実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第180回】DVD第2巻:Act.5の巻(その7)


この前の【第176回】のコメント欄で、カシオペアさんの指摘をきっかけに話題になった「亜美のカバンの持ち方」についての続報。よく見りゃこのAct.5のモチーフとして繰り返し登場する三人の写真では、亜美は「肘から下げる」ではなくて、ちゃんと肩にカバンをかけている。この写真、たぶんAct.3で、うさぎが亜美と話しながら、すれ違いざまにレイとぶつかるシーンの時に撮影したものではないかと思う。Act.3本編でも、この場面での亜美は学校のカバンを肩からかけている。またAct.4の冒頭、池袋西口公園でもそう。つまり田崎監督や舞原監督は「肘からカバンをさげる」亜美のスタイルに意識的であったが、高丸監督は当初そのへんのディティールに無頓着で、そのため浜千咲も、うっかり素の肩掛けスタイルで演じてしまったのではないだろうか。
さてレビューの方は、「本当の友達になるため」のレッスン1、うさぎちゃんやみんなに元気よく「おはよう」を言う、という課題を、亜美がなんとかこなせたところまででした。次のレッスンは、抜き打ちテストにブーイング、みんなと一緒にお弁当、そしてわざと赤点を取って一緒に居残り掃除。つまり「ただ、友達と笑い合い、語り合い、そして助け合う」というトンプソン先生のアドバイスどおり、クラスのみんなと行動を共にして、仲間になることだ。

1. 月曜日の学校


さて、なぜか黒板に「塵も積もれば山となる」と書かれた教室。有名なコトワザを英語で表現するとどうなるか、なんて授業でもやっていたのだろうか。ちなみに手もとの英和辞典ではMany a little makes a mickle.(塵も積もれば山となる)という文面が出てくるが、同じような英語の言い回しは他にもあるらしい。

桜田先生「とつぜんですが、小テスト。赤点とった人が、今日の掃除当番で〜す」

なんと月曜日の朝から抜き打ち試験である。って、そんな日付は画面のどこにも出てこない。でも前日は、みんな午前中から私服でクラウンに集合していた。だからこれが、日曜日か祭日の次の日の出来事であることは間違いない。そして2年1組の時間割(詳しくはここ)を見てみると、月曜日の1時間目は英語だ。やはり月曜の可能性が高いように思う。

でも桜田先生も、週の初めの朝一番に試験をやって、ほかのクラスの授業もこなしながら、その日のうちに30人分の採点を終えて、放課後には赤点=居残り掃除の人を発表しなければならないのだから大変だ。あんがい教育熱心な人なのかも知れないね。が、そんな先生の生徒を思う心(推定)が通じるわけもなく、クラス中、大ブーイングだ。亜美がそっと見やると、みんなが右手をあげて「ブー・ブー・ブー」とやっている中、うさぎだけは舞原監督の指示で、わざわざ亜美に見えやすいように左手をあげている(笑)。おずおずと参加する亜美。
で、次の場面は一気にお昼休みまで飛ぶが、たぶん亜美のことだから、実際にはその間もクラスメートと「本当の友達になる」ための努力を、いろいろしたんじゃないかなと思う。2年1組の月曜日の時間割は、次のようになっている。

1時間目:英語
2時間目:社会
3時間目:体育
4時間目:理科
5時間目:国語
6時間目:数学

この中で気になるのは、3時間目の体育だ。いや別に私は、うさぎや亜美やなるの体操服姿が見たかったわけじゃないよ。それはAct.29の黒木ミオとのバレー対抗戦で見られる。ジャージだったけど(何を期待しているんだ)。ただ、体育だと教室に座っているだけの授業とは違うから、たとえば準備体操で誰かとペアを組んだりしたときも、亜美は同級生とうち解けるために、また何か、涙ぐましい努力をしたんじゃないかな、と思うんだ。
そして昼休みは「お邪魔しま〜す」と、うさぎたちのお弁当グループに積極的に参加する。このお弁当シーンで気になるのは、亜美よりもむしろうさぎのフォークですね。次のAct.6でもそうだが、お弁当の場面では、なるやカナミやモモコはお箸なのに、うさぎはいつもフォークである。以前、月野家の食生活は日本の家庭にしてはかなり変わっていると書いたことがある。Act.29なんか、夕食なのに主食がロールパンだ。非常に欧米的な食卓で、だからうさぎは箸を使うのが苦手なのかも知れない。
そして放課後、みんなと一緒に赤点を取って居残り掃除。

うさぎ「まさか亜美ちゃんが赤点取るなんてね。信じらんない」
亜 美「たまにはね」
うさぎ「ねえ、このあと私ん家で、なるちゃんとパジャマパーティーするんだけど、亜美ちゃんも来ない?あ、塾、忙しい?」
亜 美「え、今日……うん、行く!」
うさぎ「ホント?やったあ!」

これまでAct.5のことを書くたびに、わりとうさぎの立場を擁護してきた私であるが、このあたりのけなげな亜美を見ていると、うさぎもうさぎで、もう少し察してやれよな、毎日のように塾があることくらい、知っているはずじゃないか、と思う。亜美の笑顔が可愛いだけに、よけい可哀想に思えてしまいますね。

2. 右利き? 左利き?


うさぎはそんな亜美の積極的な姿が嬉しくて、そのことをどうしてもレイに知らせたくって、火川神社に飛んでいく。レイは境内をホウキで掃いていて、うさぎはなぜか巨大なポップコーンを抱えている。ハニーキャラメル味。最近ひろみんみんむしさんが指摘されていたように、次回Act.6では、なぜかクラウンでえびせんをかじっているし、これもなんか変だね。今後は、特に舞原賢三監督が担当される回の「うさぎのスナック」にも注意してみたい。
うさぎは、単に亜美のことを報告したかっただけではなく、あわよくばレイちゃんにもパジャマパーティーに来てもらおう、と思っていたようだが、美奈子のMDを借りるだけのことすら拒否したレイである、そう簡単にはいかない。

レ イ「え?亜美ちゃんが?」
うさぎ「うん。なんかすごい積極的で、お弁当も一緒に食べたんだよ」
レ イ「ほんとに?」
うさぎ「でさでさでさ、今日パジャマパーティすることになったんだけど、レイちゃんも来ない?」
レ イ「うさぎの学校の子が集まるんでしょ。どうして私が」
うさぎ「友達増えた方が楽しいじゃん」
レ イ「増えればいいってもんじゃないわよ。亜美ちゃんだってそうだと思うけど」
うさぎ「だから、亜美ちゃん変わったんだって。これでなるちゃんたちとも仲良くなったら、もっと楽しくなりそう」

うさぎの話を聞いて、亜美のことがちょっと心配になってくるレイ。クールでフラットなお芝居の中に、そんなわずかな心の動きが感じられて、私はこういう場面の北川さんの方が、泣き叫んだりするような場面よりも好きだ。

ただ、竹箒で境内を掃いている動作がなんとなく変なのね。いちおう画像を出してみたが、これは分りにくいと思う。ホウキの持ち方とか掃く動作がぎこちなくて、子供の頃からこの神社にいてこの仕事をやり慣れている巫女には、とても見えないのだ。
まあこれは、北川景子さんが実生活でそんな経験をしたことがなかったせいでもあろうが、しかしたんに「ホウキで掃除をする仕草」として見ても、言葉にできない微妙な異和感がある。
これは私だけの感じ方かも知れない。でも、こういっちゃ何だけど、北川さんの動きって、いつも何かしら、見終わった後に奇妙な後味を残すんだ。たとえばダンス。『キラリ☆スーパーライブ』は言うに及ばず、『Dear Friends』の黄川田君とのダンスも、セクシーとかそういう以前に変。苦手ってこともあるかも知れないが、それだけじゃなくてビミョーに変、って感じ。お分かりいただけますか。
私はその理由を、彼女の「さばモグ」な体質にあると考えていた。何をやるにしても、なんか妙なところに力が入り過ぎてしまうっていう。でも、これについて、最近ちょっと別の角度から考えてみた。
とつぜん私事で恐縮ですが、私はときどき、誰かと一緒に話していて、不意に「ああ、さっきからなんかおかしい、不思議だ、と思っていたけど、分かったよ、あなた左利きなんだ」と言われることがある。そうです私は左利きなんです。しかしそんなことわざわざ説明したりはしません。それに気づかない間、相手の方は「何かこいつ、動きや仕草が普通じゃないんだが、なんだろう」みたいな、漠然とした異和感を感じるらしいんですね。
私の場合、もうはっきりと左利きで、字を書くのも箸を持つのも包丁を持つのも左手で、パソコンのマウスも、いやマウスは使わないのでトラックボールだが、それもキーボードの左側に置いてある。だからすぐに気づいてもらえる。しかし左利きというのは子供のころ矯正されるのだ。私もそうだ。だから字だったら右手でも書ける。箸やスプーンは、小学生前半まで右手で持たされていたが、ちっとも食事が進まないし給食も食べられないので、最後は親があきらめた。でも世の中にはきちんと右手に矯正されている方々も多い。しかし本来が左利きなので、ところどころ普通の人と動きや持ち方が逆だったりする。こういう人の場合、あれ、なんか変だな、と思っても、なかなか気づかれないらしい。

さて、北川景子さんが右利きであることは、あの「さばモグ」を持ち出すまでもなく明らかだ。ただときどき変なところがある。たとえば他のみんなは右手でテレティアSを持っているのに、彼女だけ左手とかね(左:Act.17、右:Act.6)。

あるいは、Act.29冒頭、ダーク・マーキュリーだった亜美ちゃんのお帰りなさいパーティー。くす玉が割られ、パーンとクラッカーを鳴らすうさぎとレイとまこと。だけどレイだけがなぜか持ち方が逆なのである。右手にクラッカーを持ち、左手でヒモを引いているんですね。

こういうところに、北川景子が「少女時代に右利きに矯正された左利き」であった可能性、あるいは、本人も自覚していない潜在的左利きである可能性が示唆されているように思うのだ。
そしてそう考えると、彼女の「変」のあれこれに、それなりの説明がつけられそうに思う。たとえば「さばモグ」。『モップガール』第1話でも豪快に見せてくれたが、あれは右手で箸が上手に使えなくて、なかなか食事が進まないところから出てきたアイデアで、一度にできるだけいっぱい食べ物を挟んで口に放り込む、ということなのだと思う。そう思いませんか左利きのみなさん。

それから『太陽と海の教室』第8話のとんでもない通話ポーズ。織田裕二先生から連絡が入り、生徒が二人ボートで沖へ出て、いまのところ無事を確認したが予断は許されない、という緊迫した状況である。実際、そのうち一人は死んでしまうのだから、ここは思いっきりシリアスでなくてはいけない。ふつうだと、こう、心配げに両手で電話を包み込む、みたいな芝居がセオリーではないか。なのに副担任の北川先生は、新喜劇のようなキメキメのポーズである。だから生徒たちの視線が「オマエ何様?」にしか見えない。
これはどういうことかというと、北川さんは画面構成の都合で右手で携帯を取ることになったんだけど、そうするといつも使っている左手が手持ちぶさたで、どこへどうやっていいのかわからなくなった。あげく腰に手を当てて、こんな事態になってしまったというふうに解釈しておきたい。それにしてもすごいポーズだよ。Nakoさんも驚いていた。
いや北川景子はもっと自然にできるはずなのだ。モップガールでは、第1話のあたりでは左手で携帯をもっていたが、最終回の第10話では両刀使いになっていた。どっちも別に不自然ではない。特に父親の本田博太郎に電話をするシーンは、右手がけだが、別に『太陽と海』みたいなトンデモな事態にはなっていなくて、ホロリとさせられた。こうなるとやはり、役者をその気にさせる脚本と演出の差である。

まあいずれにせよ、こういうところに、北川さんの「変」が現れるのではないか、というのが私の新たな仮説だが、何しろ北川景子さんについては情報が多すぎて、最近ほとんどフォローできてないしな。どこかのインタビューでもう「私、子供のころは左利きだったんです、テヘッ」とか言ってたりして。それだとこの検証はほとんど意味がないことになる。
ま、とにかく私もよく分からない。みなさんのご意見ご感想をお待ちしております。



【補遺】コメント欄でNakoさんからご指摘いただいたAct.42のかき氷の映像を追加します。確かにレイちゃんは左手でスプーンを持っています。


【さらに補遺】私がこの日の記事を書いて三ヶ月ほどたってから、北川さんはご自身のブログで、「先天的な利き腕が左」であると明言されている。「北川景子」「左利き」のキーワード検索でここに来る方も多いようなので、北川ブログにもリンクを貼っておきます(ここ)。

3. そしてダーク・キングダム



亜美の心配を裏付けるように、亜美は家の台所にたたずんでいる。塾をさぼって、うさぎちゃんちのパジャマパーティーに行く約束をしてしまった。ひょっとして本当は、帰ってママに「ママ、今日だけは大事な友達との用事があるから、塾を休ませて」と言おうと決意し、ドキドキしながら早めに帰宅したのかもしれない。けれどももうママは夜勤に出てしまっていた。しかも間の悪いことに「模擬テスト頑張って!」のメッセージが。
昨日の朝に目ざめて、朝ご飯の準備をしていたときは、このホワイトボードを通じてママとのコミュニケーションは完璧にとれている、とさえ思えたのに、いまのホワイトボードは、亜美の気持ちなんかまったく伝えてくれないただの板きれになってしまった。失意のうちにママのメッセージを消す亜美。夕方ということもあって、台所全体が、アバンの時の白い明るさとは対照的にたそがれまくっている。
で、やはりアバンの時と同様に、鏡の前で眼鏡ケースを開くと、静かに水の効果音が流れ出す。結局この家にあるもので、亜美の心に寄り添ってくれるのは、水槽の水の音だけなのだ。
一方、ダーク・キングダム。

ネフ吉「ベリル様、また幻の銀水晶らしきものの情報が」
ベリル「ネフライト、わらわの欲しいものはらしきものではない。幻の銀水晶それそのもの」
ネフ吉「分かっております。急ぎ確かめ、本物であれば必ずお手もとに」
ベリル「そうなればお前に望むものすべてを与えよう」
ネフ吉「私の欲しいものはベリル様、ただお一人」

にんまり微笑むベリルだが、これはネフライトの答えに満足したのとはちょっと違うと思う。ジェダイトだったら、ひたすらひれ伏して忠誠を誓うだけだった。ところがネフは「私の欲しいものはベリル様」などと大それたことを言うのである。ベリルの微笑みは「ほう、銀水晶を手に入れられぬくせに、わらわを欲しいとは、身のほど知らずなやつ。さて、こやつどうしてくれようか」というサディスティックな微笑みだ。結局ベリルに最も残酷な仕打ちを受けるネフライト。彼はまずここでつまづいたのだ。
といったあたりで、いやーようやくAパート終了。今回はここまで。