待て!」



Sうさぎ「きゃー!」


逃げるうさぎと美奈子、そして場面は病院の外へ。








うさぎ「ストップストーップ!」


 止まったタクシーに乗り込むうさぎと美奈子。間一髪で齋藤を振り切って走り出した。



 惜しくも置いていかれた齋藤が、思わずタクシーを探して手を挙げるのは、これはひょっとすると池田成志のアドリブかも知れない。





 というわけで、タクシーのうさぎが「やれやれ」という感じでほっと一息ついたところで、今回はこれまで。



 来週から月末にかけてはめちゃくちゃ忙しくなるので、もういい加減セーラーゾンビのレビューもやめようと思っています。それで今回は総括のつもりで、すこし突っ込んだことを書いたんだが、そういいながらまた来週やっちゃうかも知れない。