実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第208回】DVD第2巻:Act. 6の巻(その4)



すごいな小松彩夏は。
グラビアアイドルと舞台女優の二本立てというだけでも相当ユニークだが、そのうえ、話題の映画で「ウォーリーをさがせ」ごっこをやって、出演歴には『踊る大捜査線』だの『容疑者Xの献身』だのといった豪華なタイトルが並ぶ。今度は『MW』に出演だそうである。みんなで探そう。
さて本日は出先からの更新です。

1. みなさまのお好きな菱形です


前回(前々回だけど)のブログでアバン・タイトルまで終わったね。次はオープニング・タイトルだ。今回はまことが初登場するので、ようやく安座間さんの名前が表記される。

一方、小松さんはまだ無記名のままである。仕方ないですね。ヴィーナスは、現時点ではまだ「セーラーV」としてしか登場していないのだ。誰もがみんな知っているけど、タテマエ上はニッコリ笑う謎の戦士である。
主題歌が終わってダーク・キングダム。ベリルの前にひざまずくネフライトの表情には、やや焦りの色が。ジェダイトがAct.1から3話連続で失態を犯したために、ベリルはAct.4でオレを呼んだ。そんなオレも、このAct.6で失敗すれば、やはり3話連続である。しかもベリル様は妙にあいつには寛大だ。若いからかなぁ。だがこの菱形は誰にも渡さん……とか思いながら、目線のやり場にちょっと困り気味。嬉しい困惑である。


ベリル「やはりそう簡単には見つからぬか、幻の銀水晶は」
ネフライト「はい。ですが、クインベリル様のため、私の命に替えても探し出すつもりでおります」
ベリル「愛おしいことを……。それまではジェダイトの集める人間どものエナジーを、大いなる悪に捧げるとしよう」
ネフライト「あの小僧は失敗続き。そろそろ見限られては」
ベリル「わらわのために必死に動いておる。愚かさも愛おしく思えてこようというもの」

一方のジェダイトももちろん必死だ「今度こそベリル様に喜んでもらわなければ……ネフライトの奴に手柄を先取りさせるか」と、思い詰めた表情で石を置き、妖魔を召喚だ。そいつがバスケ少年のタケル君に憑依するわけだ。ただ、渡辺典子や春木みさよやみさきゆうは悲鳴を上げたりしていたが、タケル君が妖魔に襲われ、取り憑かれるシーンは今回、出てこない。
それでふと思ったんだが、このエピソードまで、妖魔は女性に取り憑いている。Act.1の大阪まゆみ、Act.2のアルトゼミナール講師、Act.4の桜木財閥のお嬢様。ところが、このAct.6のタケルを契機に、男に憑くようになっていませんか?Act.7のカメ仲間の高井君、Act.12のスガオ社長、Act.15の警官、Act.18のヴィクター・カサレ神父、ちょっと先だがAct.32のユウト。Act.13でクンツァイトが登場すると、うさぎや女子生徒(国光レイナ)を妖魔化させたり、亜美をダーク・マーキュリー化したりしているが、あれは「妖魔が憑く」というのとは事情がちょっと違うしさ。

2. 「6組問題」再考


さて、場面は変わっていつもの十番中学、いつもの2年1組の、いつもの昼休み光景。うさぎは相変わらず、お箸をもたずにフォークである。いつもの仲良しグループのはずだが、「タケルさん」に夢中のなる・香奈美・桃子と、タキシード仮面がいることもあって、ちょっと冷めているうさぎとの間には、やや距離が出てきている。
うがった見方をすれば、この距離感が、Act.8のナコナココンテストまで波及している、とも考えられる。なるちゃんたち三人とうさぎは、明らかにそれぞれ別個にナコナココンテストにエントリーしているのだ。うさぎの宿題だって手伝ってくれなかったし。ということはさておき、そこへ、廊下を通りかかる謎の転校生の姿。


うさぎ「えーっ、今日もバスケ見に行くの?」
な る「だってタケルさん観たいんだもん」
うさぎ「そんなにいいかなぁ……」
三 人「いい!」
うさぎ「はい……」
うさぎのM(タキシード仮面の方がぜんぜん…)
  とそこへ、廊下を通り過ぎるまことの姿
うさぎ「あれ、あの子どうして……」
な る「だれ?制服ちがうね」
桃 子「ああ、6組の転校生でしょ?」
うさぎ「転校生?」
桃 子「聞いた?あの子前の学校で喧嘩してケガ人出しちゃったらしいよ。
    それで転校してきたんだって」

さあこれが問題の6組発言だ。って、だいぶ前に書いた話なんで(【第87回】参照)「何だそれ?」という方も多いだろう。もう一回確認してみます。
これまで実写版は、香奈美や桃子といったオリジナルの友人を作ったり、うさぎと亜美を同じクラスにしたり、レイの通っている学校名をドラマ内で明らかにしなかったり(しかもクラスメートに嫌われていたり)、とにかく、戦士の学校生活に関する設定を、必ずどこか少しだけ原作やアニメと変えてあって、何だか「絶対原作どおりにはしないぞ」と意地を張っているようなところがあった。そういう意味では、今回のまことは、珍しくストレートに原作(およびアニメ版)どおり「6組の転校生」で、ファンにとっては「やれやれ」と緊張が解ける。だが、実写版世界の整合性から考えると、これが別のやっかいな問題の種となってしまうのだ。

Act.2の初めの方で、廊下に中間試験(2学期?)の成績が掲示されている。この画像では、はっきり確認できないでしょうが、500点満点でダントツの水野亜美以下、十番中学の2年生の成績トップ20には、1組・2組・3組の生徒しかいない。て言うか、まともに考えれば、十番中学の2年には3クラスしかないようにしか見えない。ところが、まことは「6組の転校生」なのである。
ではどうして4組から6組には、あるいはもっとクラスがあるのかも知れないが、ともかく3組以下には、トップ20に入るような成績優秀者がいないのか。そこで、ひょっとすると1組から3組というのは、成績優秀者だけを集めた特進クラスじゃないか、という仮説を立てたりしたんですよね。
しかしその場合、それにしてはうさぎの成績が悪いんじゃないか、という疑問は残る。何しろAct.2では、ママから「よいこのなかよし学習教室」へ行くよう言われたほどだからね。でも、ひょっとしたらそれは誇張で、本当のうさぎの成績は、あくまでも特進教室の中では劣等生、というレベルなのかも知れない。

それに、こっちよ!さんがAct.16をご覧になって気づかれたことだが、黒板の日付が「1月26日」になっているこの回で、亜美の開いている英語の教科書「NEW HORIZON」が、イラストから判断して、ほとんど最後に近い89ページなんだそうだ(よく分かるなそんなこと)。4月に進級しない十番中学の学期編成がどうなっているのか分からないのがネックだが、何にせよ授業の進み具合は異様に早そうで、やはりこれは特進クラスかな、とも思う。
ともかく、十番中学の謎は、新しいデータが出てくれば出てくるほど、深まる一方だ。今回の「木野まこと6組」問題とは直接の関係はないけど、【第178回】の「2. 下駄箱問題」で考察した、「教室の映像から判断して、うさぎたち1組の生徒は30名」と「下駄箱の数からいうと1組は36名ほどの人数になる」という矛盾も解決がついていないしさあ。
さらに余談になるが、さっきのAct.2の中間テストの成績一覧も、様々な意味で問題である。以前は出席番号と氏名ばかり気にかけていたが、今回、点数も確認してみて改めて気づいた。ちょっと見やすいように、表を作り直してみるね。

実際の画面では、見ている生徒たちの後頭部に隠れて映っていない右端の総合得点の部分も、5科目の点数を総計して埋めることのできる部分については、極力埋めてある。さてご覧ください。この順位表、かなりズサンである。
2位が二人いて、次が3位で、4位がいなくて5位という順序も変だし、だいいち、その同率2位のはずの二人の点が違うのだ。松田海(2年3組25番)の総合得点は478点で、青木由以子(3組1番)は485点である。それから、なる(1組3番)は岩田麗華(3組2番)と同じ460点で学年15位だが、その上の渋谷樹(1組12番)は451点なのになぜ14位?なるちゃんも喜んでないで気づけよ。
もう十番中学って、考えれば考えるほど謎だ。

3. 「出会い橋」もいつもと違う


ともかく、このAct.6、(1)アバンタイトルにナレーションがない。(2)妖魔が襲うのは男の被害者、そして、(3)まことの転校先はぴったり原作どおり6組と、微妙なところで、過去5話で重ねてきた実写版のパターンをさりげなく崩しているところに、ちょっとクセを感じる。個人的には「出会い橋」の問題にも興味を感じます。
亜美もレイも、うさぎとのファーストコンタクトの場所は赤羽緑道パークブリッジだった。

でも今回は違う。ファーストコンタクトはアバン・タイトルでさっさと済んでいるし、放課後、うさぎとまことが初めて親しく会話を交わすのは、新河岸川の「中の橋」だ。


うさぎ「おんなじ学校だったんだね。昨日はありがと」
まこと「ああ、別に」
うさぎ「何?」
まこと「いや、話しかけてきた子、初めてだから」
うさぎ「ああ、あの噂?私は信じられないな。そんな人に見えないし。あれ嘘でしょ」
まこと「どっちでも。弁解する気ないから」
うさぎ「男らしいんだね」
まこと「よく言われる」
うさぎ「あ、私、月野うさぎ」
まこと「うさぎ!?へぇ。私は木野まこと」
うさぎ「じゃあ、まこちゃんか」
まこと「え」
うさぎ「もうここら辺、慣れた?」
まこと「そっそうだな…買い物とかがまだ、ちょっと」
うさぎ「ウソ!じゃあ案内するよ」

どうしてまことだけいつもの「出会い橋」を使わなかったか。たぶん舞原監督は、段差のところにうさぎを立たせて、まことの身長の高さを強調する演出にしたかったんだろう。そういう段差が赤羽緑道パークブリッジには無かったので、違うロケーションにした。ここには、それ以上の深い意味はないと思うんだけれど、結果的には、これもパターン崩しになっている。
そして、こういう諸々の細部の違いが、ラスト、ジュピターが初変身するシチュエーションが、他の戦士たちとはかなり違う、という大がかりな変則パターンに向けての伏線になっちゃっているようなところが、少々面白い。
というわけで、今日はこのくらいで。話はわりとトントンと進んだな(私にしては)。ではまた。




【まったく関係ない追加のおまけ】
*『容疑者Xの献身』のネタバレ画像ですので、特に原作未読の方は要注意!



上は、冒頭まもなくの、堤真一の通勤シーン。
次の二枚は、ガリレオが堤真一のアパートに一泊した翌朝の通勤シーン。