実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第184回】新春お年玉企画:これがAct.48撮影台本だ!の巻


賀春
コメント欄では何度か書いたけど、本文記事ではまだでした。改めまして、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今年はわけあって病院で年を越すことになったんだけど、入院患者の付き添いって、意外とヒマだ。でも何かを集中的に考えたり、仕事に没頭するには不向きだ(当たり前だ)。要するに断片的な空き時間が多い。文庫本とか読むのも飽きてきたし、私のノートパソコン事情ではインターネットも出来ない。そんなわけでここ数日は、年末にこっちよ!さんがPDFファイルで送ってくださったAct.48とFinal Actの台本を、ぽつりぽつりとテキストに起こしたりなんかしていた。そうしたらとうとうAct.48は打ちおわってしまった。今回はそれを新春特別企画として公開します。
ひょっとすると次回(更新時期は未定)は同じ形式でFinal Actかも知れません。

以下は実写版『美少女戦士セーラームーン』Act.48の撮影台本の全文です。小林靖子先生のテキストをそのまんま写したものです。あくまで研究のための資料提供を目的としております。利用される方はその点をよくご承知おきください。こっちよ!さんに深く感謝いたします。


『美少女戦士セーラームーン』Act.48  原作:武内直子/脚本:小林靖子

 

1. 前回より



   歌う美奈子。
美奈子のN「ずっとリーダーとして戦ってきた私だけど、突然、みんなと別れなきゃいけなくなったの」
マーズ「美奈子!」
   残されたCDと手紙。
美奈子の声「最後まで一緒に戦えなくてごめんなさい。プリンセス、うさぎ、どうか星の運命を変えて。みんなもよ。私が変えられなかったもの、きっと変えてくれるって信じてるから」
   イメージの中、消えていく美奈子――
   誰もいないクラウンの中。
美奈子のN「後悔することは何もないけど、何だか、残してきたみんなの事が心配。特にプリンセスである、うさぎ……」

2. 月野家・うさぎの部屋



   ベッドの上にぼんやり座っているうさぎ。
   手には美奈子のアルバム。
美奈子のN「クイン・メタリアの事も、戦いも、まだまだ続いてるのよ。うさぎ、星の運命を変えて。きっと変えてくれるって信じてるから……。この言葉を忘れないで」
   うさぎは懐中時計を手にする。
衛の声「どんな時も笑ってればいいんだ」
うさぎのM「衛……、こういう時は、どうやって笑うわけ?わかんないよ……」
   俯くうさぎ。

タイトル

 

3. 前回より (本編未使用シーン)



ベリル「エンディミオン、何のマネだ」
エンディミオン「クイン・メタリアは俺がもらう」
ベリル「バカな事を……! そんな事をすれば、お前がメタリアに体を乗っ取られるぞ」
エンディミオン「星は絶対滅ぼさない、お前の好きにもさせない」
   エンディミオンが飛び込み、光の中に見えなくなる。
       ╳    ╳    ╳
   エネルギーの中を落下していくエンディミオン
メタリアの声「星……破滅……」

4. ダーク・キングダム・メタリアの間 (本編未使用シーン)



   メタリアの祭壇が明滅している。
ベリル「おのれ、エンディミオン……、どこまでわらわを……!」
   見つめるベリル。
ベリル「わかっておらぬ、本当に、メタリアを押さえ込めるつもりか……!」
   後ろに控えるジェダイトを振り返る。
ベリル「ジェダイト!エンディミオンを必ず仕留めよ!メタリアがエンディミオンの前に根付く前に!」
   ベリルが剣を渡す。
ジェダイト「は……」
   メタリアの祭壇の光がどんどん中へ吸い込まれるように消えていく。

5. 学校・屋上 (本編未使用シーン)


   うさぎが外を見つめている。
   亜美が来て隣りに立つ。
亜 美「うさぎちゃん」
うさぎ「……何で、美奈子ちゃんが……」
亜 美「辛いけど……、頑張ろうよ、美奈子ちゃんのためにも」
うさぎ「うん……」
   うさぎはしゃがみ込む。
猫ルナ「うさぎちゃん……」
   見つめる亜美。
亜美のM「もうギリギリなんだ、うさぎちゃん」
   亜美は、並んで座り、うさぎの背中をさする。
亜 美「うさぎちゃん、ごめん。頑張らなくていいから。ごめんね」
   だが、うさぎは顔を埋めたまま、懐中時計を握りしめる。
   並んで座っているうさぎと亜美。

6. クラウン・中



   美奈子の曲が流れている。
   イスに座って泣きはらしているまこと。
   レイは、美奈子の手紙を手にしている。
美奈子の声「私達が前世の運命を持って生まれてきたのは事実よ。それを乗り越えたとき、本当の自分になれると思う。私が、私になれたように」
       ╳    ╳    ╳
   回想(♯46)
衛  「俺は、背負った前世に結着をつける。前世に囚われてるからじゃない、今を生きてくためにだ」
       ╳    ╳    ╳
レ イ「……」

7. 通学路



   うさぎが一人で下校する。
   ふと、人の気配に顔を上げる。
   そこに立っている衛。
衛  「うさぎ……」
うさぎ「!」
衛  「ヴィーナスの事、聞いた」
うさぎ「うん……」
   うさぎは泣き笑いのような妙な表情になる。
衛  「お前……」

   衛はうさぎの頭を抱きかかえる。
衛  「バカ、泣け。俺が一緒にいる時は、我慢しなくていい」
   たちまち崩れるうさぎの表情。
衛  「……」
   うさぎが泣きじゃくる。

8. ダーク・キングダム・森 (本編未使用シーン)


   ジェダイトが来る
ジェダイト「どこへ逃げた……」
クンツァイト「マスターなら探す必要はない」
   見ると、木に寄りかかっているクンツァイトがいる。
ジェダイト「クンツァイト、何しに戻ってきた」
クンツァイト「決まっている。マスターとの決着だ」
ジェダイト「居場所を知っているのか」
クンツァイト「いや。だが、奴の方で私が戻ったことに気づいているだろう。何のために戻ったかもな。それを無視出来るほど、利口な男ではない」
ジェダイト「……」

9. 広場



うさぎ「え、メタリアを? 衛が⁈」
衛  「ああ」
   思わず、衛の体に目を走らせるうさぎ。
衛  「(苦笑)別に怪物になったわけじゃない。俺の中に封じ込めてるんだ」
うさぎ「大丈夫なの……?」
衛  「ああ」
   衛がうさぎを改めて見る。
衛  「うさぎ、お前はもう何も我慢しなくていいぞ」
うさぎ「え?」
衛  「幻の銀水晶をどんなに使ったって大丈夫って事だ。メタリアは俺が押さえてるから」
   まじまじと衛を見るうさぎ

衛  「何だよ、信用してないのか?」
うさぎ「そうじゃないけど……、じゃあ、もう星は滅びないの?」
衛  「ああ。クイン・ベリルにも、もう星を支配する力はない」
   ようやく飲み込めたうさぎが安堵のため息をつく。
うさぎ「そっか……、よかったぁ……!」
   微笑で見る衛。
うさぎ「じゃあ衛ももう敵の所に戻らなくていいんだ」
衛  「ああ……」

10. ダーク・キングダム・森 (本編未使用シーン)


クンツァイト「……」

11. 広場 (本編未使用シーン)


   衛が立ち上がる。
衛  「送ってく」
うさぎ「まだいいよ。会ったばっかりじゃん」
衛  「今日は早く帰って寝ろ。お前、全然寝てないって顔してるぞ」
   慌てて顔をこするうさぎを見る衛。
衛  「……明日から、好きなだけ会えるから」
うさぎ「うん、そうだね」

12. 道



   うさぎを後ろに乗せた衛のバイクが走る。
衛  「うさぎ……、もしまた星を滅ぼそうとする奴が現れたら、お前が倒すんだからな」
うさぎ「え? うん、幻の銀水晶使えるなら大丈夫」
   衛に強くつかまるうさぎ。
衛  「……」
   バイクは走り去り――

13. ダーク・キングダム・森



   木にもたれていたクンツァイトが体を起こす。
   見つめた方向から歩いてくる衛。
クンツァイト「……」
衛  「……」
   剣を抜くクンツァイト。
   衛がエンディミオンとなり、剣を抜く。
   対峙する二人。
   次の瞬間、クンツァイトが斬りかかる。

   エンディミオンが受け、激しい一撃がぶつかり合う。
   二人の戦いを、物陰から見つめるジェダイト。
   エンディミオンとクンツァイトが互角に戦う。
   少し離れた場所にはミオもいる。
ミ オ「ふーん」
   と面白そうに見ると、その場を離れる。

14. 同・メタリアの間 (本編未使用シーン)


   ベリルが光の消えた祭壇を見つめている
ベリル「メタリアがエンディミオンを支配してしまったら……、全て終わりだ……」

15. 同・森


   戦いを続けるクンツァイトとエンディミオン

 

16. 月野家・全景


 

17. 同・居間


   育子がオムレツを作っている。
育 子「うさぎってば食欲出たみたいで良かったわー。この納豆オムレツでさらに元気アップよ」
   玄関チャイムの音
育 子「進悟ー、ちょっと出てー」

18. 同・玄関


   進悟がドアを開けると、そこに立っているのはミオ。
ミ オ「こんにちは。うさぎちゃん、いますか?」
   呆然の進吾。

 

19. 同・居間



   進悟がボーッとしたまま入ってくる
育 子「何よ、誰だったの?」
   進悟はシャツをまくって、腹に書かれたサインを見せる
進 悟「黒木ミオ……」
育 子「うそぉ」
   二階で騒々しい音が聞こえる。
育 子「そりゃうさぎも驚くわ」

20. 同・うさぎの部屋


  部屋の中はひどい荒れようで、猫ルナとアルテミスがひっくり返っている。

猫ルナ「みんな! うさぎちゃんが……」

21. クラウン・中



   携帯を握ったレイ、まこと、亜美。
レ イ「うさぎが⁈」
猫ルナの声「敵の所に連れてかれたみたい。地場衛が四天王と決闘してるからって」
亜 美「そんな……! うさぎちゃん、美奈子ちゃんの事だけでもかなり追い込まれてるのに……。止めなきゃ」
まこと「でも、どうやって行く?」
レ イ「一緒に来て。何とかなるかも」
   レイを先頭に、三人が駆け出す。

22. ダーク・キングダム・森



   荒い息づかいのエンディミオンとクンツァイト。
   クンツァイトは胸の傷が痛む様子ながらも、すぐに気迫でエンディミオンに斬りかかる。
エンディミオンのM「クンツァイト……」
       ╳    ╳    ╳
   回想(♯37)。
クンツァイト「我らの剣は主のために死する剣です」
       ╳    ╳    ╳
エンディミオンのM「お前を変えたのは俺だ。前世で星を救えなかった俺が……」

       ╳    ╳    ╳
   イメージ(♯26)。
   倒れたネフライト達の間で叫ぶクンツァイト
       ╳    ╳    ╳
   クンツァイトが同じように叫び、斬りかかる。
   エンディミオンの剣が跳ね上げられる。
   剣を突きつけられ、追い込まれるエンディミオン。
   だがその瞬間、エンディミオンから黒い影が立ち上る。

   ハッと見るクンツァイト。
クンツァイト「今のは……、まさかメタリアを……」
   無意識に胸元を掴むエンディミオン。
クンツァイト「! ……マスター、封じ込めたメタリア共々、死ぬつもりか……」
エンディミオン「そこまで覚悟したわけじゃない。ただ、最悪の場合はそれもありだ」
クンツァイト「……!」
       ╳    ╳    ╳
   回想(♯37)。

クンツァイト「そういう乱暴な剣は王家にふさわしくありません。それでは相打ちもありうる」
エンディミオン「いいだろ、別に」
       ╳    ╳    ╳
クンツァイト「……変わらんな」
エンディミオン「……」

23. ╳╳橋



   レイ、まこと、亜美が駆けてくる。
亜 美「この橋?何か関係あるの?」
レ イ「私が前に連れて行かれた時、ここから行ったの。私の力だけじゃ無理だけど、三人でやればもしかして……」
   亜美とまことが頷く。
レ イ「マーズパワーメイクアップ!」
亜 美「マーキュリーパワーメイクアップ!」
まこと「ジュピターパワーメイクアップ」
   三人が輪になる。

マーズ「戻ってこられないかもしれないわよ」
ジュピター「覚悟は出来てる」
   頷くマーキュリー。
マーズ「私、決めたわ。前世の使命のために戦う。使命を果たして、前世を終わらせるために」
ジュピター「うん、それが星の運命を変える事かもね」
マーキュリー「そのためにも、うさぎちゃんを助けなきゃ」
   三人が手を合わせる。
   そこから光が走り――

24. ダーク・キングダム・森


   切っ先を突きつけたままのクンツァイト
エンディミオン「……」
クンツァイト「……ならば、望み通りに」
   クンツァイトが剣を振り上げて衛の胸ぐらを掴む。

   一瞬見つめた後、突然、エンディミオンと立ち位置を入れ替え、そのままクンツァイトの動きが止まる。
エンディミオン「?」
   後じさるクンツァイト。
   後ろからベリルの剣を持ったジェダイトが現れる。
ジェダイト「……なぜ……」
エンディミオン「ジェダイト、お前……!」
   クンツァイトは木を背中にしたかと思うと、ズルズルと崩れ落ちる。
エンディミオン「クンツァイト!」

   エンディミオンがクンツァイトに駆け寄る。
エンディミオン「しっかりしろ!どうして俺を……!」
クンツァイト「偶然だ……」
エンディミオン「お前……」
       ╳    ╳    ╳
   少し離れた場所に、うさぎを連れたミオが来る。
ミ オ「あれー、遅かったか。もう終わっちゃってるよ……」
うさぎ「衛……!」
ミ オ「うさぎちゃんと一緒に見たら面白いと思ったのに」
   エンディミオンを見つめるうさぎ。
       ╳    ╳    ╳

   クンツァイトが呻く。
エンディミオン「しっかりしろ! クンツァイト!」
クンツァイト「……かつて、プリンセスのために星を捨てた男が、星のために命を捨てるか……。メタリアを道連れに……」
エンディミオン「……」
   ジェダイトが後じさろうとする。
クンツァイト「ジェダイト!」
   その声に「!」と止まるジェダイト。
クンツァイト「お前の主はベリルではない……我らが主は……、目の前に……いる……」

エンディミオン「……!」
   クンツァイトは大きく息をつくと目を閉じる。
       ╳    ╳    ╳
   イメージ。
   窓辺にいるシン。
   窓が開き、シンの姿は消える。
       ╳    ╳    ╳
   クンツァイトに穏やかな表情が浮かび、そして石に。
エンディミオン「クンツァイト!」
   逃げるように立ち去るジェダイト。
   石を手にしたエンディミオンがうなだれる。
       ╳    ╳    ╳

   エンディミオン達の方は見ず、木を背中に、ショックを受けているうさぎ。
ミ オ「そっかぁ、衛君、自分の中にいるメタリアと一緒に死んじゃうつもりだったんだね」
   うさぎはしゃがみこむ。
ミ オ「うさぎちゃん、知らなかったんだ」
うさぎ「そんな……、そんなのって……」
ミ オ「あれ? 衛君、何か変だよ」
   ハッとうさぎが見ると、衛の背中から黒い陽炎が立ち上っている。
うさぎ「⁈」
   苦しみ始めるエンディミオン。

25. 同・メタリアの間



   水晶に映った影を見つめるベリル。
ベリル「! やはりメタリアの力が動き始めた……! もう、止められぬ……」
   ベリルの手から水晶が落ちて砕ける。
   そこへ現れるマーズ、ジュピター、マーキュリー。
   あまり大きな驚きもなく、ベリルが見る。
ジェダイト「セーラー戦士……。今更何をしに来た」
ジュピター「プリンセスを返してもらいに来た」
マーキュリー「うさぎちゃんはどこ⁈」
ベリル「何? 何の話だ」
   「え」となる一同

マーズ「ここじゃないの?」
ベリル「もうプリンセスなどどうでも良い。守っても意味はないぞ。この星は終わるのだからな」
マーズ「どういう意味?」
ベリル「エンディミオンがメタリアに飲み込まれた」
三 人「⁈」
ベリル「妖魔に乗り移ったのとは訳が違う。地球の王子であるエンディミオンにメタリアが入ったのだ。プリンセスの幻の銀水晶と同じ、もう何をしても絶対に元には戻せぬ。エンディミオンはメタリアとなり、星を破滅させる」
マーキュリー「そんな……!」
ベリル「何もかも……、終わりだ……」

26. 同・森


   エンディミオンの体からさらに黒い霧が立つ。

エンディミオン「限界か……」
   エンディミオンが剣を拾う。
うさぎ「衛!」
エンディミオン「うさぎ……?」
   うさぎが走り寄ろうとする。
エンディミオン「来るな!」
   強い声に、一瞬うさぎの足が止まる。
   同時に、エンディミオンは自らの体に剣を突き立てようとする。

うさぎ「ダメ!」
   だが、次の瞬間にエンディミオンの体が発光し、剣が落ちる。
   激しい光に「!」と腕で庇ううさぎ。
   次の瞬間、爆発するような衝撃が起こり__
うさぎ・ミオ「きゃあ!」
   弾かれたうさぎとミオが倒れる(剣も落ちる)。
ミ オ「いったーい」

   そこへ、ゆっくりとMエンディミオンが現れる。

うさぎ「! どうしちゃったの、衛……」
ミ オ「メタリアに乗っ取られちゃったんだよ」
うさぎ「え……!」
ミ オ「ちょっとマズイかも……。帰ろっと」
   きびすを返すが、Mエンディミオンが素早くその前に移動してくる。
ミ オ「!」
   Mエンディミオンが剣を構える。
ミ オ「衛君、ちょっと待って。ね、お願い」
   しかしMエンディミオンは剣を振り上げる。

うさぎ「やめて……」
   逃げるミオだが、衝撃波に包まれる。
ミ オ「うさぎちゃん、助け――」
   ミオは黒い花びらとなって消えていく。
うさぎ「!」
   ショックで立ちつくすうさぎ。
   Mエンディミオンはうさぎを見る。
うさぎ「そんな……」

   Mエンディミオンの衝撃波がうさぎを襲う。
   爆発の中、セーラームーンに変身しているうさぎ。
   Mエンディミオンは攻撃を続ける。
セーラームーン「衛……、今助けるから……!」
   セーラームーンがロッドを構えて目を閉じる。
   幻の銀水晶の光が溢れ出す。
   しかし、Mエンディミオンは幻の銀水晶の光を剣に集めて黒く変色させると、セーラームーンに放つ。
セーラームーン「!」

   ロッドが砕け、セーラームーンが倒れる。
セーラームーン「きゃあ!」
   Mエンディミオンは剣を構える。
セーラームーン「!」
   しかし、セーラームーンを抱えて物陰に飛ぶのは、マーズ、マーキュリー、ジュピター。
   背後で起こる爆発。
セーラームーン「みんな……!」
マーキュリー「うさぎちゃん、大丈夫⁈」

セーラームーン「うん、それより、衛が……!」
ジュピター「わかってる……」
マーズ「うさぎ、もう彼は……、元に戻らない……」
セーラームーン「え……」
   Mエンディミオンが迫る。
マーキュリー「見たでしょ、幻の銀水晶も効かないの。星を滅ぼさないためには、もう……」
セーラームーン「え?」
ジュピター「うさぎは戦うな。私達がやるから」

   頷いたマーズ達三人が三方に別れて走り出す。
   立ちつくすセーラームーン。
セーラームーン「星を、滅ぼさないためには……、もう……?」
   マーズ達がMエンディミオンを攻撃する。
   しかし、Mエンディミオンは全てを剣で弾く。
   戦いを見つめるセーラームーン。
セーラームーン「そんな……」
マーズ「みんな、同時に攻撃よ!」

   Mエンディミオンに三人同時の攻撃。
   しかし、Mエンディミオンは一際大きなエネルギーを放つ。
マーキュリー達「きゃあ!」
   倒され、傷ついていくマーキュリー達。
セーラームーン「やめて……戦わないで!」
   セーラームーンが戦いの中に飛び込むが、Mエンディミオンの攻撃に弾かれて、倒れ伏す。
マーズ「うさぎ!」
   マーズ達が戦うが、Mエンディミオンの攻撃に傷ついていく。

セーラームーン「みんな……! 衛、ホントに、もう……」
   体を起こしたセーラームーンの手が、エンディミオンの剣にふれる。
セーラームーン「!」
衛の声「うさぎ――」
       ╳    ╳    ╳
   回想。
衛  「もしまた星を滅ぼそうとする奴が現れたらお前が倒すんだからな」
       ╳    ╳    ╳

セーラームーン「! 衛は、最初から、そのつもりで……」
   剣を見つめるセーラームーンだが――
セーラームーン「無理だよ! 出来るわけないじゃん!」
   地面を叩くセーラームーン。
   だが倒れるマーキュリー、ジュピター、マーズ。
セーラームーン「!」
衛の声「うさぎ、やるんだ――」
   セーラームーンは首を振る。

衛の声「うさぎ!」
   現れる衛のイメージ。
衛  「忘れたのか、俺達は星を滅ぼすわけにはいかない」
セーラームーン「だけど……!」
   Mエンディミオンの攻撃で、変身解除して倒れていく亜美、まこと、レイ――
セーラームーン「亜美ちゃん、レイちゃん……まこちゃん!」
衛  「仲間を、この星を守れ」
   倒れた亜美達に、Mエンディミオンがなおも攻撃を加えようとする。

セーラームーン「だめ!」
   思わず立ち上がっているセーラームーンをMエンディミオンが見る。
セーラームーン「どうして……!」
   セーラームーンが涙をぬぐいながら剣に手を伸ばす。
セーラームーン「ひどいよ、もう我慢しなくていいって言ったじゃん……」
   握りしめる剣。
セーラームーン「明日から、好きなだけ会えるって言ったじゃない!」
   Mエンディミオンがうさぎの方へ歩いてくる。
   セーラームーンが剣を持って歩き出す。
   それに気づく亜美。

亜 美「うさぎちゃん、ダメ! 今のうさぎちゃんには耐えられないよ! 壊れちゃうよ……」
   止めようとするが、動けない。
   レイ、まことも同様。
レ イ「うさぎ……」
   セーラームーンはMエンディミオンに向かって歩き続ける。
セーラームーン「衛……」
       ╳    ╳    ╳

   フラッシュ。
   衛とのデート
       ╳    ╳    ╳
セーラームーン「……私達、最初から……」
   周囲にMエンディミオンの攻撃が弾ける。
   セーラームーンが剣を握る手に、幻の衛の手が重なる。
美奈子の声「星の運命を変えて」
   セーラームーンの目から涙がこぼれる。

   同時に剣が光る。
   Mエンディミオンが、再び剣を振り下ろそうとする。
セーラームーン「衛……」
       ╳    ╳    ╳
   フラッシュ。
   海岸に座る二人。
       ╳    ╳    ╳
セーラームーン「衛!」

まこと「やめろー!」
   セーラームーンの剣がMエンディミオンを貫いて――

つづく